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2007年10月 2日 (火)

通行人

今日のブラッサンス、ボードレールの「悪の華」の中の「通り過ぎる女」にも似た、アントワーヌ・ポル作の詩に付けられたシャンソンです。詩に対して少々映像は刺激的かも知れませんが。 このビデオ、フランスの放送局で放送されたもののようです。

Georges Brassens - Les passantes

Georges Brassens - Les passantes

2つ目は同曲のライヴ・ヴァージョン。白いジャケットの人はマフィア役なんかで出ていたリノ・ヴァンチュラか? ベースの弓弾きもしみじみとして良いですね。日本人は「神田川」を連想してしまうかも知れませんが。
しかし、ブラッサンスがまた渋くてカッコイイですね。ブラッサンスは、フランス人の「生まれ変わったらなりたい人」のベスト1だったとか。

通行人   

この詩を捧げたい
神聖なしばしの瞬間
愛される全ての女に
知り合ったかと思うと
異なる運命が運び去って
二度と会うことのない女に

窓辺に束の間
現れては
たちまち姿を消した女
でもそのすらりとした姿が
とても優美で華奢で
後々までも心喜ばせてくれる女に

旅の道連れの
その瞳が魅力的な景色となって
道のりを短く思わせ
解ってあげられるのはきっと僕だけなのに
手に触れることもないまま
降りて行った女に

既に誰かのものになって
およそ合わない人の傍らで
灰色の時を生き
徒らなことなのに 
どうしようもない未来の
メランコリーを垣間見せてくれた女に

一瞬見かけた愛しいイマージュ
空しく終わった或る日の希望
明日は忘れてしまってもいい
思い掛けぬ幸福が僅かでも訪れてくれるなら
通りすがりのエピソードを
滅多に思い出しはしないのだから

でも人生をやり損なうと
少しは本気に思ってみる
そうした束の間の幸せを
しないでしまった口付けを
今も自分を待っているはずの心を
二度と見なかった眼差しを

そして疲れた夜などに
追憶の幻で
孤独をふくらませながら
今はない唇を惜しむのだ
引き留めることの出来なかった
あのすべての女たちの

翻訳:油谷耕吉

(本稿は、地元のSNS、イマソウにアップしていた記事の転載)

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