2020年12月 3日 (木)

Karpathos / The land and it's music

クレタとロードスの間の細長い島、カルパトスについては、最高の一本が見つかりました。伝統音楽の演奏が間近で見られること、婚礼の風景、伝統衣装と人々の表情も確認出来て、伝統音楽が現在も息づいているのが手に取るように分かります。9分過ぎに出てくる歌は、放送で最初にかけたキング盤1曲目のMonemvassia :カルパトス島の酒飲み歌です。モネムヴァシア・ワインを薦めるこの歌は、カルパトスでは南部にのみ見られ、祝いの宴は食事の後、この歌で始められ、即興で対唱歌を歌って、最後はダンスになるそうです。放送ではかけませんでしたが、ツァンブーナ(ギリシアのバグパイプ)も頻繁に出てきます。リラ、ラウート、ツァンブーナのトリオが一般的です。個人的な印象ですが、ラウートの掻き鳴らしは、まるで琵琶を掻き鳴らしているように見えて、視覚的にも大変刺激的です。20年余り前に売り切れて入手し損なったブダ盤に入っていた曲が何だったか、とても気になります。

Karpathos / The land and it's music

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2020年12月 2日 (水)

クラリネット、ヴァイオリン、ラウート他のギリシア音楽

これは島嶼部ではなくギリシア本土の音楽になると思いますが、雄弁なクラリネットと、リラの代わりにヴァイオリンが入り、ラウートと枠太鼓と言う編成で見事な演奏を聞かせます。同じメンバーでアカペラの歌も聞かせます。Κομπανία Βέρδη(コンパニア・ヴェルディ)で検索すると彼らのフェイスブックページが出てきました。クラリネットが入ると、どちらかと言えば北ギリシア風に聞こえ、アカペラの歌は地中海~バルカンのポリフォニーとビザンツが混じって感じられます。

 

♫ Το Αλάτι της Γης «Κομπανία Βέρδη - Πωγώνι, Δερόπολη» 29/11/2020

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2020年11月30日 (月)

カルパトスとロードスから

ゼアミdeワールド236回目の放送、日曜夜10時にありました。2日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。ペントザリスと言えばクレタでしょ?と言うことなのですが、カルパトスとロードスから始めました。動画にはキングとアルバトロスと同じ音源はないと思いますので、ペントザリスではなくスースタですが、カルパトスのリラとラウートの激しいデュオを一本上げておきました。こんなに両楽器がよく見える映像は、意外になさそうです。

sousta karpathos

ギリシアの17回目になります。今回からエーゲ海の島ごとを中心にギリシアの地方音楽に移ろうと思います。キングのワールドルーツミュージックライブラリー150枚の一枚、「神々の宴~ギリシアの民族音楽」をベースにする予定ですが、この盤はエーゲ海だけでなく北部のエピルス地方やマケドニア、トラキア、更には黒海沿岸のトルコ北東部のギリシア人居住地区のポントスまで、非常に広域の音楽が入っています。イタリアのアルバトロス30選には、クレタ島、ドデカネス諸島、キプロス、ギリシア北部の4枚がありますので、これらと組み合わせていく予定です。
まずはクレタ島とトルコの間に点在するドデカネス諸島の音楽から見ていきます。エーゲ海と言えば、青い海と高台の白い建物のサントリーニ島の風景を真っ先にイメージする人が多いかと思いますが、サントリーニ島はギリシア本土に近いキクラデス諸島の島で、キクラデス諸島の音源はキングの盤のシルトスとナクソス島のバロスの2曲位で、意外に少ないです。ドデカネス諸島は、その南東方向に位置する列島です。ドデカネスとはギリシア語で「12の島」を意味しますが、実際には主要12島のほか約150の小島が含まれます。
個人的にはエーゲ海の音楽では、クレタ島のリラとラウートの激しい掛け合いが最も好みですが、かなり似通った音楽がクレタと東のロードス島の間に位置するカルパトス島でも聞けますので、キング盤の最初の2曲を続けておかけします。

<1 Monemvassia :カルパトス島の酒飲み歌 2分29秒>
<2 Maritsa's Tune :カルパトス島のカト・コロス・ダンス 2分57秒>

カルパトスだけの音源が、フランスのブダからありましたが、20年ほど前に廃盤になってしまったようです。イタリアのアルバトロス30選のドデカネス諸島の盤にはカルパトスは5曲入っていますので、その中からクレタ島起源で「5つのステップ」を意味する舞曲ペントザリスと、パノ・コロスを続けておかけします。ヴァイオリンで代用されず擦弦楽器リラが活躍するところは、クレタ音楽と共通しています。ラウートのかき鳴らしもそっくりです。ラウートとは、フレットのあるウードのような弦楽器で、ウードとリュートの中間のような楽器です。

<11 ペントザリス 2分21秒>
<15 パノ・コロス 4分9秒>

トルコに近いロードス島の音源はアルバトロス盤に3曲入っています。ロードスと言うと、日本では男性化粧品のイメージが強いかも知れませんが、古代にはギリシアの文明が花開き、中世以降はイスラム世界に対してキリスト教世界の最前線に位置し、十字軍以降は聖ヨハネ騎士団ゆかりの島として知られています。前回言いましたようにセファルディも住んでいたようです。
ドデカネス諸島を代表する舞踊スーストの中でも、特に知られているのがこの明るいスースタと言う曲です。

<8 スースタ 3分18秒>

次の打弦楽器サントゥーリで独奏されるアマネス ケ・ジンベキコスと言う曲は、タイトルからギリシアのアマーンとトルコの8分の9拍子のゼイベクを連想させる曲で、ロードスだけでなくドデカネス全域でよく演奏されるそうです。

<9 アマネス ケ・ジンベキコス 2分31秒>

ドデカネス諸島には、他に「医学の父」ヒポクラテスの出生地であるコス島、使徒ヨハネが『ヨハネの黙示録』を記したとされるパトモス島などがありますが、このアルバトロス盤には他にコス島、シミ島、ニシロス島の音源が入っています。
コス島の音源は5曲も入っていて、この盤の冒頭を飾っているアンティマヒティコス シガノスを時間まで聞きながら今回はお別れです。通常結婚式で踊られる舞曲とのことです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 アンティマヒティコス シガノス 5分2秒>

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2020年11月27日 (金)

ナニ・ナニ

ナニ・ナニもサヴィナ・ヤナトゥの生映像がありました。セファルディの歌の哀切さと、オスマン的な微細な音の動きが重なって聞き取れます。エキゾチックなヒジャーズ旋法はユダヤの歌にもぴったり。伴奏しているカーヌーンのような楽器は、ギリシアのカノナキだと思います。残った一曲、モレニカのライブ映像はなさそうです。(以下放送原稿を再度)

オスマン帝国に住んでいたセファルディの子守歌で、エキゾチックなヒジャーズ旋法の曲です。妻が子供を寝かしつけながら、愛人のところから帰ってきた夫をなじっている部分があるとのことです。

Savina Yannatou - Nani Nani

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2020年11月26日 (木)

サヴィナ・ヤナトゥ&サロニカの春のライブ映像

今日はサヴィナ・ヤナトゥ&サロニカの春の生映像を3本、Los Bilbilicos、Tres Hermanicas Eran、Una Matica de Rudaの順です。放送での解説文を再度添えておきます。今回調べていてロス・ビルビリコスがペルシアのBolbolから来ていたというのが、個人的には一番の収穫でした。うかつにも今まで気付いてなかったので。この曲のイメージが変わりました。

Savina Yannatou - Los Bilbilicos

ロス・ビルビリコスという曲は、ペルシア語のBolbolに似た綴りにピンとくる人もいらっしゃるのではと思いますが、ナイチンゲール(小夜鳴鳥)のことで、Global Villageから2枚セファルディの歌のCDを出していたジュディ・フランケルの解説では、この歌をギリシアのロードス島出身のセファルディの婦人の歌で聞いたとありました。一聴で忘れられない印象を覚えるセファルディらしい歌です。

Savina Yannatou - Tres Hermanicas Eran

セファルディの歌の名盤であるホアキン・ディアスやジュディ・フランケルのCDにも入っていたトレ・ゼルマニカス・エラン(三姉妹、あるいは3人の妹)という曲は、ジュディ・フランケルはスペインで聞いたそうですが、やはり歌詞の中にギリシアのロードス島が出て来ます。これも非常に美しい曲ですが、ジュディ・フランケルの方と旋律が異なっていますので、二人の音源を続けてかけてみます。歌詞はどちらもイサーク・レヴィの「ユダヤ・スペインの歌」から取られています。

Savina Yannatou - UNA MATICA DE RUDA (Sephardi song - 12th c. Spain)

ウナ・マティカ・デ・ルーダ(ヘンルーダの一株)は、有名な婚礼のロマンセで、ロマンセというのは、セファルディの歌では物語り歌を指し、叙事詩、バラッドなどの四行詩を同じ旋律を繰り返しながら歌うジャンルです。ヘンルーダとは芸香(うんこう)のことで、セファルディの言い伝えでは新婚夫婦に吉をもたらすものとされています。

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