能 in イラン
今日は大分前にマイミクのFさんから教えていただいたクリップ。大変に驚いた一本です。
イランの若者が日本の能に興味を持ち、舞台を作り上げ上演した際のドキュメントです。謡(うたい)の文句は日本語ではなくペルシア語で、これがとても意義深い点だと思いましたが、面(おもて)や舞台美術も全て彼らの手作りで、そのデフォルメ具合も面白いです。
敦盛は琵琶の演目にもなっているからでしょうか(能の「敦盛」自体に出てくるのかも知れません。この曲は見てないもので f(^^; )、伴奏楽器に琵琶が出てきますが、琵琶の祖先にあたるイランのバルバットを使うと、また新たな興趣が生まれるかも知れません。いずれにしてもとても興味深い傾向で、各国でこうした動きが出てくると面白いなぁと思います。
彼らが一番共鳴した部分は、日本的な礼と惻隠の情ではと思いますが、最後に「敵(熊谷次郎直実)を許す」という点は最大の惻隠でしょうから、彼らが一番感動したのもそこだろうと思います。仏教的な思想がどう受け取られるのかは少々気になりますが、「敦盛」の物語はイランのシャーナーメなどの古典詩に通じる部分もあるのではと思うだけに、欧米の場合とは一味違うイランなりのジャポニズム的なムーヴメントになっていってくれると嬉しい限りですね。
Noh in Iran (Japanese)
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