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2008年9月 5日 (金)

ロシェル・ルビーノフもユダヤ系?

昨日アップしたタンブール弾き語りのロシェル・ルビーノフ、大変素晴らしいので、残りも上げておきます。エコーとバックの静かなシンセ音が気になる方がいらっしゃるかも知れませんが。 hasugeさんから昨日の記事にコメント頂きまして、彼の師匠のユダヤ系女性歌手Barno Ishakova は首都のタシュケント出身ですが、イスラエルへ移住したそうです。仏IneditのHazanoutにもブハラ系ユダヤ人の宗教歌が入っていましたが、ブハラには昔かなりのユダヤ人人口があったようです。東方系ユダヤ人(ミズラヒーム)として、イラク系、イエメン系などと一括りにされることが多かったように思いますが、黒海北部~コーカサスを回っていた時に度々取り上げた改宗ユダヤのハザールとは全く関係のない集団なのかどうか。やはり古代パレスティナからの離散後、直でブハラに移住した人たちなのか。ハザールとブハラ系ユダヤは、言葉が同じトルコ系ですので、もしや?という思いも頭をかすめます。地図で見るとカスピ海(中世には「ハザールの海」とも呼ばれていた)とブハラは意外に近いです。この辺は興味深い探りどころです。今日のロシェル・ルビーノフはブハラに残った数少ないユダヤ系音楽家の一人なのでしょうか。もう少しこのテーマは探ってみて、何か分かりましたらまたアップします。

Roshel Rubinov - Nim Chuponi

Roshel Rubinov sings Nim Chuponi; ghazal by Bedil とあるように、ベディルという人の恋愛叙事詩=ガザルを歌っているようです。サイクルの後半がテンポダウン(あるいは、これは変拍子の5拍子か10拍子?)する感じが、何ともウズベクっぽくて良いですね。

Roshel Rubinov - Aylay Desam

解説にRoshel Rubinov sings Aylay Desam (Oh Kim), music by Rasul Qori Mammadaliev とあります。これはもっと歌謡性に溢れる曲調。哀愁味が堪りません。

YUHAN - ЭТИ РОЗЫ

ユハン・ベンヤミンという歌手のニューヨークでのライヴ(結婚式?)。これはブハラ系の歌謡曲でしょうか。ロシア語で「これらの薔薇」と歌っていますが、彼らもブハラ系ユダヤ人のようで、バック・メンバーにユダヤ教の小さな祈祷帽キパが見えます。因みにベンヤミン(ベンジャミン)とは、ヘブライ語で分解するとベン・ヤミンは「右の男(の子)」の意。ジョナサン(元はイェホ・ナタンで「神、与え給う」の意)、ダヴィッド、アブラハム、イツハーク、ヨセフ等と並んで、コミュニティーを問わずユダヤ人に多い名前です。YUHAN BENJAMIN, FROM TALK SHOW "DZOT"  WWW.YUHANNY.COM

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コメント

ルビーノフという姓から直感的にユダヤ人と思いましたが、疑問符が付けられましたので、改めて調べてみました。ロシェルはユダヤ人としては珍しい名前で、ブハラ・ユダヤ人の間に見られるとありました。ブハラ・ユダヤ人の起源には諸説あってはっきりしませんが、彼らの言語がトルコ系というのは、誤解があると思います。ウズベキスタンにありますが、ブハラやサマルカンドはタジク語圏で、ブハラ・ユダヤ人の使用言語は、伝統的にタジク語でした。以前、ブハラやサマルカンドを訪れた時、大学で学んだペルシア語が通じたのを、懐かしく思い出します。

投稿: hasuge | 2008年9月 6日 (土) 11時46分

>hasuge様
いつも詳しい情報を有難うございます。トルキスタン全体にお詳しいですね。ジューイッシュ・エンサイクロペディアに記述がありましたので、今日の記事に上げておきました。しかし、非ユダヤ側の資料も調べるべきかも知れません。でもきっとそういう資料は見つかりにくいものかも知れませんね。
アブドゥラヒムとかのアラビア語系のイスラム名が付かない場合は、ユダヤ人音楽家と見てもいいのではと思うほど、ウズベク古典にはユダヤ人音楽家が多いようですね。

投稿: Homayun | 2008年9月 6日 (土) 22時24分

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