Komitas Vardapetの音楽
今日は19世紀アルメニア正教会の修道士にして高名な作曲家コミタス・ヴァルダペット(1869-1935)の音楽に行ってみます。彼は合唱指揮者、民族音楽学者でもありました。
サヤト・ノヴァは吟遊詩人でしたが、コミタスは多方面に大きな足跡を残したアルメニア音楽の父と言われる人。精力的に自国の民謡も収集し、蝋管録音も残っています。20世紀初頭のオスマン・トルコによるアルメニア人大虐殺(数百万人とも言われています)から生き延びましたが、その後の20年間を精神病院で過ごしたそうです。「音楽の父」がそのような悲劇的な晩年を送ったことは、アルメニア民族の悲劇を象徴するかのようです。
以下のビデオは、演奏形態がそれぞれ異なり、ドゥドゥク独奏、弦楽四重奏、合唱(おそらくアルメニア正教のもの)の形で演奏されています。このように今でも様々なジャンルでアルメニア系音楽家中心に愛奏されているようです。(例えばECMから出ているヴィオラ奏者Kim Kashkashianのアルバム、若手ヴァイオリニストのCatherine Manoukianのアルバムなどは好盤でした) そして私が一番驚いた一本、コミタス自身の歌声を収録したビデオも見つかりました。
Krunk Komitas Albert VArdanyan Duduk.com Armenian Duduk
ドゥドゥクの泣きの音色はやはりアルメニアの旋律にピッタリ。Krunkというのが曲名のようです。Albert Vardanyanの演奏。
KOMITAS-Aslamazyan
アルメニアのSimonian-Quartetによる2004年の演奏。弦楽四重奏の一章ではなく単品の曲でしょうか。Aslamazyanというのが曲名のようです。アルメニア色のよく出た音楽です。
The voice of Komitas Vartabed
何とコミタス自身の歌声を収めた貴重映像。何とも味わい深い独唱です。
gomidas 333 Komitas Armenian music Ermeni Armenien Musica nv
これは彼の音楽と生涯を綴ったドキュメンタリー番組の一コマでしょうか。これも貴重映像です。
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