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2008年1月17日 (木)

バラライカとドンブラ

ロシアの代表的な楽器と言えば、まず何よりもバラライカです。今日はバラライカのソロやアンサンブルでよく演奏される「月は輝く」(一本目)を見てみましょう。演奏はAlex Siniavski(バラライカ)とMikhail Smirnov(ギター)。3弦の素朴な作りですが、多彩な名人芸が可能な奥の深い弦楽器です。後半の指をばらしてアップで弾く奏法は、イラン西部クルディスタンのタンブールの奏法を思い出させます。
バラライカは19世紀末までは農民の楽器として貴族階級などからは蔑視されていたようです。そこに「バラライカの父」と呼ばれるV.アンドリエフが登場して、多様な表現を可能にし、芸術的に高めました。彼は低音バラライカ(アルト、バス、コントラバス)を開発し、アンサンブル演奏を可能にしました。チャイコフスキーは1888年の歴史的なコンサートを見て、その音色の美しさを絶賛したそうです。
この楽器は古来漂泊の楽士たちから愛されていたようですが、何と起源は4世紀に遡るという説もあるようです。漂泊楽士は伝統的な器楽だけでなく、民謡や口承文芸などの様々なロシア文化のルーツを生み出してきた存在。前から薄々感じていたことですが、やはりこの楽器のルーツはカザフスタンのドンブラにあるようです。漂泊楽士たちはカザフから伝来した楽器を、自分たち用に改良してきたのでしょう。一方ツィターに似た弦楽器のグースリーはヴォルガ流域のウラル系民族にも愛好されてきたようですから、漂泊楽士はロシア人だけではなかったのかも知れません。いや、きっとそうでしょうね。ルーツのエピソードというのは、ロシアの場合もとりわけ興味深いものです。

RUSSIAN BALALAIKA DUO

Anatole, true maestro of the balalaika!
http://www.youtube.com/watch?v=HU7oqkJeItQ
こちらも素晴らしい独奏です。埋め込み禁止のためリンクでのアップ。

kazakh music

いずれカザフの音楽も巡る予定ですが、参考までに一本。カザフはチュルク系民族で、日本人に似た風貌の人も多いです。

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