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2008年5月

2008年5月31日 (土)

バフティアリ

ロレスターンで数日見てきましたが、そろそろバフティアリの方へ行ってみます。バフティアリは元々イラン南西部に住む遊牧民でしたが、今でも完全な遊牧生活を送っているバフティアリは少数のようです。シーラーズ周辺のガシュガイの言葉はトルコ系でしたが、バフティアリはイラン系のローリ(ロリ)語を使用。当然ロレスターンの文化と密接な関係があるようです。彼らはロレスターン、イスファハーン、クーゼスタン、チャハールマハール・バフティアリの各州にまたがって居住。(地図はハメダンの回をご参照下さい) 今日は民謡と踊りを一本、後は少し変り種?を2本^^

Bakhtiari

バフティアリの遊牧生活のイメージ・ビデオ。ここで歌われているのは代表的なバフティアリ民謡のようです。

IRANIAN ACTRESS : BEHNOUSH BAKHTIARI !

バフティアリ出身の女優のようです。イラニアン(バフティアリ?)・ポップスに乗せて。

Princess Soraya Bakhtiari

こちらはパーレヴィ国王の2回目の夫人だったソラヤ・バフティアリのドキュメンタリー・ビデオ。遊牧風景からは想像がつきませんが、女優や王族の妻がバフティアリから出ていて、二人とも名前はBakhtiariを名乗っています。

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2008年5月30日 (金)

またまたロレスターン ユーユー入り

3日ほどロレスターンのクリップを見ましたが、まだまだ面白いのがありそうです。しかもどれもCDなどは出ていない(現地盤はあるかも知れませんが)演奏家のものが多く、youtube先行の最近の音楽状況を反映しているように思えます。

Sawza-Sawza (Lori folklore song from Lorestan)

これは昨日のParvin Aalipourの歌唱の続編。このビデオの解説には以下のようにあります。A Khorramabadi Lori folklore song, by Parvin Aalipour (she is Bakhtiari herself, not Khorramabadi) ロレスターンのホッラマーバード出身ではなく、バフティアリ(数日後に廻る予定)だそうで。昨日のコメントにはクルドとありましたが、どれが正しいのでしょうかw 甲高い叫び声のユーユーが聞かれます。アラブ世界が近いからでしょう、西イランでは結構耳にするような気がします。

Faraj & Moslem Alipour - Lorestan dance music (埋め込み禁止)
ビデオの解説に、Iraqi Kurdistan Festival - 2007 -The two lor tal player are accompanied by Jalil Andalibi kurdish family.とあります。イラキ・クルディスタンとは言ってもイラクでは出来ないのではと思うので、イラン側に集まってのセッションでしょう。Jalil Andalibiはケマンチェ弾き語りの人では。ウード弾きながらユーユーやるか!という驚きがあります^^ ペルシア古典音楽にユーユーとは何とも不思議な取り合わせ。そう言えば、ケマンチェの胴の作りはイラクの弓奏楽器ジョゼに似ています。

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2008年5月29日 (木)

ロレスターンの古典音楽

イラン西部のロレスターンの音楽、今日は古典的な演奏。これらの内のいくつかはクルド系の音楽家による演奏のようです。隣接しているので、クルド人が多いようですね。ペルシア語の方言だと思いますが、言葉はローリ語という地方語が多く使われているようです。ロレスターンの古典音楽風のクリップは非常に多いので、あと数日見るかどうかは思案中^^

Dāya Dāya (Lori folklore song from Lorestan)

女性歌手の歌と器楽。コメントにIt is never Persian! It is 10000% Kurdish.+ It is Media TV (Kurdish TV)とありますが、どうなのでしょう?

Lori (Traditional Iranian Music) - Mehrdad Hedayati (Live)

Mehrdad Hedayatiの素晴らしい歌が堪能できる一本。何本か見た限りでは、この地方ではケマンチェが多く使われ、マーフールのような晴れやかな旋律が多いように思います。

lorestan music(Mohahmad mirzavand)

この人はクルド系の歌手のようです。言葉もローリ語ではなくクルド語のようです。

lorestan music(Sayfoldin Ashtiani)

このタテノリのリズムは、いかにもクルド的。カムカールと聞き間違えそうです^^ しかし、舞踊はロレスターンの場合と同じに見えます。

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2008年5月28日 (水)

ロレスターンのソルナ

昨日は所用でアップできませんでした。ロレスターンの2日目はダブルリード管楽器のソルナの演奏他。チャルメラ、オーボエ、シャーナイ、ズルナなど、同種の楽器は世界中にありますが、ソルナは口元の丸いものでアンブシュアーが見えませんね。右足を上げて吹くところがイナセ^^  シャーミルザー・モラディは1924年生まれの名手。例のNimbus盤(Mahoorから出ているのもニンバス音源)もこの人の演奏だったと思います。一本目ではソルナ、二本目ではサズと呼ばれています(この2本は同じ演奏)。両面太鼓はドホルですが、クルドのドホルより厚みの薄い作り。叩き方はほぼ同じだと思います。軍楽を思い出すリズムですが、3拍子ですから韓国のトランス系巫楽シナウィにも似ているかも。結婚式や葬儀などで演奏されるようですが、ソルナは同じザグロス山系南のバフティアリなどでも使われます。

ShahMirza Moradi (埋め込み禁止)

Sāz o Dohol (Lori music), by Shamirza Moradi and his son

lorestan music(Mohamad bajelavand)

一昨日アップしたビデオの続編。ケマンチェ弾き語りとトンバク。素朴ながら素晴らしい地方音楽の音色を聞かせてくれています。

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2008年5月26日 (月)

ロレスターンの音楽

今日はハメダンの南に接するロレスターン州の音楽。音源で言えばイギリスのNimbusからズルナ(ソルナだったかも?)演奏のCDが出ていました。youtubeはと言うと、かなりありますので、今日だけでは終わらなさそうです。ザグロス山系の北側にかかっているので、かなり寒冷の地ではないかと思われます。(地図はハメダンの回をご覧下さい)

Lorestan folk music(dayah dayah waghte jangeh)

この人はクルド系の民謡歌手のようです。クルディスタンにも近いのでクルド人が多いのでしょうか。

lorestan music

この素朴なケマンチェ弾き語り、トンバクも一本調子ではありますが、とてもいい感じです。前にイラン名産のザクロが盛られているのが印象的。

THE GIRL FROM LORESTAN

これは興味深い古えの映画。曲は何故かトルコ民謡のウシュクダラも出てきます^^  First Persian Film from Mr.Sepenta (Shadravan). Filmed in Indien?!!

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2008年5月25日 (日)

シャジャリアン&タトルセスとハイヤーム

昨日ちょっと触れましたシャジャリアンのルバイヤートらしきクリップが見つかりましたので、上げておきました。朗読はペルシア詩朗読界の大御所Ahmad Shamloo

2,3本目はやはりオマル・ハイヤームのルバイヤートに関したビデオのようですが、曲がイブラヒム・タトルセス、詩の訳文はルーマニア語。トルコの「アラベスク(演歌のような歌謡ジャンル)の帝王」と言われるタトルセスがハイヤーム!?とびっくりしましたが、ルーマニアのyoutubeユーザーが作成したビデオのようです。歌は出てこず、イントロ部分?で終わります。ハイヤームの雰囲気が出ているのかどうか不明ですが。(出ているような気もします^^)

こんな一篇が似合うでしょうか。(太宰治「人間失格」のルバイヤットの引用箇所より)

 到る処に 至高の力を感じ
 あらゆる国にあらゆる民族に
 同一の人間性を発見する
 我は異端者なりとかや

Khayyam Poetry

Khayyam 3

khayyam 4

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2008年5月24日 (土)

オマル・ハイヤーム関連

バーバー・ターヘル関連を数日見ましたので、是非オマル・ハイヤームも、と思いましたが、見事にイランの伝統音楽的なビデオは見当たりません。どちらかと言うと西洋で熱烈に受け入れられてきたからでしょうか。英訳のクリップが多いです。そう言えばペルシア古典音楽でハイヤームを歌っているものは、聞いたことがありません。シャジャリアンにはありましたが、朗読入りの軽古典的なアプローチでした。あの盤はかなり異例のリリースと言う印象で受け止められていたようです。
とりあえず今日は、朗読を一本、オリエンタリズム的フィルターが感じられると思いますがアメリカ映画の「オマル・ハイヤーム」、ソ連のアニメ、ルバイヤートをテーマにしたイランの舞踊、の4本をアップしておきます。神保町にあったSレコードで、タジク語版のルバイヤートを昔見かけたことがありました。このようにイラン周辺諸国ではかなり愛読されているようです。
(以下拙稿のペルシア古典音楽の昔と今より)
欧米や日本で昔からいちばん有名な「ルバイヤート」のオマル・ハイヤームは、イランでは先の5人(ハーフェズ、サアディ他)ほどには人気がない。太宰治の「人間失格」にも引用されて いたりして、日本ではペルシア詩人の代名詞のように思われていたようだが、その虚無的、享楽的、運命論的な詩は、四行詩という入りやすい形式も手伝って か、欧米人や日本人には人気があるが、イランでは無神論の詩集とのレッテルを貼られ避けられることも多かったようだ。

omar khayyam

オマル・ハイヤームのルバイヤートの朗読。

Debra Paget IS Persian Royalty in "Omar Khayyam"

パラマウント映画「オマル・ハイヤーム」

Oh, princess! / Ах, принцесса! (In Russian)

オマル・ハイヤームの詩に基づくソ連のアニメーション。

Shahrokh - Persian Dance

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2008年5月23日 (金)

バーバー・ターヘルの詩

昨日に続いてバーバー・ターヘルの詩ですが、今日はスーフィー音楽(またはヤルサンの音楽)に乗せて歌われるバーバー・ターヘルと朗読を2本。一本目はタンブールとダフのようですから、クルド系音楽家ではないかと思われます。ハメダンのバーバー・ターヘル廟での演奏。ホットな演奏で素晴らしいですが、演奏者が不明。もっと長く見たいものです。

Baba Taher Poetry

Robaiyate baba taher........

バーバー・ターヘルの四行詩(ルバイヤート)の朗読。

Poetry & Politic

これはバーバー・ターヘルの朗読ではなさそうですが、ペルシア詩の朗読例ということで。しかし美しいご婦人ですね^^

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2008年5月22日 (木)

ハメダンとバーバー・ターヘル+イランの地図

Photo イラン南部のバンダルアッバースは、まだまだクリップがありましたが、きりがないので今日は一気に北に飛んでみます。クルディスタンのケルマンシャーとサナンダジの東にある州、ハメダンの紹介ビデオ。州都のハメダン(ハマダンとも)は古代ペルシア時代の遺跡の残る古い町ですが、11世紀の詩人バーバー・ターヘルやアヴィセンナの廟があることでも有名。バーバー・ターヘルは四行詩(ルバーイー)で知られる神秘主義者にして托鉢僧、グノーシス主義者でもあったようです。当時はまだヘレニズム時代の遺産が生きていたということでしょうか。ルバーイーでは最も有名なオマル・ハイヤーム(ルバイヤートの著者)より先輩格の詩人。トルコ族支配時代だからでしょうか、廟の屋根のターキッシュ・ブルーがとても美しいです。以下バーバー・ターヘルの代表作2編。ビデオに一部対応しています。
*地図は「イランイスラム共和国」(イランイスラム共和国大使館1994年刊)より

丘のチューリップも七日の生命
小川のほとりの菫も七日の生命
町から町へと触れ廻ろう
「美女の誠も七日だけ」と

わが心はいつも火に満ち、目に涙
わが人生の壺に溢れるは悲哀
わが亡き後、わが墓を通れば
そなたの香りで生き返るわれ

黒柳恒男著「ペルシア文芸思潮」(近藤出版社)より

HAMEDAN

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2008年5月21日 (水)

バンダルアッバースとケシム島

イランの音楽とは思えないようなクリップが数日続いていますが、今日もバンダルアッバースのビデオを数本アップしておきます。1,2本目は、アルジェリアのライとベドウィン歌謡とラテン音楽、ザンジバルの音楽がミックスしたような曲調。3本目はバンダルアッバースの対岸のホルムズ海峡にあるケシム島の伝統音楽。これはオマーン、UAE、バーレーンとかの対岸の音楽に似た響きです。赤い仮面?が特徴的。

bandar abbas(rohanda&milad)1

bandar abbas(rohanda&milad)2

bandar abbas queshm

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2008年5月20日 (火)

バンダルアッバースの黒人系音楽

今日はブーシェフル州の東隣ホルモズガン州のホルムズ海峡に面する町、バンダルアッバースの伝統音楽。やはり黒人系の面立ちの人がいます。音楽もアフロ系の太鼓とダブルリード(スルナ?)に男性ヴォーカル。客席からは甲高い叫び声ユーユー(北アフリカからアラブ辺りにかけて多く見られる技)の声が響き渡ります。3本目では壺?奏者が半ばトランス状態?に入っていますね。ザールのように悪魔祓い(エクソシスト)と憑依に関連した黒人系の治療儀礼音楽でしょうか? youtubeで見るのが初めての芸能ですので、この音楽の詳細なことが分かりません。詳しい方情報をお待ちしております。

hormozgan bandarabbas, bandar abbas, hormuzgan

hormozgan bandarabbas, bandar abbas, hormuzgan

hormozgan bandarabbas, bandar abbas, hormuzgan

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2008年5月19日 (月)

アバダンのバグパイプと太鼓

今日のビデオもブーシェフルで検索して引っかかったものですが、隣のKhuzestan州(イラクとブーシェフル州の間)の町、大精油所で有名なアバダンの音楽ではないかと思われます。バグパイプ奏者は見るからに黒人系ですね。アラブのマットブッチとかの吹奏に似ているように思います。ダラブッカの二連叩きもとてもインパクトがあります。これが本当にイラン?と思ってしまう驚きの演奏。3本目はチグリス・ユーフラテス川の河口を挿んでアバダンと対岸の国、クウェートのAbadan Banderiのようです。しかし、ペルシア湾岸は驚きの音楽が一杯です^^

Abadan Banderi

Abadan Banderi B

Abadan Banderi kuwaiti

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2008年5月18日 (日)

ブーシェフルのグループsingsオマル・ハイヤーム

今日もイラン南部のブーシェフルのグループをアップしておきます。ビデオの解説にAn Iranian traditional song, originally from southern Iran, mainly Bushehr( Bandar). the lyric is from Khayam, who is a great Iranian poet living around 1000 years ago. とありますので、ルバイヤート(四行詩)で有名なオマル・ハイヤームの詩を歌っているようですが、このハッピーな曲調だと、あの刹那的、厭世的なニュアンスはほとんど感じられませんね^^  
メンバーを見ると、やはり黒人の血が入っているのかなという人がいます。ハチロク・リズムの歌はペルシア的ですが、両面太鼓ダムマームは南イランだなぁと思わせる音。一方オマル・ハイヤームはホラサーン出身の詩人。南イランとは大分風土が違うはずです。この意外な組み合わせは、なかなかに面白いと思います。

Khayam Khani...... Golamreza Vazzan

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2008年5月17日 (土)

ブーシェフルの音楽

イラン南部のシーラーズからペルシア湾岸に下りるとブーシェフルという州があります。核施設の問題でよく話題に上っていますが、政治家の先生方は「ブシェール」と、英語式の読み方(実は間違った読み方ですが)で呼んでいるのをよく耳にします。この辺りはイギリスとロシアが分割領有していた時代に、イギリスによってザンジバルから黒人奴隷が連れて来られた場所なので、明らかに黒人系の血を引く人がかなりいるようです。
当然音楽もイランの地方音楽のカラーを残しながらも、強烈なアフリカのリズムが躍動する場面に出くわします。youtubeで一グループ見つかりましたので、4つまとめて上げておきます。Ensemble Shanbehzadehというファミリーと思われるグループが、2007年のニュージーランドでのWomadに出演した際の映像です。ビデオではズルナ(ソルナか?)、バグパイプ(マットブッチ?)、二連太鼓(トンバクのテクニックがベースのようですが、アフロっぽさがあります)の演奏が確認できます。以下ビデオの解説より Saeid Shanbehzadeh and his son Naghib Shanbehzadeh. perform the music of Bushehr,Iran,including wedding music, love songs and religious pieces with moods ranging from celebration to meditation and trance-inducing rhythms.

Ensemble Shanbehzadeh - Womad New Zealand 2007

Ensemble Shanbehzadeh - Womad New Zealand 2007 (2)

Ensemble Shanbehzadeh - Womad New Zealand 2007 (3)

Ensemble Shanbehzadeh - Womad New Zealand 2007 (4)

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2008年5月16日 (金)

Torbat e Jaamの音楽

今日はザーボル(後で思い出しましたがSegahのグーシェ名にZabolというのがありました)から北に上がったホラサーンのトルバテ・ジャーム地方の音楽。北ホラサーンになるようですが、どの辺りか今ひとつ不明。首都のマシュハドよりは南になるようで、かなりアフガニスタン寄りでは。この地方の音源はドタールの名人芸を収めたCDがMahoorからも出ていますが、今日の一本目のようにドタール合奏(ダフ伴奏)は珍しいように思います。クルドのタンブール合奏を思い出させる図ですが、イランの東と西では大分感じが違います。

明日からは南イランに移動する予定です^^

ahange torbati . torbati music

concerte musighi torbati ba lebase mahalli va aganghaye ziba
コメント欄に以下のように出ていました。アフガンで最近生まれた曲(Ahmad Zahir作曲)で、歌詞はサアディの詩のようです。これはなかなか印象的な良い曲。
This is Ahmad Zahir's song, a famous afghan musician , a legend who was killed 30 years ago. It's Saadi's poem: "I told myself, if you ever come, I will tell you about all my sorrows, but now what can I say, all my sorrows are gone, as you have come"

Avaz - Torbat Jam

A men's dance from Iran, Torbat Jam simulates battle. This version is performed by Anthony Shay's Avaz International Dance Theatre.

Jahanshahi, "Navaie"

Anoush Jahanshahi's sehtar and Torbat e Jaam song

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2008年5月15日 (木)

ザーボルの音楽

今日はホラサーンとアフガニスタンに挿まれたバルチスタン(あるいはシスターン?)北部の町、ザーボルの音楽。
一本目のビデオの解説には両面太鼓のドールとサズ(ダブルリードのスルナ系管楽器のことか?)による演奏とあります。このザーボルという町は地図で見ると低地になっている所のようです。ワジが湖(ロプ・ノール湖のようなものかも知れませんが)に流れ込んでいるようですから、砂漠の中のオアシス都市かも。しかしこの辺りは色の黒い人が多いようですね。印象的な踊りと衣装ですが、例えばスーフィー音楽と関係があるかなどは不明。(詳しい方、情報をお待ちしております)イランと言うよりパシュトゥーンとかの南アフガニスタンに明らかに近いイメージです。
二本目は、この3日ほどずっと登場しているゲイチャクの演奏。ザーボル版の弾き語りです。これも素晴らしい!
三本目はこれらの民俗音楽に聞かれるような旋律を、ペルシア古典音楽のスタイルで演奏しています。ご当地の男性歌手とサントゥール少年でしょうか。テヘランの古典スタイルとは、かなり異なる感じで大変興味深いものがあります。

CHAPPE zaboli ba DOL-O-SAZ , I LOVE ZABOL jan

ahange zaboli ( moka me kenjake tono...)

ahange zaboli (shabastari)olang olang yar agha jan

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2008年5月14日 (水)

シスターンの楽士

シスターン(Sistan)はイラン東部のバルチスタンの一部に入るのだと思います。どこに位置するのか今ひとつはっきり分かりませんが。この3日くらい出っ放しのゲイチャクがやはり中心のようです。イランらしい八分の六拍子に乗って、カッワーリにも似た歌が演じられています。右の太鼓はフレームドラムでしょうか。こういう風に立てて叩くのは初めて見るような気がします。Mahoorからイラン各地のフレームドラムを取り上げたシリーズがありましたが、シスターンも一枚出ていました。
二本目はネイ?の演奏。こういう組笛はインド西部ラジャスターンの放浪芸人ランガやマンガニャールにも同類の楽器が見られます。一気にインドめいてくる音です^^

agange zaboli NEGARE MAN (gorouhe mahalli)

nei(flauto) 2 sar dar zabol jan

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2008年5月13日 (火)

バルチスタンの音楽

ケルマンに続いて、更に東のパキスタンに接するバルチスタンと、その北のシスターンを調べてみました。まずはバルチスタンですが、どうもパキスタン側のビデオがほとんど(全て?)のようです。今日アップしたのもパキスタン側バルチスタンの海沿いの地方、マクラーンのゲイチャク演奏など。吟遊詩人系の弾き語りになりますが、2本目では両面太鼓のドーラクだけでなく組太鼓のタブラが出てきますので、マクラーンよりはもうちょっと東のバルチスタンでしょうか。カレーの匂いが似つかわしい雰囲気が出てきています^^ 映像も美しく、良いビデオです。
イラン側バルチスタンのものがほとんど見つからないのは、ホラサーンの場合にほとんどがアフガニスタン側のクリップだったのに似た状況です。元は一つだった地方を、イギリスとペルシアが国境線を引いた訳ですから、そんなに音楽も違わないのかも知れません。今回はゲイチャク(ギジャク)の演奏を上げておきますが、バルチスタン音楽は色々な楽器や歌ものもかなり見つかります。(一本目は埋め込み禁止)

Balochi Cultural Music

zaher jan baloch

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2008年5月12日 (月)

ケルマン州

イラン南東部のケルマン州は、ホラサーン州の南に位置する大きな州。バム市での大地震や、最近では日本人の誘拐事件が起きた所として知られているかと思います。歴史的な遺跡も多く、一本目はその紹介ビデオ。二本目の擦弦楽器はギジャクかソルード、どちらかでしょう。イラン南東部からパキスタン南部にかけて広く類似の形の楽器が見られ、パキスタンのサーリンダから北インドのサーランギへと繋がっていきますから、この8の字形を見るとどうしても南アジアをイメージしてしまいます。音楽自体も隣接するホラサーンやファールス(シーラーズのある州)とは、かなり異なると思います。この地のバード(吟遊詩人)による演奏で、テクニックも達者ですが、旅行者が撮ったものでしょうか、映像が横になっていて少々見づらいです^^

Iran historical heritage - City of Kerman

bardsir kerman

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2008年5月11日 (日)

バハーイーのノウルーズ

もう一日ペルシア・ヴァイオリンを見てみます。BahaiView.orgの表示が出てくるビデオ2本。19世紀中葉にペルシアで生まれたバハーイー教のサイトなので、この二人もバハーイーなのでしょうか。Manouchehr Vahmanという人は初めて知りましたが、ラフマトッラー・バディイー(Rahmatollah Badii)はTaranehかPars VideoからCDが出ていた人で、名の通った奏者だと思います。バハーイーだとすると驚きです。孫?のトンバクと一緒に娘のアーヴァーズを伴奏するRahmatollah Badiiは往年に比べると少々テクニックの衰えが感じられますが、Manouchehr Vahmanはオーソドックスな素晴らしい演奏です。
両方ノウルーズ(ゾロアスター教時代に遡ると言われるイランの新年)の時の映像のようです。イスラームを母体としながらも、全く異なる宗教になったため、イラン本国では禁教扱いのバハーイー。バハーイーとノウルーズは直接関係ないとのコメントも見かけますが、どうなのでしょうか。因みにyoutubeで話題のこの人(Sahba Motallebi)もバハーイーのようです。

Violin, Tonbak and Persian singing

Rahmatollah Badii and daughter and grandson(?) perform for Naw Ruz

Persian Violin & Tonbak Duet

Very Persian and beautiful. Manouchehr Vahman on Violin and Hamed Hakiman on Tonbak. Naw Ruz performance.

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2008年5月10日 (土)

ペルシアン・ヴァイオリン

ここでちょっとペルシア古典音楽のヴァイオリン演奏を見てみようかと思います。
古典音楽でも、古くはAbolhasan SabaやRokneddin Mokhtari辺りから音源がいくつかあります。もう少し後のParviz Yahagiも有名で、iTuneのRadio Darvishでも頻繁に耳にします。高音を好むペルシア音楽では繊細な旋律表現が可能な楽器ということで、昔はかなりもてはやされていたようですが、イラン革命後の伝統回帰からでしょうか、西洋的なイメージが付きまとう(ように思われますが)ヴァイオリンの演奏は、イラン本国では余り見かけなくなったように思います。同じ弓奏楽器でもケマンチェを持つ人が増えたかも知れません。
Loghman Adhamiと言う人のこの映像、どうでしょう、もしかしたら革命前かもという印象ですが、微妙ですね。Behzadのアーヴァーズを模すように伴奏する演奏はとても秀逸です。
なおヴァイオリンの調弦は、西洋式の(上の音から)e-a-d-Gの他に、e-a-d-A、d-a-D-G、e-a-E-Cという、バルバット以来のものと思われるチューニングも使われているようです。(ブルーノ・ネトル著/細川周平訳「世界音楽の時代」より) 4つ目などはC音まで下げられてヴィオラの音域までカヴァーしている訳で、そういう低音ヴァイオリンを確かによく耳にします。
しかし、昨日見たガシュガイの演奏家の方が西洋的に聞こえるのが何とも不思議です^^

Loghman Adhami Improvization vocalist Behzad

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2008年5月 9日 (金)

ガシュガイのヴァイオリニスト

今日のビデオは、ガシュガイの音楽家によるシーラーズのレストランでの演奏のようですが、yordというのは何でしょう。演奏はヴァイオリンとトンバク、サントゥールがスタンバっているという状況のようです。前の垂れ幕のトラとマングース?が何とも不思議です。ヴァイオリンのクリップをいくつか見かけましたので、ガシュガイでは盛んなのかも。一方ペルシア古典音楽では70年代以前ほどはヴァイオリン奏者を見かけないように思います。
現地にいらっしゃる方、コメント頂けると嬉しい限りです^^
一本目のコメントに以下のようにありました。やはりトルコ系の同胞ということで、強く意識されているのでしょうか。

Great video ! Guzel video ! elinize saglik !
we love  qashqai turks from turkey
oo my qaşkai brother we are one nation we are turk

Musicians at Yord Restaurant in Shiraz

Qashqai Folk Music- Violin

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2008年5月 8日 (木)

ガシュガイ族の音楽

今日はイラン南西部のシーラーズ周辺に住むガシュガイ族(Qashqayi)のクリップを見てみます。ガシュガイはトルコ系の言語を話し、マフマルバフの映画「ギャッベー」(音楽はH.アリザーデ)で描かれたように遊牧民のイメージが強い民族ですが、かなり定住化が進んでいるようです。印欧語族のペルシア人の中に、ぽつんと言語島をなして住んでいるところがとても興味深い点。しかもイラン北西部のアゼルバイジャン地方の言葉とそう遠くないそうです。こういったトライバルな音楽を聞くと、またまたイランの広大さを感じてしまいます。

Qashqai Music

舞台中央右でトルコ軍楽のクデュムのような組太鼓を叩いているのは、04年のアリザーデ一行来日(Raze Noの時の)の際のダムマーム奏者では。

Qashqai Dance

clips from a Qashqai marrage in Shiraz, Fars Iran

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2008年5月 7日 (水)

ゾロアスター教の話

今日はゾロアスター教エトセトラということで、興味深いエピソード(昨日と一部ダブりあり。既にかなり有名だとは思いますが)と、ビデオは聖典アヴェスターの朗唱、ドイツのドキュメンタリー番組という内容です。ドキュメンタリーは、ゾロアスター教とイスラームが共存するヤズドを紹介する番組のようです。秀逸な番組ですが39分を越えますので、お時間のある方はどうぞ。

 ゾロアスター教は、キリスト教や仏教へ大きな影響を与えたとみられていますが、ではミトラ教とかゾロアスター教、その後を受けて出てきたマニ教とかがキリスト教の代わりに世界宗教になっていたら。。。どうなっていたのでしょう。これは大きな大きな歴史のロマンです。
 民族宗教のゾロアスター教とグノーシス的なマニ教の場合は可能性は低いでしょうが、ミトラ教などは可能性がない訳ではなかったのでは。ローマ帝国にもかなりの信徒がいたとみられています。また興味深いことに、古代キリスト教の神学者アウグスティヌスは、改宗前はマニ教に入信している時期もあったようです。マニ教は、ユダヤ教、キリスト教、ゾロアスター教、仏教、グノーシス主義の影響の下、ササン朝ペルシア(現在はイラク領内)に生まれた宗教。白蓮教など形を変えて近世まで中国にも残存していたようです。
    西洋ではニーチェのツァラトストラで突然出てきたように思われ勝ちかも知れませんが、モーツァルトのオペラ「魔笛」に出てくるザラストロもゾロアスターのことですし(こちらはフリーメーソン関係)、新約聖書の「東方の三博士」以来、東方の賢者に一目置く伝統は地下水脈としてあったのでしょう。
    お盆の正式名称「盂蘭盆」も、古代ペルシア語?のurvan(霊魂)から来ている説が有力だそうで、それがインドのサンスクリットを通して日本にも入ってきたと。しかも大文字焼きのように火を祭りますし。偶然とは思えません。東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)との関連性を唱える学者もいるようです。

とにかくイランは、東西のルーツが音楽だけでなく色々と見つかる国です。

余談ですが、7世紀のイスラーム勢力のイランへの侵入から逃れたゾロアスター教徒の末裔は、インドではパールシー(明らかに「ペルシア」の意味の「ファールスィー」に由来している言葉)と呼ばれますが、パールシーで有名な人は、指揮者のズビン・メータ、クイーンの歌手フレディ・マーキュリー(英領時代のザンジバル生まれ)がいます。メータがリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」をよく演奏するのは、実に似つかわしいと言えるのかも知れません^^

Zoroastrier & Islam - Yazd, zwischen Licht & Dunkelheit

Avesta - Yasna 27.15 - in Gathic

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2008年5月 6日 (火)

ヤズドとゾロアスター教

さてイランの地方音楽に戻ります。イラン中央部に位置する砂漠都市ヤズドは、今でもゾロアスター教徒が多数住んでいる町として知られています。ゾロアスター教(拝火教)が興ったのは紀元前7世紀頃と言われ、アケメネス朝~セレウコス朝~パルティアの時代は徐々に信徒数を増やし、その後のササン朝(3~7世紀)ではペルシアの国教になりました。ゾロアスター教の流れを汲むミトラ教、マニ教など色々登場した後でも、やはりイスラーム以前の古代イランの宗教の中心的存在ですし、音楽を初めイラン文化の「イランらしさ」の根源はゾロアスター教にあるのではとも思います。先日アップしたルーミー等の所縁の地バルフは、ゾロアスター教が発生した土地であるだけでなく、ゾロアスターが埋葬された土地として神聖視されたそうです。
キリストの生誕の際、祝福に訪れたとされる「東方の三博士」は、ペルシアの聖職者「マギ」だったそうですが、そういうゾロアスターの「東方の賢者」のイメージは、その後の西洋に受け継がれ、ニーチェをして自身の哲学をツァラトゥストラ(ゾロアスターのドイツ語読み)に語らせ、モーツァルトは歌劇「魔笛」の中にザラストロ(ゾロアスターのこと)を登場させるなど、新約聖書の東方の賢者以来の伝統が地下水脈のように流れていました。某国がイランを「悪の枢軸」と呼んだりする現代とは正反対と言えましょう。
今日はそんなゾロアスター教が今も息づく町、ヤズドの紹介ビデオをアップしてみました。1500年燃え続けていると言う拝火殿の火や、鳥葬の丘などがペルシアの古典音楽に乗せて出てきます。中でもゾロアスター教の宗教歌朗唱シーンは貴重だと思います。

Yazd - Chak Chak (Part 1)

Yazd - Chak Chak (Part 2) End

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2008年5月 5日 (月)

相川音頭

連休で来客などありましてアップできない日や、遅い時間のアップの日が続いておりました。
2日の記事でイラン北部が、日本の東北辺りと似ている部分がある云々書きましたので、気分を変えて今日は一本佐渡の民謡を見てみます。数ヶ月前にNHKで放映された新潟民謡の番組からの一こま。
相川音頭は、佐渡おけさと並んで代表的な佐渡島の民謡。世阿弥が配流された島だからでしょうか、佐渡では現在でも能が盛んで、相川音頭にはどことなく謡曲を思わせる雰囲気があります。義経弓流しという平家物語の題材がそうさせたのかも知れませんが。17世紀初頭に生まれたと言われるこの民謡の勇壮にして典雅な律動と、凛としながらも艶やかな舞踊には、個人的に非常に新鮮な感動を覚えました。
新内とジョイントで舞台にかかったこともありまして(実はこの時初めてこの曲を知ったのですが)、数年前の富士松鶴千代師匠の日本橋三越公演の際にその試みが実現しました。因みに私は門弟の一人として、その時同音(これは謡曲の用語ですが)の歌で乗っておりました。つまり独唱に呼応する合唱の部分のようなものでしょうか。

相川音頭

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2008年5月 3日 (土)

ラーガ・キルワーニー

今日は伊予では夏かと思わせるような暑さでした。松山からのお客様が帰られた後、夜になって、さぁブログアップしておこうと思ったら、何故か繋がらない。youtube自体で何かトラブルがあったのでしょうか。と言うわけで、一昨日の記事にコメント頂いたちまきさん、皆様済みません。今日は映像なしです。
代わりに96年と言う大昔の拙稿ですが、転載しておきます。インド通信に掲載された一文です。松山から来られた門屋さん、斉藤さんもインド音楽をお求めでしたので^^

 インド音楽CD探訪
「落日」の音楽~ラーガ・キルワーニーを求めて

Rajput  日没の美しさを表現した音楽は、洋の東西を問わずあると思う。西洋だと、ブラームスの弦楽六重奏曲第一番の第二楽章、ペルシア音楽だとホマーユン旋法の古典声楽(パリサーが78年に日本で歌ったあの曲のイメージ)などはそれにあたるだろう。ルイ・マルの映画「恋人たち」にも使われた若きブラームスの「憂愁と情熱」、ハーフェズのガザルを歌った名歌手パリサーの歌の官能的な美しさは、到底他の音楽で置き換えられるものではない。ではインドではどうだろうか。
  その機会は偶然に巡ってきた。ラヴィ・シャンカールが95年1月に福岡で行ったコンサートでキルワーニー(KirvaniまたはKirwani)と言う夕方のラーガを演奏した。ロマンティックで情熱的な非常に美しいラーガで、私はすぐに魅了された。このラーガは南インド起源(72メーラカルターの21番目)で 、R.シャンカルとアリ・アクバル・カーンが北インドに広めた人気のあるラーガと言うことだが、CDは以外に少ない。調べてみたら(96年当時)ニキル・バネルジー盤、アムジャッド・アリ・カーン~ザキール・フセイン盤、クリシュナ・バット~ザキール・フセイン盤、アリ・アクバルの息子アーシシュ・カーンとインドラニル・バッタチャリア盤(サロッドとシタールのジュガルバンディ)、M.S.スッブラクシュミ/メーララーガマーリカー(ほんの一瞬です)、スダ・ラグナタン/Stars of a Stalwart(南インドの若手女性声楽家)など本当に数枚だけだった。
 大体ダルバリ・カナラやカマジ、シュリーのような夜系のラーガでまとめたものが多いが、アムジャッド盤はキルワーニーと北インドのピルーが似ていることを踏まえ、繋げて演奏した意欲作。南インドの本家本元は、やはり「南」らしいクールな演奏。「北」のロマンティックな香気はないが、Kirwaniのオリジナルを知るには(語源的にも)、聴いておかなくてはいけない格調の高い音楽でしょう。それにしてもこの「香気」は、やはりムスリム~ペルシア文化との混合の産物でしょうか。
(上の絵はMoment Recordsから出ていたBhimsen JoshiのCDのジャケットから。ラージプート絵画では。何となくKirwaniのイメージだなぁと思いまして)

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2008年5月 2日 (金)

北イランの調べ

今日もスィマ・ビナの歌ですが、ホラサーンではなく、北イランのギーラーンやマザンダラーンの民謡を歌っています。ギーラーンがカスピ海南岸の西側、マザンダラーンはその東側に位置する州。イランにしては水蒸気の多そうな景色が多く、田植え?の風景などは日本の越後や東北辺りと似ていると言われてきました。
そのためか、先日も取り上げた有名な「デイラーマンの歌」(ダシュティ旋法)を始め、日本人の心にストレートに訴えてくる節が多いようにも思います。一本目がギーラーン民謡、二本目がマザンダラーン民謡のクリップ。未確認ですが、二本目は2003年のケルン・ライヴDVD (Fars Media)からの映像かも。

sima bina
سیما بینا : عزیز بشین به کنارم

Mazandaran- North of Iran-sent by Kamal

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2008年5月 1日 (木)

スィマ・ビナ&女性アンサンブル

スィマ・ビナさんのクリップはまだまだありまして、今日のはおそらくドイツでのライヴ。女性の音楽活動が著しく制限されるイランを離れ、ドイツやヨーロッパを中心に活動しているようです。映像の通り、若手の器楽奏者を従えて歌っています。彼女のレパートリーはホラサーンの民謡だけではなく、他のイラン各地の民謡も手がけていますが(マザンダーランなど北イランが多いようです)、ここではXurasani musicとなっていますし、衣装もホラサーン風に見えるので、おそらくその範囲の演目では。編成はタール、ケマンチェとダフなど各種打楽器。大きなタライのような枠太鼓は初めて見ますが、何でしょうか?

sima bina

Xurasani music culture by Sima Bina

Xurasani music culture by Sima Bina

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