アリ・アクバル・モラディ
今日は予告しておいたアリ・アクバル・モラディの演奏。現在イランで最高のタンブール名手と言われる人です。以下のyoutubeはシャハラム・ナーゼリーの96年頃のビデオ「Motrebe Mahtab Rou」(綴りは少々異なるかも知れませんが)の後半に収録されていたモラディさんのソロだと思います。(手元にワカメになりかけの現物あり。その後継続して売る程は確保できなかったアイテムです) 当時はビデオで見た感じ、若手名手なのかなと思ったりしていました^^ 「Motrebe Mahtab Rou」では伴奏陣の一人としてナーゼリーの名唱を支えています。凄く熱くて最高のアルバムでしたが、現在ではおそらく入手困難。
とにかく、その超絶技巧には驚きました。96年と言えば、エラーヒの仏Chant du mondeからのシリーズも、1枚目が出た後くらいでしょうか。当時はクルドのタンブールについては、ほとんど知られてなかったのでは。フラメンコのラスゲアードを逆回しにしたような、指をばらしたアップストロークは、タンブール独自の奏法。何だこの奏法は!と驚いたものです。この独奏はクルド・マカームからのパラフレーズでしょうか。ただただ驚愕の演奏です。
以下の珠玉の4枚組みの情報は、こちらより。
クルド・マカームを聞くなら、オスタッド・エラーヒのシリーズやナーゼリーのクルド関係諸作と並ぶ必聴盤。色々なシチュエーションで演奏されてきたクルド・マカームのレパートリーが豊富に収録されています。そして、エラーヒはもとより、Mahoorから出ているAmrollâh ShâhebrâhimiやAmir Hayatiの演奏と聞き比べるとまた興味尽きないものがあります。
〓ヤルサンのマカーム儀礼 ~ イランのクルディスタン(4CD)
アリ・アクバル・モラディ(歌とタンブール)他
*11世紀に生まれたヤルサンのタンブールを用いた儀礼音楽を収めた初のアルバム。ヤルサンはAhl-e Haqq:
"People of the
Truth"としても知られ、イスラーム以前の古代ペルシアの信仰に起源があると言われるクルディスタンに多く見られる宗教(クルド人口の3~10%)。
モラディはイラン西部ケルマンシャー出身のクルドのタンブールの巨匠。4枚にわたって秘教ヤルサンのマカーム儀礼を収録したイネディならではの注目作で、
特に往年の大巨匠エラーヒ(彼の場合はシーア派にかなり接近)や最近のシャーラム・ナゼリの音楽に感動した方は要チェックです。クルドらしい緊迫感溢れる
世界で、タンブールの3弦とは思えない繊細な音使いは驚異的。
Aliakbar Moradi
| 固定リンク
「クルド」カテゴリの記事
- イッサのブズク(2020.08.07)
- エラーヒの息子のタンブール(2020.08.04)
- クルドの締めは、エラーヒのSuite Tarz-e Yâriとイッサ(2020.08.03)
- ラウクとウズン・ハワ(2020.07.31)
- アイヌール・ドーアンの鮮烈な歌声(2020.07.30)
コメント