イェンギ・ヨル
今日はイェンギ・ヨルというグループの演奏。このトルコ語を直訳すれば「勝利の路」の意味でしょうか。トルコとウズベクなどの混成グループのようです。ネイ、ヴァイオリン(立てて弓奏)、ウード、トンバクと、ウズベクでは普通余り使われない楽器が目立ちますが、女性歌手、ドタール、ヴァイオリン、ダイラの各奏者は、名前の最後にロシア的な-v(女性は-va)が付いているところを見ると、ウズベク人と思われます。
タシケントの方はトルコ色が勝っていますが、ブハラでのライブの方は完全にウズベク調です。ブハラでのライヴですから、土地の音楽をやったのかと思っていたら、最初の方に作曲がスレイマン・エルグネル(あの有名なネイ奏者Kudsi Ergunerの弟)と出ていますので、トルコの音楽家S.エルグネルが書いた曲のようです。イェンギ・ヨルは、仏PLAYA SOUNDからアルバムがありますが、ウズベクの曲だけではなく、スパニッシュ、タンゴなど色々やっているようです。ウズベクとバイエルン音楽の混合グループという変り種もありましたが、そのかなり無理がある組み合わせより、よく馴染んでいますし、方向性として面白いと思います。
Delfouza Ibrahimova : vocals ; Adrien Espinouze : ney ;
Jamaleddine Avezov : violin ; Emmanuel Hoseyn During : ud ;
Otabek Yusupov : dotar ; Spyros Halaris : kânun ;
Rostam Tagaykulov : dayra ; Antoine Morineau : zarb tombak
"Yengi Yol" (Live in Bukhara) # 1
"Yengi Yol" (Live in Tashkent)
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コメント
イェンギは「新しい」で、イェンギ・ヨルは「新しい路」という意味です。メンバー構成が気になって、ちょっと調べてみました。ご指摘のとおり、4人はウズベク人で、残りのメンバーのうち、AdrienとEmmanuelとAntoineはフランス人、Spyrosはギリシア人でした。興味深いのはEmmanuelで、生まれはイランだそうです。このグループはフランスとウズベキスタンの文化交流の催しに参加していますので、その時の映像かもしれません。
投稿: hasuge | 2008年9月 8日 (月) 16時28分
>hasuge様
辞書を見ると、yengiが勝利、yeniが新しいと出ていましたので、勝利としましたが、yeniが活用した形なのか、ウズベク語なのか、どちらかでしょうか。
Adrien・エスピヌーズ(スピノザにそっくり)ですからユダヤ人かなとか、インマヌエルだとイラン出身でもキリスト教徒かなとか、生まれ自体一筋縄でいかなさそうです。
しかし、イギリスにはウイグル音楽の混成グループが出来ているし、結構中央アジア音楽もヨーロッパに食い込んできているようですね。
投稿: Homayun | 2008年9月 9日 (火) 00時07分
yengi はウズベク語です。8人の略歴については、ambafrance-uz.org のサイトで、Yengi yol で検索すれば出てきます。必要ならば、試してみて下さい。
投稿: hasuge | 2008年9月 9日 (火) 15時16分
>hasuge様
ご指摘有難うございます。同じ綴りでトルコ語では勝利、ウズベク語では新しい、とは、結構意味の開きがあることも多いのでしょうか。
投稿: Homayun | 2008年9月11日 (木) 00時44分
トルコ系の言語は共通の語彙が多いのも事実ですが、それぞれの民族の置かれた事情で、全く違った語彙になることもあります。ですから、要注意ですね。
投稿: hasuge | 2008年9月11日 (木) 08時10分