クリミア・タタールの軍人作曲家
オスマン・トルコ音楽名曲選の第2弾は、長調系のマーフール旋法。この曲は、オスマン朝の長い太平の世を音で表現したらこんな感じかな、と思わせるゆったりと雅やかな調べです。現在はウクライナ領になっているクリミアで、こんな「オスマンな」曲が生まれたとは、ただただ驚き。(例のUd Metodに楽譜有り)
ガジ・ギレイ・ハーン(1554-1607)が書いたとても古い曲で、これまで何度か出てきたKudsi Ergunerの父Ulvi Erguner(1924-74)が、代々口承されてきたこの古いペシュレヴを、編曲&再生したようです。活動停止したレーベルAl Surの初期アイテムで出ていた彼のCDの冒頭を飾っていました。
Ensemble Ulvi Erguner / Enderun (Ottoman Court Music)
ガジ・ギレイ・ハーンは、クリミア半島にいたチンギス・ハーンの末裔のクリミア・ハーン王族出身の軍人兼作曲家。クリミア・ハーンは、キプチャク・ハーン国の分家に当たります。ロシアから見れば、所謂「ダッタン人」ということでしょう。現在もクリミア半島に少数民族として居住し、ウラル~ヴォルガ地方のタタール人とも近いのでしょう。
彼は、アラビア語、ペルシア語、Catagay語(アジア・トルコ語)、オスマン語で作詩、作曲し、たくさんの楽器を操り、カリグラファーとしても知られるインテリ君主だったようです。
クリミア・タタールについて (ウィキペディア)
Mahur Pesrevi - Gazi Giray Han
Didem Aydemir - Aydemir Tuncer
TRT-Gazi Giray Han'ın Mahur Peşrevi
http://www.youtube.com/watch?v=HwbNBfJ4Fo4
一本目は、長い棹のリュート系弦楽器タンブールと、擦弦楽器ケメンチェのデュエット。タンブールは、例の9分の1音を出すために、細かいフレットが数え切れないほど、びっしりあります。ケメンチェは、ケマンチェとは違って、指板から浮いた状態で発音しているようなので、独特な浮遊感のある音色が何物にも変えがたく特徴的です。クレタ島のリラやブルガリアのガドゥルカなどは、同系の楽器。
2本目はファスル(古典組曲)の前奏として演奏されているようです。出来たら合唱も聞きたいものですね。 埋め込み禁止のため、URLでアップしました。
| 固定リンク
「トルコ音楽」カテゴリの記事
- 古代ギリシアの竪琴リラと、オスマン・トルコのヤイリ・タンブール(2020.11.12)
- メリハット・ギュルセスの歌うレベティカ(2020.10.01)
- ラウクとウズン・ハワ(2020.07.31)
- アイヌール・ハシュハシュ(2020.07.29)
- トルコのスペイン系ユダヤ人の音楽(2020.06.01)


コメント