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2008年11月28日 (金)

冬不拉名人

「今日のドンブラ」は、同じ奏者の3本ですが、中国屈指(随一?)の名手のようです。おそらくウイグルのカザフ族だと思います。中国ではドンブラは冬不拉と表記されるようです。この人の技はとにかく凄い。フラメンコのラスゲアードのような奏法から、ウズベクのドゥタール、ロシアのバラライカなどに似た奏法が次々に登場。その超絶技巧と多彩な表現力には度肝を抜かれました。
器楽曲はカザフ語でキュイと呼ばれますが、キュイにはそれぞれ固有の物語があって、ドンブラ奏者はまずその物語を話してから、「では、私のドンブラが語る物語を聞いて下さい。」と言って弾き始めるそうです。愛や死はもちろん、人生の儚さや哲学的な思索まで、一本のドンブラで表現しています。先日の私の「草原の孤独」というイメージは、当たらずとも遠からずだったかも知れません^^ 
今日の演奏家の音ですが、中国のカザフ族だからでしょうか、カザフスタンの場合と比べて音階は中国的な5音音階が目立つように思います。しかしメロディは少し違っても、やはりキュイの伝統を保った曲なのでしょう。

参考文献:キングWorld Roots Music Libraryの「カザフの音楽」の森田稔氏の解説

Kazak Dombra Solo - The White Swan

Kazak Dombra Solo - Capriccio Junggar

ジュンガル奇想曲。ジュンガルは近世に中部以東のカザフを支配したモンゴル系民族。同じ頃、西部カザフはロシアの支配下に入りました。

Kazak Dombra Solo - In Memory of Father

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