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2008年1月23日 (水)

ロシアの吟遊詩人~オクジャワ

ロシアのバード(吟遊詩人)の二人目は、ヴィソーツキーの先輩格に当たるブラート・オクジャワ。哀調を帯びた親しみやすい歌声を聞かせる吟遊詩人です。激情型のヴィソーツキーとは対照的な切なく優しい歌声。しかし懐の深い、骨太な歌を歌う人です。歌詞は一見平易そうですが、微妙なアイロニーとユーモアが潜んでいることも多く、じっくり読み込むと味わいが深まる本物の詩作品になっています。事実、歌と離れた詩集も色々出ています。
一本目は曲名が不明でしたが、彼が弾き語っている映像は余りないので貴重です。この曲良いですね。今度原文をあたってみましょう^^
二本目は彼の代表曲の一つ。この歌は「フランソワ・ヴィヨンの祈り」と呼ばれていたようですが、ソヴィエト時代は個人の宗教的な祈りはご法度の時代ですから、フランス中世の「牢獄につながれた詩人」が神に祈るという設定にさせられていたようです。そんな設定の束縛など乗り越えて、心に染み入ってくる名曲です。

Булат Окуджава

Bulat Okudzhava   Molitva(祈り)

地球がまだ回っているうちに、日の光がまだ明るいうちに
主よ、人々が持たないものを皆に与えたまえ
賢者には頭を、臆病者には馬を与えたまえ
幸せ者には金を・・・  そして私のこともお忘れなく

地球がまだ回っているうちに - 主よ、御心のままに! -
権力を欲しがる者には権力を思う存分ふるわせ
気前のいい者にはせめて一日が終わるまで一休みさせ
カインには後悔させたまえ・・・  そして私のこともお忘れなく

私は知っている あなたは何でもできる あなたの賢さを信じている
殺された兵士が、自分は天国に暮らしていると信じるように
どんな耳もあなたの静かなお言葉を信じるように
私たち自身も、自分のしていることが分からないまま信じるように

おお主よ、緑の目をした私の神よ! 地球がまだ回っているうちに 
- それは地球自身にとっても不思議なことだが
地球にまだ時間と火が足りているうちに
皆に少しずつ与えたまえ・・・  そして私のこともお忘れなく

(訳詩:沼野充義 NHKラジオロシア語講座テキスト「吟遊詩人オクジャワの世界」より)

ブラート・シャルヴォヴィッチ・オクジャワ(Булат Шалвович Окуджава、1924年5月9日モスクワ - 1997年6月12日パリ)はソ連・ロシアの詩人、歌手(シンガーソングライター)、小説家。200曲ほどの歌を遺し、ロシア語でавторская песня(作者の唄)と呼ばれるジャンルの確立者の一人として有名。これはギターを弾きながら歌う、フランスのシャンソニエとロシア民謡の影響を受けた独特の様式で、彼らはバルド(бард、元来ケルトの吟遊詩人のこと)とも呼ばれる。
グルジア系の父とアルメニア系の母の間に生まれた。第二次世界大戦に応召し、戦後は教師、ついで出版社に勤務し、かたわら詩作を行った。
1950年代後半(スターリン批判後)から自作の詩を歌い、主に知識階級の間で注目されるようになった。彼は国民的人気を勝ち得ながら政治を題材にすることはなく、それでもソ連の文化政策にそぐわないジャンルであったことから、国家による公認を受けたのは晩年になってからだった。また詩人を自らの本分と考えたこともあり、レコーディングされたのは1980年頃になってからである。
1991年に国民的詩人としてソ連芸術賞を受賞。1980年代からは小説にも力を入れ 1994年に「シーポフの冒険」でロシア・ブッカー賞を受賞した。生前住んでいたモスクワ・アルバート通りには記念像が建てられている。小惑星帯の小惑星の一つの「オクジャワ」は彼の名前からとられた。
(以上バイオグラフィはウィキペディアより)

お薦めリンク http://byeryoza.com/topic/log2005/okujava.htm

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コメント

うん、確かに、心に染みる。。。

なんか…、
ある人が、ある集会の中で、静かに激しく唄っている。
そして、みなは、静かに、その唄を聞き入っている。

そんな状況が浮かぶなぁ~~。

投稿: ナムナム | 2008年1月24日 (木) 11時59分

>ナムナムさん
コメント有難うございます。CDのライナーノーツには、シャンソンに当てはめるなら、ヴィソーツキーはレオ・フェレに、オクジャワはジョルジュ・ブラッサンスに喩えられるのでは、とありました。言いえて妙だと思います。ナムナムさんはブラッサンスはどうでしょうか? 私はどちらも大好き、というかそれぞれの一番ですね。ヴィソーツキーも好きですが、激情調はたまにしんどい時もあります。

投稿: Homayun | 2008年1月24日 (木) 22時27分

> 一本目は曲名が不明でしたが

とありますが、この曲の題名は、

"Пожелание друзьям"
または、歌い出しの部分により"Давайте восклицать"

私の持つ英語対訳つきの本では、英語の題は、

  "A word of advice to my friends"
   (歌い出しの部分は、"Let's exclaim" となっています。)

とあります。

> レコーディングされたのは1980年頃になってからである

Википедия

http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9E%D0%BA%D1%83%D0%B4%D0%B6%D0%B0%D0%B2%D0%B0

によれば、

Первый диск с песнями Окуджавы вышел в Париже в 1968.
С середины семидесятых годов диски Окуджавы выходили и в СССР

両親については、

Отец — Шалва Степанович Окуджава, грузин, известный партийный деятель, мать — Ашхен Степановна Налбандян, армянка.

После ареста родителей в 1937 — отец был расстрелян по ложному обвинению в 1937 г., мать сослана в карагандинский лагерь, откуда она вернулась лишь в 1955 г.

とあります。

投稿: m-h | 2008年3月 7日 (金) 23時30分

>m-h様
コメント有難うございました。
今は無き新世界Rでオクジャワの詩集を買ってありまして、その中にこの詩を見つけました。いずれ和訳して再アップしようかとも考えていました。

投稿: Homayun | 2008年3月 8日 (土) 20時08分

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