タンブールによるシャシュマカーム
昨日はドタールでしたが、今日はウズベクのタンブール。ウイグルのとは少し形が違って、肩の辺りが山切りカット(古!f(^^;)みたいになっています。スチール弦の清涼感溢れる繊細な音色と、ウズベクのコブシの組み合わせが最高です。左手の1,2をほとんど指板に付けた、一風変った運指です。(1,2中心で動くところは三味線の運指に似ているかも)ちょっとエコーが入った録音で好みが分かれるかも知れませんが、シャシュマカームの深い味わいが感じられる演奏です。
歌とタンブールはロシェル・ルビーノフ。仏Ocoraの2枚組み「中央アジア 古典音楽の伝統」に収録されていたユダヤ系のベテラン女性歌手Barno Ishakovaは、彼の師匠の一人とのこと。ウズベクには他にもユダヤ系音楽家が多く、西洋やアラブ、トルコなどだけでなく、ウズベクでもユダヤ系音楽家は重要な役割を果たしたようです。この人、タグから判断するに、古都ブハラの楽士のようです。
往年の名手トゥルグン・アリマトフ(仏OcoraからCD有り)とか見つかると良いですが・・。
シャシュマカームの6つの旋法名は以下の通り。(先日の柘植先生の記事より引用)
ペルシア音楽からの影響がはっきり見て取れる名前ばかり。
①ブズルク(buzruk)、 ②ロースト(rost)、 ③ナヴォー(navo)、
④ドゥゴーホ(dugokh)、 ⑤セゴーホ(segokh)、 ⑥イローク(iroq)
Roshel Rubinov - Mugulchai Dugoh
Dugoh系の二つのマカーム演奏のようです。KashkarchaiとかMugulchaiというのが気になります。First of two parts: Mugulchai Dugoh and Kashkarchai Mugulchai Dugoh
Roshel Rubinov - Barno
タンブールを弓奏する楽器、サトの弾き語り。Roshel Rubinov sings a tribute to one of his teachers, Barno Ishakova. First of two parts: Barno and Ufari Tulkun.
Roshel Rubinov - Ufari Tulkun
Part two of two: Barno and Ufari Tulkun.
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コメント
以前、NHKの「新シルクロード」で、ブハラのユダヤ人人口は激減し、多くがイスラエルやアメリカに去ったと言っていました。ロシェル・ルビーノフは残った数少ないユダヤ人のうちの1人だったのでしょうか。ちなみに、彼の師匠とされるBarno Ishakova はタシュケント出身で、イスラエルへ移住したそうですね。
投稿: hasuge | 2008年9月 5日 (金) 16時55分
>hasuge様
情報有難うございます。Barno Ishakovaさんもやはりタジク語で歌われているのでしょうか。そもそもウズベク古典で歌の入る場合は、大体がペルシア語(タジク語)なのでしょうか。
投稿: Homayun | 2008年9月 6日 (土) 22時17分