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2008年4月16日 (水)

デイラーマンの歌

11月位からロシア・マイナー~カフカスを中心に巡ってきたわけですが、今日からイランに入ります(と言うより、戻りますでしょうか^^)。
まず一本目は何処か懐かしいダシュティ旋法の名曲「デイラーマンの歌」。歌うのはこの曲を有名にした名歌手バナーンです。バナーン自身と、彼を巡る20世紀前半のペルシア音楽の巨匠たちがビデオに次々登場します。この曲をダシュティ旋法に取り入れたアボルハッサン・サバーを初め、モルタザー・マハジュビー(この曲のバックのピアノはおそらく彼の演奏)、イラン近代音楽の大御所アリ・ナギ・ヴァズィーリーと後輩のルーホッラー・ハーレギー、若き日のファラマルズ・パイヴァール(頭髪が豊か^^)、トンバクの巨匠ホセイン・テヘラーニ等。バナーン自身は黒いサングラスをかけた写真が有名でしたが、メガネを取ると往年のタイロン・パワーのような端麗な美男だったのですね。驚きました^^
回顧的な映像に、何とデイラーマンの美しいメロディがマッチしていることでしょうか。

アボルハッサン・サバー/Violinのコメント拙文(こちらより)
セタールだけでなくヴァイオリンの名手としても知られた往年の巨匠サバー(1902- 57)のソロ。数曲ホセイン・テヘラーニのザルブ叩き歌いが入る。ヴァイオリンによる歌の模写、というより歌っているように聞こえる信じられない音色。名 高いデイラーマーンの節(ダシュティ旋法)で始まる。若き日のパイヴァールも登場。

マリアム・アホーンディ/Banuのコメント拙文より
一曲目、エシュグというタイトルの曲はペルシア語で愛とか恋の意味で、中近東の「ロメオとジュリエット」とも言われる「ライラとマジュヌーン」の物語がイメージされている。たゆたうような美しい旋律で、これは名高いデイラマーンの節だ。この曲は往年の男性歌 手バナーンの名唱で有名になった。カスピ海南岸の民謡に由来すると言う説があり、大御所アボルハサン・サバーが古典音楽のレパートリーに取り込んだ。現在 ではダシュティ旋法のグーシェ(古典音楽における伝統的な節の雛形のようなもの)の一つに収まっている。

Daylaman by Ostad Banan

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