ゴダール映画に使われた最後のSQ
昨日はベートーヴェンの14番(Op.131)のカルテットが全ての彼の最後の作品と書きましたが、間違っていました。16番(Op.135)が最後でした。完成された順番で言えば、SQの番号やオーパス№(作品番号)とずれていて、15、13、14、16の順のようです。16番のカルテットより後のベートーヴェンの完成された作品はありません。深遠極まりない変則的な構成の3曲と大フーガ(当初13番の終楽章として書かれた晦渋極まりない曲)の後に、オーソドックスな4楽章で書かれた曲で、こちらは対照的なまでに素直な曲想。しかしその普通さの裏側を見るべきなのでしょうか。後期のSQ曲は難解さの割りに、すっと聞き手の心に飛び込んでくるところがありますが、16番は逆に難解かも知れません。
昨日書いたように、この16番はゴダールの80年代の映画「カルメンという名の女」に使われていました。2楽章のスケルツォ的なヴィーヴァーチェが、特に強烈な効果を出していました(見たのは20年以上前ですので詳細を思い出せませんが)。
今日は16番を全楽章アップしました。現代最高の弦楽四重奏団の一つと言われる、ハーゲン・カルテット(ドイツ・グラモフォンから全集が出ていて発注も可)の演奏です。2楽章は凄まじいテンポで演奏しています。
Beethoven: String Quartet, Op.135 (Part 1)
Beethoven: String Quartet, Op.135 (Part 2)
Beethoven: String Quartet, Op.135 (Part 3)
Beethoven: String Quartet, Op.135 (Part 4)
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