2019年10月18日 (金)

アカ・ギュンデュズ・クトバイとネジデト・ヤシャル

ネイのアカ・ギュンデュズ・クトバイと、タンブールのネジデト・ヤシャルが共演した貴重な映像がありました。1974年と言うことで、残念ながらウルヴィ・エルグネルの姿はありませんが。右手奥がアカ・ギュンデュズ・クトバイ、その前がネジデト・ヤシャル、左の手前がドーアン・エルギン、奥のタンブールがアブディ・ジョシュクンです。これはお宝映像と言って良いのでは。西洋のクラシックでもそうですが、最近の演奏とは何かが違うように思います。アカ・ギュンデュズ・クトバイが、ピーター・ブルック監督の作ったロシア(現在はアルメニア)の神秘思想家グルジェフの伝記映画「注目すべき人々との出会い」に出たのが、1979年。その5年前です。実に美しい演奏です。

Ney ve Tanbur ile Saz Eserleri - Aka Gündüz Kutbay, Doğan Ergin, Necdet Yaşar ve Abdi Coşkun

曲目

Hicaz Peşrev - Katip Çelebi

Bayati Ayin-i Şerifi, 1. Selam (Terennüm) - Mustafa Dede

Bayati Ayin-i Şerifi, 3. Selam (İlk Terennüm) - Mustafa Dede

Bayati Ayin-i Şerifi, 3. Selam (İkinci Terennüm) - Mustafa Dede

Bayati Ayin-i Şerifi, 3. Selam (Son Terennüm) - Mustafa Dede

Bayati Ayin-i Şerifi, 3. Selam (Üçüncü Terennüm) - Mustafa Dede

Karcığar Ayin-i Şerifi, 2. Selam (Terennüm) - Bolahenk Nuri Bey

Nühüft Ayin-i Şerifi, Son Yürük Semai - Eyyubi Hüseyin Dede

Segah Saz Semaisi - Nayi Osman Dede

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2019年10月16日 (水)

トルコのネイ クツィ・エルグネルの路

ウルヴィ・エルグネルは1974年に亡くなっているので、ネイのタクシーム(即興)の音源はありますが、さすがに動画はないようです。トルコのネイはこんな笛ということで、息子のクドゥシ・エルグネルの名演を上げておきます。FBで繋がっているので迂闊なことは書けないのですが(笑)、彼の名前の表記は、90年頃はクツィと聞くことが多かったのですが、その後クドゥシが多くなっています。クツィという発音も聞きますが、どちらがあっているのでしょうか? この動画の「ヨル」と言うのは、昔のトルコ映画にもありましたが、「路」であっているのだろうと思います。PIERRE RIGOPOULOSのイランのトンバクとダフなどの伴奏です。実はイランのネイは持っていますが、トルコのネイのように歌口がなく、真鍮の筒を嵌めたただの筒なので、容易に音は出ませんが、トルコのネイは少し鳴り易そうにも見えます。

YOL - Sufî by Kudsi Erguner

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2019年10月14日 (月)

ウルヴィ・エルグネルのアル・スール盤

ゼアミdeワールド182回目の放送、日曜夜にありました。16日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。動画は今回Gazi Giray Hanのマーフールのペシュレヴのみにしました。やはりウルヴィ・エルグネルでは見当たらないので、比較的似た演奏で上げておきました。

今回からトルコの伝統音楽を聞いて行きたいと思います。トルコの伝統音楽は、大きく分けて、ペルシア・アラブの優れた伝統を受け継いだオスマン朝時代の古典音楽と、これまで聞いてきました中央アジアのテュルク(トルコ)系諸民族とも繋がるアシュク(吟遊詩人)のサズ弾き語りなどの民俗音楽、スーフィー(イスラーム神秘主義)の音楽では旋回舞踏で有名なメヴレヴィー教団の音楽などがあります。

トルコの音楽と言えば、おそらく向田邦子原作のTVドラマ「阿修羅のごとく」に使われたオスマンの軍楽や、江利チエミが1954年に日本語で歌ったイスタンブール民謡のウスクダラが最も有名かと思いますが、その前に、まずは個人的に一番好きなトルコ古典音楽の盤で、1992年にフランスのAl Surからリリースされたネイ奏者ウルヴィ・エルグネル・アンサンブルによるオスマン宮廷音楽のEnderunという盤からご紹介したいと思います。ネイとは、葦で出来た長い縦笛で、ペルシアの大詩人ジャラールッディン・ルーミーが神秘主義詩の中で読み、メヴレヴィー教団を興して以来、スーフィーの音楽で最も重要な楽器とされています。アル・スールのメーカー自体活動停止してしまいましたので、現在はおそらく入手不可で、アップルミュージックなどストリーミングでも聞けないようです。

ウルヴィ・エルグネルは、メヴレヴィー音楽やオスマン古典音楽の現代最高のネイ奏者の一人であるクドゥシ・エルグネルの父で、この演奏には有名なネイ奏者アカ・ギュンデュズ・クトバイやタンブール奏者のネジデト・ヤシャルも参加しています。ウルヴィ・エルグネルは、1924年生まれ1974年没ですから、録音は晩年でしょうか。若き日の息子クドゥシ・エルグネルもメンバーにいるのではと思います。この盤の解説はクドゥシ・エルグネルです。アルバムタイトルになっているエンデルンとは、オスマン宮廷の中に作られた学校で、そこではスルタンお抱えの楽師や詩人、神学者、歴史家、書家などが活躍していたそうです。

「パクス・ロマーナ」(ローマの平和)にちなんだ「パクス・オトマニカ」 (Pax Ottomanica)を連想させる、太平のオスマン時代を思わせる大らかなマカーム・マーフールのペシュレヴ(器楽合奏の前奏曲)からおかけします。

<1 Makam Mahur: I. Pesrev 3分6秒>

Mahur Peşrev- Gazi Giray Han


この曲は、現在はロシア領のクリミア半島出身で、チンギス・ハーンの末裔と言われるGazi Giray Han(ガズィ・ギレイ・ハーン)の作曲です。クリミア・ハン国は16世紀頃はオスマン帝国の属国で、彼はクリミアの12代目ハーンでしたが、勇敢な戦士であるだけでなく偉大な作曲家としても知られ、色々な楽器を演奏し、アラビア語、ペルシア語、オスマン語など多言語で詩も残しています。Mutlu Torunのウード教本にも入っているこのマーフール旋法の明るく親しみやすいペシュレヴは、作曲されたのが16世紀ということでオスマン音楽の中でもかなり古い曲ですが、長らく口承で伝えられ、ウルヴィ・エルグネルが記譜したとのことです。

この盤にはマーフール、ペンジガー、ラストという3つのマカームの演奏が合計19曲で入っていますが、6曲のマカーム・マーフールを続けて聞いて行きます。2曲目には更に古い14、15世紀のアブドゥルカディル・メーラギが書いたとされるMakam Mahur: II. Karが続きます。男性のコーラスと、ネイ、タンブール、ウード、カーヌーンなどの器楽合奏は穏やかな表情を持った音楽で、トルコ帽と白く長い衣装に身を包んで旋回舞踏する、メヴレヴィーのセマーの儀礼を髣髴とさせる感じもあります。

<2 Makam Mahur: II. Kar 6分32秒>

マーフール旋法の6曲で大体24分ですので、続きの4曲を聞きながら今回はお別れです。続けて聞くことで、オスマン音楽の大らかで洗練された深い表情が味わえると思います。III. Agir Semai(作者不詳)、IV. Ney Taksim(アカ・ギュンデュズ・クトバイによるネイのタクシーム=即興)、V. Yuruk Semai(エブベキル・アア作)、VI. Saz Semaisi(再びガズィ・ギレイ・ハーン作)と続きます。多分6曲目の途中までになると思いますが。それぞれの用語については、また追々解説を入れたいと思いますが、サズ・セマーイだけ説明しておきますと、弦楽器のサズとは関係なく、3+2+2+3の10拍子の楽曲形式です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<3 Makam Mahur: III. Agir Semai 3分>

<4 Makam Mahur: IV. Ney Taksim 53秒>

<5 Makam Mahur: V. Yuruk Semai 5分5秒>

<6 Makam Mahur: VI. Saz Semaisi 5分23秒>

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2019年10月10日 (木)

ケティックのモルゲンラント音楽祭のライブ

ケティックのドライエルガイド盤の録音は2010年と2012年でしたが、2014年のモルゲンラント音楽祭のライブ映像がありました。最初に出てくるのが、ドラン・ムカームをテーマにした同名曲で、放送では番組の最後に少しだけかけて終わりました。CDと同じで、このインパクトの強い曲をライブの最初に持ってきているのかなと思いました。87分の映像の中には、例の3曲の内、何曲か出てきますし、カザフの倍音唱法を披露する部分、ドタールなどの民族楽器の演奏など、放送でかけられなかった音源が色々と出てきます。
2本目はCDで共演していた女性歌手かどうか不明ですが、タリム(労働者の歌)のライブ映像で、ピパの伴奏付きです。
3本目は、ドラン・ムカームの楽師たちがパリを訪れた際の映像。イネディ盤の録音の際の映像でしょうか? 音楽同様、味のある叔父さん達です。バックの音楽はケティックのドラン・ムカームです。

Perhat Khaliq`s Qetiq live at Morgenland Festival Osnabrück 2014

Qetiq - Tarim (concert)

Dolan in Paris (Dolan Muqam group from Mekit) Music Perhat Khaliq (Qetiq)

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2019年10月 9日 (水)

Qetiqの沁みる歌

ウイグルのロックバンド、ケティックの「タクラマカン砂漠からのロック Rock from Taklamakan Desert」は、もちろん沁みる曲だけでなく、ストレートなロックの方が多いのですが、それだけに奇数番号に入った例の3曲の哀愁が際立ちます。リーダーのぺルハト・ハリクの作曲のTughulghan kunum(私の誕生日)はケティックでは見当たらず他の歌手でありましたが、Tarim(労働者の歌)はケティックの演奏でありました。Iskender Seypullaの作曲、Malike Ziyavudun作詞で、タリム川に沿って出稼ぎに出た世代の、故郷を思う歌とのことでした。カザフ族のアック・バヤンも良かったですが、このタリムとTughulghan kunumも堪らないものがあります。タリムは放送ではフェイドアウトになってしまいましたので、今回はフルで。

Qetiq - Tarim

Adil --- Tughulghan Künüm { Uyghur Guitar Song }

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