アラン・ホヴァネス
先述したようにユダヤ系音楽家と並んで、アルメニア系音楽家もかなり多いわけですが、グルジア生まれのアルメニア人作曲家ハチャトゥリアンのレズギンカをきっかけにコーカサスに入り、昨日はコミタスも見ましたので、更にビデオで見られるのはないかなと思っていました。
ありました。アラン・ホヴァネス(1911-2000)です。
ホヴァネスはアメリカで成功した作曲家ですが、自身のアルメニア・ルーツを常に意識して作曲する内に、徐々に中東からインドの主に印欧語族の神話に
由来する題材に作曲の範囲を広げ、更には韓国の伽椰琴(カヤグム)や日本の楽器までも使った東洋風な曲も作曲するに至った特異な作曲家。以下の曲目を見る
だけでも、そのエキゾチックで神秘的な内容が想像できると思います。しかし、世阿弥や大伴家持まで登場してビックリしました。是非聞いてみたいものです。
CD探してみましょう^^
・弦楽合奏曲「アルメニア狂詩曲」(1944年)
・交響曲第9番 「聖ヴァルタン」(1950年)
・交響曲第21番 「エチミアジン」(1970年)
・交響曲第14番 「アララト」(1961年)
・交響曲第19番 「ヴィシュヌ」(1966年)
・管弦楽曲「世阿弥による瞑想」(1964年)
・無伴奏チェロ曲「家持(やかもち)」
今日のビデオは、1959年に北インドのカシミールで書かれたピアノ曲「シャリマール」の演奏で、ピアノ独奏はVictor Manuel Moralesという人。この曲はムガール朝インドがモティーフのようです。アルメニアがモチーフの曲がなかったのが残念ですが。
Shalimar, Suite op.177 (1959) by Alan Hovhaness PART 1
Shalimar, Suite op.177 (1959) by Alan Hovhaness PART 2
序に、以下クラシック音楽のアルメニア系音楽家、有名どころ3人上げてみました。
カラヤンは、知らない方にとってはサプライズかも?w
・ヘルベルト・フォン・カラヤン
(説明不要でしょう。20世紀を代表する大指揮者です。ビザンツ帝国時代にギリシア化したアルメニア移民の末裔というのは確かなようです。)
・アイダ・カヴァフィアン
(メシアンなど現代音楽専門のアンサンブル・タッシのメンバーだったヴァイオリニスト)
・キム・カシュカシアン(女性ヴィオリスト。昨日少し紹介しました)
参考文献:「新アルメニア史 ~ 人類の再生と滅亡の地」
佐藤信夫著 (泰流社) おそらく絶版
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