カザフの叙事詩語り
カザフの器楽はキュイでしたが、歌の方は、歌謡はアン、叙事詩はジル、民族詩オレン、などに分類されます。(WRMLの「カザフの音楽」の森田稔氏の解説より) ジャンルの後ろにシを付けると、それぞれの演奏家を指す言葉になりますので、キュイシ、アンシ、ジルシ(またはジラウ)、オレンシとなります。「今日のドンブラ」の一本はジルシのドンブラ弾き語り。名前はジラウ・アルマス・アルマトフ。しっかり「ジラウ」が頭に付いています。この人の歌唱は、少し倍音唱法が入っていますが、これは倍音唱法の中心地モンゴルの叙事詩語りの影響なのでしょうか。ドンブラの技巧は、キュイ演奏の華やかさに比べると落ち着いたものですが、これは叙事詩語りに何よりも重きを置いているということでしょう。カザフスタンに入ると、中国(ウイグル)で聞けたようなペンタトニック(5音音階)は、ほとんど耳にしないように思います。
Almas Almatov sings zhir
Traditional Kazakh zhir performed by zhirau Almas Almatov from Kzyl-Orda acc. on dombra in Tropentheater, Amsterdam, November 2007. Filmed by BOOZ
Saz/ Baglama/ Dutar/ Kopuz/ Deyiş/ Shamanism/ Alevism "7"
これは特定のキュイなのか、即興なのか不明ですが、おまけで一本。華やかな技巧とドンブラ音楽特有の歌心をたっぷり聞かせてくれます。タイトルには(コプズまで)諸国のドンブラに似た楽器が列記されていますが、ここで弾かれているのはドンブラのみ。ドンブラは低音が豊かだし、コマは動かして音高を変えられるし、本当に素晴らしい楽器ですね^^ シャーマニズムは分かりますが、アレヴィズムというのが気になります。スーフィーのアレヴィー派と関係ありなのでしょうか?
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