« カザルスの1番 | トップページ | 奄美民謡ネットラジオ »

2007年9月27日 (木)

鶯の声

 一昨日の「鳥の歌」で思い出しましたが(というか、呼応していますがw)、ペルシア古典声楽と言えば、この技は紹介しておかなければいけません。
タハリールと言われる、表と裏の声を交錯させる唱法で、ちょっとヨーデルに似た非常に難しいヴォーカル・テクニックです。数年前に、奄美の女性歌手Rikkiがイランや台湾などを訪れ、イランでは本場のタハリールを聞く番組がありました。相手の歌手は大御所のシャジャリアン。ペルシアの詩集をおもむろに書棚から取り出し、即興で歌っていましたが、その歌声の素晴らしさと声量には本当に驚かされました。リッキさん、奄美のコブシとの類似性にも驚いていたようです。

Golpa & Hayede - Bazm

70年代の映像でしょう。女性歌手ハイェーデと男性歌手ゴルパの二重唱。彼は往年の巨匠ヌールアリ・ボルーマンドの秘蔵子だったようです。バックはサントゥール2台、ウード、ケマンチェ(弓奏楽器)、トンバク。時代を反映してか、何となくサロン的な雰囲気。ハイェーデの声の、ぞくぞくするような魅力も凄いものがあります。
※このビデオは元のテープが手元にあります。売るほど確保できなかったのですが、これは今ではかなり稀少なものかも知れません。

Akbar Golpa yegani

息の長い超絶のタハリールを聞かせた往年の名歌手ゴルパ(イェガニ)のイメージ・ビデオ。意外に演奏シーンの良い物がないもので、とりあえず。

Shajarian+Alizadeh+Kalhor (Bam Earthquake Concert)

こちらは、2003年末にイランのバムで起きた大地震の犠牲者を追悼するコンサートのライヴ。ダストガー・マーフールの晴れやかで威厳に満ちたメロディがとても素晴らしいタスニーフ(歌曲のようなもの)です。
演奏は、先述したペルシア古典声楽界の大物シャジャリアンと、2度来日歴もあるタール&セタールの巨匠ホセイン・アリザーデ、去年来日した弓奏楽器キャマンチェのカイハン・キャルホール、シャジャリアンの息子のトンバク奏者ホマーユン・シャジャリアン。
このマーフール旋法の一曲は、特にイラン人の琴線に触れるタスニーフの一つのようで、犠牲者への思いとオーヴァーラップし、涙を流す聴衆が何人も見えます。

世界的な民族音楽学者の故・小泉文夫氏が「世界で最も美しい歌」と賞賛したペルシア古典声楽の片鱗を味わっていただけたら幸いです。

※参考までに95年に私がある雑誌に書いた記事へのリンクを貼っておきます。
12年前ですので、大分情報が古くなってますが。 (うちのHPの会報の所にあります)
http://homepage1.nifty.com/zeami/kaihou.persia.html

(本稿は、地元のSNS、イマソウにアップしていた記事の転載)

|

« カザルスの1番 | トップページ | 奄美民謡ネットラジオ »

ペルシア音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 鶯の声:

« カザルスの1番 | トップページ | 奄美民謡ネットラジオ »