ナーゼリー親子&カーブーキ
今日の「クルド」は、またイランに戻ります。
Shahram & Hafez Nazeri in Kodak Theater December 2005 と、関連のインタビュー場面のビデオ。おまけでカーブーキ。
アリザーデのNey Navaを思い出させるようなノスタルジックなチェロの独奏に始まり、ペルシアの大詩人ルーミーが創ったトルコのメヴレヴィー教団の旋回舞踏の映像が流れ、その後ナーゼリーの息子ハーフェズ・ナーゼリーのセタール伴奏で、父がルーミーの世界を歌い上げます。いつ聞いても素晴らしいタハリールの技です。
ハーフェズ・ナーゼリーが率いるルーミー・アンサンブルにはチェロ奏者がレギュラー・メンバーとしているようですが、この導入のチェロ独奏良いですね。チェロをいじる者としては、大変に興味深いです。アラブやトルコではそれぞれの古典音楽によくチェロが用いられ、特にオスマン・トルコではチェロのソロも結構盛んでした。有名なタンブーリ・ジェミル・ベイ(Tanburi Cemil Bey)の息子のメスード・ジェミル(Mesut Cemil)もタンブール(撥弦の方)と並んでチェロの名手でした。
Shahram & Hafez Nazeri - In The Path Of Rumi
Shahram Nazeri, the "Iranian Pavarotti" at the Asia Society
「イランのパヴァロッティ」はないだろうと思いますがw
Setar Nazeri
2006年の来日時の2日目の後半でも披露されたセタール弾き語りのクルド・ナンバー「カーブーキ」。来日直後、東京では一部のファンの間でカブキ・レイホーと呼ばれていたように記憶していますw カーブーキとは花嫁という意味ですが、小鳩という解釈もあるようです。これは隠喩でしょうか。この曲、トルコのイッサ(Buzuq奏者の仏Arion盤)や、カムカル・アンアンブルもやっています。相当有名な曲のようです。トルコの曲をイランでやっていたり、その逆もあったり、クルドの世界では柔軟に歌が旅するようです。
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