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2009年2月

2009年2月28日 (土)

オユン・ハヴァシとチフテテリ

さて、今日はトルコの民族的な踊り、オユン・ハヴァシとチフテテリを見てみます。この二つはベリーダンスのレパートリーにも、もしかしたら入っていたりするのでしょうか。しかし、前者には明らかにアナトリアの民族的な踊りがルーツにありますし、後者についてはウィキペディアに以下のような記述があるように、いわゆるベリーダンス(あるいはオリエンタル・ダンス。 アラビア語ではラクス・シャルキ)とは異なるようです。「トルコのチフェテテリはもっと正確には結婚式の民俗音楽の構成で、結婚式のダンスの陽気なパートで編成されたパートであり、オリエンタルダンスとは結びつかない。」 

ベリーダンスのルーツの一つは、エジプトの上ナイルのガワジー(多くはジプシーの踊り子だったようです)の踊りにありますが、オユン・ハヴァシもチフテテリもガワジーの踊りとは異なる特徴的なステップがあるようです。オユン・ハヴァシは一種の組踊りなのでしょうか。youtubeにはソロの踊りは見当たらないようです。お色気たっぷりの動きに少々はらはらしながらも、面白い動き自体に目が釘付けです(笑)  これらの踊りを見る時、例えば聖書時代のサロメの踊りにまで遡るのではと、想像を逞しくしてみるのも一興でしょう。

オユン・ハヴァシについて、小泉文夫記念資料室には以下のような解説がありました。

解説者: 小泉文夫 注記2: 解説:オユン・ハワスの「オユン」は「踊り」、「ハヴァ」は「空気、旋律」という意味。つまりオユン・ハワスは「民俗舞踊の旋律」という意味である。大中小のサズが組み合わされて演奏されると幅広い豊かな響きになる。

Ankara Oyun Havaları - Benim Adım Elvan Dalton

首都アンカラのオユン・ハヴァシでしょうか。

Belkis Akkale - Chiftetelli
ベルクス・アッカレの歌でチフテテリの群舞。

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2009年2月27日 (金)

Zozan違い

昨日の一本目はKoma Zozanの女性ヴォーカルではと、コメントしましたが、調べたところ同じゾザンと言う名の別な女性歌手のようでした。今日はそのゾザンさんの映像を3本上げてみましたが、なかなかに味わい深い歌を聞かせる人です。アルメニアのドゥドゥクに似たダブルリード管、メイの音色も素晴らしいです。Koma Zozanでyoutube検索するとかなりヒットするのですが、仏Arion盤のグループは結局見つからず。かなり前のグループなので、youtubeなどはないか、あるいはもう目立った活動はしていないのかも知れません。

Zozan - Digerim 2008

Zozan Gidi Lo Lo http://www.Heval.Org

Zozan - Feleke

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2009年2月26日 (木)

クルドの歌手 Xelil XemginとZozan

トルコのクルド音楽については、大分前にカリスマ的な歌手シヴァン・ペルウェルを取り上げたことがありました。最近トルコの民謡関係を見ていて、今度はXelil Xemginのビデオを発見。10年ほど前にCDで見たことのあった民謡歌手(あるいはアシュク?)でした。読みはクセリール・クセムギンと書かれていたように思いますが、ギリシア語ではないので、おそらくヘリール・ヘムギンとするのが近いのではと思います。ペルウェルほどの「熱さ」は感じませんが、熟練の歌声を聞かせています。一本目で共演しているZozanというのは、Koma Zozan(コマはクルド語でグループの意味)のことではと思います。80年代に仏Arionから音源(LPとCD)がありました。

Zozan & Xelil Xemgin - Le Dayeke

女性歌手はコマ・ゾザンのGulizerでは? 歌自体も歌唱も実に良いです。

Xelil Xemgin

クルドの結婚式でしょうか? 左の男性歌手がXelil Xemgin

Kuduz Filmi - Daglar Seni Delik Delik Delerim (Türkü)

こちらはトルコ民謡の出てくる映画のワンシーン。これまで見てきたような少なからずアレンジの入った歌ではなく、生のままのトルコ民謡。これも非常に素晴らしいですが、こうして並べると、クルドのノリとかなり違うことがよく分かるように思います。

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2009年2月25日 (水)

アッカレからアッキラズへ

ハルクも色々な方向性の歌手がいるようですが、今日はベルクス・アッカレと、少し下の世代でしょうか、サバハト・アッキラズがデュエットしているクリップに始まり、数年前から話題になっていた先端的な?スーフィー音楽家、メルジャン・デデとの共演など。2001年の仏Long Distanceのアルバムでは、アレヴィー派の歌を取り上げていましたし、スーフィー音楽寄りの活動も目立つようです。(もしかしたら、彼女自身アレヴィーなのでしょうか?) 独自の境地を切り開いた女性歌手サバハト・アッキラズの名唱をどうぞ。

Sabahat Akkiraz & Belkis Akkale -YAR ALI-Düet

前半がアッカレ、中盤はアッキラズ、後半は掛け合いです。

sabahat akkiraz mercan dede kısas

メルジャン・デデとの共演。他にも何本かyoutubeがあります。

sabahat akkiraz ali ali

こちらは最近のライヴ映像でしょうか。

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2009年2月24日 (火)

アシュク・ヴェイセルの曲 他

一曲だけですが、昨日のブログ・タイトルのアルバム「別離の悲しみは歌に聞け」の冒頭の曲が見つかりました。併せてアシュク・ヴェイセル作詞作曲の歌と、現代のハルク・ディーヴァ、ザラとの共演も。

Belkıs Akkale - Nar Ağacı , Kibar Kız , Bu Kala Daşlı Kala

メドレーの2曲目、1分25秒辺りからが上記アルバムの一曲目キバル・クズ。直訳すれば「育ちの良い娘」でしょうか。それが「別離の悲しみは歌に聞け」とどう関係があるのか、知りたいものですが。アルバムではもっとアップテンポの騎馬系リズム?でした。

Belkis Akkale & Izzet Altinmese - Kara Toprak

非常に高名なアシュク(吟遊詩人)、ヴェイセルの詩による歌。デュエットによるヴェイセルへのオマージュですね。Izzet Altinmeseは現代のアシュクなのでしょうか。最初に一瞬出てくるサズを弾く老人がアシュク・ヴェイセル。カランから復刻CDがありました。小型サズ、ジュラの音が聞こえます。This is originally a poem by Asik Veysel, a Turkish poet and musician who died in 1973.

ZARA & BELKIS AKKALE - MEKTEBIN BACALARI
1,2世代下のハルク歌手、ザラとの共演。これは貴重映像かも知れません。

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2009年2月23日 (月)

別離の悲しみは歌に聞け

今日はハルクの名歌手ベルクス・アッカレとアリフ・サーの80年代の映像を追ってみます。細川直子さんの「トルコ 旅と暮らしと音楽と」にも紹介されていたアッカレの92年のアルバム「別離の悲しみは歌に聞け」(アイルルウ・トゥルキュレル・ソル)が最初に聞いたCDで、これでまず強烈なインパクトを受けました。いかにもアシュク風な世界観の表れた素晴らしいタイトルだと思います。収録曲を探してみましたが、今の所見つからず。このアルバムは騎馬民族的なリズムが横溢したエキサイティングな内容でしたが、今日のビデオは、更にトライバルで伝統的な演奏が中心。

Belkis Akkale-Cumbullu(1982)

カラフルな民族衣裳に大編成の伴奏。地方色と迫力溢れるステージです。素晴らしい! 1982年の映像ですが、全く同じに現在でも再現できるのでしょうか。表向きスマートになっている現代の演奏を見ると、少し疑問に思います。淡々と弾いている人々の表情からして、良いなぁと思います。当時は「ふるさとの伝承」が、まだ濃厚なまま保たれていた頃と言えるのでは。

Belkis Akkale-(1982)Daglar seni delik delik delerim.

こちらも地方色豊かな素晴らしい演奏。

Arif Sağ-Belkıs Akkale - Dağlar Seni Delik Delik Delerim

昨日と同じアリフ・サーのサズの伴奏ですが、こちらは1983年の映像のようです。まだ二人とも30代でしょうか。

Arif Sag & Belkis Akkale-Dert Bende(1982)Küstürdüm Barisaman

やはり1982年の演奏。今日のビデオで、アリフ・サーがサウスポーの奏者であることに初めて気付きました。

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2009年2月22日 (日)

ハルクの女王ベルクス・アッカレ

サナートとハルクの歌姫を中心に数日見てきましたが、hasugeさんからの情報で色々分かってきました。(いつも有難うございます。m(_ _)m) ウムット・アクュレクは生年月日は不明ですが、生まれたのはアンカラで、育ったのはサカルヤ。1990年にトルコ国営放送のアマチュア歌唱コンクールで3位受賞。1991年にイスタンブル工科大学付設の国立音楽院に入学、5年間学んだそうです。1996年にはトルコ国営放送に出演する機会を得たとのこと。一方ハルクのアイヌール・ハシュハシュ は、同じ国立音楽院を1990年に卒業しているので、アクュレクの先輩に当たるようです。サナートもハルクも、同じ学校で学ぶのですね。一つ気になるのは年齢ですが・・・(笑)。それは上記の年代を逆算してみて下さい^^

今日はハルクの先輩女性歌手、ベルクス・アッカレのクリップを見てみます。アルトの声(たまの「ロシアのパン」を思い出す言葉ですが^^)の迫力と優しさに、たまらない魅力がありました。

Arif Sağ , Belkıs Akkale - Seher Yıldızı

名アシュク、アリフ・サー(キングレコードの「黒海吟遊」に彼の歌が収録されていました。現在のWRMLでは「トルコの民謡」)とのデュエット。リリースは96年頃だったと思いますが、名作「セヘル・ユルドゥズ」のタイトル曲。哀愁味溢れる良い歌です。メイの柔らかい音色が印象的。

Belkıs AKKALE - Seher Yıldızı

同曲のライヴ映像ですが、2007年収録のようです。

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2009年2月21日 (土)

アクュレクinファスル・コロス

現代サナート屈指の歌姫と思しきウムット・アクュレクが、オスマン古典合唱組曲ファスルの合唱(コロス)に加わっているビデオが見つかりました。本来はこういう合唱団のプリマ歌手なのか、独唱者として鍛錬を積んだ歌手が合唱にも参加しているのか、どちらなのでしょうか。メンバーを見ていると、楽譜(歌詞のみ?)を持っている人、持っているけど見てない人、完全に暗記して歌っている人のどれかに分かれるようです。しかし、アクュレクなど、優れた独唱者は、こんな複雑な節回しの歌を一体何曲暗記しているんだろう思うほど。

TÜRK MÜZİĞİ KOROSU £££ Gidelim Göksu'ya Bir Âlem-i Âb Eyleyelim

2+2+2+3の9拍子(アクサク)が特徴的なキュルディヒジャズカル旋法のシャルク。4拍目が少し長く聞き取れると思います。アクュレクの左にいるのは、前に取り上げた女性歌手メルテム・ヤマクのようです。

TÜRK MÜZİĞİ KOROSU £££ Karcığar Faslı

女性陣の右端にいるのがアクュレクのようです。ハジュ・アリフ・ベイの曲などを歌っています。彼女のような若手の層も厚いようで、そのレベルの高さには驚かされます。

彼女の音源について先日の記事で情報を募ったところ、hasugeさんから2枚の音源情報、ふぁどさんからはダウンロード・サイト情報を頂きました。どうも有難うございます。m(_ _)m
hasugeさんからの情報は先日の記事のコメント欄をご覧下さい。(何とか入れたいと考えています) 以下はダウンロード情報です。少なくともCD1枚とはダブっているようです。
★O Dudaklar Bülbülleşiyor
http://rapidshare.com/files/51208126/Umut_Akyurek_-

_O_Dudaklar_Bulbullesiyor_2003.rar.html

★Tıbbiyeli Bestekarlar
http://rapidshare.com/files/38411346/T__305_bbiyeli_Bestekarlar.rar.html

★(タイトルわからず)
http://rapidshare.com/files/163381340/TSM-10.rar

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2009年2月20日 (金)

アクュレクsingsハルク

数日前にサナート~シャルクの名唱を見た女性歌手ウムット・アクュレクですが、何とハルクらしき曲を歌っているビデオがありました。オスマン古典音楽の流れを汲むサナートの歌手が、民謡を基にしたハルクを歌うのは異例のように思いますが、いかがでしょうか。私の知る限りでは、他に記憶がありません。しかしハルクを歌っても、歌姫の歌声は何と安らかで美しいことでしょうか。

(Umut Akyürek) Yüksek minarede kandiller yanar

最初に出てくるのはフレットレス・ギターに見えます。トルコの1/9音の微分音の微妙な味わいを表現するにはフレットは邪魔なはずですから。

(Umut Akyürek) Keklik

最初に出てくる柔らかい音色のダブルリード管楽器は、メイまたはドゥドゥクのどちらでしょうか。ハルクの場合、普通ならメイですが、この瞑想的な音色はドゥドゥクのようにも聞こえます。

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2009年2月19日 (木)

クルドの影響?

アイヌール・ハシュハシュのビデオの中から、ハルクとしては特異にも思える一曲が見つかりましたので、それをアップしてみました。日本でも民謡と江戸音曲では音階が異なるように、トルコでもハルクとサナートでは異なるようです。日本の場合、多くは同じ三味線を使うのに対し(棹の太さは別にして)、トルコの場合は楽器も異なります。ハルクでは主にサズの伴奏で歌われますが、このサズと言う楽器、クルドの時に見たタンブールと同系列。
今日の一本目の楽曲詳細は不明ですが、狭い音域と特徴のある音階、タンブールの奏法に似た右手のストロークなど、どうもクルドの音楽に似て聞こえ(見え)ますが、これは東トルコの伝承曲なのでしょうか。タンブールのラスゲアード(フラメンコ・ギター特有の奏法)の逆回しのような掻き鳴らし奏法の例として、アリ・アクバル・モラディのビデオを併せて載せておきます。

(Aynur Haşhaş) Sarı sazım

どこかクルド的に聞こえる一曲。資料として解説にあった歌詞をアップしておきます。
Ben sensiz duramam sana muhtacım
Hele bir yanıma gel sarı sazım
Şu dertli gönlüme sevgi ilacım
Hastayım dermanım ol sarı sazım

Dalgalı bedenin kibar bellerin
Nazik perdelerin ince tellerin
Göğsüne değdikçe kaba ellerim
Hazin hazin sesin sal sarı sazım

Senin ile sohbetimiz başlasın
Parmaklar çalışsın mızrap işlesin
Deli gönlüm hayallesin düşlesin
Dilediğin neyse çal sarı sazım

Sazım sen inlersen Fedai coşar
Bu iniltin bütün yaramı deşer
İnsan doğar amma bir müddet yaşar
O gün baş ucumda kal sarı sazım

AYNUR HAŞHAŞ - AŞIK OLDUM

こちらはオーソドックスなハルクの一例として。

Aliakbar Moradi

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2009年2月18日 (水)

ハルク歌手アイヌール・ハシュハシュ

しばらくオスマン古典音楽系の歌が続きましたので、中央アジアの音楽との繋がりを強く感じさせるハルク(民謡)の方にも行ってみたいと思います。アラブ~ペルシアの影響の強い前者に対して、後者は純テュルク的。今日取り上げましたのは、古典のウムット・アクュレクに対抗して、こちらも美人ハルク歌手のアイヌール・ハシュハシュ。その可憐なルックスとは裏腹にも思えるハルク歌手らしいハスキーな声で、エネルギッシュに歌っています。音階、サズ中心の楽器編成などは、従来のアシュク(吟遊詩人)のサズ弾き語りなどのままですが、彼女の場合それほど新しいテクノロジーを取り入れていないのに、清新なフレーバーを添えることに成功していると思います。先輩ハルク歌手のベルクス・アッカレが好きな人にはお薦めしておきましょう。

古典とハルク、皆さんはどちらがお好きでしょうか?^^

Aynur Haşhaş Dilim 2008 YeniAlbüm Gülistan www.mc-zaza.de.vu

2008年の新作「ギュリスタン」から。ゴレスタンのトルコ語読みアルバムタイトルも良いですね。決まってます。Aynur Haşhaş Dilim 2008 YeniAlbüm Gülistan www.mc-zaza.de.vu

Aynur Hashas-icmisim sarhosum bugün

同じくギュリスタンから。パンチの効いたハスキーで艶っぽい歌声は実に魅力的ですが、この歌は5拍子のようです。トルコ版テイクファイヴとでも言えそうな、いつまでも聞いていたくなるような、心地良いスイング感が生まれています。5拍子という座りの悪い拍子なのに不思議です。

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2009年2月17日 (火)

今日もウムット・アクユレク

アクユレクかアクュレクか、適切な表記がこれまた難しいですが、美しきターキッシュ・ディーヴァの映像をもう少し追ってみます。この人のビデオはもの凄く多いのですが、何故か日本で紹介されているサイトが見当たりません。この類稀な歌唱力と美貌で知られていないというのは、CDなどが余り見当たらないからでしょうか。ディスク情報をご存知の方、お知らせ頂けましたら嬉しい限りです。m(_ _)m

Umut AKYÜREK-Endülüs'te Raks - 2
スパニッシュ風味が特徴的なミュニール・ヌーレッティン・セルチュク作曲のキュルディヒジャズカルの曲。タイトルにラクスとあるので、明らかに踊りをイメージした曲でしょう。ネスリン・スィパヒ初め、色々な歌手が歌っていました。

UMUT AKYÜREK -- Kirpiklerinin Gölgesi Güllerle Bezenmiş

オスマン朝末期から活躍した大歌手で作曲家のサーデッティン・カイナク作曲の作品。ニハーヴェント特有の哀愁味の中にもオリエンタル・リズムが躍動しています。She shouldn't smile ALL the time. Would B more dramatic if used different expressions. というコメントがありました。言い得て妙のように思います^^

Umut Akyürek - Gökhan Sezen - Bülent Ersoy- Zeki Çetin FASIL

左からウムット・アクユレク、ゲクハン・セゼン、ビュレント・エルソイ、ゼキ・チェティン。4人の歌手がファスル(Hüzzam Meydanがマカーム名か?)を歌っています。ビュレント・エルソイが一番知られていると思いますが、この人は元々男性歌手でした。性転換したそうです。ドラマティックに歌い上げられる中に、アクユレクの歌声は一服の叙情味を添えているように思います。

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2009年2月16日 (月)

トルコのディーヴァ

今日は女性歌手、 Umut  Akyürek(ウムット・アクュレク)を4本アップしてみました。実は先日youtubeで偶然見つけましたが、美声・巧みなコブシ・美貌と3拍子揃った歌手で、すっかり魅了されてしまいました。日本ではほとんど知られていないと思いますが、トルコのディーヴァと言ってしまっていいのではと思いますが、いかがでしょうか。私の知る限り、対抗できる歌手が思いつきません。ジャンルはサナートから古典的なシャルクまで、色々なタイプを歌っています。ハイトーンの輝かしさ、艶かしい節回し、立ち姿の美しさと、美点ばかり。

Umut AKYÜREK-Sensiz Her Gecenin Sabahı Olmayacak Sanırım
これが最初に見た一本。これでノックアウトされました(笑) ムザッフェル・イルカル(Muzaffer İlkar)作曲のニハーヴェントの曲で、楽曲タイプとしてはシャルクになるのかサナートになるのか微妙なラインかも。

UMUT AKYÜREK -- Sensiz Her Gecenin Sabahı Olmayacak Sanırım

同じ映像だと思いますが、こちらはカラーで、埋め込み可でした。この哀婉な歌声、絶対日本でも(特に中高年?)受けると思いますが・・。

UMUT AKYÜREK -- Hasta Kalbimde Açılmış Kanayan Bir Yarasın

ビーメン・シェン作曲のガゼルのようです。変拍子のアクサク・リズムにヒュッザム旋法。合唱に続いて出てくるアクュレクの独唱は、アラブのマウワルのようにフリーリズム的な歌を非常に高い音域で歌っています。素晴らしい歌唱テクニック。

UMUT AKYÜREK /// Dönülmez Akşamın Ufkundayız Vakit Çok Geç

ワイドショーのような番組でリクエストされて歌っている映像でしょうか。だからベストコンディションではないようですが。ミュニール・ヌーレッティン・セルチュク作曲のセガーの曲。

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2009年2月15日 (日)

ヒジャーズも+Ottoman Music

高齢の大ヴェテラン歌手兼作曲家のヤワシュチャのビデオ、まだまだありまして、昨日はニハーヴェント2曲で少々演歌的だったかも知れませんので、今日はエキゾチックなヒジャーズを。演奏は前半だけですが。後半ではヤワシュチャのバースデーケーキが登場^^

今日は併せて、秀逸なオスマン古典音楽サイトOttoman Musicをご紹介しておきます。音源アップはこれからのようですが、各作曲家、マカーム(旋法)、楽曲形式(Forms)、リズム周期(Usul)別に曲が出ていて、その大半の楽譜がアップされています。これまで当ブログで取り上げた曲もかなり手に入ります。私もメスード・ジェミルのニハーヴェントのサズ・セマーイを先日見つけて、思わず大喜びしました。もちろんアラーエッディン・ヤワシュチャ作品もあります。皆さんもギターやヴァイオリン、チェロなどで弾いてみられてはいかがでしょうか。オスマンの素晴らしい音楽が、ぐっと身近になると思います。

Ottoman Music http://www.adamgood.com/turkish_nota/map.php

£££ ALÂEDDİN YAVAŞÇA £££ 1. Bölüm

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2009年2月14日 (土)

アラーエッディン・ヤワシュチャ 

キャー二・カラジャを見ていたら、カラジャより4つ年長の名歌手アラーエッディン・ヤワシュチャのビデオが見つかりましたので、2本アップしておきます。メロディもポピュラーなニハーヴェント旋法。優しく品のある素晴らしい歌声です。キャー二・カラジャとは曲の提供者と歌い手の関係でしょうか。カラジャのインタビューの中にもヤワシュチャの名が上がっていました。もう80を越す高齢ですが、まだステージに立っているのでしょうか。トルコのソニーから古典音楽作曲家シリーズで往時の音源がありました。

■トルコ古典音楽作曲家シリーズ ~アラーエッディン・ヤワシュチャ
*現在のトルコ古典音楽界最高の作曲家と言われる人で、まだ健在。歌曲中心。土Sony

£££ ALÂEDDİN YAVAŞÇA £££ 3. Bölüm

ALÂEDDİN YAVAŞÇA & İNCİ ÇAYIRLI £££ Ne Bildim Kıymetin

インジ・チャユルルとのデュエット。

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2009年2月13日 (金)

キャー二・カラジャの歌うオスマン音楽

トルコの人間国宝クラスの歌手、故・キャー二・カラジャのオスマン古典ものを歌っているビデオに行ってみます。共演者にはジヌチェン・タンルコルルのような往年の巨匠も登場します。昨日の宗教歌の緊張感溢れる独唱とは一転して、伸びやかな美しさを感じます。2,3本目(埋め込み禁止でした)では、ウードのジヌチェン・タンルコルル率いる楽団の合唱の中に参加しています。5本ほどある中から、ヒュッザムとフェラーナークの歌を選んでみました。両方ジヌチェン作曲のスーフィー宗教歌のようです。

kani karaca-olmaz ilaç sine-i sadpareme

"olmaz ilaç sine-i sadpareme" というドラマか映画の主題歌のようです。この映像なので、エンディング部分でしょうか。

6) HÜZZAM ilahi 2/3 -Nedendir? -Why? (C Tanrıkorur)
HÜZZAM İLAHİ - NEDENDİR?
Lyrics/Güfte:AZİZ MAHMUD HÜDÂYÎ Hz.
Composer/Bestekâr: CİNUÇEN TANRIKORUR
Opus/Beste no. 245 (Washington DC 11.05.1990)
Beat/Usûl: Duyek
Speaker/sunucu: Yusuf Ziya Özkan

Performed by the TANRIKORUR ENSEMBLE Singers: Hafızes Kani Karaca and Ali İnan, Bahri Güngördü, Enes Ergür, Nusret Yilmaz, Alper Ayorak, Ender Doğan and Başar Dikici
Instrumentalists: C.Tanrıkorur (Oud), Yavuz Akalın and Murat Tokaç (Ney), Aydın Oran (Sinekeman), Fikret Karakaya (Kemençe), Özer Arkun (Cello), Devrim Ekiz (Kanun), Vahid Anadolu (Bendir)

This Sufi Hymn in the maqam Huzzam by the Turkish composer Cinuçen Tanrıkorur (1938-2000) set to a poem of the great Sufi saint Hz. Aziz Mahmud Hüdâyi (1543-1628) was performed here by the Tanrikorur Ensemble at a concert of Sufi Music in Istanbul in 1997.

FERAHNÂK_Dahilek Ya Resulallah+ Bahar Oldu (C Tanrıkorur
FERAHNÂK SUFI HYMNS (İlahiler)
"DAHÎLEK YÂ RESÛLALLAH"
"BAHAR OLDU"
Speaker/sunucu: Yusuf Ziya Özkan

Performed by the TANRIKORUR ENSEMBLE Singers: Hafızes Kani Karaca and Ali İnan, Bahri Gungördü, Enes Ergür, Nusret Yılmaz, Alper Ayorak, Ender Doğan and Başar Dikici
Instrumentalists: C.Tanrikorur (Oud), Yavuz Akalın and Murat Tokaç (Ney), Aydın Oran (Sinekeman), Fikret Karakaya (Kemençe), Özer Arkun (Cello), Devrim Ekiz (Kanun), Vahid Anadolu (Bendir)

Two Sufi Hymns in the maqam Ferahnâk by the Turkish composer Cinuçen Tanrıkorur (1938-2000) set to the poems of Yaman Dede and the great Sufi saint Hz. Aziz Mahmud Hudayi (1543-1628) were performed here by the Tanrikorur Ensemble at a concert of Sufi Music in Istanbul in 1997.

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2009年2月12日 (木)

ハーフズ・キャー二・カラジャ

トルコのイスラーム宗教歌の方に回ってきました。昨日キャー二・カラジャの名前が出ましたので、取り上げない訳にはいきません。2001年に来日し、<東京の夏>音楽祭に出演。2004年に亡くなっていますので、この盲目の大歌手の演奏を体験する最初で最後のチャンスでした。壮麗な東京ジャーミー・モスクで行われた公演には、私もかけつけました。仏Ocoraの音源で聞いていたようなアザーンやコーラン朗唱(トルコのマカームに乗せて朗唱されるところがアラブの場合と違ってユニーク)、これまで当ブログで取り上げたようなオスマン古典音楽、メヴレヴィー音楽、以上の3つが組み合わされたプログラムだったと思います。オスマン音楽を今に伝える伝説の歌手の歌声が壮麗なモスクの中に響き渡り、しばし東京の喧騒を忘れてオスマンの豊麗な音楽に身を浸すことが出来ました。合奏の素晴らしさも特筆ものだったと記憶しています。

Tanrıkorur NAAT-I PEYGAMBERİ_Kani Karaca
ジヌチェン・タンルコルル作曲のナアトを歌っています。97年トルコでの映像。ナアトはカッワーリなら預言者ムハンマド賛歌ですが、トルコの場合はメヴレヴィーの賛歌の一種のようです。

Kani Karaca - Mevlüd: Merhaba Bahri - Kuran ı Kerim

若い頃の映像もyoutubeには何本かあります。こちらは1972年のMevlüdの独唱。

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2009年2月11日 (水)

エルグネルplaysスーフィー音楽

今日はクドゥシ・エルグネルの演奏するメヴレヴィー音楽のクリップを見てみます。意外に少なく今日の3本くらいのようです。

KUDSİ ERGUNER & SÜLEYMAN ERGUNER - ZİKR

クドゥシ&スュレイマン・エルグネル兄弟のネイ・デュオによるジクル。メヴレヴィー音楽の幽玄美もさることながら、メヴレヴィーのモスクと思われる建築の映像が、息を呑むような素晴らしさ。モスクはイスタンブルとコンヤの両方でしょうか。音源はベルリンでの録音の"Sufi Music of Turkey" (1990) とあります。おそらくCMP盤だろうと思いますが、残念ながらレーベル自体無くなったようです。

Kudsi Erguner ney flute sufi music subtitulado español

スペインのドキュメンタリー番組でしょうか。英語の語りにスペイン語の字幕が付いていますが、エルグネルが流暢な英語で明快に語ってくれています。ネイの材料である葦の自生した野外での映像に始まり、メヴレヴィー教団の旋回舞踏、後半はスーフィーのジクルでしょうか。これが特に興味深いです。

Kudsi Erguner - Halil Necipoğlu

エルグネルとハリル・ネジポウルとのデュエット。これもメヴレヴィーの音楽になるのかどうか不明ですが、イスラム宗教歌の一種でしょう。東京の夏音楽祭で来日した故Kani Karaca(キャー二・カラジャ)のように、ムアッジン(コーラン朗唱者)兼オスマン古典歌手かも知れません。

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2009年2月10日 (火)

K.エルグネルとベジャール、ベンゴ

Kudsi Ergunerを表記するなら、クドゥシ・エルギュネルでしょうね、と昨日の記事にご回答頂きました。(お名前は分からずですが、有難うございました。m(_ _)m) クドゥシと綴るのには既に慣れていましたが、エルギュネルは少し表記的に抵抗がありますので、取りあえずエルグネルとしておきます(^^;
クドゥシ・エルグネルのビデオですが、上位にランクしている中には、スーフィー音楽(メヴレヴィー音楽)やオスマン音楽に混じって、というかそれ以上に、これまでの色々ユニークな活動の一端がアップされています。今日はその中から、ベジャールのバレエと映画「ベンゴ」のワンシーン。

Maurice Bejart :"Rumi"- musique Kudsi Erguner

ベルギーの誇る20世紀バレエ団を主宰していた故モーリス・ベジャールの舞台「ルーミー」から。音楽はクドゥシ・エルグネル。トルコのメヴレヴィー教団の開祖にしてペルシア古典詩の大詩人でもある、ジャラール・ッディン・ルーミー(モウラーナ)をテーマにしています。ベジャールのバレエは、80年代前半のエロス・タナトスの頃などはよくチェックしていましたが、この作品は知りませんでした。同じくベジャールのサアディの詩をテーマにした「ゴレスターン」には、引退したイランの名歌手セイイェド・ラザヴィ・サルヴェスターニ(78年にパリサーと共に来日した男性歌手)も出てました。クルディスタンのオスタッド・エラーヒを絶賛するなど、ベジャールには中東音楽通の側面がありました。

Kudsi Erguner - Vengo

トニ・ガトリフ監督の「ベンゴ」は、01年頃の封切り直後に見て、DVDも持ってるのに、エルグネルが出ていることに気が付いてなかったです(^^;  そうか、あのシーンのネイ奏者はエルグネルだったかと思い出した次第。この映画は、フラメンコの舞台であるアンダルシアの地で、地中海周辺のスーフィー音楽などもクロスする刺激的な映像と音楽に魅了された情熱的な作品でした。侘び寂びを感じる女性の主題歌も最高でした。(以下DVDの解説)流浪と迫害の歴史を背負うロマ民族(ジプシー)。その苦しみの中から生まれた灼熱の情念が、アンダルシアの大地で交錯する。トマティート、ラ・パケーラ・デ・ヘレスなど超一流ミュージシャンたちによるライブ演奏と舞踏に彩られた男たちの復讐のドラマを、世界最高のフラメンコダンサー、アントニオ・カナーレスが熱演。

Vengo Flamenco soufi

エルグネルは出てませんが、同じくベンゴから、エジプトのスーフィー歌手Sheikh Ahmed El Tuniの出てくるシーン。彼が冒頭で旋回舞踏するシーンには度肝を抜かれました。フラメンコ・ギターは名手トマティート。

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2009年2月 9日 (月)

クツィ・エルグネル

オスマン声楽関係が続きましたので、ここら辺で器楽物を入れてみます。メヴレヴィー音楽の中心的な楽器である葦笛、ネイの現代最高の名手Kudsi Ergunerです。これまでにもオスマン器楽アンサンブルや、シャルクの伴奏等で何度も名前が出てました。彼は80年代のパリを中心としたワールドミュージック・ブームの牽引役を果たした人と言っていいでしょう。カッワーリの大歌手、故ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンの来日も、彼がいなければなかったのでは。父のウルヴィ・エルグネル(Ulvi Erguner)も、オスマン音楽の巨匠で、仏Al Surには名演(若き日のKudsiも参加)が残されています。息子は、オーソドックスなオスマン音楽家だった父よりも、色々な切り口のラディカルな音楽活動を展開してきたスーパースターだと思います。オーソドックスなメヴレヴィー音楽の枠に収まらないユニークな作品を色々なレーベルから連発しました。いずれも最近入手困難になっているのが残念ですが。この人の名前ですが、昔はクツィ・エルグネルと書かれたものですが、クドゥシ・エルグネルという表記が最近(ここ15年くらい?)では多いかも知れません。実際の発音はどちらが近いのでしょうか? 

erguner topluluğu - severim ben seni

ドキュメンタリー的内容の一本。弟のスュレイマンとの二重奏や、彼が関わった音源のジャケットなども出てきます。

Segah Taksim - Kudsi Ergüner

前に一度アップしたと思いますが、ピーター・ブルックの映画「注目すべき人々との出会い」の有名な一こま。これは彼の最も古い映像だと思います。エルグネル以上のネイ名手、アカ・ギュンデュズ・クトバイも出てきます。
以下DVDの解説(現在入手困難ですが)
キース・ジャレット、ボブ・ディラン、ケイト・ブッシュ、ロバート・フリップなどにも影響を与えた、20世紀ロシア(現在はアルメニア)の神秘思想家グルジェフの伝記映画。監督はピーター・ブルック。前半の一種の「歌合戦」のシーンでは、優勝するホーミー歌手のほか、セタール弾き語り、ヤイリ・タンブール(立てて弓奏するタンブール)演奏、トルコのネイはK.エルグネル(若い!)と、若くして亡くなった名手アカ・ギュンデュズ・クトバイも登場。中東音楽ファンも必見でしょう。(イディッシュ・ソングの名歌手ベン・ズィメットが歌っているのはアルメニアの歌に聞こえるが?)エンディング間近、「覚醒への旅」の果てにグルジェフが到達した、サルムングの僧院で繰り広げられるトンバク伴奏の神聖舞踏のシーンは、とても強烈な印象を残します。映画全編のベースに流れるのは、グルジェフの愛弟子のデ・ハルトマンの音楽。

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2009年2月 8日 (日)

メルテム・ヤマク・セイフェリオウルの古典歌唱

アリ・ルザ・ベイの「ユルドゥズラルン・アルトゥンダ」を調べている時にyoutubeで初めて見た歌手ですが、メルテム・ヤマクという女性歌手、古典的なシャルクから、昨日のような大衆的なサナート・スタイルまでこなす人のようです。全くクセのない上品な歌い方と美しい声なので、返ってインパクトは少ないかも知れませんが、巧みな節回しはオスマン古典歌唱を正統に継承しているように思います。優雅で芳醇なオスマンの古典シャルクを聞かせる美人歌手と言っていいのでは。彼女のシャルクのビデオは数え切れないほどありますが、その中から数本選んでみました。

Meltem Yamak / Ömrüm seni sevmekle nihayet bulacaktir

微妙な旋律が魅力のヒュッザム旋法のシャルクで、作曲はイェサリ・アスム・アルソイ。

Meltem Yamak / Ay öperken suların göğsünü, sahilde yıkan

これもヒュッザムのシャルクでした。作曲はシュクリュ・トゥナル。古典音楽らしからぬステージ衣裳のようにも思いますが^^

MELTEM SEYFELİOĞLU £££ Dün Gece Mehtaba Dalıp Hep Seni Andım

これもヒュッザムですが、合唱をバックにリズミカルな伴奏で歌っています。高い音の辺りはメヴレヴィー的にも聞こえるように思います。作曲はセマハト・オズデンセスという人。

MELTEM YAMAK SEYFELİOĞLU £££ Ne Doğan Güne Hükmüm Geçer

ミュニール・ヌーレッティン・セルチュク作曲のマーフール旋法のシャルク。マーフールらしい晴れやかなムードの曲。

Meltem Yamak / Hastayım yaşıyorum görünmez hayâliyle

往年のウード奏者、ウーディ・フラント(Traditional Crossroadsから復刻盤が3枚ありました)作曲のヒジャーズ旋法のシャルク。

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2009年2月 7日 (土)

更にユルドゥズラルン・アルトゥンダ

昨日アップしたユルドゥズラルン・アルトゥンダ、相当に知られている曲のようで、トルコの名歌手達のクリップが次々見つかりました。今日はその内いくつかアップしてみます。今回新たに知った素晴らしい歌手もいました。この歌はサナートになるのか、それともアラベスク寄りになるのかどちらなのでしょうか。hasugeさんからの情報によると、この歌はダンス音楽の定番の1つだそうです。アリ・ルザ・ベイはジェッディン・デデンの作曲者ではなかったけど、忘れられない名曲を残した人でした。
昨日の2曲目の黒海訛りの歌についてもコメント頂きまして(いつも有難うございます。m(_ _)m)、ふぁどさんのおっしゃるように、この歌は『Karadeniz』の中にあったそうです。黒海沿岸のトラブゾンの歌とのことでした。この件で更にクリッタさんからもコメント頂きました。黒海のグルジア国境から少し西のRizeからTrabzonにかけては、明らかに言葉が違い、住民はラズ人で、ラズ語(トルコ系ではなくグルジア語などに近いコーカサス諸語になるようです)をしゃべるようです。フランスあたりのケバブ屋のほとんどはラズの人たちが出稼ぎでやっているそうです。東京でもドネル・ケバブ屋をよく見かけますが、日本の場合はどうなのでしょうか?(笑) クリッタさんからトラブゾン辺りのホロンのビデオ(http://www.youtube.com/watch?v=bzilWKxV_6Y)もご紹介頂きました。この地の細長いケメンチェの演奏は前にもアップしたことがありましたが、このオジサン、持ち上げた状態でも平然と弾いているし、太鼓がなければ足踏みでやってしまうという・・。強靭な芸人魂を感じます(笑)(クリッタさん、いつも有難うございます。m(_ _)m)

ŞÜKRİYE TUTKUN ££ Benim Gönlüm Sarhoştur Yıldızların Altında

シュクリイェ・トゥトゥクンはかなり名の通った女性歌手で、大分前に音源が入ったこともありました。品のある歌声とオリエンタル・リズムのアレンジが良いですね。

MELTEM YAMAK SEYFELİOĞLU & KENAN POLAT £ Yıldızların Altında

女性歌手メルテム・ヤマク・セイフェリオウルと男性歌手ケナン・ポラトのデュエット。こうして聞くと何となく銀恋のようでもありますが、メルテム・ヤマクは古典歌手としても素晴らしい人。少し線の細い歌声ですが。

Zeki MÜREN - YILDIZLARIN ALTINDA - TAŞ PLAK

女装の名歌手として広く知られていたゼキ・ミュレン(1931-96)の歌唱。サナートの大歌手でした。

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2009年2月 6日 (金)

アリ・ルザ・ベイの名曲と黒海訛りの歌

おそらく日本一有名なトルコの曲、ジェッディン・デデンの作曲者問題についてhasugeさんから追加コメント頂きました。(いつも有難うございます。m(_ _)m) 昨日の記事にコメントで入っていますが、かいつまんで転載しておきます。

トルコのインターネット限定で、Ceddin deden と Kaptanzade Ali Rıza bey で検索しても何もヒットしませんでした。日本では作曲者をアリ・ルザ・ベイとしているものがありますが、これは小泉先生たちの解説を鵜呑みにしたためで しょう。(以下略)

SEÇİL AK £££ Benim Gönlüm Sarhoştur Yıldızların Altında

hasugeさんからのアリ・ルザ・ベイ作品のお薦めの一曲。1月28日にアップしましたシャルク、Kimseye Etmem Şikâyetで出てきた女性歌手セチル・アクの歌唱です。ニハーヴェントらしい、しっとりとした哀感溢れる良い曲ですねぇ。曲の雰囲気とピアノが入る辺りなど、ライやシャアビのようなアルジェリア歌謡の音色にもちょっと似ています。

ふぁどさんからもメッセージ頂きましたので、併せてご紹介。楽しいコメント、いつも有難うございます。^∀^  私も訛りが分かるくらい聞き取れるようになりたいものです。f^^; 

Şevval Samを「黒海出身では?」と言ったのは、例の映画の挿入歌が思いっきり黒海訛り(トルコ語の特徴である母音調和がグダグダになるw)の歌だからでした。もしかしたらこの歌はその「Karadeniz(黒海)」なるアルバムに収録されてるのかもしれないですが。
ちょうど今見てみたら、彼女とキャーズム君がその曲をやってるビデオがありました。ドラマかなにかのワンシーンでしょうか、黒海訛りでしゃべってるのがギザカワユス!(^^; 

Sevval Sam Kazım Koyuncu

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2009年2月 5日 (木)

フェラフェザのペシュレヴとソン・ペシュレヴ

前にウード・ソロしか見当たらなかったイスマイル・ハック・ベイのフェラフェザのペシュレヴですが、最近新しいビデオがアップされていました。今日の一本目です。Unesco盤のKudsi Ergunerのネイ吹奏ほどスピリチュアルさはありませんが、なかなか端正な演奏です。編成はネイ、ウード、カーヌーンなどの古典合奏版で、ペシュレヴ(器楽合奏による前奏曲のような楽曲)ですからこちらの方が一般的なスタイルだと思います。

先日アップしましたオスマン軍楽曲で一番有名なジェッディン・デデンの作曲者ですが、どうやらキング盤に書かれていたアリ・ルザ・ベイの作曲というのは間違いではないかということでした。(4日にhasugeさんからコメント頂きました。いつも有難うございます。m(_ _)m ) ということは、やはりイスマイル・ハック・ベイの作曲ということになるようです。日本人の琴線にも触れる、短調系の素晴らしいメロディを何曲も残した人だということが証明されたように思います。Q.E.D. ^^ (一度使ってみたかったスピノザ用語)

また数日前にアップしたシャルクFikrimin İnce Gülü Kalbimin Şen Bülbülüですが、同じくhasugeさんからコメント頂きまして、「記憶の中のほっそりしたバラ、心の中の陽気なナイチンゲール」といった感じでは、とのことでした。かつて恋人だった女性を意味しているようです。歌っていたシェッヴァル・サムは、女優として有名な人で、1973年イスタンブル生まれ。黒海地方の出身かも、というふぁどさんの推測は、2008年に出た2番目のアルバム『Karadeniz(黒海)』に関係があるのでは、とのコメントでした。(ふぁどさん、いかがでしょうか?)

Ferahfeza Pesrev

映像はありませんが、唯一最初に蜂が出てきます。これは一体何なのでしょうか?(笑)

Ferahfeza Son Pesrev

同じフェラフェザ旋法なのもあってハック・ベイの上記ペシュレヴに似て聞こえますが、ゼキ・メフメト・アアという別の作曲家のソン・ペシュレヴです。ネイでこのソン・ペシュレヴを練習中のようですが、リズムが譜面とかなり違って(ずれて?)いますから、多分プロの演奏家ではないのでは。この曲も耳に残る良い曲です。日本のアラブ音楽アンサンブル、ル・クラブ・バシュラフもよく演奏されていて、04年頃でしたかライヴで聞いたことがありました。

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2009年2月 4日 (水)

ドニゼッティ・パシャ、イスマイル・ハック・ベイ

イスマイル・ハック・ベイについて、ジェム・ベハール著/新井政美訳「トルコ音楽にみる伝統と近代」(東海大学出版会)には以下のように書かれていました。
「イスタンブルに生まれ、13歳で美声を買われて宮廷の音楽学校へ入り、トルコ古典音楽と西洋の楽譜とを併せて学ぶ。一時期グアテッリにも学んだ。1908年の青年トルコ革命以後、オスマン音楽学校を作り、そこで多くの弟子を育成した。声楽学校が設立されると、トルコ音楽部門の責任者となり、演奏の長も兼任した。」
イタリア・オペラの作曲家として有名なガエタノ・ドニゼッティの兄であるイタリア人音楽家、ドニゼッティ・パシャ(1788-1856 パシャというトルコ風な名前になっています)がオスマン帝国に西洋音楽を本格的に導入して以来、西洋の記譜法がトルコ式に改良され広まったようです。9分の1音の微分音を表記するために、フラットが180度反対向いたりシャープの線が増えたり減ったり、最初は面食らいますが、曲と併せて見ている内に、実に合理的にできているなぁと感心します。上記のようにイスマイル・ハック・ベイ(1866-1927)の頃には、最初から西洋式のメソッドが取り入れられていたようですね。その事実を知ってしまうと、ドニゼッティ以前の、完全に口伝されていた頃はどんなだったのか、知りたくなったりもしますが、録音などは全くない頃ですから、諦めざるを得ないですね。しかし、ハック・ベイにおいても、勿論古くからのトルコ音楽の微妙な味わいのほとんど(全て?)は、失われずに保たれているはずだと信じています。
さて今日はタイムオーバーになりましたので、未アップのイスマイル・ハック・ベイのペシュレヴを一本上げておきます。前にフェラフェザのペシュレヴを弾いていた人です。非トルコ人かも知れませんが、中々のテクニックの持ち主です。

Hisar Buselik Pesrev

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2009年2月 3日 (火)

露土戦争は遠くなりにけり?

長年気になっていたオスマン音楽の作曲家をキーワードに数日続けていますが、同じくイスマイル・ハック・ベイで、ビックリするビデオがありました。キングレコードの「オスマンの響き」は、民族音楽のレコード&CDで一番売れていたそうです。データ的には既に古い話になっているかも知れませんが。70年代にTV放映された向田邦子原作の「阿修羅のごとく」に使われたことで一躍有名になった訳ですが、その曲、ジェッディン・デデンがイスマイル・ハック・ベイの作曲となっているビデオが今日の一本目。一方「オスマンの響き」の小泉文夫/小柴はるみ両氏の解説によると、アリ・ルザ・ベイ(1881-1934)の作曲となっています。どちらが正しいのでしょうか。因みにこの曲、ここ数日登場し続けているヒュセイニ旋法。ウシュクダラに代表されるニハーヴェント旋法と並んで、遠く離れた日本でもポピュラーになったように思います^^
今日の一本目、そのジェッディン・デデンを、何とロシアの赤軍合唱団と一緒に演奏しています! そこで思いついたのが今日のタイトル(笑)  ロシアとトルコと言えば、犬猿の仲のようなイメージで見ていましたが、現在では状況が変わってきているのでしょうか。

MEHTERÂN & KIZILORDU KOROSU £££ Ceddin Deden Neslin Baban

ジェッディン・デデン あるいは、ESKİ ORDU MARŞI(エスキ・オルドゥ・マルシ=古い軍楽)
Makâm : Hüseynî
Usûl : Sofyân
Yöre : Rumeli
Bestekâr : İsmail Hakkı Bey

Mehter Başı(メフテル 指揮?) : Kürşat Tuncay
Kızıl Ordu Korosu Şefi(赤軍合唱指揮) : Viktor Yeliseyev

歌詞
Ceddin deden, neslin baban
Hep kahraman Türk milleti
Orduların pek çok zaman
Vermiştiler dünyaya şân

Türk milleti, Türk milleti
Aşk ile sev milliyeti
Kahret vatan düşmanını
Çeksin o mel'ûn zilleti...

cet : büyükbaba, dede; ata, soy
şân vermek : tanınmak, ün salmak
melûn : Tanrı tarafından lanetlenmiş, Tanrı'nın lanetine uğramış olan; lanetle, nefretle karşılanan, alçak, sinsi, kötü
zillet : hor görülme, alçalma, alçaklık

MEHTERÂN & KIZILORDU KOROSU £££ Genç Osman

これも「オスマンの響き」に入っていたメフテル・ナンバー、ゲンチ・オスマン(若いオスマン)。勇壮な中にもÇargâh(チャルガー)らしい繊細な節が妙味でしょう。

Kalinka - Mehteran & Red Army

何とロシア民謡のカリンカを共演。

KIZILORDU KOROSU & MEHTERÂN £££ Katyuşa

ブランテル作曲のロシア戦時歌謡の代表曲カチューシャ。メフテルの面々も正確にロシア語で歌っています。

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2009年2月 2日 (月)

イスマイル・ハック・ベイの名シャルク

昨日に続いてオスマン音楽の名匠イスマイル・ハック・ベイの曲を。昨日の3本目の合唱で歌われていたFikrimin İnce Gülüという曲ですが、これがまたまたビデオが沢山ありすぎて困るほどf^^; それらの中から何本か選んでみました。これはシャルクになるのだろうと思います。たゆたうような哀感を帯びた3拍子の美しい歌です。土和辞典を引いても、良い訳が思いつきませんが、和訳するとどうなるのでしょうか。

BELGİN EROL -- Fikrimin İnce Gülü Kalbimin Şen Bülbülü

女性歌手ベルギン・エロルの歌唱。古典楽器を使いながらも大衆歌謡的な伴奏。ジャンル的にはサナートになるのでしょうか。タールとアコーディオンが入ってますので、カフカス色が出てくるかも。

ŞEVVAL SAM £££ Fikrimin İnce Gülü Kalbimin Şen Bülbülü

Kimseye etmem sikayetの時に出てきたŞEVVAL SAMの歌唱。ふぁどさんからは彼女は黒海地方の出身かもと推測が出ていましたが、どうなのでしょうか。この歌のフルタイトルはFikrimin İnce Gülü Kalbimin Şen Bülbülüのようです。

Zara - fikrimin ince gulu (sari sicak)

歌っているザラは、先日アップした歌手ザラでしょうか? 違う人のようにも見えますが。

Fikrimin İnce Gülü 8-6

映画かTVドラマのようですが、この中でFikrimin İnce Gülüが使われています。日本に当てはめるなら、長唄などが映画に使われるようなものだと思いますが、昭和30年代くらいで廃れてしまいました(高田浩吉の映画辺りが最後かも)。トルコでは未だに古典音楽が色々な場面で生きていると・・。素晴らしいことです。

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2009年2月 1日 (日)

イスマイル・ハック・ベイ(1866-1927)

オスマン音楽巡りも一ヶ月近くになりましたが、まだまだ続けようと思えば延々と続きそうです。ある意味ペルシア音楽より、幾分把握しやすい(ように思っているだけかも知れませんが)分、エンドレスになりそうです(^^;  07年10月11日辺りに取り上げた作曲家ですが、イスマイル・ハック・ベイ(1866-1927)の曲をもう一度見てみたいと思います。一昨年アップした彼のFerafeza Peshrevなど、個人的に好きな曲が多いもので。

Acemkürdî Peşrev-Beste: İsmail Hakkı Bey
アジェムキュルディ旋法のペシュレヴ。ピアノが入るのは珍しいように思います。

Acemkürdi Peşrev-Beste: Muallim İsmail Hakkı Bey
同じアジェムキュルディ旋法のペシュレヴですが、違う曲。こちらの方がメヴレヴィーらしさが感じられます。

TÜRK SANAT MÜZİĞİ KOROSU -- Fikrimin İnce Gülü

そして、この合唱曲もアジェムキュルディ。このビデオは前に一度上げたと思います。今日は同じマカームを並べてみました^^

また、昨日の記事にhasugeさんから貴重なコメントを頂きました。(いつも有難うございます。m(_ _)m) 意外に最近の作曲家で驚きました。やはり切ない歌だったのですね^^ (以下に転載しておきます)  

この歌は、去ってしまった恋人に対する切ない気持ちを歌ったものですね。イェサリ・アスム・アルソイ(1900-1992)は、1917年以後に音楽の勉強を始め、1920年に勤め人になっても勉強を続け、職をあれこれと代える中で作曲と作詞を始めたのは1930年頃だそうです。離婚も経験しており、家庭的には恵まれませんでした。現在およそ250の作品が残っているとのことです。

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