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2008年6月28日 (土)

クルドのダフ

クルドの音楽で目立つ打楽器と言えば、重厚なトンバクよりも、スーフィー音楽で重要視される枠太鼓のダフ(またはダプ)であることは明らかでしょう。このシンプルな作りの太鼓から様々な音を作り出す技は、目を見張るものがあります。トンバクのリーズ(スネアのロールのような奏法)に近い奏法も入るようで、これはやはりトンバクの名人芸をヒントにしたものでは。
このビデオのKeivan Alimohamadiという人は、ケルマンシャーの人かどうか分かりませんが、クルド人のようです。

このビデオの解説にSome pictures of dap have been found in the paintings to be painted before the birth of Christ. The presence of Persian dap in the stonecutting of Bisotun is really wonderful. とあるように、キリスト生誕以前の古代からこの楽器は存在し、ビストゥーンのレリーフにも刻まれているようです。
またMoors introduced Daf and other Middle Eastern musical instruments to Spain and Spanish adapted and promoted Daf and other musical instruments in medieval Europe. とあるように、北西アフリカのムーア人(ベルベル人)がイスラーム王朝下のスペインからダフなどの中東起源の楽器を持ち込んでから中世ヨーロッパに広まり、ヨーロッパの楽器のルーツになっていったのでした。ヴァイオリンやギター、ピアノなど、現在の西洋の主要楽器は、大体が中東に起源があります。
In 15th century daf was only used in Sufi ceremonies, Ottomans reintroduced it to Europe in 17th century.とあるように、スーフィー儀礼のみに使われていたダフはオスマン帝国によって17世紀に再度ヨーロッパに紹介されたようです。中世に西から、近世に東から入った訳ですね。それぞれがどのように継承されて行ったかも興味深いところ。枠太鼓は東欧やアイルランドのトラッドでも頻繁に使われています。

興味深いデータは以下のスーフィーたちの名前。彼らがダフの技をスーフィー音楽にふさわしいものに仕上げて行ったようです。20世紀になってからのようですから、現在のダフ技巧は新しい伝統と言えるのかも知れません。
The art of daf playing in Iran has reached us by the effort of the Iranian Sufis especially in 20th century the late Sayyed Baha-al-Din Shams Ghorayshi(1872-1947), Ostad Haj Khalifeh Karim Safvati (1919-...), Ostad Haj Khalifeh Mirza Agha Ghosi (1928-...), Mohi-al-Din Bolbolani (1929-...), Sayyed Mohammad Shams Ghorayshi (1930-...) and Masha-Allah Bakhtiyari (1940-...).

PLAYING DAF(frame drumming )

tak navazi daf

前にバフティアリの所で名前が出てきたダフ名手abbas bakhiariのソロ。ナーゼリーなどの伴奏者としても知られています。

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