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2007年11月 5日 (月)

アルタイ系1~タタール1

今日からロシア連邦のアルタイ系民族の世界を巡ります。初回はチュルク(トルコ)系のタタールスタン。
バルトークとコダーイの音楽から入って、ハンガリー民謡のルーツを求めてヴォルガ河を巡っていましたので、その周辺のタタール、バシキール、チュヴァシだけにする予定でしたが、アゼルバイジャンとトゥヴァなどにも寄り道してみようと思います。中央アジアのトルコ系(ウズベク、カザフ、キルギス、トルクメン)まで入れるときりがないので、またの機会にします^^
2 青=アルタイ系、薄黄色=ウラル系、緑=インド・ヨーロッパ系、黄色=シナ・チベット系、オレンジ=セム・ハム系、赤=コーカサス諸語、ベージュ=古アジア諸語、臙脂=ドラヴィダ諸語
 「世界の言語」(大修館書店)より

アルタイ諸語の民族がいる所は地図の通り、ユーラシア大陸の北東部からトルコ共和国にかけて斜めに横断しています。現在のモンゴル以外はほとんど9割がトルコ系で、ツングースはバイカル湖周辺(ブリヤート族)と満州、シベリア(エヴェンキ族等)の一部位の少数派。
元々トルコ系の人たちはモンゴル高原にいたようです。トルコ系、モンゴル系、ツングース系のアルタイ系3本柱の諸族がモンゴル高原を舞台に離合・集散を繰り返していたそうです。トルコ人は現在では西洋人のような顔立ちの人が多いように思いますが、これはトルコ人が西進する過程で中東の各民族やビザンツ帝国(小アジア)のギリシア人、バルカン半島の民族等と混血した結果でしょう。元々はトゥヴァやサハ辺りの人々の身体的特徴に近かったのかも知れません。言葉の均質性が高く、現在のトルコ人と中国西部のウイグル人、ロシアのタタール人は、それぞれの言葉で話して通じるそうです。これは驚くべきことだと思います。
余談ですが、日本語や朝鮮語もアルタイ系に分類する説が昔は根強かったですが、結論は出ていないようです。その後、日本語のタミル語起源説などというのも出てきています。

参考文献:昨日上げた2冊以外では「アルタイ語のはなし」(池田哲郎著 大学書林)が、「ウラル語のはなし」と姉妹編でお薦め。

ロシアのタタールスタンは、モンゴル帝国の征西の結果できたキプチャク汗国の末裔が住む国。「タタール(韃靼)」という言葉は、元々はロシアから中国にかけてのトルコとモンゴル系諸族の総称でしたが、20世紀に入ってからはカザン・タタール(タタールスタンはカザンが首都)を指すようになりました。カザン方言から成立したタタール文語はカザン汗国だけでなく、クリミア汗国、アストラハン汗国、シベリア汗国の官庁語として使用され、超地域共通語として機能していましたが、ソ連成立後はアゼルバイジャン語、カザフ語、ウズベク語等に分断されたそうです。文字もアラビア文字からキリル(ロシア)文字に切り替わりました。

TNV Tatar Garmunçısı-01

タタールスタンのガルモン奏者の独奏。ガルモンはハルモニウムと同語源だと思います。ロシアの大型ボタン・アコーディオンのバヤンが小型になったような楽器で、音階は東洋的な5音音階。音楽といいアナウンサーのトルコ語(タタール語)といい、ここがロシアとは信じられません。再生後のリンクに出てくると思いますが、タタールはポップスもかなり盛り上がっているようです。日本人と見紛うアイドル?歌手もいました。

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