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2008年12月17日 (水)

陰影礼賛 メリハト・ギュルセスの名唱

オスマン古典音楽のシャルク(歌曲の一種)などの流れを汲む現代歌謡、みつかりました。メリハト・ギュルセスという女性歌手のクリップですが、この人の音源を探してみたら、アメリカのTraditional Crossroads社(トルコ音楽とアルメニア音楽が多いレーベル)から出ているKudsi Erguner率いる楽団によるTatyos Efendi作曲のトルコ古典声楽曲にありました。私はトルコの歌謡曲の方には疎いので、この女性歌手が元々歌謡曲畑なのか古典音楽出身なのか知りませんが、日本でも美空ひばりが小唄・端唄などの江戸音曲を歌っていたように、サナート(軽古典的歌謡)の歌手が古典曲を歌うこともある、ということかも知れません。

昨日疑問のままだった「ベステ」の件ですが、解りました。例えば一曲目に、
Makam: Nihavend マカーム:ニハーヴェント
Beste: Necip Gülses 作曲:ネジプ・ギュルセス
Güfte: Hüsamettin Olgun 歌詞:ヒュサメッティン・オルグン
とありますが、ベステは、この場合は「作曲」のことでした。なお、マカームは「旋法」、ギュフテは「歌詞」のことです。しかし古典の歌のジャンルにも「ベステ」は確かにあります。ジャンルとしてのベステの解明は、持ち越しになりました^^

Melihat GÜLSES- Ben aşkı ilk defa senden tanıdım (埋め込み不可)
上記のように、古典曲のようなクレジットになっていますが、ジャンル的にはサナートかアラベスクになるのでは。トルコの演歌と言って良さそうな雰囲気。楽団は古典楽器が中心で、これも日本にあてはめると、三味線などが普通に伴奏楽団に入っていた東海林太郎や高田浩吉の頃などを思い出します。

Melihat Gülses / Günaydınım, nar çiçeğim sevgilim

タグに名ウード奏者の故ジヌチェン・タンルコルルの名が見えますので、彼の作曲のようです。彼女の気品のある歌声をたっぷりフリーリズムの部分を交えながら聞かせる一曲。聞いているうちに、確かにジヌチェン(仏Ocoraのウード弾き語り音源がありましたが廃盤)らしい曲に思えてきました。

Melihat Gülses-Ben Seni Unutmak İçin Sevmedim

こちらは明らかにオスマン古典曲。おそらくシャルクでしょう。やっぱりオーソドックスな古典合奏バックは良いですね。長調中心のメロディでも、微妙な陰影に彩られたオスマン音楽らしい一曲です。

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