北コーカサス1 アディゲ
今日からしばらく北コーカサスの音楽と舞踊を巡ります。南コーカサス(グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン)は、またたっぷりかける(かかる)予定です。
北コーカサスは、独立闘争と戦火の収まらないチェチェンを含むロシア連邦内の小共和国がひしめく所。語族で言えば、コーカサス諸語とチュルク系、イラン系がほとんどです。西からアディゲ、カラチャイ・チェルケス、カバルダ・バルカル、北オセチア、イングーシ、チェチェン、ダゲスタンの順で、イラン系は北オセチア(露鵬&白露山兄弟の故郷ウラジカフカスが首都)のみ、チュルク系はダゲスタンのカスピ海側、カラチャイとバルカル、他は大部分コーカサス系の人々のようです。グルジアもコーカサス系ですが、独立闘争の激しい北西部のアブハジアは、グルジアよりもアディゲやチェルケスとの繋がり(言語、伝統等)が深い所のようです。カラチャイ・チェルケスとカバルダ・バルカルでは、チュルク系とコーカサス系がそれぞれで半々に住んでいる点が興味深い点です。
北コーカサスは、
チェチェンと北オセチア以外、ほとんど情報の入ってこない地域ですが、舞踊は割と広く知られていて、中でもハチャトゥリアンがバレエ音楽「ガイーヌ」の中に取り入れたレズギンカは有名です。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスが近作で取り上げていました。レズギンカはダゲスタン生まれ説が強いですが諸説あります。コーカサス諸語は、インド・ヨーロッパ語族など周辺のいずれのグループにも入らない、独立した語族で、遠く離れたバスク語(スペイン・フランス国境)との共通性が指摘されたりしたこともありました。両者共に、印欧系が東からやってくる前からいる、欧州の原住民なのかも知れません。(詳細は地図をご覧下さい 2枚ともウィキペディアからのものです)
今日はまず一番西のアディゲの伝統舞踊から。イスラームの国らしいのですが、そんな感じが余りしない、古風で優雅な踊りです。youtubeビデオの多さに驚きましたし、その美しさには、しばし我を忘れてしまいましたw
Nalmes is dancing - Танцует Нальмэс (Налмэс Къашъо)
古いアディゲの踊りZafakに基づく振り付けの作品。ナルメスというアディゲの国立舞踊団の2005年黒海東岸のソチでの公演から。男性のカルパックと言われる帽子と、フェルトのマントは、いかにもコーカサスらしい出立ち。それにカイザー髭でしょうか、カッコイイです。
Uork Kafa - Уорк Къафа (Орк Къашъо)
ナルメスのソリストが演じる、古式ゆかしいアディゲの舞踊ウォルク・カファ。さみだれの様な早い8分の12拍子が特徴的。かき鳴らされる弦楽器は、グルジアのパンドゥーリに似た音色。動きがユニークでアルカイックな感じすらしますが、古風でとても美しいステージです。
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