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2008年11月14日 (金)

ドゥタール・デュオと倍音唱法

では、いよいよトルクメンのドゥタール弾き語りの吟遊詩人バフシーの芸を見てみたいと思います。今日のバフシーの掛け合い映像は、去年このブログを始めて間もない頃に一度アップしましたが(確か一本目だったと思います)、とてもエネルギッシュでエモーショナル、そして即興的な妙味に溢れるデュオで大変好評でした。バフシーの語源ですが、モンゴル語での仏教指導者という意味の「バグシュ」という言葉に由来するそうです。ウズベクやタジクに比べると(特にシャシュマカームのような宮廷音楽系とは対照的)いかにも遊牧民族的な大らかさと奔放さを感じます。カザフやキルギスも遊牧的と言う点では共通していますが、トルクメンの弾き語りは、何と言うかもっと熱いスピリットを直に感じますね。弦のテンションが低そうに聞こえるドゥタールを激しく掻き鳴らし、高らかに張り上げる歌声は、アゼルバイジャンのムガームの歌い方に似ている面もあるように思います。そして最も興味深い点は、ホーミーとまでは行かなくても、倍音唱法にかなり近寄る歌い方が見られるところです。今日の1本目と3本目には、それが出てきます。右の男性が一瞬ですがやっています。低音で唸る方の喉歌系ですね。
言語の話ですが、昨日の記事にKarateginさんからコメントを頂きまして、トルクメン語では古代のテュルク語にはあった長母音と短母音の区別がそのまま残っていたり、特有の子音があったりして、トルコ語やアゼルバイジャン語を知ってる人でも聞いたり話したりするのは難しいそうです。また、標準ウズベク語はテュルク系言語の中でもチャガタイ語群というグループに属し、ウイグル語と近い関係にあるのに対し、ヒヴァとかホラズム近辺の(ウズベク西部の)ウズベク語はオグズ語群(トルクメン、トルコ、アゼリーはこちらに属す)ベースなのでトルクメン語により近いと言われているそうです。カラカルパクは、やはりカザフ語の方に近いようです。(Karateginさん、いつも貴重な情報を有難うございます。m(_ _)m)
倍音唱法ですが、モンゴルだけでなく以下のテュルク諸語の民族の中にも見られます。トゥヴァ、アルタイ、ハカス、バシキールと、カザフより北の民族が多い訳ですが、その中でトルクメンにあるのは異色なように思えます。

turkmen dutar

Yoloten

Dutar

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