« ゴリラ | トップページ | 通行人 »

2007年10月 1日 (月)

娼婦の嘆き唄

今日もブラッサンスで、第3弾。 ブラッサンスにはこんな歌もあります。
生涯パリの下町に住み、アナーキーな生き方をした彼らしいテーマ。
辛い仕事に携わる女性たちへの温かいまなざしを感じます。
江戸系浄瑠璃の新内(しんない)とかにも通じるものがありそう。
対比に、と思いましたが、youtubeは見当たらず。

Complainte des Filles de Joie

 娼婦の嘆き唄     La complainte des filles de joie 1962

   ブルジョア野郎のろくでなしらが(二回)
   浮かれ女などと呼んでくれるが(二回)
   伊達で笑っている訳じゃない
   そうよ浮かれている訳じゃない
   伊達で笑っている訳じゃない

   街の女は足が元手と(二回)
   客を漁って街うろつけば(二回)
   足にゃこたえる客にゃあぶれる
   そうよそうとも客にゃあぶれる
   足にゃこたえる客にゃあぶれる

   まめに歩けば足たここさえ(二回)
   足まめこさえてまだその上(二回)
   靴のすりへる事と言ったら
   そうよそうともまだその上に
   靴のすりへる事と言ったら

   客のなかにも色々あって(二回)
   湯にも入らぬ男も居るが(二回)
   それでも色気は売らねばならぬ
   そうともそうとも売らねばならぬ 
   それでも色気は売らねばならぬ

   ほんの束の間手を添えてやる(二回)
   第七天国タダではないが(二回)
   盗みゃしないよビタ一文も
   そうともそうともビタ一文も
   盗みゃしないよビタ一文も

   世間の人らにゃ後指さされ(二回)
   お巡りさんらにゃ突き飛ばされて(二回)
   怖い病気にゃ怯えっぱなし
   そうともそうとも怯えっぱなし
   怖い病気にゃ怯えっぱなし

   一生好いたの惚れたの言うて(二回)
   日に二十回抱かれていても(二回) 
   嫁にゆくなど夢のまた夢
   そうともそうとも夢のまた夢
   嫁に行くなど夢のまた夢    

   ちょいと兄さん淋病持ちかい(二回)
   哀れなヴィーナス笑うでないよ(二回) 
   落ちるとこまで落ちゃ下はない
   そうともそうとも落ちゃ下はない
   落ちるとこまで落ちゃ下はない

   あんたがいちゃつくその相方が(二回)
   あんたのお袋さんじゃないのは(二回)
   めぐり合わせさ、ただそれだけさ
   そうともそうとも、ただそれだけさ
   めぐり合わせさ、ただそれだけさ 

 『娼婦の嘆き唄』はいわゆる嘆き唄そのものではなく、いわば拡大された嘆き唄である。ラルースによれれば嘆き唄とは悲劇的なあるいは敬虔な主題の俗謡とある。このシャンソンは冒頭の<ブルジョア野郎の食わせ物らが>という詩句からして、古ぼけた水切り籠みたいにのっけからどこもかも軋みっぱなしである。サン・ドニ通りのこの現場検証は文章構成のお手本と言ってもいい。微笑みを装っていたブラッサンスの同情が、突如爆発して拳をふりかざす。<あんたのお袋さんじゃないのはめぐり合わせさただそれだけさ>と。    解説:ルネ・ファレ

(注)
・「ラルース」 古くから定評のあるフランスの百科事典。何種類もの版が出ている。
・「サン・ドニ」 パリ北郊の古い町。サン・ドニ僧院で有名だが街娼とヒモの多いことでも有名。

訳詩とルネ・ファレ氏の解説はジョルジュ・ブラッサンス全集より
解説はいかにも本場のフランス人らしい視点。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~k_ogawa/

(本稿は、地元のSNS、イマソウにアップしていた記事の転載)

|

« ゴリラ | トップページ | 通行人 »

シャンソン」カテゴリの記事

コメント

歌詞の言葉は、乱暴にも聞こえるが、
街に立つ、女たちの胸のうちを思うと、
なんか、泣かせるねぇ~~(涙)

…せつないね。。。

投稿: ナムナム | 2007年10月 1日 (月) 17時49分

>ナムナムさん
ブラッサンスのマイ・フェイヴァリット・ナンバーの一つです。
「古ぼけた水切り籠みたい」というのがぴったりくる投げやりな歌詞が良い。
ついつい新内や藤圭子の歌とかを思い出してしまいます。

投稿: Homayun | 2007年10月 1日 (月) 21時56分

聴いてみたんだけどぉ、
なんか、ウィスキーのCMみたいな曲だねぇ^^

投稿: ナムナム | 2007年10月 2日 (火) 17時58分

確かに、われわれの世代は、サントリー(ニッカ?)・ウイスキーのCMを思い出してしまうかもw  雰囲気的に。髭のニッカ、みたいなw
でもあれはアメリカの歌手でしょうか。

投稿: Homayun | 2007年10月 3日 (水) 00時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 娼婦の嘆き唄:

« ゴリラ | トップページ | 通行人 »