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2008年9月11日 (木)

サマルカンドの歌姫 (追加3本)

世界遺産の町サマルカンドは、ティムール朝の都だった町。モスクのターキッシュ・ブルーの美しさは、日本でも段々と知られてきているのでは。先日ウズベクの古典音楽は個人的に世界で最も愛好する音楽の一つと書きましたが、サマルカンドも訪れたい町のベスト5に入るように思います。

ウズベクの歌姫(ディーヴァ)の一人、ナスィバ・アブドゥラーエヴァについて、昨日はよくプロフィールが分かりませんでしたが、hasugeさんからのコメントで少し見えてきました。hasugeさん、いつも有難うございます。ナスィバ・アブドゥラーエヴァは1961年サマルカンド生まれ、ユルドゥズ・ウスマノヴァは1963年マルギラン生まれだそうです。(何とЯと同世代f^^;) ナシバは、多くの芸術家を出したアブドゥッラー・カーディリー記念タシュケント国立文化大学の出身とのこと。ナシバのCD『Samarkand』の中のある曲の作詞者にロシェル・ルビーノフの名があったそうで、この作詞者は先日のユダヤ系タンブール奏者と同じ名前。同姓同名かも知れませんが、あの古典演奏家だとすると、なかなか興味深いコネクションです。  

彼女の歌はペルシア語(タジク語)圏のサマルカンドらしく、ペルシア語(タジク語)が多いように思います。曲調もイランのグーグーシュやハイェーデなどが歌っていたようなリズムとメロディが目立つように思います。そしてロシア語の歌詞も結構あるようですが(MCはロシア語が多いようです)、チャガタイ・トルコ語系の現代語であるウズベク語の歌詞は少ないようですが、ありました。ウズベクなのにウズベク語が目立たないというのも、サマルカンドらしいエピソードでしょう。しかし、その入り混じった言語状況は興味深い限りです。今日の1,2本目はタジク語、3本目はウズベク語だと思います。2本目のMCはロシア語です。   

余談ですが、サマルカンドと言えば、プッチーニやブゾーニのオペラ「トゥーランドット」に北京と並んで頻出する町。私のイメージでは完全にこの話とダブってしまっています f^^;  二つの町はとんでもなく離れている訳ですが、トゥーランドットの中では、まるで隣町のように扱われています。まるで魔法の絨毯に乗ったかのような、コメディア・デラルテの滑稽奇譚的側面をオリエンタリズムとして片付けるのは簡単ですが、あえてその「魔法の絨毯」のロマンに拘ってみたいところ。プッチーニだけでなく、ブゾーニ版もお薦めです。

また、北インド古典音楽はムガール帝国の頃からの伝承が中心になっていると思いますが、ムガール朝はティムール朝の流れを汲む王朝で、音楽家も北インドに流れ込んだようですので、ヒンドゥスターニー音楽を見ていく上でも、ウズベクやタジクの音楽は無視できないように思います。今日の2本目はインド的な伴奏になっています。

Farsi Tajiki Nasiba Abdullayeva Jonn Dodarakam

Nasiba Abdulloeva Man ba Dunboli Dilam

Nesibe Abdullayeva Nigaranam

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コメント

今日のビデオは3本目のが一番いいですね。彼女の歌をもっと色々聴きたくなりました。補足ですが、名前のナシバはアラビア語起源で、「幸福な」という意味です。日本なら「幸子」でしょうか。一方、彼女とは対照的に外来語起源でない名前を持つユルドゥズ・ウスマノヴァですが、その公式サイトがありました。www.yulduz.uz です。使用言語がウズベク語とロシア語なのが難ですが、彼女の歌を200曲以上聴くことができます。メールも送れるようです。送信者はほとんどがウズベク人ですが、丁寧に返事を書いているのには感心させられます。

投稿: hasuge | 2008年9月11日 (木) 11時54分

>hasuge様
有難うございます。3本目は一番トルコ的(ウズベク的)な歌心を感じます。Nasibaのsですが、ロシア文字表記がш(sh)ではなくс(s)になっていたので、スィとするのが近いかなと思いました。アラビア語だったのですね。
www.yulduz.uzじっくり見てみます。

投稿: Homayun | 2008年9月13日 (土) 01時07分

ウズベク人の名前14600種類の起源や意味を解説した本があるんですが、アラビア語、ペルシア語、ウズベク語、これらの組み合わせのいずれかに分かれます。圧倒的に多いのがアラビア語です。どの名前にもきちんとした意味があり、現在の日本のように、フィーリングだけで適当な漢字をあてて命名するということはありえません。
話は変わりますが、「ウズ音の友」というブログを見つけました。まだ全部読んでいないのですが、ウズベクの現代ポップスが中心のようです。知らないことばかりで、新鮮さを感じました。

投稿: hasuge | 2008年9月13日 (土) 08時51分

>hasuge様
毎度有難うございます。音楽や建築など、あちらの文化の繊細さには驚かされますが、旅行した人によると、結構表面的にはラフな国だとの印象を持たれるようです。その落差も興味深く思えます。
そのブログ見てみたいと思います。

投稿: Homayun | 2008年9月13日 (土) 23時40分

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