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2008年10月

2008年10月31日 (金)

ナハズブホ!

昨日はフンザの往年の興味深いビデオを見ました。この峠辺りの映像で、他に良いものはないかなと探しましたが、そうするとまたもや北フンザのワヒーの音楽に当たりましたf^^;  イラン系ではないブルシャスキーとかでもっと面白いのがあるかと思いましたが、youtubeはほとんどがポップス。ちょっと意外です。当初は系統不明のブルシャスキー目当てでフンザに迷い込んだ?のですが、見ていく内にイラン系中心に追うことになってました(笑)
数日前の「ワヒーはイラン系+フンザの絶景」の記事にKarateginさんから詳しいコメントを頂きましたが、ワヒー人の言葉と言うのは、同じイラン系言語の中でも現代タジク語よりももっと中世までのソグド語(ソグドはシルクロード交易の主役的な民族)に近いそうです。
このコメントで思い出しましたが、NHKの初代の「シルクロード」で、ソグド直系の末裔と言われるヤグノービー(ヤグノブ人)を山奥に探し当ててインタビューするシーンがありました。攻め込んできたアラブ勢力から逃れて山奥に逃げ込み1000年余りの時を過ごしてきた彼らは、日本で言えば平家の落人のような存在でしょうか。そのインタビューは、日本語~ロシア語~タジク語~ヤグノブ語という大変な通訳のようでした。その中で「ありがとう」に当たる言葉は「ナハズブホ」と出てきましたが、その時「何と不思議な響き!」と思いました。現代ペルシア語の「モタシャケラム」とは全く音が違います。ではワヒー語では何と言うのか・・非常に興味あるところです^^  

今日のビデオは今までのどれよりも伝統楽器が確認できるし、歌も素朴な味わいで良いですね。そろそろタジクに戻りソグドの足跡を探してみようかと思います。今日も見ていただいて、ナハズブホ!m(_ _)m

gojali muzic 2

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2008年10月30日 (木)

大昔のフンザ

再び北上してフンザへ。100年ほど前のものではと思われる貴重映像がアップされていました。この峠を通って仏教がウイグル(当時は亀茲国)に渡り、中国~朝鮮を経て、はるばる日本にもやってきた訳ですね。今日は無駄な説明は抜きにして、映像をたっぷりご堪能下さい^^ (私もまだ全部見れてませんので f^^;) タンブール?演奏は当時のものでしょうか? その他、伝統音楽が所々出てきます。ビデオの解説=This footage is around 100 years old at the time of Mir Ghazan Khan. No Editing is done to this footage except cutting it down into small clips.
おまけで、フンザの素晴らしい景色が見られるサイトを一つご紹介しておきます。こちら

Ancient Hunza : part 1

Ancient Hunza : part 2

Ancient Hunza : part 3

Ancient Hunza : part 4

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2008年10月29日 (水)

バルティスタンのガザルとベリーダンス?

再度ギルギットの東のバルティスタンへ。バルティスタンは、16世紀にチベット仏教から改宗したチベット系のイスラム教徒バルティ人が主に住んでいる地方。スカルドゥの谷から東にはバルティだけでなく、色々な民族が住んでいるようです。一本目は雰囲気的には北インドやパキスタンのガザルにそっくり。この曲調ですが、やはり歌われている言葉はチベット系のバルティ語なのでしょうか。何とも不思議です。2本目はバルティ・ガールズ・ダンスとタイトルされていますが、これは強烈(笑)。インパクト大の見世物です。祭の一場面でしょうか。3本目はバルティのベリーダンス? アフガン系の踊り子によるバルティ音楽とアフガンの踊りのミックスのようです。この音楽とリズムでこのベリーダンス風の踊りと言うのも初めて見るように思います。

Balti Music

BALTI GIRLS DANCE

Super Balti Dance

A uniqu combination of Balti Music & Afghani Dance (The dancer is originaly from Afghanistan and music from Baltistan Norhtern Areas Pakistan

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2008年10月28日 (火)

セタール? チトラル・シタール?

昨日の段階では分からなかったShina, Khowarについて調べましたら、やはりインド・イラン語派に所属することが分かりました。詳しくはこちら
どちらもダルド語派に入る言語で、コワルはチトラル諸語、シナー語はギルギットやアストルなどで話される言葉のようです。チトラル諸語には他にカラーシャ語が入っていますが、これはカラシャ(カラシュ)族の言葉と同じかどうか不明。カラシャと言えば、古代ギリシア系説があったのでは?と思いました。コワルがチトラルの言葉でしたので、今日はバルティスタンから西に移動して、チトラルのクリップを見てみます。

16日に少し見たチトラルですが、地元の吟遊詩人と思しき古老によるセタール(チトラル・シタール?)弾き語りのビデオを上げておきます。形と音色は全くイランのセタールにそっくりですが、構え方が中央アジアのタンブールのような、北インドのシタールのような、極めて低いポジショニングです。テクニックはともかく、なかなか味のある弾き語りですね^^  村人の一体感溢れる楽しげな雰囲気が良いです。3本目は若手の民謡?アンサンブル。スーフィー音楽のように段々高揚していきます。

Nen Mile Chain mile (Afzal Meaki)

chitrali song

chitrali music 3

KHOWAR BASHONO

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2008年10月27日 (月)

バルティスタンとバルチスタン

今日はクリッタさんから頂いた情報から(昨日、一昨日のコメント)構成してみました。クリッタさん、いつも有難うございますm(_ _)m。 私の時に少々的外れなアップに対して、現地経験の豊富な方々から貴重なコメントを頂き、中央アジアシリーズも大分充実してきたと思います。まるでボケとツッコミのようですね(笑)

<以下はクリッタさんの昨日分のコメントから>
ギルギットでUターンせずに、ぜひともBaltistan(skardu谷)に立ち寄っていってくださいな。ギルギットから東の谷へ入ると、エアスポットのようにいろんな民族が点々と暮らしています。少し南のKargilまで行けば、ザンスカール、ラダック、カシミールが混じってるつぼ状態。ちなみにBaltistanの人たちはチベットの血も混じっているようだけれど、かなりハードなイスラムシーアです。ビデオで見てもいろんな顔がいます。

Balti Qasidah

バルティのカスィーダ(イスラームの宗教歌)。確かに何人か分からないような顔立ちの人がいますね^^

Balti remix

バルティのポップスのようです。民謡風の歌には確かにチベット民謡の味わいがあります。

バルティスタンというと、イラン南東部~パキスタン南西部のバルチスタン(Baluchistan)と勘違いしそうですが、全く関係なしです。Baltistanはチベット系、Baluchistanはイラン系。先日のshinaにしろ、Baltistanにしろ、とても紛らわしいですね。
まだ試していませんが、以下のようなサイトもあります。色々な民族(Shina, Burushaski, Wakhi, Balti And Khowar)の歌が聞けるようです。ブルシャスキーとバルティ以外はイラン系になるのでしょうか。また調べてみたいと思います。
My Gilgit

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2008年10月26日 (日)

ワヒーとゴジャール

ギルギット関係を発掘してみる予定でしたが、案外面白いクリップが見つかり難く(インド的な歌謡か踊りが中心で言葉が不明のものがほとんど)、おそらくギルギットから離れるのだろうと思いますが、これから数日いくつか北パキスタン関係アップしてみます。先日調べたら中国(のウイグル)にはワヒーはいないようなことになっていましたが、hasugeさんからご指摘いただきまして(コメントとダブりますが)、中国にもワヒーがいる、というかワヒ語とサリコル語というのがあって、両方ともタジク語の方言という見解だそうです。ワヒ人とサリコル人を独立した民族と認めず、タジク人として一纏めにしているようです。また度々アップした映画「花儿为什么这样红」に使われていたタシュクルガンのタジク民謡「グルビタ」は、テズナプというサリコル語圏の村での調査で採取された中にあったそうなのでサリコル語になるようです。(hasugeさん、いつも有難うございます。m(_ _)m)
しかし北パキスタンは、色々と驚きの連続です。今日は、そのワヒー(ワヒ)語圏の歌と踊り。確か3回目ですが^^

lali and saltanat

コメントにwakhi tajik cultureとあります。ワヒー語になるのでしょうか。lali and saltanatというのは? デリー・サルタナトのサルタナトでしょうか? タジクが中央アジアとインド、中国の3つの間にまたがっていることを強烈に感じさせる歌とメロディ。

gojali dance

北フンザのゴジャール地方の踊りのようです。ゴジャールですからワヒーでしょう。

RICH CULTURE GOJAL HUNZA

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2008年10月25日 (土)

ギルギット

パキスタン北部の行政上の中心地ギルギットは、クリッタさんのコメントにあったように四方八方から下りてきた多様な民族が住み着いていて完全なミックス状態のようです。言葉はやはりパキスタンの公用語(共通語?)ウルドゥー語が中心的なのでしょうか。インド、タジキスタン、アフガニスタン、中国の国境に近いこの町は、軍事上の要地でもあるようです。しかし今日の2本のように多様な民族文化の見られる町でもあるようです。2本目のShinaというのはシナ(中国)ではなく、少数民族の言語だったと思います。(何系かは少し調べるのにかかりそうでf^^;) 1本目はブルシャスキーでしょうか? 明日以降もう少し掘り下げてみたいと思います。

Gilgit Song

My Desi song

This sonf is sung in Shina Language, and finalised in the traditionaly,..dancing and music is done by local desi instrument.

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2008年10月24日 (金)

ワヒーはイラン系+フンザの絶景

昨日はブログを書こうとしたら、猛烈な睡魔に襲われて、危うく日付が変るところでしたf^^;
ワヒーについてもう少し調べてみましたら、パキスタン(上部フンザ)、タジキスタン、アフガニスタン東北部にまたがって住んでいる民族で、各国に約1万人ずついる(但し1983年の時点)イラン系民族のようです。そういえば今日の一本目の女性の衣裳などは、ウイグルのタシュクルガンのタジク(同じイラン系民族)の衣裳にも似て見えます。しかし、古代バルカンのイリュリア系(もし正しいとすればですが)とイラン系の民族がパミールで隣り合って住んでいるというのは、何とも不思議です。Wakhiについて詳しくはこちら
フンザ~バダフシャンらしく、シーア派の中のイスマイル派に属する住民がほとんどだそうです。グノーシス寄りの神秘主義的な側面は、昨日の男性の踊りには感じられたような気もしますが、今日の女性の群舞は一転してとても美しく華やかな印象。中央アジアのイラン系とインド的な音楽の要素が上手くブレンドされてます。

最後に「桃源郷」フンザの素晴らしい写真がアップされているサイトのリンクを載せておきます。7、8000メートル級の高山を望む景色は、PCで見ても息を呑むような素晴らしさです。ヒマラヤの中心地ネパールよりも乾燥していて、霧なども少ないのでしょうか。もの凄くクリアな色彩の景色が目に飛び込んできます。こんな絶景を見たら人生観が変るかも知れませんね^^

Wakhi Song (Zulfiqar 's www.gojal.net collection)

Wakhi Song 1 (Zulfiqar's www.gojal.net collection)

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2008年10月23日 (木)

ワヒーの踊りと歌

フンザは160キロ×2キロ程の細長い谷あいの地方のようですが、その中でも他に異なる言語が話されているそうです。ゴジャール地方のグルミットなどで話されるワヒー(Wakhi)語はその内の最も大きな一つ。youtubeを見てみたら、こういう音楽や踊りでも微妙に違いが感じられます。他にも結構ありそうですが、その中から男性の踊りとフィルム・ソング風のワヒー・ポップス?を。

Wakhi Cultural Dance (Gulmit)

wakhi muziq

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2008年10月22日 (水)

ギリシアではなくイリュリア系?

フンザの言葉、ブルシャスキー語ですが、ウィキペディアにあるように、周囲の言語からの借用語は多いけれども、古くからの独自性は根強く保っていて、元になった言葉はおそらく現在では消滅した民族の言語でしょうということです。また一本目のビデオには以下のようなコメントがありました。おそらくかなりの識者の発言と思われます。The burushaski people are a remain of the illyrian warriors of Alexander the Great (wich was albanian). These warriors who lose the back way settled in these areas, what is called today Hunza. They married whith hindus woman, but they save their language. The language of man. So is the question why they called their ancient lagnuage as Burush. In albanian language the term 'Burush' viz 'Burre' (man). So in the end, albanians are very proud that are a greta people with great history.

つまり古代バルカン半島の西部にいたイリュリア人の言葉と関係があるという興味深い見解。イリュリア語自体は現在では死語ですが、その要素を最も色濃く残すのはアルバニア語(スラヴ系とは別の印欧語族中の独立した一派)です。イリュリア語の話者は後に南スラヴ人に同化したため、言葉としては消滅。その断片はルーマニア語やマケドニア語にも残存していると聞いた覚えがあります。
一方、非印欧語のコーカサス諸語とのつながりを探る動きもあったようですが、イリュリア・ラインが正解のように思います。そうすると古代ギリシア語とは余り関係がなくなり(イリュリアの戦士は支配層の古代ギリシア語も解しただろうと思いますが)、むしろ南スラヴのマケドニア語の中にイリュリアの要素がかすかに残っているという意味では、近い部分もあるのかも知れません。それでマケドニアでTV番組が組まれたのでしょうかね。 しかしややこしいですね f^^;(笑)

BuruShaski SonG By ShahiD AkhTEr

フンザの美しい景色が一杯のビデオ。歌はブルシャスキー語の歌。昨日と同じドラムの音が聞こえます。 "TheE NahaQ As EwaLimI Unne ShoLE BandI" LoveLy BurusHasKi sonG By YouNg FamouS SinGer Of HunZA ShahiD AkhTeR

Imtiaz Karim (Flute Music from Hunza Pakistan)

昨日の笛もこれだったかも。インドのバンスリや中央アジアのナイに繋がるタイプの横笛でした。Imtiaz karim is a wel-know flute player of north pakistan. he gave playback flute music to some international documentary makers, one from Switzerland.HunzaVision Production:

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2008年10月21日 (火)

フンザとマケドニアの鼓笛楽

フンザと古代?マケドニアの言葉の類似点が指摘されているようなので、少し音楽の方で調べてみました。笛と太鼓の舞踊音楽ですが、今日の2本を見る限りでは、確かに似ている面もあると思います。リコーダー的な発音原理のように聞こえるフンザの笛と、マケドニアはクラリネットにアコーディオン、太鼓はどちらも両面太鼓を左右異なるマレットで叩いているタイプ(韓国のチャンゴのような)ではないかと思います。フンザの方のコメントには、Beautiful music and it is so similar to Macedonian music.と書き込みがありました。
マケドニアとは言っても、旧ユーゴ南部のスラヴ系の方では辻褄が合わないと思いますので、ギリシア北部のマケドニア地方の舞踊音楽をアップしてみましたが、いかがでしょうか。スラヴのマケドニアとギリシア国内のマケドニアは、言葉は全く異なりますが、音楽に関してはかなり共通点が多いと思います。ただしマケドニアでは(特にスラヴの方)、こういうタイプの音楽ではロマ(ジプシー)の演奏者が多いと思います。
この問題は容易に答えが見えてこないようです。最後の切り札は、やはりブルシャスキー語と古代ギリシア語(共通語のコイネー)を比較することでしょうか。それで全て解明できることかも知れませんね^^

Hunza Music n Pictures

Τι'θελα και σ'αγαπουσα-GREECE-macedonia

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2008年10月20日 (月)

ブルシャスキーの歌と踊り フンザとバダフシャン

フンザの言葉、ブルシャスキー語の歌と踊りが見つかりました。あわせてバダフシャンのリズムが確認できるクリップを3本目に。人々の顔立ちは確かにヨーロッパ的な人が多いように見えます。一方フンザの歌は表向きインド的なメロディ・ラインになっていますが、ベースのリズムがバダフシャンと似通っているように思います。バダフシャンとフンザはイスマイル派が多いのも、その理由の一つでしょうか。フンザの初日にはNonesuch Explorerの旧シリーズの「カラコルム~中央アジアの響き」(フンザとギルギットでの録音)の藤井知昭氏の解説を参照したので、あたかも秘境中の秘境の印象だったと思いますが、それは1980年前後位までのイメージで、現在では観光客が普通に訪れる土地になっているようです。ウイグルのカシュガルとの古くからの隊商路を通じてでしょうか、セットで旅する人もいらっしゃるようです。余談ですが、割と最近まで「風の谷のナウシカ」の「風の谷」のモデルは、フンザだと言われたことも多かったようです^^  100歳以上の人が多い、桃源郷であることは確かなようですが。

Burushaski Song

Singer.. Shahid Akhtar Qalander

Burushaski Video.....Jaamip Gumanuma

Burushaski Video.....Jaamip Gumanuma Lay ( Talib Hussain )..www.hunzo.com

Pomiri Music

Music from Pamir Mountain

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2008年10月19日 (日)

フンザとカラシャはギリシア系?

もっと大きな地図で見たらフンザはやはり中パ国境近くにありました。カラコルム山系が途切れている谷間に細長く位置しているようです。フンザからは、ウイグルのタシュクルガン(前はタシコルガンと表記しましたが)まで200キロ、タジキスタンのバダフシャンまで100キロほどでしょうか。そんな所に古代のバルカン半島にいた民族の末裔がいることは、何とも不思議な事実です。
フンザの住民のルーツが古代マケドニアにあるらしいことはよく知られるようになっているようですが、古代のマケドニアといえば明らかにギリシア世界。まだスラヴ民族は南下する前でした。だからギリシア系の言葉でないと辻褄が合わないと思いますが、その辺が今ひとつ分かりません。youtubeではどれも現代のマケドニア語(こちらは南スラヴ系でギリシア系とは全く異なるグループ。同じ印欧語族ではありますが)の字幕が入っているようです。ギリシアのTVが取材に来るなら話は分かりますが(笑) それとも現代マケドニア語には古代マケドニア語の要素が入っているのでしょうか。どなたか詳しい方、情報をお待ちしております m(_ _)m
昨日書いたように、フンザとカラシャが同じマケドニア系だと、はっきり言っているビデオもありましたので、2本目にアップしておきます。3,4本目の解説の通り、カラシャははっきりとギリシア系だと認識されているようです。

Hunza Triumph Of Fantasy ( Part 1 )

フンザの素晴らしいドキュメンタリー。続きものの一本目。後半に少し音楽のシーンが出てきます。

KALASH and HUNZA are MACEDONIANS

Kalash

Kalash - Greeks in Hindokush Valley, undiscovered and unknown villages of the Greek originated folk of the Kalash

BBC - In the footsteps of Alexander (The Kalash) 23

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2008年10月18日 (土)

フンザとマケドニア

パキスタンの北西辺境に位置するフンザ(Hunza)ですが、どうも地図上で正確に確認できませんが、おそらくカラコルム山中のギルギットの北にあるようです。北インド古典音楽のサントゥール名手シヴクマール・シャルマの出身地スリナガル(ここはインドのカシミール州都)から北へ300キロほどの所にギルギットがありますが、ギルギットから更に100キロほど北に上がったカラコルムの谷間がフンザのようです。フンザ藩王国は1974年までパキスタン内の自治王国として存続し、“不老長寿の国”として知られていました。音源はノンサッチやキングにあります。
そのフンザの住民は南のパキスタン人と比べると色白で青い目も多く、その言語プルシャスキー語の系統も正確には不明だったようですが、紀元前4世紀のアレクサンダーの東征の際に脱走した兵士の子孫という説があったように(やはりパキスタン北西部に住むカラシャ族と同系と言うことになります)、マケドニア語(スラヴ系の方か古代ギリシア語の方言としてのマケドニア語のどちらか不明ですが)との関連性が最近浮き彫りになってきているのか、と思わせるビデオが見つかりました。今日はその一本を。
字幕はロシア語ではなくマケドニア語だと思いますので、マケドニアのTV番組の映像でしょうか。

live Hunza people, descendens of the armies of Alexandar the

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2008年10月17日 (金)

カシミールのラバーブ

今日はパキスタン北西部のチトラルから東に行って、インドとの国境問題でもめ続けていたパキスタン側のカシミールのラバーブ演奏を見てみます。近くのカラコルム山中のフンザやギルギットはインド領だと思っていましたが、現在はパキスタンに入るんですね。カシミールと言えば、フィジカル・グラフィティに入っていたレッド・ツェッペリンの名曲を思い浮かべる方も多いかと思いますが(笑)、伝統音楽で言えば、この辺りは中央アジアから伝来したラバーブの名人芸がよく知られているのではと思います。特にキングのこちら(カシミールのラバーブ)でしょう。

北インドのサロッドに繋がることは、タジクやアフガニスタンのラバーブ(ルバーブまたはルボップとも)などの弦楽器の響きから既に明らかでしたが、カシミールに入ると明らかにサロッドとの近親感がより増してきます。何よりラーガ音楽になっています。youtubeで聞いてもその音色の余韻の素晴らしさが感じ取れると思います。キング盤は故小泉文夫氏監修シリーズ時代からの名盤。残念ながらyoutubeには同じラバーブ奏者Mohammad Subhan Rathoreでは見つかりませんでした。民謡(ガザルか?)的な弾き語りを一本と、伴奏でよく出てくる低音が豊かな片面太鼓トゥンバクナーリの珍しい映像を。3本目はアフガニスタンのパシュトゥーン族のアフガン・ラバーブ奏者のようですが、比較のために一本上げておきます。

明日以降フンザとギルギットを個別に見て行き、その後はインドには入らずに、また中央アジアに戻ります^^

Traditional Kashmiri Music

Rababin it up...Live from the fabulous Hotel Cardoba in Sanat Nagar.

Folk Music Instruments of Kashmir (Tumbak)

Folk Instruments Of Kashmir Tumbaknaer is one of the most popular instruments used in the folk music similar to the central asian instrument tumbak is a very ancient instrument used in various cultures

Ustad Mohammad Omar plays the rubab

Afghan/pushtun Music. The Rubab is also played in Kashmir, and versions of the instrument are played all over Central Asia, as Leader2007 has kindly pointed out.

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2008年10月16日 (木)

チトラリの音楽と踊り

ちょっとタジキスタンやバダフシャンの周辺の音楽を見てみます。パキスタン北西部のペシャワールから更に北のヒンドゥークシュ山中の地方はチトラリ(チトラル)と言われますが、この辺りには北インドの楽器のルーツが見られるだけでなく、タジキスタンや中央アジアの楽器との繋がりもよく見える所。旋律は大分インドに近寄った印象ですが、リズムはまだまだ中央アジア風かも。イラン系とインド系の違いはありますが、いわゆるチトラリ・シタールと昨日見たダヴラトマンドの手にしていたセタールは、形と言い音と言い、何と似ていることでしょう。また、近くは古代にはあの有名なガンダーラ王国があった辺り。アフガン国境に住む少数民族で、アレクサンダー大王の帝国以来の古代ギリシア人の末裔と言われるカラシャ族(音源)が住むのもこの辺です。パキスタン北部は、複雑で魅力的な民族文化が見られるだけでなく、インド・イラン(元をたどれば勿論兄弟民族ですが)両文化の接点にあたる地方だというのがよく分かります。

chitrali music 15

mansoor ali shahbab

phonik

若い女性(インド人?)がチトラリのリズムで踊っています。indian girls dance in Chitrali music ....but its not real it is doubing.....

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2008年10月15日 (水)

Davlatmandとファラク

フランスの名門レーベルIneditからアルバムが出ていたダヴラトマンドのビデオが見つかりましたので、今日はそれらを一挙に。イネディではデュオでしたが、youtubeでは様々なアンサンブルで披露されています。首都ドゥシャンベ(「月曜日」の意味)の歌手ですが、高く張り上げる歌い方(ファラク的!)と音階はバダフシャン風に聞こえます。Inedit盤は以下のジャケットのもの。下記の解説は、音楽之友社から2002年に出た「世界の民族音楽ディスクガイド」掲載の拙稿。     

 
何ともパワフルで魅力的な語りを聞かせてくれる、首都ドゥシャンベの音楽院出身の男性2人組。歌とセタール(またはギジャク)のダヴラトマンド・ホロヴと打楽器タブラクのA.アブドゥッラーエフのデュオ。セタールはイランのものをもっと棹を長くした感じで、インドのシタールとのちょうど中間のような楽器。擦弦楽器ギジャクの共鳴胴は長方形。歌は3拍子が支配的で、この辺もペルシア系を連想させる。詩はペルシアの大詩人ルーミー、ハーフェズの他に、今世紀タジク詩人らしき人も。その他は民間の詩。音楽的にはアフガンのパシュトゥーン等のものにも近いように思われる。そういえば、故マスードもタジク族だった。

Davlatmand Holov

Davlatmand SUFI

Davlatmand SUFI

Davlatmand SUFI

Charkh-O-Falak a Fragment by Mahdi Jami 2007

冒頭近くタブラ伴奏で歌っているのは、イネディ盤の一曲目。これは実に興味深い内容のビデオで、英語字幕付が有難いです。Falak music and whirling dancers of Tajikistan,dawlatmand chark-o-falakと 解説にありますので、彼が歌っているのはやはりファラクの一種(あるいはそのもの)ということでしょうか。

Tajik folk music

こちらは幾分ポップなアレンジで歌っているクリップ。

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2008年10月14日 (火)

グルビタと鷲の踊り

今日のビデオ後半3分の1の映像は3度目の登場f^^; 
これは新疆ウイグル西部のタジク民謡『グルビタ』という曲です。この歌の前の「鷲の踊り」は同じステージからのようです。未見のこの映像が入っていたため、今日アップすることにしました。前半のカザフも新疆側の映像のようです。

タジク民謡の『グルビタ』は、グルビタという娘に対する若者の愛を歌ったものだそうです。『グルビタ』の音源は、Unescoから93年に出たTAJIK MUSIC OF BADAKHSHAN の最後のトラックで、Gulbate となっているのがそのようです。新疆のタシュクルガンで録音された、歌のないセタールだけの素朴な演奏で、ビデオの歌唱とは全く別物という感じのようです。しかし新疆側の分かり易い短音階の甘美な民謡に比べると、同じバダフシャンですが、タジキスタン側のバダフシャン音楽は、別世界のような印象を受けます。その孤高で峻厳な趣きは、イスマイル派の影響が濃厚だからでしょうか。イスマイル派についての秀逸なサイト情報もhasugeさんから頂きました。こちら

この民謡が使われた例の中国映画について、hasugeさんから頂いたコメントを中心に要約しておきます。このタジク民謡は映画の中と同じで、花儿为什么这样红(『花よなぜこんなに赤い』という意味)として中国でも知られるようになったようですが、元は『氷山からの客』(趙心水監督、長春映画製作所、1963)という映画の挿入曲とのこと。元歌の『グルビタ』に、戦前の日本への留学経験もある映画音楽作曲家として有名な雷振邦が手を加えて映画に使われたようです。youtubeの映画のシーンは、人民解放軍の兵士になっていたタジク青年アミールと、8年前に別れたきり音信普通になっていたタジク娘グランダムが再会する場面で、その別れの際に彼女に渡した花と同じものを見たアミールが歌い、それで彼女も彼に気づきます。結局、2人は結ばれ、アミールが属する駐屯地の部隊が敵スパイも殲滅するというストーリー。特に悲恋ものではありませんでしたf^^;

Kazak & Tajik folksongs

1. Kazak Folksong and dance
2. Tajik eagle dance
3. Tajik folksong

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2008年10月13日 (月)

Boymuhammad Niyozov

フェルガナ盆地西部のタジキスタン側の町、ホジェンド(Khojend)の名歌手のクリップが見つかりました。Boymuhammad Niyozovという年配の男性歌手ですが、Ocoraから出ていたAsie centrale - Traditions classiques(2CD)に収録されていたBay Mohammad Niyaziと同一人物ではないかと思います。CDの解説にもKhojendの有名な歌手で、ハーフェズ(コーランを全て暗唱する者の称号)だとの表記がありました。彼はシャシュマコームの完全な知識を持ち、なおかつ200曲を越える自作曲を作曲している人。今日のyoutubeで聞けるのも、そういった小唄風な歌曲ではないかと思います。ソテツやシュロ?の木が見えるように、バダフシャンなどの高地と違って温暖な(あるいは暑い位かも)気候の土地のように見受けられます。3曲とも、そんな町に流れていて実に似つかわしい小粋な佳曲だと思います。

Boymuhammad Niyozov Tajik Folk Music

Tajik - Farsi music: Boymohammad Niyozov - Dohtari mahpora

Tajik Folk Music Boymuhammad Niyozov - Ey Joni Man Asirat

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2008年10月12日 (日)

ジュラベク・ムロードフ

昨日は8月の今治西高に続き今治市立日吉中学の同窓会のためブログ更新はお休みしました。日吉小学校以来の同級生が何人も来ていて、余りの懐かしさに思わずテンション・アップ。二次会までの出席と相成りましたf^^;  中でも今時モヒカン頭のFやん(小学校時代の音楽友達)、4●歳で既にお爺ちゃんになっていましたが、●十年一日のように語り合い、昨日で一番のサプライズでした。しかし鬼籍に入った同級生が増えたのは悲しいことです。さぁ5年後はどうなっているでしょうか。

さてタジク・シリーズですが、一昨日の4本目のジュラベク・ムラードフ(ムロドフ)は、1987年に来日経験があり(民音シルクロード・シリーズ)、その時の録音がキング盤にも収録されています。タジキスタン北部のフェルガナ地方に位置するフジャンドで長く活動した経験を持つ人で、タジクとウズベクに共通する音楽的素養を身につけた第一人者的な歌手、とshayさんからコメント頂きました。キング盤の中にはルーミーやタジクの詩人ルーダキーなどの詩に作曲した自作曲もあります。テーマはやるせない恋愛ものが多く、歌声や風情が何処か演歌的に聞こえる(見える)ことがあるのも、そのせいでしょうか。これらを見る限りでは、タジクではシャシュマコーム系の音楽を聞くのはオールド世代が多いように見受けられます。youtubeには彼のビデオが16ほどありまして、中にはポピュラー音楽を若手グループと歌っているようなものもありましたが、今回はその中から5本選んでみました。「タジク・ファールスィー」としか書かれていなくて曲目などは全く分かりませんが。録音レベルがまちまちなので、再生の際はお気をつけ下さい。

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

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2008年10月10日 (金)

変拍子(アクサク)の舞踊も

昨日はタジクではハチロク・リズムがとにかく多いと書きましたが、早速例外的なクリップが見つかりましたf^^;  昨日のビデオについてはshayさんから詳細な情報を頂きましたので、昨日のコメントをどうぞご覧下さい。(shayさん、いつも有難うございますm(_ _)m) その中でも4本目のジュラベク・ムラードフ(ムロドフ)は、来日経験もあり、King盤にも収録されていました。灯台下暗しとはこのことでしょうf^^;  ジュラベクという名の楽士は、他にも何人か見かけます。ジュラベク・ムラードフについては明日か明後日、改めて取り上げる予定です。

タジキスタンでは、70年代以降特にイランやアフガニスタンの歌謡曲の影響でハチロクが増えたようですが、今日のビデオのように地方によっては奇数拍子(変拍子)も見られるようです。クーラーブのビデオはshayさんからご紹介いただきました。トルコでもびっこを引く様なアクサクと言われる変拍子が多く見られますが(余談ですがAksak Maboulはこのアクサクから)、この辺りの踊りではトルコの影響が強いということなのでしょうか? クーラーブ(クリャブ)を中心とする南西部の音楽は7拍子(3+4)ばかりだそうです。2本目の中国のタジク舞踊も、同じタタタ、タンタンと聞こえるサイクルでも、後ろのタンタンが詰まり気味で、幾分5拍子のようにも聞こえますが、これも7拍子なのでしょう。

Kulobian dance

Tajik dance from China

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2008年10月 9日 (木)

タジクの舞踊と歌

今日はタジキスタンの踊りを中心に。1,2本目はポピュラーな民謡風の歌唱でしょうか。シンセ入りで歌も音楽も軽いですが、旋回の多い踊りと衣裳の美しさには注目でしょう。3本目はノウルーズの歌と踊り、4本目はシャシュマコーム音楽に付随する舞踊のようです。こうして見ると本当にイランと共通する3拍子系(その多くは8分の6拍子。俗称ハチロク(笑))が多いことに驚きます。3本目までは例外なくハチロクですが、4本目のシャシュマコームになると、いきなりあの典雅な律動が出てきます。こちらは間違いなく偶数拍子。

荒削りながら神秘的なバダフシャン音楽、ペルシア的なハチロク・リズムと陽気な歌、ウズベク的な典雅な音楽と舞踊と、これだけ異なる音楽が日本よりも小さい一つの国に共存していることは、とても興味深いことだと思います。

Farsi Tajik Buzurgdasht az A Zahir Dar dushanbe

Tajik

Tajik folk music

ちょうど春分の日に来るイラン暦の正月、ノウルーズの歌と踊り。山国タジクではまだ雪に包まれている頃でしょうか。

Jurabek Murodov TAJIK FARSI

こちらはウズベクのシャシュマコームと共通の、タジク西部の古典音楽だと思います。いかにタジクのハチロク・リズムのノリと異なるかはっきり分かると思います。タジク側の演奏が意外に見つからないので、これは貴重なビデオかも。

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2008年10月 8日 (水)

タジクの女性歌謡

バダフシャンの緊迫感溢れる音楽が続きましたので、この辺でタジキスタンの女性の歌で一息^^
一本目は首都ドゥシャンベでの収録でしょうか。Nigina Amonkulovaとロシア名なので、間違いなくタジキスタン側の歌手でしょう。曲目はDar labi obiのようです。後ろの楽器編成はウズベクとほとんど共通しているように見えますが、演奏とタジク語の歌は、レング風のリズムと言い、メロディと言い、イランの大衆歌謡にそっくり。イランとタジクは同じイラン系民族ですから、ウズベク的なアンサンブルとは別に、こういったペルシア風の歌も好まれているのでしょう。しかし、眉毛の繋がりそうなメーク?が、いかにも中央アジア的^^

Tajik music

Tajik-Persian music: Shabnami Soraya - Az Kudumi Safar

こちらはタジキスタンの女性歌手Shabnami Sorayyoのビデオ。タジクで検索すると上位にヒットします。伝統色も辛うじて感じられます。

Farsi Tajik irani Shahla sarshar

タジクで検索して出てきましたが、こちらはイラン革命以前のイラン、または現在のアメリカ西海岸(こちらの可能性が大)の歌手でしょう。久々にトンバクの音を聞いて懐かしい思いで一杯です^^

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2008年10月 7日 (火)

パミール音楽の粋 ファラク

バダフシャン(パミール)の音楽様式にFalak(ファラク)というのがあります。キングの「タジクの音楽」の浦本先生の解説によると、1000年以上前に遡るものだそうで、パミール音楽のパミールらしさを表現する中核的な様式ではないかと思います。その非拍節的で緊迫感溢れる節は、一聴すると忘れられない強烈な印象を残すものだと思います。聞く人によっては、何か底知れぬ畏怖の念のような印象を持たれるかも。「世界の屋根」パミールの山並みをそのまま音楽にしたような、その峻厳な曲調は、ちょっと近寄り難い印象を持たれるかも知れませんが、山岳タジクの心を知るには必聴の音楽だと思います。

音源としては、キング盤の他に、VDE-Galloのドタールの名人、TopicのFalak: the Voice of Destiny - Traditional Popular and Symphonic Music of Tajikstanなど、探せば結構あると思います。(音源情報) 特にTopicの2枚組みでは現代的で秀逸なアレンジを施された、現代曲かと思わせるような鋭く聞き手に訴えかけてくる絶唱も聴かれます。これは形容し難い感動に襲われる演奏です。

今日の3本のビデオは、いずれもファラクそのものかファラク的に聞こえた曲です。2,3本目はアフガニスタン側の映像。

Shoi Nozir

これは久々にタジキスタン側の映像。ルボップにしてはフレットレスで弦が多いようですが。dedicated to the Great Pir of Kuhistan

Shughnani Falak

a beautiful shughnani falak by Munawar Shughnani

Afghan Song Dambura and ghajek

ファラクはアフガン音楽を通じて北インドのラーガに流れ込んでいるかも、と思わせる部分がありますが・・。そんな神秘的なラーガ、確かにあります。例えばPilooとかどうでしょうか? Afghani music dambura and Ghajek Najmodin Farkhari great singer of Samte shamal

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2008年10月 6日 (月)

吟遊詩人Mir Maftoon

今日のMir Maftoonは、おそらくアフガニスタン側のタジク(バダフシャン?)系音楽家のようです。ドタール弾き語りの若手吟遊詩人の一人と思われます。一本目では故マスード将軍が出てきますが、彼の偉大な業績を讃えている内容では。荒削りながら直に訴えかけてくる弾き語りと、「世界の屋根」の美しくも神秘的な風景がマッチしていて実に素晴らしいです。伴奏が付く場合は、ハルモニウム、両面太鼓のドーラク、アフガン・ラバーブなど。アフガニスタンに入ると、同じタジクの音楽でも、音的にも楽器面でも急速にインド色が出てきます。

A song by Mir Maftoon for Badakhshan

数曲ある中で、この曲が一番タジキスタン側のバダフシャン音楽に似て聞こえます。

Mir maftoon

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2008年10月 5日 (日)

バダフシャンの弦楽器と歌

バダフシャン地方の山岳タジク人はパミール人と言われることもあるようですが、同じイラン系民族でイスラム教徒だけどスンナ派が多いタジク西部に対して、東部のバダフシャンではシーア派が中心。それもイスマイル派が多いそうです。バダフシャン音楽が、とても神秘的でフリーキー(時には現代音楽かと思う程)にも聞こえる秘密はそこにあるのかも知れません。昨日のビデオのように舞踊に旋回が出てくるのも、関係があるように思います。バダフシャンは、タジキスタン東部だけでなく、アフガニスタン北東部(故マスード将軍もタジク人でしたがバダフシャン系ではなかったように思います)、中国西部のウイグル西部にまたがっている地方ですが、音楽面でもそれらの地方ではかなり似ています。ルバーブやドイラなど、楽器面では大きくは違いませんが(作りは少々荒々しいように見えます)、あの大らかで穏やかなウズベク音楽の影響の強い西部の音楽といかに雰囲気が違うかは、今日のビデオを見ていただければ明瞭に分かると思います。(西部にはまた後日回りますが)

Badakhshan Music

中央はパミール・セタール。左はルボップ。右後ろのサウスポーの人のはドタールか?

Badakhshan Music

Badakhshi Song

こちらはアフガニスタン側バダフシャンの音楽。少しカッワーリとか北インドの音楽に近い印象が出てきます。

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2008年10月 4日 (土)

バダフシャンの踊り

タジク・シリーズ、まずタジキスタン東部のBadakhshanから見てみたいと思います。どこから入ろうか迷う程ありますが、バダフシャンだけでもかなり見つかりまして、新鮮な驚きの映像(一本目)からまず行きたいと思います。
昨日の1本目(ウイグル側のタシコルガン)はバダフシャンのすぐ近くで、同じパミール高原山中の音楽と言って良いと思います。昨日の2,3本目のタジク民謡については、hasugeさんから詳細な情報を頂きました。(いつも有難うございますm(_ _)m) 昨日のコメントに載っていますが、こちらにも転載しておきます。中国兵とタジク娘の悲恋物語かと思っていましたが、大体当たっていたということでしょうか?^^  グルビタの音源、探してみたいと思います。
Why are the Flowers So Red (花儿为什么这样红)=『花よなぜこんなに赤い』は、『氷山からの客』(趙心水監督、長春映画製作1963)という映画の挿入曲です。この映画は、1951年に新疆の駐屯地で部隊がスパイを殲滅するというストーリーです。元歌であるタジク民謡の『グルビタ』は、グルビタという娘に対する若者の愛を歌ったもので、これに、戦前の日本への留学経験もある映画音楽作曲家として有名な雷振邦が手を加えたというわけです。

**Dance of Afsana** - Tajik dance in Badakhshan

唯一これだけCDで聞いたバダフシャンの伝統音楽と全く同じでした。(探せばもっとあるかも知れませんが) こういう踊りが付くことを確認できて感激です^^

Tajik Dance 1 - Silk Road Dance Company

こちらはステージ仕立てになっていて、かなりライトタッチな音楽になっています。
以下ビデオの解説 Silk Road Dance Company: Tulips of Badakhshan
This dance features traditional Tajik gestures seen in Badakhshan, a region comprising parts of northeastern Afghanistan and of Tajikistan.
Dancers: Keylan Qazzaz, Parastoo Ghodsi, Aybike Aker, Jennifer Gelston, Joanne Giaquinta, Cindy Connelly-Ryan, Courtney Smothers, Sarah Solomon, Adriane Whalen, and Demet Cabbar.
Choreography and Costume design: Laurel Victoria Gray
Music: Oleg Fesov
More information available at www.silkroaddance.com!

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2008年10月 3日 (金)

新疆のタジク

予定通り今日からタジクの音楽巡りを始めたいと思いますが、まずこれまで取り上げた何本かをおさらいしたいと思います^^  これらは全てウイグル側の映像でした。そのため言葉は中国語が多くなっています。
ウズベクの古典音楽ですが、まだ触れてない大事な部分が残っていますので、またタジク西部とあわせてシャシュマコームについて取り上げるかも知れません。

Taxkorgan Tajik folk music

ウイグル最西部タシコルガンのタジク音楽。そのワイルドな魅力は、タジキスタン東部の山間部バダフシャン(Badakhshan)の音楽に似ています。一方タジキスタン西部のウズベクと入り組んだ地方の音楽にはシャシュマコームの流れを汲む宮廷音楽ルーツの洗練美がありますが、それとは全く異なります。

Tajik / Chinese Song - Why are the Flowers So Red (花儿为什么这样红)

中国で昔かなり流行ったのではと思われるタジク民謡。この歌(花儿为什么这样红)がモティーフに使われたと思しき映画2本、演劇版、オリジナルのタジク民謡の歌唱、と続きます。最後のタジク民謡の歌唱が特に素晴らしいと思います。これはやはりウイグル側の民謡になるのでしょうか? 花儿为什么这样红についての情報もお待ちしておりますm(_ _)m

tajiki of china

こちらだけ初アップ・ビデオ。最後に花儿为什么这样红が出てきます。投稿者のサイトは攻撃サイトと出てきましたので、アクセスされない方が良いと思います。お気をつけ下さいm(_ _)m

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2008年10月 2日 (木)

ユルドゥズsingsタジク・ナンバー

そろそろタジキスタンの方へ移ろうかと思いますが、ウズベクの誇るポップ・クイーン、ユルドゥズ・ウスマノヴァの歌うタジク語ポップ・チューンで華々しく、そして賑々しくウズベク・シリーズを締めたいと思います。
この激しい踊りはタジク側のフェルガナ辺りの踊りなのでしょうか。ステップは軽やかに跳ねる動きが多く、独特です。ウズベクやウイグルの胡旋舞系とは明らかに違うように思いますが。ギター?の早いフレーズは、ギリシアのブズーキに似て聞こえるのが不思議。ノスタルジックなメロディ・ラインが耳に残る良い歌です^^

Yulduz Tajik From Murghilan Farghona فرغانه фаргона

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2008年10月 1日 (水)

フェルガナのシルク (タンブール伴奏)+la ilahe illallah

ウズベクがシルクロードの地たる所以である、絹織物製造過程のビデオ。こういう虫が苦手な私は、最初の辺りでは画面を直視できませんが(笑)、フェルガナのシルクということなので、フェルガナでもシルク生産が盛んなようです。冒頭以外は本場の絹織物の類稀な美しさを確かめられる内容かと思いますf^^;  前半のバックに流れているタンブールの流麗なソロが素晴らしいです。
2本目はフェルガナの女性アンサンブルによるイスラーム宗教歌。ラー・イラーハ・イッラッラー(アッラーの他に神は無し)と歌われています。アラブの同様の歌と比べると独特な幽玄美が感じられます。しかし、いずれにしても女性が歌っていることは珍しいと思います。

Silk in Ferghana

From silkworm to finished fabric: a tour of a silk factory in the Ferghana Valley in Uzbekistan in 2003.

women's ensemble of fergana-"la ilahe illallah"

from the album "a musical journey through uzbekistan: from samarkand to buhara" - women's ensemble of fergana singing "la ilahe illallah". the same track is in the collection albums "voices from long distance" and "sufi soul".

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