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2008年6月

2008年6月30日 (月)

甦ったヴィオラ・ポンポーサ

昨日はチェロによる驚きのシャコンヌ演奏をアップしました。イラン・シリーズをもう少しお休みして、今日もバロック期の大作曲家J.S.バッハ関係。しかしクラシックでも色々面白い動きが出てきてますね。
昨年末に当ブログで一日一楽章で取り上げた無伴奏チェロ組曲ですが、本来この楽器のためにかかれたのでは、と言われているヴィオラ・ポンポーサ Viola Pomposa(ヴィオラ・ポンポーザとする方が多くヒットするようですが)による演奏がyoutubeでも出てきていますので、それらを取り上げてみます。5弦の大型ヴィオラ、または小型チェロ状の楽器を、ストラップで肩からつるすため、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ Violoncello da Spalla (肩掛けチェロ)とも言われるようです。肩掛け式のため、楽器は大きくても、左手のフィンガリングと右手のボウイングの向きは、チェロ式ではなくヴァイオリン式になります。そのためチェリストではなく、ヴァイオリン奏者が弾いている場合がほとんど(全て?)のようです。今の所Dmitry Badiarov氏と寺神戸亮さんしか知りませんが。この楽器についてはコロムビアの寺神戸(てらかど)さんの上記ページが、ビデオ入りで非常に参考になります。(ハイブリッドSACDも近々HPの方にアップ予定)
チェロのための不朽の名作として知られる6曲の無伴奏チェロ組曲ですが、後半に行くに従って左手親指の使用が多くなります。3番のプレリュード後半、4番のブーレ2、5番のクーラントとガヴォット1と、5番までは数箇所ですが、6番になると5弦の楽器のために書かれているのがより明瞭になって、通常の4弦のチェロで弾く場合は親指がほとんどフル稼働状態。当然演奏は至難を極めることになります。バロック時代にはチェロで親指を使うことはなかったようですから、オクターヴの音を親指抜きで押さえられるヴィオラ・ポンポーサのために当初書かれたという説が非常に有力になってきているそうです。

「幻のヴィオラ・ポンポーサ」については82年頃からVOXのLPなどで知っていましたが、実際に実物の演奏を聞ける日が来るとは思いもよりませんでした。なので、この記事を書きながらも、少々興奮状態にあるため「てにおは」がおかしいかも知れません(笑) この古楽器が紡ぎ出す音楽自体の感想は明日に回します m(_ _)m
 ※追加情報  日本にこの楽器の製作者の方がいらっしゃいます。こちら

今日は理屈はこの位にして(笑)、ヨーヨー・マの演奏で一躍ポピュラーになった第1組曲からアップします。

Dmitry Badiarov plays J.S.Bach, Cello Suite No.1

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2008年6月29日 (日)

チェロによるシャコンヌ

イラン音楽シリーズの途中ですが、西洋クラシック関係で驚きのビデオが見つかりましたので、今日はそれをアップしたいと思います。よく出入りしているmixiのチェロ関係のコミュで話題になった一本(前半、後半)です。クルドを含め、イラン音楽シリーズをご覧の方、申し訳ございません。数日寄り道する予定ですm(_ _)m
シャコンヌにつきましては、去年の9月24日に一度ミルシタインの演奏入りでアップしてあります。シャコンヌは、J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番の終曲で、ブゾーニ(プッチーニと同じく、「トゥーランドット」を題材にしたオペラも書いたイタリアの作曲家)がピアノに編曲するなど、ヴァイオリン独奏以外でも弾かれることの多い名曲中の名曲です。この曲をヴィオラで弾くのならまだ分かりますが、大きなチェロで、しかも原調のニ短調(d-moll)で弾いている驚くべき演奏です。後半の3声で動く辺りは特に難しいのではと思っていましたが、やはりチェロなりのアレンジが施されていました。ヴァイオリンでは一番難しい箇所だと思います。
楽器の話になりますが、ヴァイオリンの調弦は下からソ、レ、ラ、ミ(G,D,A,E)で、ヴィオラは5度下のドが下に入って上のミが抜けるため、ド、ソ、レ、ラ(C,G,D,A)となります。チェロはそのヴィオラの音が全てオクターヴ下がった調弦になっています。(全て西洋式のチューニングの話しですが) 
シャコンヌの頭のレ、ファ、ラの重音は、ヴァイオリンの場合、下の弦3本で弾きますが、チェロで同じ調性で弾くとすれば、一番下のC線を外した形になるのだろうなぁと思っていました。やはりその通りで、その重音から始まり、続きは上3本の弦のハイポジションを左手親指を駆使しながらヴァイオリンとほとんど同じ音をオクターヴ下で弾くことに成功しています。これはとてつもなく難度の高い技術だと思いますが、それをこのKalman Imreは極めて正確に、しかも暗譜で弾いています。ほとんど完璧ですね。これには驚きました!  
ヴァイオリンの指使いを応用できる5度下のト短調(g-moll)の編曲もあるようですが、それだと音が低くて大分鈍重な印象になると思います。ニ短調だとC線はほとんど使わないのかも知れませんが、その代わり高い弦をハイポジで弾くことで、シャコンヌ本来の重音奏法の輝きを失っていないと思います。もちろんヴァイオリンのように4つの重音の場合は一度には押さえられないので、同じ弦で2つ音を取っている箇所も多いです。アルペジオの辺りで、一番下のC線ハイポジ使用の裏技があるように見えます。
Kalman Imreという名前だと、トルコかハンガリー系の人ではと思いましたが、こちらで確認したら、セルビア出身だと分かりました。セルビアは元オスマン帝国領だし、ハンガリー系住民も多い所。同じ旧ユーゴ出身のピアニスト、イーヴォ・ポゴレリッチも、J.S.バッハ演奏を得意にしていたのを思い出しました。彼はよくTVなどで「キリスト教が分からなければ、J.S.バッハは分からない」と言っていましたが、Kalman Imreならどう言うでしょうか^^

※日本のチェリスト、岩崎洸さんもシャコンヌのCDを出されているようです。バロックチェロのアンナー・ビルスマも無伴奏ヴァイオリンのソナタ2番とパルティータ3番を入れていますが、シャコンヌはまだだったように思います。最近のチェリストのレパートリー拡大には驚かされます。

Kalman Imre Cello Johann Sebastian Bach: Chaconne part 1

Kalman Imre Cello Johann Sebastian Bach: Chaconne part 2

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2008年6月28日 (土)

クルドのダフ

クルドの音楽で目立つ打楽器と言えば、重厚なトンバクよりも、スーフィー音楽で重要視される枠太鼓のダフ(またはダプ)であることは明らかでしょう。このシンプルな作りの太鼓から様々な音を作り出す技は、目を見張るものがあります。トンバクのリーズ(スネアのロールのような奏法)に近い奏法も入るようで、これはやはりトンバクの名人芸をヒントにしたものでは。
このビデオのKeivan Alimohamadiという人は、ケルマンシャーの人かどうか分かりませんが、クルド人のようです。

このビデオの解説にSome pictures of dap have been found in the paintings to be painted before the birth of Christ. The presence of Persian dap in the stonecutting of Bisotun is really wonderful. とあるように、キリスト生誕以前の古代からこの楽器は存在し、ビストゥーンのレリーフにも刻まれているようです。
またMoors introduced Daf and other Middle Eastern musical instruments to Spain and Spanish adapted and promoted Daf and other musical instruments in medieval Europe. とあるように、北西アフリカのムーア人(ベルベル人)がイスラーム王朝下のスペインからダフなどの中東起源の楽器を持ち込んでから中世ヨーロッパに広まり、ヨーロッパの楽器のルーツになっていったのでした。ヴァイオリンやギター、ピアノなど、現在の西洋の主要楽器は、大体が中東に起源があります。
In 15th century daf was only used in Sufi ceremonies, Ottomans reintroduced it to Europe in 17th century.とあるように、スーフィー儀礼のみに使われていたダフはオスマン帝国によって17世紀に再度ヨーロッパに紹介されたようです。中世に西から、近世に東から入った訳ですね。それぞれがどのように継承されて行ったかも興味深いところ。枠太鼓は東欧やアイルランドのトラッドでも頻繁に使われています。

興味深いデータは以下のスーフィーたちの名前。彼らがダフの技をスーフィー音楽にふさわしいものに仕上げて行ったようです。20世紀になってからのようですから、現在のダフ技巧は新しい伝統と言えるのかも知れません。
The art of daf playing in Iran has reached us by the effort of the Iranian Sufis especially in 20th century the late Sayyed Baha-al-Din Shams Ghorayshi(1872-1947), Ostad Haj Khalifeh Karim Safvati (1919-...), Ostad Haj Khalifeh Mirza Agha Ghosi (1928-...), Mohi-al-Din Bolbolani (1929-...), Sayyed Mohammad Shams Ghorayshi (1930-...) and Masha-Allah Bakhtiyari (1940-...).

PLAYING DAF(frame drumming )

tak navazi daf

前にバフティアリの所で名前が出てきたダフ名手abbas bakhiariのソロ。ナーゼリーなどの伴奏者としても知られています。

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2008年6月27日 (金)

ケルマンシャーのパーティ

2日間、ケルマンシャーの遺跡関係を見ましたが、現在のクルドとは直接関係ないのかも知れません。そこで今日はケルマンシャーの「クルド音楽の現在」と言う事で、クルド・ダンスのビデオを数本。このタテノリの音楽と、老若男女入り乱れてのダンス、何とも楽しそうです。音楽自体はカムカルの演奏の方がはるかに高度ですが、このタテノリ・リズムはほとんど同じと言っていいでしょう。所謂「クルドのり」というやつでしょうか^^
Mohammad Amin Gholamyariという歌手は若手に見えますが、ケルマンシャーでは名の通ったクルド民謡の歌手なのでしょう。ビデオが何本も見つかります。一本目はMohammad Amin Gholamyariの独唱と伴奏風景(左からケマンチェ、タール、トンバク、ウード)も確認できるビデオ。2本目は彼の歌をかけて会衆が踊っているようです。このクリップはちょっと接続が悪いようです。3本目はMohammad Amin Gholamyariではないようですが、接続はばっちり。故郷から遠く離れたイギリスで羽目を外して踊るクルド人たち^^ 会場の熱気に乗せて、望郷の思いも伝わってくるようです。

Mohammad Amin Gholamyari Traditionalmix

Mohammad Amin Gholamyari

Kurdish Dance in England

Kermanshah Party in Leeds

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2008年6月26日 (木)

ターゲ・ボスタンの古えの楽士

昨日のビストゥーン(世界遺産でした)の近くにターゲ・ボスタンという遺跡がありますが、ここはササン朝ペルシア時代のレリーフが残っており、その図はササン朝時代の楽器の図像の宝庫と言われています。このyoutubeビデオに出てくるかどうか確認は出来ていませんが、その中には中国を通して奈良の正倉院に伝わった箜篌(クゴ)という竪琴(ハープ)のルーツに当たる楽器(チャング)も彫られています。チャングは古代アッシリアにまでその起源が遡るようです。シルクロード交易を通して琵琶などと一緒にペルシアから伝わりましたが、そのルーツであるチャングはササン朝の宮廷で好んで演奏されました。正倉院には他にも白瑠璃碗(カットガラス碗)などの古代ペルシア伝来の宝物が収蔵されています。

チャングを演奏する楽士(こちらより) 

このビデオのバックで演奏しているタール弾き語り、素朴ではありますが、深い味わいがあってとても良いですね。旋法はおそらくホマーユン(Homayun)でしょう。画面が小さいのが少々難ですが、当地の古典音楽プレイヤーでしょうか。あたかも古えの楽士を追想するかのようなノスタルジックなタール弾き語りです。

Taq e Bostan

Taq e Bostan is situated in the north of Kermanshah, Iran. The magnificent summer palace and royal hunting grounds of Sassanids dynasty some 1,800 years ago. The monuments consist of two arches and a sculptured bas relief known as the scene of investiture of Ardeshir II (379-383 ACE)

Iran- Taqe Bostan

ターゲ・ボスタンの紹介ビデオ。この中には楽器も色々出てきそうです。イスラーム成立以前の、国教がゾロアスター教の時代ですから、イスラーム的な図柄はどこにも見当たらず、ヘレニズム文化の影響や異教的にすら見えるようなイメージもあるように思います。

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2008年6月25日 (水)

ビストゥーンの古代ペルシア遺跡

ケルマンシャー州は、もちろんケルマンシャー市だけでなく、他にも名所旧跡が色々あるようです。ケルマンシャーから東に少し行った所にビストゥーンという町がありあますが、そこにはダレイオス(ダリウス)大王の戦勝記念磨崖浮彫がありまして、この浮彫は、アケメネス朝ペルシャ帝国第3代の王ダレイオス1世(在位前522~486)の功績を記念したもの。楔型文字解明の手がかりになった貴重なレリーフです。 以下レリーフ解説はこちらより
 左に王位僣称者ガウマータを踏みつけたダレイオス。彼の前には9人の反乱指導者が後ろ手に縛られ、首に縄を付けて数珠繋ぎにされています。その上にはアフラ・マズダ神が彫られています。彫刻のパネルの下には古代ペルシア語(楔型文字)とその左右にエラム語。パネルの左にはバビロニア語の碑文が刻まれています。ビストゥーンは、ザグロス山中にあり、古くはバガスターナ(神の居所)と呼ばれていました。

シーリーン(「甘美な」、またはロマンス叙事詩のヒロインの名)を連呼しているこの歌が何を歌っているのか非常に気になるところ。古代のレリーフと何か関係があるのだろうと思います。伴奏楽器にカーヌーンが使われているのも、また歌われている音階も、イラン的またはクルド的というよりアラブ寄りな風味を感じさせ、何とも不思議です。

Bistoon kermanshah

Shirin Jan Bistoon kermanshah

Khosrow & Shirin aus fünf Büchern des Nezami

ニザーミのロマンス叙事詩「ホスローとシーリーン」に関するドイツのドキュメンタリー番組。28分余りあります。物語を描出したペルシア細密画はもちろん、ネイの演奏が素晴らしい! レリーフからは飛躍しますが、歌関連ビデオと言うことで。

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2008年6月24日 (火)

ケルマンシャー

さて、イラン西部クルディスタンの中心地、ケルマンシャーに辿り着きました。
ナーゼリーさんやヤルサンのタンブール音楽などは、3月末前後に集中してアップしましたので、今度はできるだけその他の音楽状況を見ていければと思っています。

一本目はパーレヴィ王朝時代の50~60年代に撮られたビデオのようです。当時のクルディスタンの風俗や町の風景など、とても興味深い映像が出てきます。セピア色のフィルムだけで確かにノスタルジック。バックのクルディッシュ・ポップスは最近のものだと思いますが。
二本目はケルマンシャー・ポップスになるのでしょうか。ファルハド・スルタンというのが歌手名? 伝統音楽色を残したサウンドで、この位だと現在のイランでもOKなのでしょうか。女性は被り物を被ってないし・・。
このように、分からないことばかりですが、ナーゼリー&ヤルサン音楽しか知らなかった者としては、とても新鮮に聞こえます。ケルマンシャーにも色々な音楽が流れているようです。しかしこの辺りもやはり美人が多いですね^^

Kermanshah

KERMANSHAH YA SULTAN SAGH awarey_donia

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2008年6月23日 (月)

レイラ・ファリギのクルド・マカーム?+個展の話し等

昨日は13日に紹介しましたモハメッド・アリさんの個展に行っておりまして、ブログはお休みしました。地元今治のマイミクさんのFさんご夫妻を車で迎えての松山行となりまして、豪華民族衣装で身を固めたアリさん(無類のカッワーリ・フリーク)、補佐のプリティなYさん、松山の音楽マニアKさん(いきつけのカフェ、市駅前の1954の常連さん)が画廊に揃い、久々の楽しい一時でした。最近こういう刺激がほとんどないもので、リフレッシュ&エネルギー充填できた一日でした。ムガール、ラージプートなどのスタイルによる若い頃の作品や、艶美なカーマ・スートラの諸作、中でも精緻なタントラの絵にまつわる色々なエピソードには驚かされました。
予告ですが、7月17日のアリム・カシモフ公演の周辺に上京しますが、それまでにはカタログの次号を出す予定です。また、来月9日にはキングレコードから150タイトルのワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー(World Music Libraryのリニューアル・シリーズ)が出ますが、私がライナー・ノーツを担当したシャーラム・ナーゼリーの東京ライヴも入っております。先日ライナー・ノーツの英訳をチェックしてキングに返事し、こちらでの作業は全て完了。出来上がりが楽しみです^^  HPにも早めに情報を乗せる予定です。

今日は一昨日紹介しましたクルドの女性歌手レイラ・ファリギ(またはライラ・ファリギ)の他のクリップを見ていたら、3月末に取り上げたようなクルド・マカーム的な歌を歌っているものが見つかりましたので、それらをアップしておきます。彼女の他のアラブやベリーダンス的な歌唱とは対照的で、本当に同じ歌手?と思ってしまいます。ナーゼリーの歌に聞けるようなクルドの音階が特徴的ですし、フリーリズムで歌われるパンチの効いた憂い節は、言葉は分からなくても非常にインパクトがあります。喩えて言えば、クルドの浪曲的な歌謡になるのでしょうか、しかしもっとエレジー的な歌で、日本にはそういうパッションの込められた哀歌のジャンルはないかも知れません。こういうジャンルがあるのは羨ましく思います。(強いて言えば日本で近いのは新内でしょうか?) 2本目は少し接続状況が悪いようですが、イランらしいリズムに乗せた歌唱を聞かせてくれています。

KURDISH Music Leila Fariqi Mutribi 7arifan Maqam u Gorani

Kurdish Music Leila Fariqi Sutanduta Gorani Kurdi

Kurdish Music Leila Fariqi Ja Chon Nagrim Gorani kurdi

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2008年6月21日 (土)

哀愁のクルド女性ポップス

ケルマンシャーに行く前にサナンダジでもう一本と思いましたが、手頃なのがないので、ポップスですが、一本上げておきます。サナンダジの初回のような男性の群舞はやたらにありますが、何度も上げるのもちょっとむさい気がしまして^^

Leila Fariqi(レイラ・ファリギ)という歌手、結構有名な人のようで、クリップも沢山アップされています。その中から、クルドの女性を歌ったKiji xemという曲。シャンソン風なイメージも持ちますが、なかなかメランコリックでノスタルジックな美しさに溢れた曲です。コメントに This is a old song from her second CD "Love&Pain".とありました。他のクリップは結構アラブ色の強い曲が目立ちましたが、Kiji xemはクルド民族の胸の内にある哀感を感じさせます。ビデオとのマッチングも秀逸です。

Kiji xem - Layla - Leila Fariqi

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2008年6月20日 (金)

サナンダジの女性スーフィー儀礼

今日はもう少しサナンダジのクリップを見てみます。クルディスタン(コルデスターン)州の州都サナンダジはセンナ(Senna)とも言われ、クルド以外ではSine或いはSnaと綴られることもあるようです。サナンダジの南に位置するケルマンシャーと並んで、イランのクルディスタンの中心地のイメージが強い町です。人口の大多数はクルド人ですが、少数民族としてアルメニア人、ユダヤ人、カルデア人(アッシリア系のクリスチャンと思われます)のようなキリスト教徒やユダヤ教徒も住んでいるようです。アルメニア人やユダヤ人(イラン革命後減ったようです)はテヘランにもいるようですが、カルデア人の存在はやはり西イランならではでしょう。
7世紀以後にイスラームが浸透するまでは、イランの西はキリスト教世界(東は仏教世界)だった痕跡と言えると思います。その東西の世界にイランの宗教文化が様々な影響を及ぼしていたことも忘れてはいけないと思いますし、キリスト教が東進することと仏教が西進することをイランという国が堰き止めていたという事実も重要なポイントでしょう。

一本目はサナンダジの町を紹介するビデオで、バックに流れる女性の歌声はクルディッシュ・ポップスでしょうか。メロディはトルコ側のクルド歌謡とそっくりです。カムカル・アンサンブルの面々の出身地ですが、ここサナンダジのようです。りーずさんからコメントいただきました。
二本目は驚くべき一本です。女性のダルヴィーシュ(托鉢僧)達によるスーフィー・ダンスと、トランス状態になった彼女らの姿をも収めたドキュメンタリー番組からの一こま。クルドのスーフィー音楽と言えば、音源では仏Ocoraの2枚組みなどがありましたが、女性のダルヴィーシュの、しかも本当にトランス状態になっている映像まで見たのは流石に初めてです。これは驚きが隠せない一本!

Sharakam Sena

Mystic Iran -- Women dervish dance and trance

from filmmaker Aryana Farshad's amazing film of spiritual rituals and visits to sacred locations in her native Iran-- "Mystic Iran" (2002) 52 minutes.

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2008年6月19日 (木)

この人もクルマンジー

今日のスィヴァン・ペルウェルは明らかにトルコ側クルディスタンの人。クルマンジーは、トルコと北イラク、イランの北部、カフカス、ホラサーンやトルクメン(近世に強制移住されられたクルド人の子孫)などに住んでいます。ソーラーニやケルマンシャーの言葉がアラビア文字系で表記されるのに対し、クルマンジーはトルコやシリアではラテン文字、カフカスではキリル文字で綴られます。イランにも少なからずいるはずですが、昨日のビデオのようにトルコ側クルドの要素が濃いのかも知れません。
トルコのクルド系アシュク(吟遊詩人)として内外で有名なスィヴァン・ペルウェルですが、彼のビデオは大分前にも一度アップしました。今日の一本目は91年のライヴのようですが、会場には一体何人聴衆がいるのか見当も付きません。大変なカリスマ的存在であることが見て取れる熱~い映像です。「クルドは一つだ!」と歌っているのでしょうか? Favorite this video for all your friends. Please vote for this video.というコメントがまた何とも熱いです。

Şivan PERWER - Kine Em ! Kurdistan - 1991

Sivan Perwer - Halepce

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2008年6月18日 (水)

クルマンジーの音楽

昨日アップしましたカームカールの演奏のナリネーという曲ですが、異演がありましたので、一本目にアップしておきます。クルマンジー(クルド語の北方言)の地域だけあって、サズを持っていますね。トルコ側の演奏かも知れませんが、イランでもサズが使われることはあるのでしょうか。イラン、トルコ、イラク北部のどこになるのか判然としない音楽が多いですが、そこが魅力のように思います。

narine.....zober swrchiy

Urmîye, Kurdistan

トルコとの国境に近いイランのアゼルバイジャン州のクルドの町、ウルミエを歌ったKoma Şîrvanの曲。クルマンジー語で歌っているようです。音楽の印象はほとんど完全に「トルコ」です。とても素晴らしい所のようですね~。

sabah allami

これはイラク側のクリップのようですが、クルドなのかアラブなのか不明。音楽やリズムは少しクルマンジーに近いようにも聞こえますが。

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2008年6月17日 (火)

サナンダジとクルマンジー

さて、またイランの地方音楽シリーズに戻ります。南インドや北インドの音楽は、また改めてたっぷりかけたいと思いますが、何ヶ月か後になると思います。
イランの地方音楽シリーズは、コーカサスから入ってヤズド~ホラサーン~ファールスのガシュガイ~ケルマン~バルチスタン~ペルシア湾岸~ハメダン~ロレスターン~バフティアリ~イスファハーンと螺旋状に巡ってきましたが、またコーカサス関係で巡ったクルディスタンとアゼルバイジャンに戻ってきました。(地図はハメダンの回にあります)

北西イラン語派に属するクルド語は、大きく分けてサナンダジやイラク側のクルディスタンなどのソーラーニ語(中央方言)と、ケルマンシャーなどの南部方言、トルコ~イラン北部などのクルマンジー語(北部方言)の3つに分かれます。同じクルド語でもケルマンシャーとサナンダジでは別な方言になるため通じない部分も多いようです。
ケルマンシャーには、ナーゼリーやヤルサンの音楽以外にも、まだまだ色々あるだろうと思いますが、その捜索はまた後日に回し、今日はケルマンシャーの北に位置するサナンダジ(コルデスターン州の州都)中心に見てみます。
ソーラーニ語の分布地域で納得ですが、今日の3本目のような男性の群舞はイラク側にもあったような気がします。1本目はクルド音楽の雄、カームカール・アンサンブルの演奏で、サナンダジの民謡のようです。ちょっと映像が不鮮明ですが。2本目はカームカールの演奏で、クルマンジーの民謡。差は、、微妙ですね~^^   
ところで、カームカールの出身はどちらなのでしょうか?

Cuwani - Kamkars

Cuwani is a newer version of an old Kurdish Song In Sorani. Performed by Kamkars. As known Kamkars are the most Famus Kurdish Music groups In the wold Now.

Narine - Kamkars

Narine is a Kurmanci song that performed By Kamkars in thier last CD.

The best kurdish dance

shaho group in sanandaj

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2008年6月16日 (月)

マハリンガム90分!

大昔にゲバゲバ90分という番組がありましたが、何とマハリンガムのビデオ、トータル90分余り収録されているビデオ自体がアップされていました。これにはたまげてしまいました^^  ついでなので今日アップしてしまいます。お時間のある方は、この至高の演奏を体験してみて下さい。
一本目は、ばか高い値段で有名なフランスの古楽レーベルStilから出ていたレンヌでのコンサート・ライヴの一曲目と同じシャーマ・シャーストリ(南インド3代楽聖の一人)のクリティ。ラーガはアナンダバイラヴィ。この曲は18番だったのでしょうか。スティル盤は17分弱でしたが、このビデオは1時間! 途中で曲が変っているかも知れませんが(まだ未確認のため)。朝のラーガのバイラヴィ系は個人的に大好きなラーガ。同レーベルのパリのライヴの一曲目もバイラヴィで始まっています。その曲は、今は亡き女性歌手M.S.スブラクシュミ(90年頃オルターポップから出ていた「サンギータ・カラーニディ」の1曲目)も歌っていた「ヴィリボーニ」というヴァルナムで、有名な曲なので、同曲異演が色々聞けると思います。曲調はアナンダバイラヴィに少し似ています。
2曲目は曲名が不明。スティルにあったような気がしますので、曲名を探してみましょう。後日結果を載せるかも知れません。スティル盤ですが、再プレスされているようですから、久々に入れてみましょうか。

His students: Sri L. Sundaram (I think) and Sri N. Ramani are behind him. This is believed to be a recording of Sri T.R. Mahalingam's last concert on Dec. 31, 1985
ムリダンガム奏者とカンジーラのハリシャンカルの右で手を打っている人は、やはり弟子のフルート奏者N.ラマニでした。

Sri T.R. Mahalingam - Flute
Smt Dwaram Mangathayaru - Violin
Sri Mannargudi Easwaran - Mridangam
Sri Harishankar - Kanjira
Sri Pudukottai Mahadevan - Morsing

Sri T.R. Mahalingam Concert Pt. 1

Sri T.R. Mahalingam Concert Pt. 2

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2008年6月15日 (日)

T.R.マハリンガム

寄り道ついでに、今日は南インドの音楽を見てみます^^  イランを中心に行きつ戻りつにするか、一通りイランの地方音楽を見てから移動するかは、考え中です。
今日のビデオは、一部の南インド古典音楽(カルナティック音楽)ファンの間で伝説になっているほどカリスマティックなフルート奏者、マハリンガムの演奏です。彼のビデオもyoutubeに出てきています。大分前にマイミクのMさんから教わっていましたが、ようやくアップする日が来ました。このビデオは大分前に某サイトでダウンロードできた(今も出来るかも?)ビデオ・ファイルのようです。Vol.1と3はほとんどがインタビューのため外しました。
昨日のカッワーリとは違って、イスラーム的な要素が全くない(おそらく)純ヒンドゥー的な南インドの音楽は、「インド音楽の中のインド音楽」と言って良い伝統を誇っています。北インドのシタールとタブラなどが、いずれもイランや中央アジアなどのイスラーム世界から伝来した楽器に基づいているのとは対照的です。
マハリンガムのカルナティック・フルート(クラルとも)の演奏ですが、まず音数の少なさに驚かれるかと思いますが、その音の動きは通をうならせるもので、そのようにカルナティック音楽の核を鷲づかみにしながらも、彼の音楽をかけていると小鳥が寄ってくるという逸話を生んだほどナチュラルな音楽性。他のクラル奏者の演奏では小鳥が来なかったそうで(笑) その共存は奇跡的と言えるのかも知れません。クッションを膝に乗せた演奏姿勢の気ままさも見ていて楽しく、その名(そのままの意味はちょっと日本語にし辛いものですがw)の通りの芸格の大きさを感じ、カリスマ音楽家とはかくあるべしとの感慨を覚えます。共演者は他にはない緊張を強いられ、少々戸惑いながらも強烈にインスパイアされているような様が見て取れます。楽器は右から南インド式のヴァイオリン、モールシン(南インドの口琴)、カルナティック・フルート、ムリダンガム(両面太鼓)。一番左後ろにいる奏者はカンジーラ(タンバリン風)。

日本での人気は、以下のコメントの影響が大きいのかも知れませんが、どうなのでしょうか。私自身も90年頃にこの記事を読んで興味を持った一人ですが^^
杉浦康平氏の評の抜粋
「...ときにぶっきらぼう、とも聞こえるマハリンガムの笛の祈りにじっと耳を傾けていると、はるか彼方に、かつてみたことのないような音の曙光がみえは じめる。山頭火や棟方志功の作風にも共通し、虚無僧の法竹にもひそむ清冽の気韻が輝きだすのである。...9歳にして神童の名を轟かせたマハリンガムは、 16歳のとき神秘体験に遭遇し、ただならぬ霊感をえた。以後、彼の笛には、音楽を超えた霊的な響きが宿るのである。」(別冊ミュージックマガジン 「季刊ノイズ」No.9より)

T.R.Mahalingam - Carnatic Flute - part2

T.R.Mahalingam - Carnatic Flute - part4

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2008年6月14日 (土)

懐かしのニザーミ・ブラザース

昨日カッワーリの話が出てきましたので、ちょっと寄り道を伸ばし一本見てみましょう^^
アリさんは現在は画業に専念されていますが、昔は兼業でカレー屋さんをやられていて、当時の店(ムニール・ゼナブ)が船橋にありました。93年の暮れに長女のアリアちゃんの1歳のバースデーパーティーが催されました。地域の方々に人気者のアリさんでしたから、店に入りきれない位のお客さんが来られてました。そこに呼ばれて、何と私がカッワーリを一曲歌ってしまったのでした(笑) その時に歌ったのが、仏Ineditから出ている「アジアのイスラーム音楽」収録のデリーのカッワーリ・グループ、ニザーミ・ブラザースの曲でした
この曲は個人的に非常に気に入っていて、ヌスラットよりヘビー・ローテで当時聞いていたため、勿論歌詞の意味は分かりませんが、ほとんど節回しと歌詞を記憶していました。そこでアリさんから歌詞の猛特訓を受け、ウルドゥー語の歌詞はこれで日本語に訳すとこんな意味だよ、と教わりました。曲名はナーメ・ムハンマド・サッレ・アッラー(音訳は正確ではないと思いますが)で、預言者ムハンマド(マホメット)の名が入っている通り、典型的ナアトでした。(カッワーリのジャンルはアッラーを讃えるハムド、預言者ムハンマドを讃えるナアト、スーフィー聖者を讃えるマンカバトの3つが代表的なもの)ラーガは夜のラーガのダルバリ。短調の節の哀愁がありながらも、情熱的な曲調が特徴でしょうか。とにかく良い曲です。
アリさんのタブラ(ドーラクも)、前妻のハルモニウム、その時居合わせたお姉さんたちのハンド・クラッピングとコーラスで、どうにか歌い上げ、なかなか好評でした(笑) お姉さんたちは勿論歌詞の意味が分からないので、「ズィクル・カレーン」とかいう歌詞を「作るカレー!」と歌い替えていましたw  楽しい宵だった記憶だけは15年経ってもありありと覚えています。(当時はZeAmiを始める前で、六本木WAVE4FにあったStore Daysに勤務していた頃)

そのデリーのニザーミ・ブラザースのyoutubeを見つけましたが、以前シャリマールから出ているVCDで気が付いていた通り、どうも同名異グループのようです。それとも仏Inedit盤は録音が80年代でしょうから、すっかりメンバーが変っている(あるいは年取って見かけが変っているとか?)だけかも知れません。youtubeもなかなか良い演奏ですので、どうぞお楽しみ下さい。
※現在は田舎にいるため、このような刺激的なハプニングは全くありません。youtubeで世界巡りか、今日のように昔話かに終止するしかないのがちょっと残念なところです^^;


アジアのイスラーム音楽  仏Inedit

パキスタンのアザーン、パキスタンのガザル(アビダ・パルヴィーン)、カッワーリ(デリーのニザーミ・ブラザース、パキスタンのサブリ・ブラザース)、マレーシアのMawled、インドネシアのSalawatDulang 

Qawwali-Deen Shab ke Mee Rafti Butan by Nizami Brothers

Man Kun To Moula Live Concert(Part1)Nizami Brothers Qawwal

ヌスラットもよく歌っていた定番曲ですが、向こうのサーバーに問題があるのか、ぶつぶつ切れるのが残念です。

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2008年6月13日 (金)

インド細密画個展 +奈良さん

今日はイラン地方音楽シリーズを一日お休みして、個展のお知らせです。
 作家の名前は、モハメッド・アリ・カーン・ゴーリさん。その名の通りイスラム教徒で、ご出身は北インドはラジャスターン州の州都ジャイプール。実は私Homayunが池袋のArt Vivantにいた91年頃からのお客様なのです。ヌスラットなどのカッワーリの大変なマニアで、その縁で店にもいらっしゃいました。以来17年のお付き合い。奥様は日本の方で、80年代の後半から日本に定住されたようです。
1今月の19~24日まで今治の隣町、松山で個展が開催されますので、急遽こうしてお知らせすることにしました。私も22日に時間を作って約3年ぶりにお会いする予定です。アリさんに許可を取ってハガキを表裏スキャンしましたので、お近くの方は是非お立ち寄り下さい。松山の後は、ハガキにある通り、北海道の札幌~小樽と廻られるようです。
2詳しくは知りませんが、彼の書く絵はムガール絵画になるのでしょうか。絵の題材は敬虔なムスリムらしくスーフィー系(題材はダルヴィーシュ=イスラムの托鉢僧等ですが、野球選手ではありませんのでw)のテーマが多目のようですが、Kama SutraやTantraがテーマのエロティックなものも人気のようです。余り表には出ていないようですが(笑) これらのインドの春画も、インド・イスラームの王朝、ムガール帝国以来の伝統のようです。

 :*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜☆

併せてカッワーリのビデオでも、と思いましたが、6月13日と言えば、正月にナツメロ特集で取り上げた奈良光枝さんの誕生日。ご存命ならば今年で85歳。正月には埋め込みでアップしたらクレームが付きましたので、今回はリンクで上げておきます。最高の一本、71年の「悲しき竹笛」が消えているのは寂しい限りです。
青い山脈
赤い靴のタンゴ

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2008年6月12日 (木)

タージ・エスファハーニとハッサン・キャサイ

エスファハーン特集、今日で一応終わりにします。結局地方音楽的なクリップは見つからず、古典音楽ばかりになりましたが。
今日はエスファハーンの生んだネイの名手ハッサン・キャサイと、往年の名歌手ジャラール・タージ・エスファハーニの演奏です。タージ・エスファハーニはMahoorから出ているA Century Of Avazの2枚目にも往時の名唱が収録されていた歌手。1本目は確か初アップだったと思いますが、2本目は9月に続いて2度目の登場。この名前ですが、エスファハーンの出身ではないのかも知れません。
1本目は収録が古いからでしょう、ちょっと録音レベルが低いですが、タハリール唱法を交えながらのアーヴァーズとネイ伴奏共に味わい深くて最高です。2本目はアンサンブル演奏で華麗ではありますが、エスファハーニの声は全盛期を過ぎているようにも思います。しかしその枯れた味わいがまた良いですねぇ。
「アーヴァーズの一世紀」では、同じ人とは思えないくらい高い声で華麗にHomayunを歌っています。そこでのピアノ伴奏は、昨今日本でも一部で話題のモルタザー・マハジュービーではないかと思われます。

Kasaee "Agha Hassan" va Taj

Atashe Del

Ostad Taje Esfahani, Kassai , shahnaz, AmirNasser Eftetah

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2008年6月11日 (水)

ダスタン&サラル・アギリ

エスファハーンで検索していたら、今度は最近のダスタン・アンサンブルの映像が出てきました。独唱は1977年テヘラン生まれの若手男性歌手、サラル・アギリ(Salar Aghili)。輝かしく品のいいハイトーンヴォイスの持ち主です。youtubeビデオは以下のアルバムに対応したライヴ・ツアーの映像でしょう。
楽器一つの伴奏の、エスファハーンらしいしっとりしたアーヴァーズ部分を聞きたかった気もしますが、ダスタンの緊密で迫力のあるサウンドと、貴公子然とした歌声の一端を確認できる映像です。完全版のビデオが画面に出てくるサイトにあるようです。(おそらく有料)
アンサンブル・ダスタン&サラル・アギリ/The Endless Ocean

Dastan & Salar Aghili

Salar Aghili

Dastan Ensemble and Salar Aghili

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2008年6月10日 (火)

マスード・シャアリのエスファハーン

さて、数日寄り道しましたが、イランの音楽に戻ります^^  エスファハーンの地方音楽というのはやはり見当たりませんので、今日も古典音楽のクリップを上げておきます。
セタール奏者のマスード・シャアリですが、アリザーデの少し下の世代位だったでしょうか。倒産した仏Club du Disque Arabe(AAA)からソロ・アルバムがありました。最近はネットラジオのRadio Darvishでもよく彼の演奏を耳にします。実にブリリアントなプレイと言いましょうか、粒の揃った音がきらきらと美しいですが、ここで演奏しているのはエスファハーン。この哀愁味溢れる旋法が、幾分華やかに聞こえます。トンバク伴奏はPejham Akhavas。ナーゼリー親子との共演も多い若手名手です。
2本目はシャアリがデルロバという弦楽器を演奏している映像。この楽器の低音の豊かな音色は、レバノンのブズクにかなり似て聞こえます。特にベース音の動きがブズクにそっくり。どこか脱ペルシアなイメージに聞こえて、興味深いものがあります。この楽器、創作楽器か復元楽器か、どちらになるのでしょうか。詳しい方、情報をお待ちしております。m(_ _)m

Massoud Shaari

Massoud Shaari Plays Delroba

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2008年6月 9日 (月)

サブリ・ムダッラルの燻し銀の歌声

昨日のスンバティの非常に素晴らしく味わい深いウードソロを見直していたら、何とサブリ・ムダッラルのビデオを見つけました! しかも沢山ありますので、更に見たい方は再生後のリンクからご覧下さい。
彼はシリアの古都アレッポのワスラ(シリアのアラブ古典歌謡組曲)を伝承する国宝的存在で、コーラン朗唱のムアッジンでもあるムダッラルの練達の歌声には、アラブ音楽のエッセンスが詰まっていると思います。ウードやカーヌーン、ヴァイオリンの熟練の伴奏陣の演奏も、聞き物。一本目はフリーリズムの独唱部分、2本目は合奏部分。

      
 アレッポのワスラ~サブリ・ムダッラル 仏Inedit

Sabri Mudallal

Sabri Mudallal

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2008年6月 8日 (日)

スンバティのウード・ソロとカルスーム

ずっといつ終わるとも知れぬイラン地方音楽シリーズが続いておりますのでw、ここで一つ極上のアラブ音楽を入れておきます。どちらかと言えば作曲家として知られているエジプトのリヤド・アル・スンバティですが、今日のクリップのように卓越したウード演奏でも有名な人でした。これは本当に素晴らしい!!! 
おまけで、彼が書いたアラブ音楽のポピュラー名曲「ロンガ・ナハーヴァンド」と、エジプトの不世出の歌姫ウム・カルスームの名唱の貴重な映像も。スンバティは、カルスームの曲も沢山書いた人でした。

Riyad El Sunbati

Riyad El Sunbati in Kuwait

riyadh alsunbaty

Kuwait Solo Kanun Longa Riyadh

リヤド・アル・スンバティ作曲のロンガ・ナハーヴァンド。クウェートのカーヌーン奏者(学生?)の演奏。

Um Kalthoum Al Atlal(廃墟)

スンバティ作曲の名曲Al Atlal(廃墟)。カルスーム(クルスーム)の代表曲の一つ。
参考文献:水野信男著「音楽のアラベスク」(世界思想社)

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2008年6月 7日 (土)

ダリウーシュ・タライー

エスファハーンでもう少しと探していたら、またまたお宝ビデオを見つけましたので、今日はそれをアップしておきます。現在のペルシア音楽界で、ホセイン・アリザーデと並び称されるタール&セタールの名手ダリウーシュ・タライーの若き日(おそらく70年代)の映像。タールの方のトンバク(ザルブ)伴奏がジャムシド・シェミラーニですから、仏Harmonia Mundiからの一連の録音(↓はその一つ ですが、既に廃盤かも)が出た頃の収録でしょう。こういうオーソドックスな古典演奏はやはり良いものですね~。しかし二人とも若い!w  
 

      
イランの音楽  
      マジッド・キアーニ(Santur)/Dastgah Segah、
      ダリウーシュ・タライ(Tar)/Dastah Shur、
      ジャムシド・シェミラーニ(Zarb)/Imrovisation a 6temps


タライーは、タールをアーガー・ホセイン・ゴリー(1851-1916)の息子であるアリ・アクバル・シャーナズィー(1897-1984)から習い、更に声楽のラディーフをアブドッラー・ダヴァーミから学んだという、カージャール朝の宮廷楽士直系の芸を今に伝承する名手。1952年生まれですから、上記のような19世紀生まれの巨匠から直接学んだ最後の世代でしょう。
ジャムシド・シェミラーニは、あのホセイン・テヘラーニの弟子筋で、現在多方面で活躍中のケイヴァン&ビジャン・シェミラーニ兄弟の父親。

旋法はタールの方がアフシャーリー、セタールの方はマーフールで、曲は往年のダルヴィーシュ・ハーン(1872-1926)による有名なチャハールメズラブ。

Persian Tar - Dariush Talai(埋め込み禁止)

Re: Dariush Talai - Setar

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2008年6月 6日 (金)

エスファハーンとゴルパ

久々に遅めのアップ。梅雨時だからでしょうか。だるくてしょうがないですね(´_ゝ`)  皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
今日はバフティアリやロレスターンの東隣のエスファハーン州の映像をと思いましたが、この辺に来ると民俗的なものはほとんど見当たりません。往年の名歌手ゴルパがエスファハーン(旋法名)を歌ったクリップがありましたので、それを上げておきます。2本目はライヴ映像。こちらの方が純古典的な演奏です。
バヤーテ・エスファハーンと言えば、哀愁味に溢れる旋律で、日本の中高年にも受けが良いという噂を聞いたことがあります。私もイラン革命の起きた79年でしたが、一番最初にはまったペルシア音楽の演奏がバヤーテ・エスファハーンでした。前にアップしたケマンチェのアスガール・バハーリーと、トンバクのホセイン・テヘラーニのデュオでした。あれを聞いてなければ、今こんなことをやっていなかっただろうと思うほど、高校時代に強烈なインパクトを受けた演奏です。
バヤーテ・エスファハーンとは、元々は「エスファハーンの歌(または詩)」のような意味です。サファヴィー朝時代の首都でしたが、その頃は「エスファハーンは世界の半分」と称賛され、栄華を極めた都でした。ゴルパはテヘラン出身のようですが、エスファハーンを歌う時は、往時の古都にも思いを馳せているのでしょうか。

Golpa - Avaz e Esfahan. Goftam Vali Bavar Nakardi.

Akbar Golpa

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2008年6月 5日 (木)

バフティアリ・ポップス

バフティアリは一応今日までの予定です。最後はポップスに行ってみましょう。結構地方色を生かしたポップスも盛んなようです。3本目のようなクラシック的アプローチは、バフティアリ以外にもいくつか(CDでも)あったように思います。
一つ訂正です。昨日名前が出てきたアッバース・バフティアリですが、検索キーワードには入っていましたが、ナーゼリー・パリ・ライヴのメンバーには入ってなかったようです。参考ビデオ→Sama この中でダフを叩いている人がアッバース・バフティアリ。90年にパリでCentre pouyaを立ち上げ主催している人なので、Samaはそのプロモーション・ビデオなのでしょう。ナーゼリーのライヴも、演奏ではなくプロデュースだったのでは。

Iran bakhtiari, Risheh

最初の曇った音色のバラバン(メイか?)を聞いて、お!と思いましたが、打ち込みが入りましたw  ちょっと残念です。 ビデオの解説=Shaer va ahange motevafete bakhtiari payghami be farzandaneh ayandeh saz.

Iran bakhtiari, monom bakhtiari

女性歌手Foroozandehの歌。元はトラッドのようです。うしろの叔父さんが叩いている組ダラブッカは、クーゼスタンの黒人系音楽に使われていたのと同じ^^

Shirin Jan (Shaghayegh Kamali)

これはバフティアリの民謡を現代音楽風に演奏したもの。これはユニークです! クラリネット奏者はドイツ系(-manが付いているのでユダヤ系かも?)のようです。 A composition upon a Folksong from Bakhtiari (Iran) by Siavash Beizai.This piece contains also "Ninay Nay" an other folksong from Bakhtiari that you don´t see here. Song: Shghayegh Kamali Piano: Anoosha Golestane Clarinet: Ulrich Peterman

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2008年6月 4日 (水)

ナーゼリーの楽団にバフティアリ?

バフティアリで4日見てきましたが、Bakhtiariで検索した中にクルド系の名歌手シャハラーム・ナーゼリーのクリップがありました。メンバーの中にアッバース・バフティアリが入っているため検索に引っかかったようです。とりあえずはこの素晴らしいパリでのライヴ演奏をご堪能いただけたらと思います。
アッバース・バフティアリはトンバクと両面太鼓のダムマームを担当している人だと思いますが、この名前ですからバフティアリの人なのでしょうね。この人はクルドのタンブール名手アリ・アクバル・モラディの仏Ineditから出ている「イランのクルド音楽」というアルバムで伴奏していた人でした。このアルバムではタンブールも弾いています。
パリでのライヴでは南イランをすぐさま連想させるダムマームを前においての演奏。ロレスターン以来見てきたように、クルドとバフティアリやロリは隣接しているため、少なくとも音楽においては影響を与え合ってきたように見えます。

Centre Pouya part 1

Centre Pouya part 2

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2008年6月 3日 (火)

ホスローとシーリーン

今日はここ数日の間に何度か登場したロレスターンの(バフティアリらしいですが)女性歌手パルヴィーン・アアリプールの歌で、「ホスローとシーリーン」とバフティアリの結婚の歌。「ホスローとシーリーン」と言えば、「ライラとマジュヌーン」と並んで12世紀のロマンス詩人ニザーミーの代表作として知られています。ビデオを見て特に感じたのは、ネイ奏者の素晴らしさ。これは特筆ものだと思います。こんな名手がいるなんて、ネイが盛んなイスファハーンに近いからでしょうか。この人、イラン人にしては珍しく髭がないので、くわえた所がはっきり分かって、ネイ吹奏の壮絶さ^^がはっきり見て取れます。私も挑戦したことがありますが、葦に真鍮の輪をはめただけの、ただの筒状の作りですから、音を出すだけでも至難の業。すきっぱでないと難しい(というか故意に「すきっぱ」にするのでしょうか)笛だと思いました。それと舌のコントロールが要でしょうね。歌唱含め演奏は、バフティアリらしい野性味のような味わいが古典音楽に埋め込まれた、すこぶる興味深いものです。

"Khosrow-o-Shirin" and Bakhtiari Wedding Song

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2008年6月 2日 (月)

マスード・バフティアリ

バフティアリ出身の古典歌手でしょうか、今日はマスード・バフティアリという男性歌手の演奏を見てみます。全部でクリップが11あるようですが、1と2が見当たりません。ネイ伴奏でしみじみ聞かせる3と、セタール伴奏から始まる4を取りあえず上げておきますので、続きを見たい方は再生後のリンクを辿ってみて下さい。
バフティアリ~ロリらしさ、については正直よく分かりませんが、メロディ・ラインは近くのクルドの音楽に似ていると言えるかも。解説にMasoud Bakhtiari (Bahman Ala'eddin) in a concert in Ahvazとあるように、KhuzestanのAhvazでのライヴのようです。同じ州ですが、こないだの湾岸の黒人系音楽とは大変な違いです。本当に同じ国なのかと思ってしまう程^^

Masoud Bakhtiari 3 (Bakhtiari Lori music)

Masoud Bakhtiari 4 (Bakhtiari Lori music)

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2008年6月 1日 (日)

バフティアリとローリの差は?

今日の最初の2本は同じメンバーが演奏しているものですが、一本目がバフティアリ、二本目がロレスターンの音楽ということになっています。両方の伝統音楽を演じ分けるグループのようです。確かに二本目はソルナのフレーズを感じさせるようなネイのソロです。三本目はバフティアリの女性の踊り。目の覚めるようなカラフルな民族衣装が特徴的です。しかし、音楽的には極めて似通っていて、ここまで見た限りではそう大きな差は感じられませんが、四本目のバフティアリの踊りを見ると、ユーユーも入って、より部族的なグルーヴが感じられます。そう言えば、アリザーデさんのPaykoubiは、バフティアリの音楽を題材にした作品だったように思います。(現在手元に現物なしのため、どなたか情報をお待ちしております^^)

Bakhtiyari-Music-1

Lori music!!!

Raghse Bakhtiyari

PAAYKOOBI-E BAKHTIYAAREE

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