ロシアのチュルク系2~チュヴァシ
今日はアルタイ系2の予定でしたが、ブランチで表記した方が系統がはっきりするので、チュルク(トルコ)系2、としました。
チュヴァシ人の祖先は、中世にヴォルガ・ブルガール国を築いたトルコ系の遊牧民ブルガール人と考えられています。その名の通り、ブルガリアの国名の由来にもなっていますし、ユダヤのクレズマー音楽の形式の一つにこの名が見えるのは興味深いです(Odessa Bulgar等)。
ブルガール人の一派は7世紀に現在のブルガリアに侵攻し、スラヴ系の人々を支配下に置きましたが、少数派のブルガールは混血・同化し、ブルガリアが形成されて行きました。ヴォルガ・ブルガール国は、7~13世紀にヴォルガ河とカマ川の合流点に存在し、現在も大体その辺りにあります。タタールスタン、モルドヴィン、マリの間くらいです。
ヴォルガ・ブルガールは、支配者層がユダヤ教に改宗したことで有名なハザール国(7~10世紀)に一度滅ぼされた国ですが、ハザールの滅亡後、また勢力を盛り返したようです。トルコ系のハザール人は、アシュケナージ(東欧)系ユダヤ人の祖先説もあったりしますが、ハザールでユダヤ教に改宗したのは支配者層が中心で、一般住民はムスリムが多かったこと、ポーランド~リトアニアでのユダヤ人増加まで何世紀も開いていることなどから、懐疑論の見方が多いようです。私もそちらの意見です。若干はハザール遺民から東欧系ユダヤ人へも流れ込んだでしょうが。
さて前置きが長くなりましたが、そんなチュヴァシの踊りのビデオを2本。一本目は伝統的ですがロシア的、2本目はポップアレンジですがチュルク的です。
Chuvash dance / Căvash tasshi
Çuvaşça şarkı: Çiçek verecektim - Cecek parăttăm
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