バルバラ
昨日名前が出ましたので、今日は名歌手バルバラ(1930-97)のビデオを見てみましょう。寄り道は一応今日までの予定です^^
バルバラと言えば、日本ではシャンソン歌手クミコがカバーした「我が麗しき恋物語」で一番広く知られている人でしょう。 youtubeに往年の名唱が何本か出ていましたので、一挙にアップします。昔からのファンとしては、動くバルバラを見れて、ちょっと興奮してしまいました^^
いずれも、黒ずくめの衣装、モノクロ・フィルムなど、イメージ的にバルバラの世界を見事に表している映像だと思います。しかしこうして見るといかにもユダヤ系の面立ちですね。そのために戦時中は筆舌に尽くせない辛酸をなめたようで、しばしば歌の中でも歌われています。「私は朝から晩まで絶望している女ではない。黒い服は喪服ではない。」と繰り返していたようですが、過去の辛い体験が彼女の歌に暗い影を落としていることは間違いないようです。
最近1954年のブリュッセルでの無名時代の録音が登場しました。まだ「黒の美学」?が確立する前ですが、語るように歌う歌唱を聞くと、後のバルバラの歌の萌芽が見えると共に、やはりイヴェット・ギルベール(ロートレックの絵にも描かれた名歌手)など、往年の大歌手たちの流れを汲む人なんだなぁと改めて思いました。まだ蕾ではあるのでしょうが、若き日の瑞々しい歌声には、やはりファンとしてはとても感動しました。(近々HPにアップ予定)
※以下の曲目の解説では、LP「黒いワシ」の永田文夫氏の解説文と、蒲田耕二氏の近著「聴かせてよ、愛の歌を」を参照しました。
Barbara - Ma Plus Belle Histoire d'Amour 我が麗しき恋物語
初恋の思い出がしみじみと歌われる1966年の名歌。歌手と聴衆の関係を恋愛にたとえ、恋の相手は彼女の聴衆。よく知りませんが、クミコ版はテーマが少し違ったような・・・
Barbara - Göttingen パリとゲッティンゲン
バルバラのピアノ弾き語りに、アコーディオン、コントラバス(ブラッサンスの伴奏者だったピエール・ニコラのようです)、チェロという、バルバラらしい低弦室内楽編成はこの頃から。1965年発表のバルバラの美学満開の名曲。
Barbara - Nantes ナントに雨が降る
父親の死を物語る、悲しくも美しい1964年の名歌。
Barbara - L'Aigle Noir 黒いワシ
1970年の大ヒット曲で、岸洋子他のカヴァーでも有名。彼女の№1ヒットはやはりこの曲。
Maurice Bejart
故モーリス・ベジャールの20世紀バレエ団の舞台から。テーマはバルバラの「黒いワシ」。もしかしたらバルバラ追悼公演の映像かも。
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コメント
我が麗しき恋物語
バルバラの歌声が「胸にきます。」
あとやっぱりシャンソンにはアコーディオン!
ですネ。
投稿: ひち | 2008年1月29日 (火) 22時57分
>ひちさん
有難うございます。このシンプルなアコーディオン、とても良いですよね。余計な音をそぎ落とした伴奏は、洗練の極みです。
今日はかなりポピュラーな曲を上げました。
投稿: Homayun | 2008年1月30日 (水) 22時00分
こんにちは。
バルバラはいいですよね。
もう、こういう人は出ないでしょうね。
投稿: kemukemu | 2009年11月30日 (月) 17時50分
kemukemu様
有難うございます。全く同感です。現代のシャンソン界からはバルバラやブラッサンスのようか歌手は出ないでしょうね。
しかし、2年ほど経ったら、ほとんどの動画が見られなくなっていて驚きました。
投稿: Homayun | 2009年12月 1日 (火) 00時48分