2020年1月17日 (金)

「注目すべき人々との出会い」でのAka Gündüz Kutbay

トルコ・シリーズなのにイランのネイばかり紹介していました。トルコのアカギュンデュズ・クトバイですが、ピーター・ブルックの映画「注目すべき人々との出会い」に出ていました。20世紀ロシア(現在はアルメニア)の神秘思想家グルジェフの伝記映画で、誰が巨岩を共鳴させるか各地の語り部が争う前半の一種の「歌合戦」のシーンが強く印象に残っています。優勝するホーミー歌手のほか、セタール弾き語り、ヤイリ・タンブール(立てて弓奏するタンブール)演奏、トルコのネイは若き日のクドゥシ・エルグネルと、若くして亡くなった名手アカ・ギュンデュズ・クトバイは、おそらく亡くなる直前の出演だったと思います。プラヤ盤のラスト旋法を思い出させる吹奏でした。彼が子羊を抱いていたので、優勝者は姿を見せないホーミー歌手ではなく、アカギュンデュズだったのでしょうか? 余談ですが、イディッシュ・ソングの名歌手ベン・ズィメットらしき人も出ていましたが、彼が歌っていたのは、ユダヤではなくアルメニアの歌に聞こえました。

Evcara Ney Taksimi - Aka Gündüz Kutbay

| | コメント (0)

2020年1月16日 (木)

ムーサヴィーとキャサイー

今日の1本目もハッサン・キャサイーで検索して出てきましたが、この人は彼の弟子のモハンマド・ムーサヴィー・シューシタリーだと思います。年老いたキャサイーは心配そうに?客席で見守っています。4分過ぎにムーサヴィーがトンバク奏者に一瞬見せる厳しい表情が気になります。トンバク落とせ、のサインでしょうか? ムーサヴィーも素晴らしいネイ奏者で、パリサーなど現代の名人との共演もたくさんあります。2本目はキャサイーのネイ独奏。何でこんな音が出せるのか、本当にいつまでも見ていたい位、素晴らしいです。

1384.wmv


Ney: Hassan Kassai

| | コメント (0)

2020年1月15日 (水)

ハッサン・キャサイーのダストガー・シュール

無いと思っていたハッサン・キャサイーのダストガー・シュールのyoutubeがありました! この演奏を初めて聞いたのは、1980年の柘植元一氏のNHKFM「世界の民族音楽」でした。確かイランから帰られてすぐの放送だったように記憶しています。まだ当時の録音カセットを持っていて、ペルシア古典音楽2回に加えて、イランの地方の民謡、流行歌までありました。各番組のトップにキャサイーのシュールとマーフールが当てられていました。何度も書いていますが、この放送と70年代のユネスココレクションのLPでアスガール・バハーリーのケマンチェとホセイン・テヘラーニのトンバクを聞いたことが、民族音楽に向かわせる大きなきっかけになりました。当時は小泉文夫さんも盛んにTVやラジオに出ていました。

Hassan Kassai ~ Dastgah-e Shour (1973) [Iran]

| | コメント (0)

2020年1月13日 (月)

ネイの聞き比べ イランとトルコ

ゼアミdeワールド195回目の放送、日曜夜にありました。15日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。キャサイーのプラヤと同じ音源はなさそうですので、今日は彼の生映像を上げておきます。旋法は同じシュールだと思います。アカ・ギュンデュズはまた後日。

正月の定番曲「春の海」に続いてとなると、どうしても詫び寂び感が欲しい気がしますので、最近回っているトルコ音楽なら、やはり尺八に似た音色のネイだと思います。トルコの12回目は、トルコとイランのネイの聞き比べをしたいと思います。トルコの初回に言いました通り、ネイとは、葦で出来た長い縦笛で、ペルシアの大詩人ジャラールッディン・ルーミーが神秘主義詩の中で読み、メヴレヴィー教団を興して以来、スーフィーの音楽で最も重要な楽器とされています。

まずは、イランのネイの名人ハッサン・キャサイーのプラヤ盤について、音楽之友社から2002年に出た「世界の民族音楽ディスクガイド」に書いた拙稿を読み上げます。

ネイは葦で出来ていて、吹き口は切ったままの状態に真鍮の筒をはめた、極めてシンプルな縦笛。構えは大概髭で見えにくいが、歯の隙間と舌を有効に利用している模様。トルコのネイと似ているが吹き口が違う。丸い筒のままなので、音を出すだけでも至難の技。そしてこのシンプルさが手伝って、イランではとてつもない名人芸が生まれた。この盤はイスファハーンの往年の巨匠の唯一のまとまった録音。苦悩のパッションを描き出すシュールと、雨後の虹のように美しく晴れやかなマーフールの対照的な組み合わせがまた良い。拍節のある部分では一部トンバク(ザルブ)伴奏が入る。現代のネイの名手にはこの人の影響を受けた奏者が非常に多い。余りに凄演!
 

それでは、シュール旋法のピシュダルアーマドと、チャハールメズラブ、ケレシュメを続けておかけします。片面太鼓トンバクの伴奏は、ジャハンギール・ベヘシュティです。

<1 Hassan Kassa'i / Le Ney Pishdaramad-shahnaz tshahamezrab 3分3秒>

<2 Hassan Kassa'i / Le Ney Kereshme,kutsh-bagh, hosseini, hazin 6分12秒>

Ostad Hasan Kasaie


ハッサン・キャサイーのマーフール旋法の一部も少しだけおかけしておきます。

<6 Hassan Kassa'i / Le Ney Safi-name,saghi-name,beste-negar,tasalsol 2分余り抜粋>

次にトルコのネイですが、前に一曲かけました往年の名人アカ・ギュンデュズ・クトバイの、プラヤサウンドから90年代に出ていた独奏盤から、前にNihaventをかけましたので、13分のラスト旋法のタクシームを時間まで聞きながら今回はお別れです。明るいイメージのあるラスト旋法ですが、年末にかけたミュニール・ヌーレッティン・セルチュクの大曲のように、いかようにも変容する奥深い旋法のように思います。変調する旋法として、Segah, Mustear, Beyati, Saba, Ussakが上がっています。因みに、今日の2枚はプラヤサウンドの活動停止のため、いずれも現在は入手不可の盤です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 AKA Gunduz Kutbay / Le Ney - Rast 13分10秒>

| | コメント (0)

2020年1月10日 (金)

Gazzelloni

フルートのガッゼローニと言えば、ジャズの鬼才エリック・ドルフィーのフルートの師匠としても知られ、ドルフィーのアルバムOut to LunchにGazzelloniと言うオマージュ曲が入っていたことを真っ先に思い出します。そのガッゼローニが宮城道雄の「春の海」を入れていたというのは、新鮮な驚きがありました。(と言う話を3年前にも書いたかも知れません。ダブっていたら済みません。)

ガッゼローニはヴィヴァルディのフルート協奏曲など古典的な曲も入れていますが、何よりも現代音楽の演奏家として有名で、ルチアーノ・ベリオ、ピエール・ブーレーズ、ブルーノ・マデルナ、ストラヴィンスキーなど錚々たる大御所達から献呈された作品を初演。エドガー・ヴァレーズの《密度21.5》を普及させ、ダルムシュタット夏季現代音楽講習会での活躍により、フルート教師としても著名でした。

しかし「春の海」と現代音楽とドルフィー。何と奇抜な組み合わせでしょうか。ドルフィーは師匠よりずっと早くに、若くして亡くなりますが、ガッゼローニはその後70年代にジャズに近づいたこともあったようです。

Eric Dolphy - Gazzelloni


Berio Sequenza per Flauto solo - Gazzelloni

| | コメント (0)

«都山流尺八の「春の海」