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2007年9月17日 (月)

ホラサーンの名歌手スィマ・ビナ


Simabinadastandvd  

 イラン北東部のホラサーン地方はアフガニスタンとトルクメニスタンに接し、面積は日本の8割余りある巨大な州。「王書」のフィルドゥースィーを初めとして、ルーミーやハイヤームなど、中世イランの大詩人を生み出した土地としても知られ、現代イランの大歌手シャジャリアンもホラサーンの首都マシュハドの出身。
 このようにイラン文化の揺籃の地の一つであったホラサーンに生まれた女性歌手スィマ・ビナは、大御所ダヴァーミ等に師事してペルシア古典声楽を学んだ。何枚かのCDでも見事な歌声を披露しているが、イラン革命の年(1979年)から民謡の方に焦点を絞って活動してきたようだ。特に彼女の故郷ホラサーンの民謡では、もはや大御所と言っても良いのではないだろうか。故郷は遠きにありて想うもの、だろうか、女性であるが故に著しく活動が制限されるイランを離れ、ヨーロッパに活動拠点を置いた彼女は、美しく力強い故郷の歌を欧米各地で聞かせてきた。
 そしてホラサーンの民謡を大々的に取り上げた5枚が最近Fars Mediaから登場した。
これだけホラサーン民謡で固めて、しかも女性歌手で出るのは初めてだろう。ドター
ル弾き語りの渋い吟遊詩人ものはかなり出ていたが、女性歌手の彩り豊かな歌声で聞
けるのは嬉しい。ホラサーンの音楽はイラン東部と言う土地柄、トルクメニスタンや
アフガニスタン、その他の中央アジア各地の音楽との繋がりも強く感じさせる。大体
ドタールと言う楽器自体、中央アジア的だ。2弦とは思えない超絶技巧には、只々驚
かされる。
 彼女の音源は、これまでにもBudaから南北のホラサーン民謡アルバムが各1枚、
CALTEXなどカリフォルニアのイラン系レーベルから数枚、Nimbusからはネイのホセイ
ン・オムミ他と共演したペルシア古典作品、更にこれは未確認だがタールのモハメド・
レザ・ロトフィとの共演盤もある模様。Taranehの放送録音Golhaye Tazehシリーズに
も70年代のものと思われる音源があった。Fars Mediaからの5枚は、それらとは別音
源。彼女の華々しい活動に拍手を送りたい。

またまた古いですが、Pop Biz Free Paper: Doo Bee Doo Bee Doo #03より転載した拙稿です。

CDの紹介ページ↓

http://homepage1.nifty.com/zeami/m-iran.html#Anchor954800

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