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2007年10月25日 (木)

最近のアリザーデさん1

往年のペルシア音楽の名手を特集していましたが、いつの間にかそれました。
しばらく、現代の名手ホセイン・アリザーデさんの最近の作品を追ってみましょう。
Raze No(「新しい秘密」の意)は2004年の来日公演で披露された曲で、女性歌手アフサーネ・ラッサーイーと男性歌手プーリア・アハヴァス他4人の歌手を中心に、「タハリール合 戦」を繰り広げるかのような集団即興がユニークな作品でした。ハムアーヴァーイー(「声をあRazeno わせて歌う」というような意味)とは「アーヴァーズ」からの造 語。ヒント は西洋古典のポリフォニックな歌唱にもあったようですが、単にハーモニー化することなくイラン版ポリフォニーのように聞こえる斬新さを感じさせた曲です。この曲は98年にCDリリースされていて、イランの内外で高く評価され、アリザーデの創造性がいかんなく発揮された名盤でした。

以下はラーゼ・ノウではありませんが、同じハムアーヴァーヤン・アンサンブルとしての今年、2007年のライヴです。ベルリンとオランダのユトレヒトでの映像。中央のアリザーデさんの左に座っているプーリア・アハヴァスさん(右はアフサーネさん)、東イランのバルチスタンでよく用いられる擦弦楽器ゲイチャクを弾きながら歌っています。パキスタンのサーリンダなどに似た、8の字型の胴が特徴的です。右端のケマンチェとロバーブ奏者の二人はアリザーデさんの息子さん。お二人には頑張って欲しいですね。
この映像を見て思うのは、セタール奏者を置いて本人はシュルアンギズを弾いていること、ゲイチャク、ロバーブのような東イランの楽器が目立つことなど、興味深いポイントだと思います。ハラジさんのトンバクも東っぽいかも。

Hamavayan Ensemble in Berlin 2007

Hamavayan Ensemble-Hossein Alizadeh

Hossein Alizadeh, shuranghiz
Afsaneh Rassai, vocals
Madjid Khaladj, tombak & daf
Ali Boustan, setar
Pouria Akhavas, vocals
Nima Alizadeh, robab
Saba Alizadeh, kamancheh

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コメント

2004年、「東京の夏」でのAlizadehさんの公演、日本にいなかったため残念なことに聴けなかったのですが、「ラーゼ・ノウ」は、彼の作品の中で一番気に入って聴いているもののひとつです。
そして、先月のAlizadehさんの公演で一番印象に残ったのが、息子さんのキャマーンチェの演奏でした。
また、Homayunさんも書かれていますが、バルーチの楽器が古典音楽に使用されていた点に、とても感銘を受けました。
YouTube映像が観られなくて、本当に残念!

投稿: elly | 2007年10月26日 (金) 00時08分

ellyさん
イランから書き込み有難うございます。
バルチスタンといえば、今話題になっていますね。危険な所のようですが、音楽はパキスタンとも似てきて、エネルギッシュで魅力的です。アラビアン・ナイトでも、あの辺りが舞台の話が多かったような気がします。

2004年の「ラーゼ・ノウ」は、浜離宮朝日ホールとロバハウスと、両方見に行きました。前者の大ステージも良かったのですが、ロバハウスの葡萄貯蔵庫のようなすり鉢型の舞台の雰囲気と音響が最高でした。PAなしでしたので、生音で聞けました。雨が降ってなければ、もう少し演奏時間が長ければ、というのが少し残念でした。トンバクは湿気でボスボスでしたw しかし、生で聞くラーゼ・ノウは、とにかく素晴らしかったですよ。

あの時は、マイミクのWiさん、Kobさん(共に略してますがw)と3人で、金魚の糞のようにアリザーデさん御一行に付いて回っていました。懐かしいです(T_T) アリザーデさん、凄くユーモラスで気さくな方で、本当に楽しい3日間を過ごしました。お別れが悲しかったほどw セタール奏者のKさんともあの時初めてお話ししました。
息子さん二人には、これから頑張って欲しいですね。

投稿: Homayun | 2007年10月26日 (金) 00時29分

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