無伴奏チェロ組曲3番 Prelude
今日からは無伴奏チェロ組曲の第3番。
明朗かつ豪快な曲で、ヨーヨー・マが1番のプレリュードをポピュラーにするまでは、昔からチェロ組曲中一番有名な曲でした。
まずは最初のプレリュード(前奏曲)から。
ハ長調なので、下からド・ソ・レ・ラが開放弦のチェロの重低音を存分に活かせる曲です。
聞いていても弾いていても熱く燃えてくる曲です。
後半のソの低音を中心とするアルペジオ部分(オルゲルプンクト)では、左手指が4本では足りないので、親指が登場します。親指と小指は最大22センチくらい開き、初心者は皆こんなことさせるのか、とギョっとする難所です。最初は拷問のように思いますが、段々快感に変わってきます^^ お聞きの通り、演奏効果抜群のプレリュードですが、演奏者にはスタミナが要求される曲です。
無伴奏チェロ組曲は奥さんのアンナ・マグダレーナの写譜のみで、バッハ自身の自筆譜が残っていないので、昔から色々な解釈がありました。特に往年の演奏家(パブロ・カザルス、ピエール・フルニエ、ポール・トルトゥリエなど)では、所々ですが音の異なりがあって、聞いていてエアポケットに落ちたように驚くことがしばしば(2番や5番に多かったように思います)ありますが、3番では比較的少なかったと思います。カザルスやヨーヨー・マの全曲を持っている方が、一般的には多いかと思いますが、是非聞き比べてみてください。
Bach - Cello Suite No.3 i-Prelude
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