鶴 (Журавли)
今日は11月30日のダゲスタンの回でアップしました「鶴」のロシア語版を。
この哀切な歌の元になった詩を書いたのは、先日の記事の通り、ダゲスタンのアヴァール人民族詩人のラスール・ガムザトフでした。彼は1965年に来日した際に広島の原爆資料館を訪れ、その強い衝撃をモチーフにこの詩をアヴァール語で書いたそうです。
それをいつもコンビを組んでいたユダヤ系詩人のナウーム・グレーブニェフがロシア語に訳し、それを読んだ歌手のマルク・ベルネス(「暗い夜」(チョームナヤ・ノーチ)などで有名な映画スターでもあります)の依頼で、ユダヤ系作曲家のヤン・フレンケリが作曲し、1969年にヒットしました。日本にはダーク・ダックスが紹介しました。
このビデオはマルク・ベルネス自身の歌唱のようです。元コーカサスの歌で、ロシアでも知られるようになった歌には、他に「スリコ」(グルジア民謡)や「つばめ」(アルメニア民謡)があります。この2曲は元のメロディのままロシア語でも歌われています。いずれまたそれぞれアップしたいと思います。
参照文献:黒い瞳から百万本のバラまで~ロシア愛唱歌集 山之内重美著(東洋書店 ユーラシア・ブックレット)
Журавли(ジュラーヴリ) - Moscow Unknown Soviet Soldier Song
つる 山之内重美 訳詩
1.見上げる夕暮れの空に 白いつるの群れ
あれは遥かな戦さの地に 倒れ帰らぬ兵士(あなた)
ふるさとの空に抱かれ つばさ広げて飛ぶよ
大空高く呼ぶ声 いとしい人いずこ
2.空をゆく渡り鳥の群れとともに 私も
いつの日か飛び立つだろう この世の命終えて
ふるさとの空に抱かれ つばさ広げて飛ぶよ
大空高く呼ぶ声 いとしい人いずこ
あ・・・ 空をゆくつるよ
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