オスマン古典音楽の2つの擦弦楽器
コーカサスからちょっと離れて擦弦楽器シリーズが続いております。
今日はオスマン・トルコの古典音楽で用いられた2つの擦弦楽器のビデオに行ってみます。一つはケメンチェ、もう一つはヤイル・タンブールです。タンブールは撥弦楽器としてよく知られていますが、ヤイル・タンブールはそれを立てて弾く楽器(構造は少し違うと思いますが)。ケメンチェは洋ナシ形の小さなボディの楽器ですが、とてもオスマン的な音色の楽器。タンブール奏者のタンブーリ・ジェミル・ベイなど、他の楽器の名演奏家も好んで弾いていました。
Derya Türkan - Serkan Çağrı - Tavas Zeybeği
トルコのケメンチェは、左手指が指板に付いていなくて宙に浮いているように見えるのですが、どうなのでしょうか。その浮いた状態で発音されるからでしょうか、独特な浮遊感のある柔らかい音色が生まれています。極めてオスマン的な音色の楽器に思えます。若手名手Derya Türkanの演奏。
Konya Musiki Derneği
混声合唱の入ったスタイルのファスル(古典組曲)の合間で演奏されたケメンチェのタクシーム。Esra Çelik という人の演奏。
Uğur Varol - "Yaylı Tanbur" [1/5]
これはフラジオ音が入ったような音が多い演奏ですが、細かいフレットがよく確認できるクリップです。トルコ音楽特有の9分の1(例えばドからレの間を9つに分けるということです)という超微小音程を表現するため、フレットが非常に細かく付いています。上のフレットには手が届かないのではと思われるほど長い棹です。Uğur Varolの独奏。
yaylı tanbur hüzzam taksim
耳障りに聞こえるかも知れないフラジオ音が少なく太い音で聞こえますが、映像がちょっと不鮮明。ヒュッザム旋法のタクシーム(即興)。Mehmet Ünal の独奏。
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コメント
洋ナシ形のケメンチェ、カワイイネェ



弾いてみたいナァ~音も柔らかな音でイイ
黒いシャツのヤイル・タンブールを弾いている人、
ほまさんに似てるようなぁ
投稿: ナムナム | 2008年3月14日 (金) 12時51分
>ナムナムさん
ケメンチェの音は昔から大好きです。でも楽器は日本では手に入り難そう。
黒シャツ>ははw そうっすか
投稿: Homayun | 2008年3月14日 (金) 20時30分