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2009年1月25日 (日)

オスマン名曲選 デメディム・ミ

今日で記事数が500になりました。記念に前から個人的にかなり気に入っていたトルコの歌、Demedim miを。96年頃だったと思いますが、スイスの今は無きレーベルAmoriから出ていたBurhan Öcalの、曲名と同名のアルバムで聞いたのが初だったと思います。ブルハン・オチャルが、まだロマ色を前面に押し出した活動を始める前でした。この頃、彼はイスタンブール古典合奏団の音楽監督で、ピアニストのマリア・ジョアオ・ピリスや、ジョー・ザビヌル(ex.ウェザー・リポート)等と共演していたようです。西洋のハイセンスな音楽家との共演だけでなく、l`empreinte digitaleからはタンブールの独奏盤もあって、その後オスマン古典でいくのだろうとばかり思っていましたが。(笑)
デメディム・ミは、ウシュクダラなどと同じニハーヴェント旋法で、日本人にとっても大変親しみやすいメロディだと思います。Demedim miで検索すると、何と237も出てきました。今日はその中から数本。残念ながらオチャル版は見つかりませんでした。Amori盤も今は手元に残ってないので、曲の解説も分からなくなってしまいました。

Özer Özel - Ercan Irmak - Demedim Mi

タンブール&歌がオゼル・オゼル、ネイがエルジャン・イルマク、のようです。メヴレヴィーの精神性を現代的にアレンジしたステージ、と言えば近いでしょうか。

Sami Özer - Demedim mi

多分この曲はメヴレヴィーの旋回舞踏と何か関係があるのでは、と思っていたら、裏付けるようなビデオがありました。サミ・オゼルの歌とメヴレヴィー旋回舞踏のコラボ。別な演奏にはMakam(マカーム): Nihâvend  Beste(作曲): Hafız Hüseyin Sebilci  Güfte(作詩): Pir Sultan Abdal とありました。ハーフズ・ヒュセイン・セビルジで更に調べてみます。

Mevlana Demedim mi?

これを見て、明らかにメヴレヴィー教団の開祖、メヴラーナ(ルーミー)の教義や祈りの文句と関係がある(あるいはそのまま?)だろうということが分かりました。

iLAHi -- Demedimmi...!!!

これは原曲の宗教歌なのでしょうか。神秘的で素晴らしいですね。

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コメント

Demedim miというタイトルの詩は幾つもありますが、有名なのが、最初と2番目のビデオで歌われている16世紀の詩人ピール・スルタン・アブダル のものと、ルーミー のものです。3番目のビデオがルーミーの詩ですが、曲がついたものはないようです。ピール・スルタン・アブダルの詩に曲をつけたヒュセイン・セビルジ(1894-1975)は宗教歌であるイラーヒーを多数作っていますが、この曲ももともとはイラーヒーだったのが、広く演奏されるようになったのですね。4番目のビデオもイラーヒーでしょうが、誰の詩なのかはちょっと分かりません。

投稿: hasuge | 2009年1月29日 (木) 12時19分

久しぶりにコメントします。

Hüseyin Sebilciについて。

ジェッラヒー・デルギャーフにおいて、ザキルでメルスィイェハンだった人だそうです。

ジェッラヒー・デルギャーフですが、イスラム神秘主義の教団にハルワティー教団というのがありまして、トルコではHalvetiと綴るそうです。Halvetiはアナトリアで非常に普及したスーフィーの教団だそうです。

Halvetiは分派がいろいろあるそうです。
Halveti-CerrahiとかHalveti-Uşşakiとか。

Halvetiの分派のひとつがジェッラーヒーで、ジェッラヒー・デルギャーフ(ジェッラーヒー修道場)はヌーレッディン・ジェッラーヒー(1720没)が創設者で、修道場はイスタンブルのカラギュムリュクにあるそうです。

ザキルですが、これは「ズィクルを導くあるいは行なうデルヴィシュ」の事、

メルスィイェハンmersiyehanは良く分かりません。どうもメルスィイェという宗教歌を歌う人のことのようです。

また、Sebilciはイスタンブルのカスムパシャにあるハルヴェティー・ウッシャキ・デルギャーフのシェイクのおいだったそうです。

と言ってもSebilciはジェッラーヒーだけでなくメヴレヴィー教団とも明らかに近い関係にあったそうです。
1925年~1950年の間はイスタンブルのナイトクラブの軽古典アンサンブルの楽長として稼いでいたそうです。
1950年に世俗音楽を止めて、宗教歌を歌うようになったそうです。

ユネスコ・コレクションのTurkey 2というディスクにSebilciの歌ったメルスィイェがあるそうです→Turkey 2 (Unesco Collection), Barrenreiter, side 1,band 2.

旧ユーゴスラビアでトルコと同種の宗教歌を歌ってるスーフィー
http://www.youtube.com/watch?v=wPRK3oJJE94

投稿: 白いりんご | 2011年2月20日 (日) 02時45分

白いりんご様
詳細情報を有難うございました。トルコのスーフィーも、かなり複雑な様相を呈しているのですね。
セビルジのDemedim miも軽古典的な一曲として作られ、一般にも広く知られるようになっている、ということでしょうか。
Unesco CollectionのBarrenreiterというと、レーベルはドイツのMusicaphonでしょうか。LP時代の音源にはイラン関係とか良い録音が色々ありました。CD化(Rounder等から)が余りされてないのが残念で、そのトルコの2というのも見たことがないです。

投稿: Homayun | 2011年2月21日 (月) 13時14分

複雑に書いてしまいましたが、ようはジェッラヒー教団のスーフィーでした、ということだそうです。

上のhasugeさんのコメントにもあるように「Demedim mi」の詩はピール・スルタン・アブダルのものなので、軽古典として作られたのではなく、宗教歌として作られた、と思います。楽譜には「イラーヒー」と書いてあるので。

私も未聴ですがSebilciのメルスィイェは以下です。

Turkey II - Classical And Religious Music
Label:Bärenreiter-Musicaphon, UNESCO Collection of Traditional Music of the World, A Musical Anthology of the Orient
Catalog#:BM 30 L 2020, BM 30 L 2020, 20
Format:Vinyl, LP, Mono
Country:Germany

Tracklist
A2:Mersiye (Singing):3:05:Vocals - Sebilci

http://www.discogs.com/Various-A-Musical-Anthology-Of-The-Orient-Turkey-II-Classical-And-Religious-Music/release/2199911

上のユーゴの宗教歌はAmori盤に含まれていてBurhan Öcalが歌っていたと思います。

投稿: 白いりんご | 2011年2月21日 (月) 20時55分

白いりんご様
レスが遅くなりました。
Demedim mi… イラーヒーなら、そうですね。宗教歌ですね。失礼しました。
トルコの音源はやはりムジカフォンでした。
AmoriのBurhan Öcalは、手元になくなっていて確認できなくなってしまいました。当時(96年頃)結構人気盤でしたので。

投稿: Homayun | 2011年2月24日 (木) 22時48分

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» Nihvend lh_Gzel k cevrimizi ekemezsin demedim miについて [民族音楽に関するメモ3]
ZeAmi ブログ オスマン名曲選 デメディム・ミ http://zeami-cd.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-83df.html トルコ古典音楽の世界では通常、曲名は歌詞の最初の部分で表されるらしい。 イラーヒー... [続きを読む]

受信: 2011年3月28日 (月) 14時09分

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