ヨハンナ・マルツィのシャコンヌ
数日寄り道してバッハの無伴奏曲を見てきましたが、最後にシャコンヌを本来のヴァイオリン・ソロで。往年の女流ヴァイオリニスト、ヨハンナ・マルツィのクリップが見つかりました。
これは昔から名演の誉れ高い録音だと思いますが、私は初めて聞きました。冒頭から凛とした気高い音色と深い表現力にとても驚きました。彼女の容姿にも、奏でる音楽にふさわしい高潔で清冽な美しさが滲み出ています。これまでのベストはシェリングかクイケンでしたが、これは今までのベストですね~。いやぁ凄い! マルツィは確かシェリングと同じポーランドの人。これまでに少なくとも2、30種類くらいは聞いているシャコンヌですが、特に重音の両方にヴィブラートをかける人は初めて聞いたような気がします。
受難曲を聴いているかのような、この曲のドラマティックな曲の展開は、シャコンヌだけに特徴的なものだと思います。抽象的な他の無伴奏ヴァイオリンや無伴奏チェロの曲の中では、やはり異色な曲だと思います。なのでややもするとどぎつい感じに陥ったり、やりすぎだな~と思ったり、失望することもとても多い難しい曲。無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ3曲の中のフーガも難曲ですが、シャコンヌには違う難しさがあると思います。その演奏者の内面を映し出してしまう恐い曲かも。
しかし、こういう演奏を聴いてしまうと、やっぱりこの曲はヴァイオリンで聞いた方が良いですね(笑)
Johanna Martzy Bach Chaconne from Partita #2 Part I
Johanna Martzy Bach Chaconne from Partita #2 Part II
* Martzy plays Bach (BWV.1001)
序に、ソナタ1番のフーガもありましたので、一緒にアップしておきます。大分前にも書いたように、20年余り前にアイダ・カヴァフィアンの生演奏で聞いて心底驚いた曲。マルツィのきびきびしたフーガも素晴らしいです。
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