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2008年11月

2008年11月30日 (日)

カザフの叙事詩語り

カザフの器楽はキュイでしたが、歌の方は、歌謡はアン、叙事詩はジル、民族詩オレン、などに分類されます。(WRMLの「カザフの音楽」の森田稔氏の解説より) ジャンルの後ろにシを付けると、それぞれの演奏家を指す言葉になりますので、キュイシ、アンシ、ジルシ(またはジラウ)、オレンシとなります。「今日のドンブラ」の一本はジルシのドンブラ弾き語り。名前はジラウ・アルマス・アルマトフ。しっかり「ジラウ」が頭に付いています。この人の歌唱は、少し倍音唱法が入っていますが、これは倍音唱法の中心地モンゴルの叙事詩語りの影響なのでしょうか。ドンブラの技巧は、キュイ演奏の華やかさに比べると落ち着いたものですが、これは叙事詩語りに何よりも重きを置いているということでしょう。カザフスタンに入ると、中国(ウイグル)で聞けたようなペンタトニック(5音音階)は、ほとんど耳にしないように思います。

Almas Almatov sings zhir

Traditional Kazakh zhir performed by zhirau Almas Almatov from Kzyl-Orda acc. on dombra in Tropentheater, Amsterdam, November 2007. Filmed by BOOZ

Saz/ Baglama/ Dutar/ Kopuz/ Deyiş/ Shamanism/ Alevism "7"

これは特定のキュイなのか、即興なのか不明ですが、おまけで一本。華やかな技巧とドンブラ音楽特有の歌心をたっぷり聞かせてくれます。タイトルには(コプズまで)諸国のドンブラに似た楽器が列記されていますが、ここで弾かれているのはドンブラのみ。ドンブラは低音が豊かだし、コマは動かして音高を変えられるし、本当に素晴らしい楽器ですね^^  シャーマニズムは分かりますが、アレヴィズムというのが気になります。スーフィーのアレヴィー派と関係ありなのでしょうか?

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2008年11月29日 (土)

Listen to the Story about this Melody

昨日少し取り上げたカザフの器楽による物語、キュイですが、見事な例を見つけました。2006年のカザフ映画「KEK / Месть / Vengeance」の二コマ。セリフはロシア語ですが、英語字幕が入っています。訳は「復讐」で合っていると思いますが、どうでしょうか。

2本目の後半、主人公がドンブラを手に弾き始める辺りは、キュイの典型例でしょう。今日のブログタイトルは、向かい合っている古老(師匠?)の言葉ですが、洋の東西問わず音楽に心酔する人なら、沁みる言葉ではないでしょうか。物語がある音楽は幸せだと思います。キュイは西洋で言うなら、無言歌?  しかし、メロディによって物語のイメージを人々に喚起させるという、まずメロディありきのパターンは、やはり近代以降の西洋にはないのでは。
素朴な疑問ですが、ロシア五人組の一人、キュイはこの言葉と関係はありやなしや(笑)

Kek (Revenge) - dombra

KEK / Месть / Vengeance (2006)  埋め込み禁止
Kek

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2008年11月28日 (金)

冬不拉名人

「今日のドンブラ」は、同じ奏者の3本ですが、中国屈指(随一?)の名手のようです。おそらくウイグルのカザフ族だと思います。中国ではドンブラは冬不拉と表記されるようです。この人の技はとにかく凄い。フラメンコのラスゲアードのような奏法から、ウズベクのドゥタール、ロシアのバラライカなどに似た奏法が次々に登場。その超絶技巧と多彩な表現力には度肝を抜かれました。
器楽曲はカザフ語でキュイと呼ばれますが、キュイにはそれぞれ固有の物語があって、ドンブラ奏者はまずその物語を話してから、「では、私のドンブラが語る物語を聞いて下さい。」と言って弾き始めるそうです。愛や死はもちろん、人生の儚さや哲学的な思索まで、一本のドンブラで表現しています。先日の私の「草原の孤独」というイメージは、当たらずとも遠からずだったかも知れません^^ 
今日の演奏家の音ですが、中国のカザフ族だからでしょうか、カザフスタンの場合と比べて音階は中国的な5音音階が目立つように思います。しかしメロディは少し違っても、やはりキュイの伝統を保った曲なのでしょう。

参考文献:キングWorld Roots Music Libraryの「カザフの音楽」の森田稔氏の解説

Kazak Dombra Solo - The White Swan

Kazak Dombra Solo - Capriccio Junggar

ジュンガル奇想曲。ジュンガルは近世に中部以東のカザフを支配したモンゴル系民族。同じ頃、西部カザフはロシアの支配下に入りました。

Kazak Dombra Solo - In Memory of Father

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2008年11月27日 (木)

今日のドンブラ

「今日のドンブラ」と言うことで、数日見てみたいと思います。その位ビデオが多いです。カザフの国民的弦楽器ドンブラは2弦ですが、かの地の名手たちは、そんなシンプルな作りとは思えない名人芸もしばしば披露しています。この楽器、弦はスチールではないと思います。その柔らい音色で騎馬民族特有の心弾む響きを聞くと、何故か「草原の孤独」という言葉が浮かんで仕方ありません。個人的に非常に好きな音色の弦楽器です。
しかし、このドンブラ、地域差があるのか、共通した遊牧民族の騎馬的なリズムの中にも、少なからず違いが感じられるように思います。楽器の作り自体も少し違っているようです。

昨日の2本については、hasugeさんから詳細な情報を頂きました。(いつも有難うございます。m(_ _)m) 昨日のコメント欄をご覧下さい。

kazakh dombra

ドンブラで検索するとトップに出てくる演奏。若手の演奏らしい、テクニックの華やかさ。この人の、もう少しテンポのゆっくりした味わい深い演奏も聞いてみたいものです。最近のドンブラ独奏、もしテクニック偏重の傾向があるのだとすれば、日本の津軽三味線と似た状況にあるのかも知れません^^

Kazakhstan Dombra

この人は西洋人だと思いますが、かえって楽器の作りや特性が垣間見える一本。駒を自由に動かしてピッチ(音高)を変えて弾いていますが、こんなに自由に動かせるとは驚き。しかし、この音色と奏法だと、ギリシアのタンブーラに似て聞こえてしまいます^^

playing dombra in Urumqi

ウイグルの首都ウルムチのドンブラとありますが、ドンブラではなくドゥタールかも。弦もスチールのようですし、胴はタンブールのように細身。ウズベクのドゥタールかも知れません。これが本当にドンブラなら驚きです。

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2008年11月26日 (水)

こちらのマイラは・・

昨日2本目に上げた「マイラ」ですが、hasugeさんからコメント頂きまして、中国内陸の青海省で中国人によって採譜され編曲・発表されてから中国に広まったようです。青海省と言えば、チベット族が多く住む所のイメージが強かったのですが、チベットと四川省の間にある青海省までカザフ族が来ていたとは驚きでした。西はカスピ海北岸、東は青海省というのは、とんでもなく広大な領域です。今日の一本目は、マイラという女性歌手ですが、歌にはアルタイと読まれているようですので、アルタイに近いカザフスタン東部の歌でしょうか。モンゴル~タタール風な節と、ロシア~西洋の要素も感じさせる発声の両方が聞き取れるように思います

Ahgazhai-Altai

Kazakh folk song with Mayra Mukhamedkyzy

Kazak Dombra Solo - Mother

「今日のドンブラ」ということで、一日一本、芸風の違いを見て行きたいと思います。一本目ではロシア文字でしたが、こちらは漢字字幕が出てきますので、ウイグルにいるカザフ人の演奏者でしょうか。ロシア民謡の「満州の丘に立ちて」に似た雰囲気。あるいは田端義夫とか?(笑)  カザフの伝統的ドンブラ音楽ではありませんが、良い味出してますね。実は上記のどちらも結構好きなもので f^^;

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2008年11月25日 (火)

カザフ

中央アジア・シリーズも、いよいよ最後のカザフに来ました。7月にキルギスから始めて、もう4ヶ月になります。キルギスに4日、ウイグルに1ヶ月、ウズベクに1ヶ月、タジクに1ヶ月、フンザ周辺に半月、トルクメンに10日余り、そして最後にカザフ。トルコ系民族本来の遊牧的音楽の類似性から言って、本来はキルギスとカザフは並べて回るべきでした。それから、こんなに長大になるとは思ってなかったので、「中央アジア」で一括りにしてしまいましたが、国別にカテゴリーを分けても良かったほどに膨らみましたね(笑)  その位、中央アジアは驚きの連続でもありました。何はともあれ、今日からカザフの音楽へ。

Saz/ Baglama/ Dutar/ Kopuz/ Deyiş/ Shamanism/ Alevism "5"

カザフと言えば、何と言っても2弦のドンブラ。右の男性の繋がった眉毛に目が留まりまして、まずこちらから(笑) キルギスの短調のウルを思い出させる哀愁の歌声。眉毛は中央アジア的ですが、歌はロシアに近いなぁという印象を覚えます。

Mayra

20年余り前に北京放送でウイグル民謡と紹介されていた云々という話題で、去年一度アップしたクリップです。新疆ウイグルに住むカザフ族の民謡「マイラ」。いかにも遊牧民の歌というイメージの大らかな感じが良いですね。現在のKingワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリーに入っていたかどうか調べてみないと分かりませんが、LPの頃の小泉文夫音源には入っていました。そこには確かに「新疆のカザフ民謡」と書かれていました。前に頂いたコメントによると、あの広大なカザフ中で歌われている歌だとのことでした。遊牧世界の民謡は、地域差が余り生まれないのでしょうか。しかし、上のエレジー的な歌とはかなり印象が異なります。

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2008年11月24日 (月)

トルクメンのアザーン

トルクメン・シリーズ、一応今日で終わりにしようかと思いますが、最後にイスラームの礼拝への召喚の声、アザーン。タイトルでは「トルクメニスタンの古い歌」となっていますが、これは間違いなくアザーンです。イランに近いからでしょうか、タハリールのような細かい節回しが聞き取れます。アラブ圏のアザーンとは、同じヒジャーズ旋法的な大枠の節の中に、結構異なる音の動きが目立つように思います。
トルクメンのバフシー関係など、もっとあったら良かったのですが、意外に少なく、代わりに先日のようなアラブ~トルコ風の音楽のクリップが多く見つかりました。各楽器の独奏も大変珍しい映像でした。これらは本当に意外でした。
数日前のファスル(合奏組曲)や、シャルク(オスマンの歌曲)の類は、いいものがかなり見つかりましたので、明日からのカザフ・シリーズの次にでも回ってみようかと思います。

今日は念願のトップページ入れ替えを行いました。このページは有能な助っ人が現れなければ出来上がらなかったでしょう。Yさん有難う。ナハズブホ!^^

Turkmenistan - Old song

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2008年11月23日 (日)

イラクのトルクメン

トルクメンに戻りまして、ちょっと珍しい一本を。
イラクに住んでいるトルクメンのヒラルという女性グループの映像。同じトルコ系のトルクメン(トゥルクマーンとも)ですが、トルクメニスタンのトルクメン人とは民族的な関係が明らかでないようです。使っている弦楽器は、音色から判断するに、サズかバーラマでは。彼女らが歌っている歌は、どこかキリスト教の聖歌風でもありますが、このサズの音色が入るとトルコのハルク(民謡)などと見分けが付きにくいかも知れません。

grup hilal - altın hızma

Kerkük Türküsü...Kerküke uzanan kürt eli kırılsın...Turkmen (Turkish people in Iraq)folkloric song From Kerkuk city...the slogans from the audience saying "Kerkük Türktür Türk Kalacak" means "Kerkuk belongs to Turks and it will remain so"

Grup HİLAL - Çanakkale Türküsü

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2008年11月22日 (土)

ヤーノシュ・シュタルケル

トルクメン・シリーズの途中ですが、ショウさんからリクエストがありましたので、今日はチェロの名手ヤーノシュ・シュタルケルの演奏を。
彼はハンガリー出身のチェリストで、パブロ・カザルス、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチなどと並んで、20世紀を代表する名チェリストです。私がLPで最初に聞いたのは、26年位前の話ですが、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタとJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第3番の組み合わせでした。レーベルはチェコのSupraphonでコロムビアからの発売。聞き手を圧倒するような完璧なテクニックと轟音、是非生演奏を体験したかったものですが、もうかなりな高齢ですから、難しいでしょうか。

Janos Starker - Kodály Cello Solo Sonata I. Mvt

バルトークと並び賞される20世紀ハンガリーの大作曲家コダーイの無伴奏チェロ・ソナタから第1楽章。鬼才シュタルケルの代名詞のような曲でした。1988年の東京でのリサイタルから。前から3楽章はyoutubeがありましたが、その後1楽章もアップされていました。この曲はスコルダトゥーラ(変則調弦)が採られ、一番高いA線を一音下げてGにして演奏されます。ハンガリーの民族色が豊かなこの曲、ウラル・アルタイで言えば、ハンガリーはウラル系、トルクメンはアルタイ系ですから、まんざら遠い訳でもありません^^

Janos Starker - Cassadó: Suite - 1st mvt.

前にもアップしたスペインの作曲家ガスパール・カサドの無伴奏チェロ組曲第1楽章。チェロの名作を多数残した人です。1989年の東京でのリサイタルから

Janos Starker - Bach Cello Suite 3 I. Prelude

やはり1988年の東京リサイタルから。J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第3番からプレリュード。同曲からは6番目のジーグを前にアップしましたが、プレリュードは初めて。後半のG音を軸にしたオルゲルプンクトの辺りは親指が出てきてなかなか大変な箇所ですが、いとも簡単に弾いています。これは輝かしい快演!

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2008年11月21日 (金)

オスマン風合奏

トルクメンの音楽で、オスマン・トルコの古典音楽の、ファスルなどに似た印象の合奏映像が見つかりました。これに混声合唱が入れば、ほとんどオスマンのファスルですね。こういう宮廷音楽的な古典音楽が現在でも演奏されているというのは、トルクメンの音楽は本当に一筋縄でいきません。

Kerim Ilyas-Turkmen Instrumental Music 3

Kerim Ilyas-Turkmen Instrumental Music 4

こちらはかなりライト・タッチの音楽。

Muzeyyen Senar-FASL-I SAHANE

こちらは現在のトルコで行われているファスルの一例。更に大ヴェテラン女性歌手ミュゼッイェン・セナルが中心になっている貴重映像だと思います。2+2+2+3の9拍子でしょうか。こういう複合拍子はトルコ音楽に多いです。

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2008年11月20日 (木)

トルクメンの楽器 管楽器編

昨日の弦楽器と打楽器に続いて、トルクメンの管楽器独奏を見てみます。楽器の作りと音色、奏法、名前まで、周辺諸国の楽器との共通点が見えて楽しいです。トルクメンの音楽と言えば、吟遊詩人バフシーのイメージが余りに強いですが、こういうバフシー以外の音楽も、もっと知られるようになると良いですね。

Turkmen Musical Instruments-Gargy Tuyduk

読みはガルギー・トゥイドゥク、でしょうか。吹き方はイランのネイと同じのようです。音色はもっと野性味を感じさせるもので、ウラル山脈南部のバシキールの縦笛(こちらは声が混じった明らかなダブルトーンでしたが)にも似た感じがあるのは、同じトルコ系だからでしょう。バシキールの方は昨年の11月にアップしました。

Turkmen Musical Instruments-Dilli Tuyduk

ディッリ・トゥイドゥク、でしょうか。この篳篥のような音と発音原理は、ウズベクの時に出てきたSibizga(9月29日)と同系でしょう。これは管楽器と言うより、半ば声楽と言った方が良いような表現力。

Turkmen Musical Instruments-Deprek

昨日アップ漏れしていた打楽器、デプレク。ダフとレクが合わさったようなネーミングです^^ 細かい技巧にはペルシア風だけでなく、トルクメンらしさも窺えます。

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2008年11月19日 (水)

ドゥタールとギジャク、打楽器

今日はトルクメンの楽器編。まずは弦楽器と打楽器から。バフシーが必ず手にしている2弦のドゥタールと擦弦のギジャク、更にまだ映像で登場していない珍しい打楽器の映像が続々と見つかりました。ドゥタールの奏法は、右手の動きが柔軟で、左手も細かく装飾が入りますが、その繊細な音さばきは目を見張るものがあります。ギジャクは作りも音色もイランのケマンチェを素朴にした感じ。どの楽器を見ても(乾燥南瓜のような打楽器は例外ですが)、トルクメンの東西南北に隣接する諸国の楽器を思い起こさせる要素がそこかしこに見えます^^

Turkmen Musical Instruments-Dutar

Turkmen Musical Instruments-Gyjak

Turkmen Musical Instruments-Dowul

先日のカフカス・ドラム似の太鼓は、このドウルだったのでは。作りだけはかなり似ていますが、ここでのリズムはトルクメンのものでしょう。

Turkmen Musical Instruments-Tebil

こちらのテビルは、アラブ~トルコのダラブッカ(エジプトではタブラと呼ばれますが、インドのタブラとは別)にそっくり。

Turkmen Musical Instruments-Kici dep

楽器名はキジ・デプでしょうか。これはアラブのリクにそっくりなタンバリンに似た枠太鼓。表面に黒い塗り物がある所が非常にユニーク。この点ではインドの太鼓(タブラやムリダンガム)に似ています。

Turkmen Musical Instruments-Kyadi

キヤディと読むのでしょうか。これは何か野菜か果物を乾燥させたものでは。私も今回初めて見る楽器です。

Turkmen Musical Instruments-Gopuz

これは前にウラル・アルタイの時に一度アップしたと思います。トルクメンの口琴ゴプズの演奏。倍音唱法がある所には、やはり口琴もありました。

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2008年11月18日 (火)

多様なトルクメン音楽 ②

ここ数日、伊予でも急激に冷えてきました。明日あたり山は雪化粧するかも知れません。本格的な暖房の登場が11月の半ば過ぎというのは、かなり早いように思います。トルクメンの従来のイメージからはみ出るような内容のビデオですが、昨日のようなクリップがまだまだありますので、もう少し追ってみます。

Kerim Ilyas-Turkmen Instrumental Music 5

これまたアラブ~トルコ風な器楽合奏。アラベスクな魅力の合奏の中でクラリネットがソロを取っていますが、その快速な演奏はトルコのジプシー音楽と共通するような趣きもあります。トルキスタンらしさを感じる点はと言えば、横笛のナイが入っている所でしょうか。

Turkmen music

キーボードとすごく細身のギジャク(ケマンチェ?)の伴奏で歌われるトルクメン歌謡。3拍子にペルシア的な名残を感じます。

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2008年11月17日 (月)

多様なトルクメン音楽

ドゥタール弾き語りのバフシーの渋いイメージが強いトルクメンの音楽ですが、昨日の3本目(今日の1本目)はどうやらトルクメンの音楽のようですし(Karateginさんからコメント頂きました。いつも有難うございます。)、今日の3本目のウードやヴァイオリン、カーヌーン、ダラブッカ等の合奏は、明らかにアラブ~トルコ音楽系のもの。4本目はオスマンの古典音楽やメヴレヴィーなどのスーフィー系の音楽にも似ています。
しかし、海外にはほとんどバフシーのドゥタール弾き語りしか紹介されていないということでしょうか。イラン、アラブ、トルコ、中央アジア、カフカスの音楽が交錯する、音楽的に魅力的な所らしいことが見えてきました^^

Turkmen Music, Kerim Ilyasov at Chicago Turkish World Festiv

後半の太鼓は、リズムだけでなく、作り自体カフカス・ドラムにそっくり。真ん中あたりにレズギンカ風リズムが出てきます。後半はジャンベのような叩き方をしていますが(笑)

DAYMOHK ANSAMBLE (in Turkey)

上のビデオのドラムのリズムに似た例として、大分前にアップしたチェチェンのダイモク・アンサンブルの演奏から。レズギンカ型のリズム(タンタ、タタタのハチロク)を猛烈なスピードでリレー打奏しています。南北のカフカス(コーカサス)は去年の11~12月にかけてたっぷり回りましたので、ご参照下さい。チェチェンは昨日話題に上げたダゲスタンの西隣にある北カフカスの国。チェチェンは非印欧のコーカサス系ですが、ダゲスタンの中のトルコ系民族クムィクなどにもこのレズギンカ型のリズムが頻繁に聞かれます。カスピ海の対岸のトルクメンでこのリズムが聞こえるのはカスピ海南東岸だけなのか、内陸まで及んでいるのかが、知りたいところです。

Kerim Ilyas-Turkmen Instrumental Music 2

Tümata- Ala yazım- Cemaleddin Dibai

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2008年11月16日 (日)

アフガンのトルクメン音楽とトルクメン人のカフカス太鼓?

バフシーの歌を探していたら、アフガニスタンのトルクメン系音楽家のビデオを何本か見つけました。トルクメニスタンの南東部がアフガニスタンに接していますし、国境は後から引かれたものでしょうから、イランだけでなくアフガニスタン側にもトルクメン人はかなりいるようです。当然音楽はアフガン風なところが強く感じられます。3本目はトルクメン人と思われる音楽家がトルコ?のカーヌーンや、カフカス・ドラム(ドールとかドリとも)を演奏している珍品。

Turkmen Folk Song: Enna

ドゥタールのフレージングもですが、太鼓の奏法や音はもう完全にアフガンです。解説にThe late and great Sarwar, a Turkmen singer in Afghanistan who was killed during the Taliban era. He will be missed. A lovely song about and for Mothers.とあります。タリバン政権時代に殺害されてしまったようです。ダリー的味わいのトルクメン・バフシーとでも言えましょうか。3拍子がペルシア~アフガン的です。この拍子はトルクメン本国ではほとんど出てこないのでは。

A TURKMEN SONG (CLASSIC)

このドゥタールを肩に載せたバフシー(アフメトさんでしょう)の写真は、Traditional Crossroadsから出ていたAfghanistan Untouchedの裏ジャケットに載っていたものと同じです。アフガニスタンがまだ比較的平和だった1968年の録音でした。解説にA Turkmen song by Ahmetとあります。

Turkmen Music, Kerim Ilyasov at Chicago Turkish World Festiv

これは不思議な一本。演奏しているのはケリム・イリヤソフという人のようです。トルクメンの方でしょうか? 前半はカーヌーンを、後半はカルパックを被ってカフカス・ドラムを演奏しています。トルコ世界の音楽というコンセプトのようですから、カーヌーンはトルコの、カフカス・ドラムはダゲスタンのクムィク辺りのイメージで演奏しているのではと思われます。トルクメンには、カーヌーンやカフカス・ドラムは、ないはずですが、もしかしたらカスピ海の対岸でもカフカス・ドラムが同じリズムで叩かれることがあるのでしょうか? カルパックは北カフカスとそっくりなので、もしやという気もします。

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2008年11月15日 (土)

往年のバフシー

昨日に続いてドゥタール弾き語りに、擦弦のギジャク伴奏が付くバフシーの古映像、結構あります。2,3本目は残念ながら埋め込み禁止。途中で出てくる映画のシーンのような映像が気になったりしますが、何しろ何も資料のない世界。ビデオの解説がありますが、全てトルコ語(あるいはトルクメン語?)で、詳細が不明のままです。喉を絞めてヒクヒクさせるような独特な発声は、バフシーの歌に特有だと思います。しかし昨日のような明らかな倍音唱法は見られないようです。

sahy jepbar (turkmen folk music)

Turkmenistan

Turkmenistan

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2008年11月14日 (金)

ドゥタール・デュオと倍音唱法

では、いよいよトルクメンのドゥタール弾き語りの吟遊詩人バフシーの芸を見てみたいと思います。今日のバフシーの掛け合い映像は、去年このブログを始めて間もない頃に一度アップしましたが(確か一本目だったと思います)、とてもエネルギッシュでエモーショナル、そして即興的な妙味に溢れるデュオで大変好評でした。バフシーの語源ですが、モンゴル語での仏教指導者という意味の「バグシュ」という言葉に由来するそうです。ウズベクやタジクに比べると(特にシャシュマカームのような宮廷音楽系とは対照的)いかにも遊牧民族的な大らかさと奔放さを感じます。カザフやキルギスも遊牧的と言う点では共通していますが、トルクメンの弾き語りは、何と言うかもっと熱いスピリットを直に感じますね。弦のテンションが低そうに聞こえるドゥタールを激しく掻き鳴らし、高らかに張り上げる歌声は、アゼルバイジャンのムガームの歌い方に似ている面もあるように思います。そして最も興味深い点は、ホーミーとまでは行かなくても、倍音唱法にかなり近寄る歌い方が見られるところです。今日の1本目と3本目には、それが出てきます。右の男性が一瞬ですがやっています。低音で唸る方の喉歌系ですね。
言語の話ですが、昨日の記事にKarateginさんからコメントを頂きまして、トルクメン語では古代のテュルク語にはあった長母音と短母音の区別がそのまま残っていたり、特有の子音があったりして、トルコ語やアゼルバイジャン語を知ってる人でも聞いたり話したりするのは難しいそうです。また、標準ウズベク語はテュルク系言語の中でもチャガタイ語群というグループに属し、ウイグル語と近い関係にあるのに対し、ヒヴァとかホラズム近辺の(ウズベク西部の)ウズベク語はオグズ語群(トルクメン、トルコ、アゼリーはこちらに属す)ベースなのでトルクメン語により近いと言われているそうです。カラカルパクは、やはりカザフ語の方に近いようです。(Karateginさん、いつも貴重な情報を有難うございます。m(_ _)m)
倍音唱法ですが、モンゴルだけでなく以下のテュルク諸語の民族の中にも見られます。トゥヴァ、アルタイ、ハカス、バシキールと、カザフより北の民族が多い訳ですが、その中でトルクメンにあるのは異色なように思えます。

turkmen dutar

Yoloten

Dutar

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2008年11月13日 (木)

トルクメニスタン巡り+トルクメンのジプキン?

昨日は女性のポップスを見ましたが、今日は男性の歌とトルクメン概観的映像を。吟遊詩人のバフシー以外、この国のことは日本ではほとんど知られていないのではないでしょうか。ウズベク西部のカラカルパクスタン関係を数日見た時に、すぐ西隣のトルクメンらしさを感じました。カラカルパクの場合は文化的にカザフやトルクメンに近く、ウズベクとむしろ距離感があるのが意外でした。トルクメンが今の領土になったのは19世紀末に帝政ロシアに併合されてからのようで、それまではヒヴァ・ハン国、ブハラ・ハン国、カージャール朝などに服属していたようです。面積も日本より広いようですし、カスピ海東岸に面し、まだまだ知られざる秘境が眠っていそうな国です。今の所、イランとの国境に近い首都のアシハバード(あるいはアシガバート)くらいしか知られてないように思います。

Dovran Saparov

トルクメンのジプキン?(笑)  こういうスパニッシュ風な音楽などが演奏されるようになったのは、91年のソ連崩壊後ではと思いますが。しかし、もの凄い美女がいますね^^

Turkmenistan

映像と歌で巡るトルクメン。美しい自然、油田・・。  男性の被っているフワフワの暖かそうなカルパックですが、ダゲスタンやチェルケスなど、カスピ海対岸の北コーカサスのカルパックとほとんど同じなのが、前から面白いなぁと思って見ていました。

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2008年11月12日 (水)

トルクメン・ポップス

ウズベク~タジクの素晴らしい悠久の調べは、いつまでも聞いていたい程ですが、今日から西隣のトルクメンの音楽を見て行きたいと思います。ウズベク~タジクの音楽の要であるシャシュマカームについては、昨日簡単に要約しておきましたので、ご参照下さい。
トルクメン・シリーズ、まずはとっつきやすいポップスから。トルクメンの音楽と言えば、まず何よりも吟遊詩人バフシーの歌とドタールですが、それはまた明日以降にします^^  トルクメンの言葉は、その名の通りトルコ系で、トルコ語やアゼルバイジャン語とかなり近いようです。ではウズベク語とはどうなのでしょうか。人種的には先住民のイラン系との混血がかなり進んだようです。まずはトルクメン美人歌手の歌唱2本をどうぞ。

Turkmen Music

Rep of Turkmenistan. Music, Gulayym jorayewa.

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2008年11月11日 (火)

シャシュマカーム概説

大分前に予告しておりましたウズベク~タジクのシャシュマカーム(シャシュマコーム)の概略ですが、そろそろウズベク~タジク・シリーズを終わるに当たって、今回アップしておきます。マカーム名のみ、9月4日に以下の通り旋法名を上げました。
ペルシア音楽からの影響がはっきり見て取れる名前ばかりでした。
①ブズルク(buzruk)、 ②ロースト(rost)、 ③ナヴォー(navo)、
④ドゥゴーホ(dugokh)、 ⑤セゴーホ(segokh)、 ⑥イローク(iroq)

以下は、同じく柘植元一氏の「イラン音楽への招待 第49回 ~ マカームをめぐって その四」(日本イラン協会機関紙チャシュム2002年6月号)の記事からの引用を中心に構成しました。

上記各マカームは大きく二つの部分から成り立っています。
「ムシュキロート Mushkilot」と呼ばれる器楽の部分と、「ナスル Nasr」と呼ばれる声楽の部分です。
前者はタスニーフ Tasnif、タルジェ Tarje、ギャルドゥン Gardun、ムハンマス Mukhammas、サキール Saqilの五楽章からなります。
後者は更にいくつかのシュウバ Shuba(歌曲のグループ)に細分されますが、第一のシュウバは、サラハバル Sarakhbar、タルキン Talqin、ナスル Nasr、ウファル Ufarを含み、これらの楽章の間には、タローナ Taronaと呼ばれる民謡詩を伴う軽快な小唄が挿入されます。タローナの語源は、言うまでもなくペルシア語のタラネー(レーベル名にもなっています)です。
第二のシュウバは、ソウト Sawt、タルキンチャ Talqincha、カシュカルチャ Qashqarcha、サーキーナーマ Saqinama、ウファル Ufarから成ります。ここではタローナはもはや挿入されないようです。
各楽章はそれぞれ固有のリズム周期によって特徴付けられていて、例えばソウトは十五拍子(4+4+4+3)、タルキンチャは十四拍子(7+7)、カシュカルチャは二十拍子(5+5+5+5)、サーキーナーマは十拍子(5+5)、ウファルは十三拍子(5+5+3)といった具合です。
つまり、変拍子や複合拍子も多いようですね。各マカームの音階や音の動きは上記記事では触れられていませんでしたが、取りあえずは上記のような複雑な複合拍子を念頭に、youtubeを見るとまた興趣が沸いてくるかと思います。
昨日の記事にhasugeさんからまた秀逸なサイト情報を頂きました。shashmakom.com (いつも有難うございます。m(_ _)m)  以下の3本は、いずれもシュウバのどれかになるのでしょうか。曲名でしか表記されてないので、拍子から形式を当てるのも一興?^^

"Duhog - Husayniy" Zamira Suyunova

"Duhog - Husayniy" - from Fergana-Tashkent maqoms. People singer of Uzbekistan Zamira Suyunova.

"Ona" Nasiba Sattorova

"Ona" Nasiba Sattorova. Gazal by Mashrab, music by Ahmadjon Dadayev

"Mehmondur" Ochilbek Matchonov

"Mehmondur" Ochilbek Matchonov. Poem by Mahtumquli. Record TV program "JONLI IJRO".

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2008年11月10日 (月)

Uzbek Musicの新作とバダフシャン音楽を並べてみると

ウズベクの古典音楽は言葉だけでなく、かなりペルシア(タジク)文化の影響の強いものだということが分かってきましたが、ではタジクの中でも最も古めかしい文化を残しているのではと思われる東部のバダフシャンの音楽を並列させてみるとどうでしょうか。ドゥガーの神秘的な調子をバダフシャンの音楽と並べてみたくなりました。2本目は典型的なバダフシャン調の音楽。ウズベクの古典音楽との直接、間接の共通性というのはあるのでしょうか?

"Mo`g`ulchai Dugoh" Alisher Bobojonov

この歌唱の旋法ドゥゴー(ドゥガー)は、セガー、チャハールガーの一つ前のガーということになります。直訳すれば「2番目」の「場所」のような意味だったでしょうか。13年ほど前にトンバクの師匠から聞きましたが、うろ覚えで・・f^^;  1,2,3,4,5は、ペルシア語でイェク、ドゥ、セ、チャハール、パンジ、ですが、イェク以外のそれぞれの後ろにガーが付いた旋法名があるのは、ペルシア音楽に多少でも馴染みのある方にはお馴染みでしょう。しかし、この合奏は素晴らしいです。"Mo`g`ulchai Dugoh" From maqom Dugoh, gazal by Mashfiqiy. Alisher Bobojonov & Ensemble "Shashmaqom" Bukhara.

HI Tajikistan Visit

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2008年11月 9日 (日)

タジクの舞踊 7拍子とロシア風

タジクに戻ります。古典的なクリップは大体目立つのはアップしたと思いますので、舞踊の方で探してみました。1本目は例の女性歌手Shabnami Sorayyoの故郷のクリャブ地方辺りに特徴的な7拍子の踊り。お聞きの通りタタタ、タンタンというサイクルですが、後半をタタタタと取れば、はっきり3+4の7拍子と分かります。このつんのめるような独特なリズムは耳に残ります。女性のカラフルな衣裳も素晴らしいですね。2本目はタジキスタンの独立15周年記念の映像のようです。1991年9月9日から数えてですから、2006年の9月9日でしょうか。音楽はロシア(と言うよりソ連)のマーチかレジスタンス・ソング風に感じますが、いかがでしょうか。このミックスもなかなかに興味深く思います。出ているのはタジクの代表的なポップ歌手たちでしょうか。

Tajiki=Farsi=Dari malika tajik

Farsi=Tajiki=Dari(15 year of the independence of Tajikistan)

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2008年11月 8日 (土)

チェロの名手 コンサート情報

今日はコンサートの告知を一つ。
「チェロによるシャコンヌ」というタイトルで6月に当ブログで取り上げたイムレ・カールマンさんですが、予定通り今月19日に東京でコンサートが催されることになりました。私もできれば、と思っていましたが、上京自体難しくなってしまいました。(平日だとどちらにしても難しいですが) シャコンヌも聞けるのに残念ですが、いつか必ず・・。
16日には沖縄の宜野座文化センター、がらまんホールでもコンサートがあります。詳細
イムレさんの日本語バイオグラフィー、
http://plaza.rakuten.co.jp/amoreteclat/007000

東京のプログラムは、以下のように「海ゆかば」で有名な信時潔の作品とのジョイントとのこと、大変に驚きました。相当ヘヴィーなプログラムですが、面白そうです。当ブログを読んでコンサートへ行かれた方は、宜しかったらご感想をお待ちしておりますm(_ _)m

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第2回武蔵天平の郷 信時潔コンサート’08

    開催日時
        2008年11月19日(午後5時30分開演)

    開催場所
        東京都(国分寺市立いずみホール)

        多くの作品が生まれた町で
        第2回武蔵天平の郷 信時潔コンサート’08
        ドイツ・ハンガリー・セルビア・国分寺

        ※mixiのシャコンヌ・ソロ・トピックで演奏が紹介された在セルビアのチェリスト
        イムレ・カールマーンさんの出演するコンサートです。

紛争の影響が続くセルビアと、戦渦の記憶を今も伝える沖縄に住む音楽家を招き、平和を考えるコンサートが11月、国分寺市で開かれる。同市は「海ゆかば」で知られる作曲家信時潔(のぶとききよし)が半生を過ごしたゆかりの地。企画した音楽家らは「信時が残した曲を純粋な音楽として問い直したい」としている。20世紀最大のスパイ事件といわれる「ゾルゲ事件」をめぐる対論もあり、映画の篠田正浩監督が出演する。

        ヴァイオリン=豊嶋めぐみ
        チェロ=イムレ・カールマーン(在セルビア)
        ピアノ=東江(あがりえ)貴子& クラウス・フランケ(在沖縄)
        特別出演 :山崎 洋(在セルビア)?篠田正浩(映画監督)

        内容:

        第Ⅰ部 
        ヘンデル/パッサカリア
        J.S.バッハ/シャコンヌニ短調(チェロソロによる)
        ユジェーヌ・イザイ/無伴奏 ヴァイオリン・ソナタ第三番 ”バラード”
        アルニュー・ヴァラバシュ/カパスコドー(委嘱作品・初演)ほか   

        第Ⅱ部 
        対論「ゾルゲ事件をめぐって」山崎 洋 × 篠田正浩(映画 『スパイ・ゾルゲ』監督)

        第Ⅲ部 
        信時 潔  弦楽構成による独唱・合唱の名曲選(初演)
         茉莉花(まつりか)
         やまとには  海ゆかば
         ゆめ 組曲『沙羅』から

        日時:2008年11月19日(水)5:30PM開演
        場所:国分寺市立いずみホール
        料金:一般\3,500(前売\3,000) 学生券\2,500(前売\2,000)

        お問合せ:市立いずみホール(042・323・1491)
             E-mail  info@fabien-funfan.net

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もう一度イムレさんのチェロによるシャコンヌ、アップしておきます。

Kalman Imre Cello Johann Sebastian Bach: Chaconne part 1

Kalman Imre Cello Johann Sebastian Bach: Chaconne part 2

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2008年11月 7日 (金)

ドイラとトンバクの聞き比べ

昨日の記事にshayさんからコメントを頂きまして(いつも有難うございます。m(_ _)m)、アッバース・カースィモフAbbos Kosimov(ウズベク語の正書法ではAbbos Qosimov)のAbbosは、「アッバース朝」の「アッバース」、また苗字のQosimovは例のアゼルバイジャンの歌手と同じ、とのことでした。ウズベクでは、マコーム、セトールなどのように、アラブやイランでは「ア」となる所が「オ」に近い音(アクセントの来る位置でしょうか)になることも多いようです。昨日書いたように「宇宙(コスモス)」が原義だと、ルーツはギリシア語系列になりますから、それは間違いでしょうということが判明しました。では、カシモフというのはアラブの原義では本来どういう意味なのでしょうか?
昨日のコシモフ氏のビデオでは、リーズのような奏法での蝶々の羽のように高速かつ軽やかに動く左手に感動しました。そこで、今日はドイラとトンバクの聞き比べ(見比べ?)編ということで・・^^

yasha barayev vs abbos kosimov

この一本のように、アッボス・コシモフ(とりあえずこの表記にしておきますf^^;)が参加したビデオは9月23日にもアップしましたが、その時書いたように、こちらもブハラ系ユダヤ人が集うパーティー?での演奏風景ではと思います。ヤッシャ・バラーイェフという人は見るからにユダヤ系。会場にはユダヤ教の祈祷帽キパを被った男性もいます。

M.R. Mortazavi - Solo Tombak in Tshehelsutun-Isfahan

聞いたことのないトンバク奏者ですが、17歳の時の演奏だそうで。素晴らしいテクニックです。私は昔トンバクを教わったE.ラリさんの演奏を思い出しました^^ ちょっと方向性が似ている気がします。

Teil 1 I Tombak Solo Mahyar Baraminasab, Aref Ebrahimpour

ペルシアン・ヴァイオリンの伴奏ですが、リーズ奏法の一番基本的なパターンがよく分かる一本。

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2008年11月 6日 (木)

アボス・コシモフのドイラ

今日はウズベキスタンのドイラ名手アボス・コシモフさんの演奏を見てみます。先日東京でコンサートがあって、かなり話題になったようです。タブラのザキール・フセイン率いるマスターズ・オブ・パーカッションのメンバーとして来日したようですが、彼のセミナーが後日催され、間近で妙技を見る機会があったそうです。東京にいれば、こんな良い思いも沢山ですが、何しろ今は果てしなく遠いもので、ちょいちょい出る訳には行きません・・・f^^;  私も関東にいた3年前までは色々行ったものですが、当時はmixiとかもまだ本格化してなかったので、横の繋がりは今ほど濃厚かつ迅速ではなかったです。(ToT) 思わず愚痴ってしまいました(笑)
さて、アボス・コシモフさんですが、Abbos Kosimovですから、アッバース朝のアッバースと関係ありの名前ではと思ったりしました。なのでアッボスの方がより原音に近いのでは。苗字の方の原義は「宇宙」あるいは「調和」でしょうか。その意味自体もですが、SF作家のアシモフとアゼリ名歌手のカシモフ(ガスモフ?)を足して2で割ったような名前も、インパクト大かも知れません。そしてご覧の通り演奏はyoutubeで見ても実に凄まじいものです。両手の指をばらして叩く奏法は、トンバクのリーズを彷彿とさせます。サマルカンドやブハラではウズベク語ではなくタジク語(ペルシア語)が話されていると言うウズベクは、ペルシア文化の影響が濃厚な地ですから、やはり太鼓の場合もトンバク奏法から豊富にヒントを得ているのでは。彼のオフィシャル・サイトはこちら

Performance by Tara & Ustad Abbos Kosimov

タジキスタンの首都ドゥシャンベのPadida TheaterのSharofat Rashidovaによる振り付けの舞踊。ウズベクのアッボス・コシモフがドイラ・ソロで伴奏。踊り手はTaraという人のようです。ドイラの超絶技巧とは対照的な柔らかい音色が印象的。抽象的でモダンな味わいの中にも胡旋舞的なカラーを強く感じる踊りです。 This dance was choreographed by Sharofat Rashidova of Padida Theater in Dushambe, Tajikistan. Tara performs dances of Tajikistan, Uzbekistan, Afghanistan (loghari, attan, kabuli), Iran, Azerbijan & India. Ustad Abbos Kosimov is a world renowned doira musician from Uzbekistan. For more information please contact us at:taradance@gmail.com.

ABBOS KOSIMOV

上記サイトのサンプル・ビデオ。Improvisation on Uzbek frame drum (DOYRA)

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2008年11月 5日 (水)

タジクの歌姫シャブナミ・スラッヨ

タジクに戻って、現代のポップ・クイーン、シャブナミ・スラッヨさんのビデオを数本見てみます。前にタジクに入ってから1,2本、更に今日の一本目は4月頃にイランから足を伸ばして確か一度アップしたように思います。その時は名前は不明でした。ディスコ?調の曲ばかりでなく、色々なタジクの伝統的な要素を感じさせる歌も歌っている人ですね。それに妖艶でエキゾチックなタジク美人^^ タジキスタン南西部のクリャブ(7拍子が多い所)の出身と、前にshayさんからお聞きしたように思います。1981年生まれの27歳。一本目はなぜか名前が入っていませんが、この歌が一番本来の民謡的な曲に聞こえます。曲調から推察するに、アフガニスタンに程近い山がちな南西部の歌かも。彼女の故郷クリャブはその辺りです。

Farsi = Tajiki = Dari

この一本をアップしたいがために今日シャブナミ・スッラヨ特集にしました。このメロディは非常に山岳タジク的というかバダフシャン風にも聞こえます。シャシュマコームとは対照的だと思いますが。しかし、日本にも都節と田舎節などがあるように、かけ離れた音階が同居しているのは、不思議なことではないのかも知れませんね。

Digar har giz namekhoham - Shabnami Surayyo

Azizi man kujoi - Shabnami Surayo

Tojikbacha - Shabnami Surayyo

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2008年11月 4日 (火)

久々のUzbek Music

タジクのシャシュマコームで探してみましたが、未アップのタイトルは見つかりませんでした。なので前にご紹介しましたUzbek Musicのその後の新しいビデオから3本。ウズベクのシャシュマコームの若手を中心に紹介しているチャンネルです。

Gulzoda Khudoynazarova "Ey sabo"

International music Festival "Sharq taronalari-2007". Samarqand. サマルカンドのレギスタン広場でのライヴ。ウードですが、ここでも使われています。レギスタンの素晴らしい夜景の中での贅沢なライヴ。前にちょっと書きましたが、私が93年頃にTVのスペシャル番組で見たというのは、このフェスティヴァルだったのだろうと思います。

Gulzoda Khudoynazarova "Ul kim janon"

同じグルゾダ・フドイナザロヴァの歌唱。観客にヴェテラン歌手M.ユルチエヴァさんらしき人が見えます。若手を見つめる厳しい目?

Surayyo Qosimova "Hofiza qizlar"

女性歌手スラッヨ・コシモヴァの独唱にタンブール、ギジャク(ヴァイオリン)、ナイ、ドイラ、ベース他の伴奏。ウズベクのドイラの奏法には、イランのトンバク風の奏法(リーズのような)が入っています。

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2008年11月 3日 (月)

フィルザ・アリフォヴァ

タジクの女性歌手フィルザ・アリフォヴァの古典曲歌唱のクリップを見つけました。これは嬉しい一本。他のクリップで見る限り(2本目など)、本来はポップス系の歌手のようですが。しかも目の覚めるようなシルクロード・ビューティー! 歌われているのは、ウズベクの古典音楽と共通のシャシュマコーム系の曲でしょう。ウード?が使われていますが、これはウズベクでは余り記憶がありません。タジクのシャシュマコーム音楽の主な舞台は北西部(フェルガナ地方)になるのでしょうか。ドゥシャンベから南(タジク南西部)と、東部のパミールは、大なり小なりバダフシャン音楽的になってくるように思います。山間部の音楽の神秘的で荒削りなイメージに対して、シャシュマコームはいかにもサマルカンドのレギスタン広場の青のイメージを思い出させるような悠揚たる感じ。 明日も、もう少しタジクのシャシュマコームを探してみます。

Firuza Alifova

Firuza Alifova Hudo erat bod

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2008年11月 2日 (日)

ソグディアナの「青いプラトーク」

結構ヘヴィーな内容が続いていますので、ちょっと一息入れます。ソグドで検索しても何も出ませんが、「ソグドの地」の意味のソグディアナで検索すると559件ヒットします。と言っても、ウズベキスタンの歌姫ソグディアナのビデオがほとんど。彼女についてはこちらをご参照下さい。(久々にふぁどさんのブログから) この人はウズベク・ポップスの若手になるのでしょうか、youtubeではビートの強い曲が多いのですが、今日選んだ一本はロシアのナツメロの一種。特にうたごえ世代には受けが良いはず・・(笑)  私もこういうしっとりした方が良いです^^

有名な「カチューシャ」と同じで、戦いによって引き離された恋人たちを歌った内容。恋人の肩に掛けられていた青いプラトーク(ショール)のイメージに恋人を偲ぶ兵士の思いを歌った歌。このワルツはポーランドの作曲家E.ペテルブルグスキがモスクワに来演していた1940年にЯ.ガーリツキイの提供した詩に作曲されたものだが、1942年に中尉M.マクシーモフが補作した詩によってК.シュリジェンコが歌うようになってからソビエト中に広まった。戦意高揚の軍歌が盛んに歌われていた戦時中のソビエト全土で、この叙情的なワルツは兵士たちの心を代弁する歌として、同じ頃ドイツの前線で歌われた「リリー・マルレーン」に呼応するように歌い継がれていった。 (以上の曲目解説は、山之内重美氏のロシア歌曲アルバム「青いプラトーク」の伊東一郎氏の解説より  一部編集)

Sogdiana - Синий платочек

憶えてるよ今も 最後のあの夜
君の白いうなじすべり落ちた 青いプラトーク
いま 遠く 遠く離れても
残り香に君しのぶ この青いプラトーク

いとしい君のたより 胸におしあて
よみがえるやさしい声 熱きまなざし
戦さ果てぬ 兵舎の窓辺に
今宵また君の名を 指でたどらん

訳詩:山之内重美

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2008年11月 1日 (土)

ソグドの末裔 ヤグノブ

ソグド人の直系の末裔と言われるヤグノブについて、初代のNHK「シルクロード」の頃はまだそれ程分かってなかったのではと思いますが、その後どんどん調査が進んでいるようで、検索でもかなりページがみつかりました。 →Yaghnob (Yagnob)のGoogle検索人々言葉 (Wikipedia 日本語ページなし)
場所は上記サイトの地図の通り、首都ドゥシャンベとフェルガナ地方の間のようです。この辺りでも近くに5000m級の山もあり、パミールほどではないにしても、相当辺鄙な所のようです。そのヤグノブで何かyoutubeはないかと探してみました。パシュトゥー語とのからみで周辺のイラン系言語について語っているビデオが5本ありましたが、直接は関係がないので1本目だけをリンクで上げておきます。どこかでヤグノブについても言及しているのかも。歌や音楽のビデオは残念ながら見当たりませんでした。

代わりに、パミールのバダフシャン音楽の未アップビデオを一本上げておきます。このサングラスの老人、オランダのPanから出ていたバダフシャンのCDの人では? 楽器はパミール・ルバーブでしょう。(楽器についてはこちら参照) この不協和音の多い音楽は、いつ聞いても不思議でインパクトの大きいものですが、ソグドの古えの音楽とは関係はないのかも知れません。しかしイスラーム化(イスマイル派のようです)しても、彼らパミールの民はソグドの血を濃厚に受け継いでいるのではと思います。

Ruzadorov

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