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2008年6月15日 (日)

T.R.マハリンガム

寄り道ついでに、今日は南インドの音楽を見てみます^^  イランを中心に行きつ戻りつにするか、一通りイランの地方音楽を見てから移動するかは、考え中です。
今日のビデオは、一部の南インド古典音楽(カルナティック音楽)ファンの間で伝説になっているほどカリスマティックなフルート奏者、マハリンガムの演奏です。彼のビデオもyoutubeに出てきています。大分前にマイミクのMさんから教わっていましたが、ようやくアップする日が来ました。このビデオは大分前に某サイトでダウンロードできた(今も出来るかも?)ビデオ・ファイルのようです。Vol.1と3はほとんどがインタビューのため外しました。
昨日のカッワーリとは違って、イスラーム的な要素が全くない(おそらく)純ヒンドゥー的な南インドの音楽は、「インド音楽の中のインド音楽」と言って良い伝統を誇っています。北インドのシタールとタブラなどが、いずれもイランや中央アジアなどのイスラーム世界から伝来した楽器に基づいているのとは対照的です。
マハリンガムのカルナティック・フルート(クラルとも)の演奏ですが、まず音数の少なさに驚かれるかと思いますが、その音の動きは通をうならせるもので、そのようにカルナティック音楽の核を鷲づかみにしながらも、彼の音楽をかけていると小鳥が寄ってくるという逸話を生んだほどナチュラルな音楽性。他のクラル奏者の演奏では小鳥が来なかったそうで(笑) その共存は奇跡的と言えるのかも知れません。クッションを膝に乗せた演奏姿勢の気ままさも見ていて楽しく、その名(そのままの意味はちょっと日本語にし辛いものですがw)の通りの芸格の大きさを感じ、カリスマ音楽家とはかくあるべしとの感慨を覚えます。共演者は他にはない緊張を強いられ、少々戸惑いながらも強烈にインスパイアされているような様が見て取れます。楽器は右から南インド式のヴァイオリン、モールシン(南インドの口琴)、カルナティック・フルート、ムリダンガム(両面太鼓)。一番左後ろにいる奏者はカンジーラ(タンバリン風)。

日本での人気は、以下のコメントの影響が大きいのかも知れませんが、どうなのでしょうか。私自身も90年頃にこの記事を読んで興味を持った一人ですが^^
杉浦康平氏の評の抜粋
「...ときにぶっきらぼう、とも聞こえるマハリンガムの笛の祈りにじっと耳を傾けていると、はるか彼方に、かつてみたことのないような音の曙光がみえは じめる。山頭火や棟方志功の作風にも共通し、虚無僧の法竹にもひそむ清冽の気韻が輝きだすのである。...9歳にして神童の名を轟かせたマハリンガムは、 16歳のとき神秘体験に遭遇し、ただならぬ霊感をえた。以後、彼の笛には、音楽を超えた霊的な響きが宿るのである。」(別冊ミュージックマガジン 「季刊ノイズ」No.9より)

T.R.Mahalingam - Carnatic Flute - part2

T.R.Mahalingam - Carnatic Flute - part4

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