悲しき竹笛
新年の邦楽第2弾です。松の内は邦楽で、と書きましたが、純邦楽の良いビデオが何とyoutubeには少ないことでしょうか。困ってしまいました。越中おわら節などの盆踊り関係とか、季節外れのビデオなら見つかりますが、プロの演奏で正月にふさわしいものは、ほとんど皆無です。
という訳で、またナツメロです。ナツメロはかなり充実してきています。
今回の奈良光枝さんは、戦後すぐに大流行した「リンゴの歌」の後に大ヒットした「悲しき竹笛」で一躍人気が出た女性歌手。歌声の素晴らしさは勿論ですが、美人歌手の誉れ高かった人です。
奈良光枝 1923年(大正12年)6月13日~1977年(昭和52年)5月14日
昭和21の「悲しき竹笛」は故・近江敏郎とのデュエット曲でしたが、昭和24年の「青い山脈」は、故・藤山一郎とのデュエットでした。佳人薄命そのもののような人生で、77年に53歳で亡くなったので、若い世代には「青い山脈」は藤山さんだけの歌だと思われているかも知れませんね。
出世作の「悲しき竹笛」は、作曲が古賀政男、作詞は西条八十という黄金コンビによる歌。いわゆる古賀メロディーの名曲の一つで、映画「或る夜の接吻」の主題歌でした。私はこの歌を昭和40年代の録音で最初に聞きましたが、佳人云々よりも、その歌声に一聴して魅了されました。若い頃のまだ固さの残る歌声よりも、40代の中年婦人になってからの何とも言えない深みのある美しさと哀しみの歌は、とにかく最高でした。98年の21周忌には、彼女の故郷の青森県弘前市まで夜行バスに乗って行き、お墓の前で奈良さんの同級生のお婆ちゃんたちと「青い山脈」を合唱してきました^^
そんな無謀なことをさせる程、魅力のある歌声でした。その時は、ついでに津軽民謡のライブハウス「山唄」にも寄って、名人山田千里と福士りつ夫妻の妙技も堪能。日帰りの強行軍で帰ったらフラフラでしたが、一生忘れられない思い出になりました。
悲しき竹笛/奈良光枝
冒頭が映画「或る夜の接吻」のラスト・シーン。ヒロインは奈良さん自身でした。
青い山脈
これは珍しい奈良さん独唱版の「青い山脈」
赤い靴のタンゴ
イギリス映画『赤い靴』の日本公開を記念して作られた昭和25年のヒット曲。グラシェラ・スサーナなど、後輩歌手たちもカヴァーしていました。
| 固定リンク
「ナツメロ」カテゴリの記事
- 湯の町エレジー(2020.05.29)
- 古関裕而の名曲「白いランプの灯る道」(2020.05.27)
- 「鹿の遠音」と「この道」(2019.01.11)
- 小さな喫茶店(2012.07.23)
- オロチョン(2011.05.09)
コメント
奈良光枝さんの「青い山脈」ソロの映像、私も使わせていただきました。藤山一郎のソロしか知らないなんて、とんでもないことだと思います。
投稿: trefoglinefan | 2008年1月 5日 (土) 22時56分
>trefoglinefanさん
初めまして。youtubeの奈良さんのビデオには色々書き込みもありますね。昔はビデオを集めるのもなかなか大変でしたが、こうしていつでもPCで見られるなんて、信じられません。
宇野さんの本は読んだことがありますし、レコ芸も昔からよく読んでました。宇野さんが奈良さんの歌唱をどう評価されるか、聞いてみたい気がします。
投稿: Homayun | 2008年1月 6日 (日) 22時20分