2020年7月 9日 (木)

Dariush Safvatのセタール

今日の動画はクルド音楽ではなく、ペルシア音楽です。関連動画で見つけて大喜びした一本です。ダリウーシュ・サフヴァト(1928 ~2013) は、イラン音楽保存普及センター第一世代の重要音楽家ですが、意外に録音が少なく、コンピレーションにあった位だと思います。セタールとサントゥールをアボルハサン・サバーなどに学んだ両方の楽器の名手で、その鮮明な動画を見れる有難い一本です。しかも個人的に大好きなバヤーテ・エスファハン。晩年の演奏かと思いますが、大変に味わい深い独奏です。

Setar Improvisation on Bayat-e-Esfahan

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2020年7月 8日 (水)

放送でかけたMotreb-e-Mahtab Ro

これが放送でかけたCDと同じ音源のMotreb-e-Mahtab Roです。一昨日のVHSの演奏では、前半のテーマが終わった後でカイホスロー・プールナーゼリーのタンブール伴奏でナーゼリーが絶品のアーヴァーズを聞かせ、後半ではアリ・アクバル・モラディの超絶タンブール独奏がありました。この映像を残したくて、ワカメになる寸前のビデオをデジタル化した記憶があります(笑)
CDと同じ今日の音源では、それぞれのソロはありませんが、クルド・マカームに徹した熱い演奏に終始しています。ルーミーの神秘主義詩を具体化したこの曲は、初めて聞いて25年ほど経ちますが、忘れられない曲です。2007年にAvaz-e-Bisotunから再発されていて、この画像はそのジャケットのようです。ローマ字表記の綴りはmotreb-e-mahtab roとmotreb-e mahtab rouの両方が見られます。

Motreb-e-Mahtab Ro

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2020年7月 6日 (月)

Motrebe Mahtab Rou(月の顔の楽士)

ゼアミdeワールド215回目の放送、日曜夜10時にありました。8日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。動画は下記のVHSと同じ映像です。

クルドの音楽の4回目です。今回は4年前のこの番組の放送開始から間もない頃にかけたシャハラーム・ナーゼリーのMotrebe Mahtab Rou(月の顔の楽士?)を再度取り上げたいと思います。どの曲かは分かりませんが、やはりクルド・マカームのヴァリエーションと取れるのかも知れません。4年前は15分枠でしたから、どの曲も抜粋でしたが、今回は17分近い1曲目「Motrebe Mahtab Rou」は丸々かけられます。「月の顔の楽士」と言う訳が正しいかどうか、この音源は欧米盤が出てなくて、イラン盤のみですので、よく分かりませんが、カセットで出た時に「月の顔の楽士」がタンブールを構えたジャケットだったのだけは確かです。Motrebと言うのは、ストリートの辻楽師にも用いられるよく知られたペルシア語の言葉です。

この曲はクルドで用いられる弦楽器タンブールの合奏から始まりますが、これぞクルド・マカームの響きという感じがします。前回も言いましたが、クルド・マカームとは旋法であると同時に、様々な祭礼に演奏されるレパートリー自体も指します。タンブールの奏法は独特でフラメンコのラスゲアードを逆回しするようなストロークが目を引きます。タンブール奏者は5人前後で、90年代に出たVHSにも出ていたカイホスロー・プールナーゼリーやアリ・アクバル・モラディは名を連ねていると思います。

<1 Shahram Nazeri / Motrebe Mahtab Rou ~Motrebe Mahtab Rou 16分58秒>

Shahram Nazeri & Rumi Iranian Music


前々回カーブーキをかけましたキングのワールドルーツミュージックライブラリーの「シャハラーム・ナーゼリーの芸術」のライナーノーツの拙稿からも少しご紹介します。

イラン西部のクルディスタンの中心地の一つ、ケルマンシャーで1950年に生まれる。音楽家の家庭に育ち、幼少より音楽と文学を学び始める。 1971年頃からアブドゥッラー・ダヴァーミ(Vo)、ヌール・アリ・ボルーマンド(Tar,Setar)、マームード・キャリーミ(Vo)、アフマッド・エバーディー(Setar)と言った、錚々たる顔ぶれのペルシア古典音楽の巨匠たちに学ぶ。1974年には初めてジャラール・ッディン・ルーミー(モウラヴィー)の詩に独自の解釈を施して披露。1976年には古典音楽のコンクールで優勝。ペルシア古典声楽家としての地位を固めながらも、作曲を通してイランのスーフィー音楽によりラディカルに向き合うようになり、その後自身のルーツであるクルドの音楽を取り入れた作品を発表するようになる。現在のイラン古典声楽界では、同じく男性歌手のシャジャリアンと並び称される名歌手。繊細極まりないペルシアの古典音楽と、熱情的なクルド音楽と、どちらにおいてもトップの座に君臨するカリスマ的な存在である。
 クルド音楽へ目を向け始めてからは、スーフィー詩の極致とも言えるルーミーの神秘主義詩に大きなウェイトを置いた上で、クルド・マカーム志向をも見せるようになる。こうしてイラン革命前の伝統にはなかった彼独自のスタイルを確立した。ルーミーの神秘主義詩に見られる情熱を吹き込んで、古典音楽に新しい動きを加えたというのが、筆者が<東京の夏>音楽祭の公演の合間にインタビューした際、ナーゼリー本人から聞いた言葉だった。先述したように、クルド・マカームには「イラン系民族文化の古層」が現れていると言えるが、テキストにはスーフィー文学の華であるルーミーの詩を持ってくることで、より広くまた熱狂的な聴衆の支持を得る事に成功した。タンブール名人であるアリ・アクバル・モラディやアリー・レザー・フェイゼバシプールと組むことで、それがより大きく花開いたことも事実だろう。

Motrebe Mahtab Rouは、2,3,4曲目もそれぞれ10分以上ありまして、いずれも甲乙つけがたいのですが尻切れトンボになってしまいますので、大体放送枠に入りそうなラストを飾っている7分弱の5曲目、Gol va kharを聞きながら今回はお別れです。この曲はアリ・アクバル・モラディの「ヤルサンのマカーム儀礼」4枚組の4枚目に入っているGol Va Khakと綴りがそっくりで、もしかしたら同じ曲かも知れません。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 Shahram Nazeri / Motrebe Mahtab Rou ~Gol va khar 6分43秒>

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2020年7月 3日 (金)

タンブールの巨匠 アリ・アクバル・モラディ

エラーヒはさすがに映像はyoutubeにはアップされてないと思いますが、モラディは1957年生まれなので(私と5つ違い)、夥しい数の映像を見れます。二人の息子との演奏が一本目、二本目はクルド・マカームではなくタイトルにラディーフとある通り女性歌手Bahar Movahedとのペルシア音楽で、クルド音楽ではない彼の演奏は余り記憶がないので新鮮です。ペルシア音楽の12のダストガーの内のバヤーテ・コルドにはクルドの音楽の、バヤーテ・トルクにはトルコ系(トルクメン?)の音楽の名残があると思いますので、それぞれ比較考証の余地はあるかと思います。バヤーテの元のベイトは、「詩」または「歌」のような意味です。(今はそれぞれシャアルとタラネーと言うことが多いのでベイトは古語でしょうか?) 放送でかけたサハリーのモラディのタンブール演奏があったら良かったのですが、なさそうなので、同じイネディの音源を3本目に上げておきます。(以下放送原稿を再度)

ナーゼリーとも共演しているタンブールの名人アリ・アクバル・モラディの仏Ineditの4枚組「ヤルサンのマカーム儀礼」を見ると、クルド・マカームには70曲以上のレパートリーがありますが、この中にはジェロシャーヒが見当たりませんでした。日本のタンブール奏者のKさんを通して曲名を聞くことの多いサハリーという曲を代わりにかけておきます。この盤についてのゼアミHPでのコメントを引用します。

11世紀に生まれたヤルサンのタンブールを用いた儀礼音楽を収めた初のアルバム。ヤルサンはアフレハック(Ahl-e Haqq: "People of the Truth")としても知られ、イスラーム以前の古代ペルシアの信仰に起源があると言われるクルディスタンに多く見られる宗教(クルド人口の3~10%)。モラディはイラン西部ケルマンシャー出身のクルドのタンブールの巨匠。4枚にわたって秘教ヤルサンのマカーム儀礼を収録したイネディならではの注目作で、特に往年の大巨匠エラーヒや最近のシャーラム・ナゼリの音楽に感動した方は要チェックです。

Distant Harmonies: Virtual Concert with Ali Akbar Moradi and Sons


Classical music from Iran Great masters of the radif Ali Akbar Moradi, Bahar Movahed


Sahari

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2020年7月 2日 (木)

5弦タンブールによるジェロシャーヒ

同じオスタッド・エラーヒのジェロシャーヒですが、Five-Stringed Tanburとありますので、5弦タンブールということのようです。何人かで弾いているように聞こえますが、5人のタンブール奏者と言うことではないと思います。タンブールは通常2本の同じ音に合わせた演奏弦と、ドローン弦の計3本の2コースで、演奏弦とドローンの間隔はおそらく4度で、5度ではなかったと思います。この録音は先にアップルミュージックで見つけましたが、2019年リリースなのにまだインフォを見た記憶がありませんので、問い合わせてみます。5弦でのジェロシャーヒは、響きが複雑になり、より迫力のある演奏になっているように思いました。どういう弦の構成になっているのか気になります。

Jelo Shâhi Suite on the Five-Stringed Tanbur

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