シェイフ・ハマダ
コーカサス大特集の途中で、まだまだ続きますが、ちょっと寄り道します。
凄いビデオが見つかりました。アルジェリアのシェイフ・ハマダ、往年の貴重映像です。六本木WAVE4Fのストアデイズにいた頃(94年位)、Club du Disque Arabe(AAA)盤で聞いたことのある人でした。2本目のビデオにはそのジャケットが出ています。音源はこのCDからと思われます。
2004年に来日してエネルギッシュな歌声を聞かせてくれたのは、「ライのゴッドマザー」と言われる、シェイハ・リミティ(1923-2006)でしたが、シェイフ・ハマダ(1889-1968)はリミティより遥か前の人。ベドウィン伝統歌謡の風合いをそのまま感じさせる歌手です。この人辺りから伝統的なライの始まりと言えるようです。しかし、この音域の狭さ、インパクトの強さは只事ではありません。リミティは「ライの帝王」シェブ・ハレドの先生でしたが、ハマダさんwの弟子筋っているのでしょうか?
演奏は、縦笛ガスバ2本(左の人は何というアンブシュアーw)とハマダ自身の太鼓ゲラルの叩き語り。形は細長く、皮の緩んだ感じがベドウィン(アラブの遊牧民 アラビア語ではバダウィ)音楽らしく聞こえます。アルジェリアの知人によれば、こんな古い歌謡を聴きたがる人は、今はアルジェリアにはほとんどいないとのこと。外国人が、古い浪曲や説経節を聞きたがるようなものかも知れません。「物好きだね~」と言われながら、里帰りの時に、シェイフ・ハマダとKhlifi Ahmed(AAAの「サハラの音楽」に入っていた歌手。ライではなく純ベドウィン歌謡系)のCDを頼んで買ってきてもらいました。かなり探したそうです。
さすが現地盤で凄い内容でしたが、中身はCDRで音飛びには閉口しましたw
アルジェリアといえば、最近はラシッド・タハがカバーしてからダーマヌ・エル・ハラシのYah Rayahとかが世界的に流行っているようです。ハラシはジャンルで言えば、シャアビという歌謡になりますが(AAAから音源豊富)、中世スペイン伝来のアンダルシア音楽の影響を色濃く感じさせながら、ライとも共通する演歌的な内容のようです。シャアビですが、古い世代ではモハメド・エル・アンカも素晴らしい歌手でした。ウード弾き語りに近い編成でした。
知人によれば、男性はシャアビ、女性はライを好む傾向が強いようです。これは興味深い話だなと思いました。
Cheikh Hamada
Cheikh Hamada Father of what is now known as RAI
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