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2009年4月

2009年4月30日 (木)

他のシェイフとシェイハ

リミティ以外のシェイフとシェイハの演奏を少し見てみたいと思います。ジャンルとしてはこれはライの原型になるのか、ベドウィン歌謡なのか(特に一本目)、モロッコのアトラスのベルベル音楽などとの繋がりがあるものなのか、どうもよく分かりませんが。シェイフとシェイハの付く同様のジャンルの歌手は、現在でもかなりいるようです。更に、あのローリングストーンズのブライアン・ジョーンズが絶賛していたというモロッコのジャジュカとの類似性もあるようにも思います。ライの詩内容は世俗的、ジャジュカはスーフィー音楽系、の違いはあるようですが。尊称は名前の前に付きますが、男性ならシェイフ、女性ならシェイハとなります。女性形が「a」で終わる例は、世界中に見られるように思います。

Cheikh Mohamed el Younssi ( Passeport L'akhdar ) Années 60 Musique du Monde

このシェイフ・モハメド・エル・ユンスィという人はモロッコ出身のようです。現在アルジェリア、モロッコのどちらを活動の拠点にしているのかは今ひとつ判然としませんが。ガスバ2本とゲラールの伴奏というスタイルはリミティと同じ。しかし歌唱はシェイフ・ハマダに似ています。動きの少ない旋律なのに、この強靭さ。素晴らしい歌声です。

Cheikha Djenia & Hadj Zouaoui

シェイハ・ジェニア&ハジ・ズアウイのデュエットとなっています。男のような低いだみ声ですが、女性歌手のようです。オランの歌手ではと思われます。これは日本で言えば浪曲のようなジャンルかなと、ふと想像してしまいます。同じ楽器を使っていますが、よりベドウィン的に聞こえるシェイフ・モハメド・エル・ユンスィとはリズムが若干異なり、こちらがやはりライの原型なのでしょう。

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2009年4月29日 (水)

リミティ3日目

シェイハ・リミティは最重要歌手の一人なので、日数をかけていますが、この人の名前、rimittiとremittiという表記がありまして、今日は後者で検索した結果。女性のみのアンサンブルによる交唱のスタイル。甲高い叫び声のユーユーを交えながら狭い音域で畳み掛けるように歌われる歌は、ベドウィン歌謡風にもトランス音楽風にも聞こえますが、更にはブラック・アフリカ的な色彩も帯びているようにも思います。アトラス山脈を下ったところにビスクラという町があって、そこにはモロッコのグナワに似た黒人系儀礼音楽(仏OcoraからCD「ビスクラのディワン」が有り)がありますが、その影響がもしかしたらあるのかと想像してみたりもしました。
もう少し書こうと思っていましたが、急に腹痛と睡魔が襲ってきましたので(笑)、今日はこの辺で。しかしリミティの歌はパワフルで素晴らしいです。喉が開ききっていますね。圧倒的な存在感と個性があります。

CHEIKHA REMITTI ET MEDAHATTES

CHEIKHA REMITTI ET MEDAHATTES SALOU AHL'NBI

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2009年4月28日 (火)

今日もリミティ

今日もシェイハ・リミティの映像を見てみたいと思います。彼女の全盛時代でしょうか、カセットなどの音源や、秘蔵映像らしきものも結構youtubeで見つかります。今日のような筋金入りの歌唱を聞くにつけ、「ライのゴッドマザー」をもっと若い頃にも見たかったと思うことしきり。ライのルーツについて関根謙司氏の解説(音楽之友社刊「世界の民族音楽ディスクガイド」より)によると、18世紀以降にカスバ(アルジェかオランかは不明ですが、取り合えずオールド世代にはナツメロ名曲「カスバの女」でお馴染みでしょう^^)で口語アラビア語の物語詩や即興吟遊詩が歌われるようになったようですが、元を辿ればアンダルス音楽やベドウィン(アラビア遊牧民)の音楽の流れを汲んでいるようです。伝統的なライの歌手のことはファフシース(詩人)と言われたようです。伴奏はその頃から縦笛ガスバやゲラール(あの細長い太鼓のことか?)で演じられたようです。
ライのルーツに当たるアルジェリアのベドウィンの歌唱では、大分前にもアップしたシェイフ・ハマダ(仏Club du Disque ArabeからCDがありました)を是非ご覧下さい。彼の歌声は、音源の残っている中では一番素晴らしいと思います。ビデオの解説には、Cheikh Hamada blended judeo arabic music with beduin music to produce the precurser to RAI musicとあります。ユダヤ・アラブの音楽とベドウィン音楽を混合することでライの先駆者になったとのことですが、ユダヤ・アラブの音楽というのは、アンダルス系の音楽になるのだろうと思います。一方シェイフ・ハマダと前後して取り上げたフリフィ・アーメドの歌などは、ベドウィン音楽そのものかも知れません。

Cheikha Rimitti - Ya Milouda

リミティ本人の若さから見ると、70~80年代の映像でしょうか。ベリーダンス付き、ヴァイオリン伴奏、本人のベンディール?の妙技もたっぷり、またユーユーも入ったゴージャスな映像です。

Cheikha Rimitti - Hya B ghate Sahra

96年頃の映像のようです。ガスバと太鼓だけの伴奏による伝統的なスタイルの歌。

Cheikha Rimitti, " Hak Sorra Hak ! ", chanson érotique.

昔のカセット音源のようです。彼女の全盛期でしょうか。これはやっぱり一番凄いかも。解説に" Hak Sorra Hak ! ", chanson érotique. とあります。どういう風に「エロティックな歌」なのか知りたくなりますが^^

Cheikha Rimitti- Mout el ghadara

これも素晴らしい!

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2009年4月27日 (月)

シェイハ・リミティと04年のライヴ

この辺でライのゴッドマザーと言われた故シェイハ・リミティの歌声を聴いてみたいと思います。音源情報  04年に<東京の夏>音楽祭に出演、私はかなり前の方で見ましたが、80代とは思えないエネルギッシュなステージには圧倒されました。前半がガスバと太鼓のみの伴奏の伝統的なスタイル、後半はポップ・ライのバンド編成で、ステージで跳ねてるところを見て、さすがに驚きました。前半は席で大人しく聞いていた現地連が、後半では皆ダンサーに変身(笑) この時に例のアルジェリア人とも知り合いました。リミティは、それから2年後の06年に83歳で亡くなったため、再来日は叶わなくなってしまいました。もう一度見たかった歌手の一人です。
余談ですが、04年の<東京の夏>音楽祭には、イランのホセイン・アリザーデさん一行も参加していて、リミティのステージを見てみたいということでロバ・ハウスでのミニ・レクチャー・コンサート終演後に草月ホールに直行。私は立川から赤坂まで電車でGO(笑) 終演後アリザーデさん&ハムアーヴァーヤーンのメンバーとの別れを惜しみ(数日間の公演中の昼間ご一緒させて頂いていましたので)、その後すぐにA社の打ち上げに参加。実に楽しい夜でした。

Cheikha Rimitti - Saida

94年の映像。来日時よりやっぱり若いし、何か色っぽいですね。

Cheikha Rimitti - Sidi Abed

これも伝統的なスタイルの歌唱。

Cheikha Rimitti - Nouar

ヌアルは特にヒットしたアルバムだったと思います。そのタイトル曲。

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2009年4月26日 (日)

ベルベル語の歌詞とセム・ハムの話

先日アップした往年のカビールの名歌手、シェイフ・エル・ハスナウィのビデオに、ベルベル語の歌詞をローマ字表記したものがありましたので、今日はそれを上げてみたいと思います。言葉の響きを聞いても、字面を見ても、明らかにアラビア語とは異質な言葉であることがよく分かります。アラビア語はヘブライ語と同じセム語族に属するため、かなり似た面が多く、語彙でもほんの少し音が変って文字がヘブライ文字になっただけのものがかなりあります。一番有名なのは、「こんにちは」の例でしょう。アラビア語のサラームがヘブライ語ではシャローム、アラビア語で(アッ)サラーム・アレイコムが、ヘブライ語ではシャローム・アレイヘムと、いかに似ているかがよく分かるかと思います。単語が大体3つの語根から成っている所も同じです。
なおセム語族という呼称は、セム・ハム語族がアフロ・アジア語族という名前に改称されてからは、一般的でなくなっているかも知れません。セム・ハムという言葉は旧約聖書の創世記、ノアの物語から出てきた言葉で、ノアの息子がセム・ハム・ヤペテの3人となっています。因みにヤペテは、ヨーロッパ人の祖先とされているようです。ハムの末裔がアラブが入ってくる前からいる北アフリカの先住民、ベルベル人やエジプトのコプトになります。

el hasnaoui : vu tabani

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2009年4月25日 (土)

ダフマンの息子カメル登場

一昨日シャアビの名曲「Ya Rayah」をアップしたダフマン・エル・ハラシ(一般に通用している表記にしておきます)は自動車事故で1980年に50代の若さで亡くなってしまいましたが、彼の芸はしっかり継承されていて、息子のカメル・エル・ハラシが近年めきめきと実力を上げてきていました。父譲りの歌の上手さ、味のあるしわがれ声、しかもご覧の通りのイケメンで、既に一部で脚光を浴びてみるようです。youtubeが何本かありましたので、今日は一挙に上げておきます。余談ですが、シャアビというのは基本的に男歌で、女性歌手はまずいないようです。リスナーも男性に多いとアルジェリアの知人に聞いたことがあります。女性はというと、ライを聞くパターンが多いようです。

Kamel El Harrachi - Dzair

曲名はエルジャザーイル(「アルジェリア」のアラビア語読み)の短縮形? サンバとミックスしたようなリズムが爽やかで、なかなか力に溢れた良い曲です。

KAMEL EL HARRACHI

真ん中でマンドーラを弾き語っているのがカメル・エル・ハラシ。これは典型的シャアビのスタイル。

KAMEL EL-HARRACHI - KIFACH T'HABBINI NENSAK

このリングは一体何でしょうか?(笑)  歌詞と関係ありでしょうか。

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2009年4月24日 (金)

モハメド・エル・アンカ

昨日名前が出ましたので、シャアビという歌謡ジャンルを確立した巨匠エル・アンカの映像をアップしておきます。エル・アンカまで映像があるのには驚きましたが、いくつかは例のネットで見られるアルジェリアのTVからのようです。トレードマークのトルコ帽?を被り黒眼鏡をかけマンドーラ(ウードとマンドリン、ブズーキの合いの子のような弦楽器)を弾いているのがエル・アンカ。思わず素晴らしい歌声に引き込まれますが、名歌手は風格、オーラ共に凄いものがありますね。この頃は演奏自体に古典音楽的な味わいがあります。彼の録音はClub du Disque Arabeから2,3枚出ていましたが、このレーベルの最高の録音の一つだったと思います。同レーベルからは1932年のカイロ会議(バルトークやヒンデミットが聞いていたと言う)の録音もありました。

Chaabi dialna: Hadj M'hammed Al Anka

El Hadj Mhamed El Anka (extrait) by kaprissa

El Hadj M'hamed El Anka EL HAMDOULLILA MABKACH LISTI3MAR FI BLADNA accompagné de Guerouabi, hcissen said, el badji, el ankis et Rachid Souki

Hadj el Anka plus jeune

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2009年4月23日 (木)

カビール歌謡とシャアビ

カテゴリーをアラブ・マグレブと広く取りながらも、この数日アルジェリアに長居しています。まず昨日のハスナウィの2本目の歌、「メゾン・ブランシュ」(白い家)ですが、手元にある仏Club du Disque Arabeの彼のシリーズ2枚目の1曲目に収録されていました。これは珍しくフランス語歌詞のようですが、哀愁味溢れるとても印象的な曲です。前にアップしましたがスリマヌ(スリマン)にも、通用範囲の広いフランス語歌詞の歌がありました。やはりメッセージ性の強い歌のように感じました。「白い家」というのも深い意味があるのでは。
ハスナウィやスリマンの歌は、カビールの地方的な大衆歌謡のように捉えていましたが、ハスナウィの歌のほとんどは後輩マトゥーブ・ルネスの歌のように、シャアビ(ライやシャアビについてはこちら)になるようです。シャアビと言えば、ダフマヌ(ダフマン)が有名になっていますが、彼のルーツを調べてみると、何とオーレスのシャウイでした。つまり彼もベルベルの血を引いているという訳ですね。スリマンの歌に関しては、カビールの地方性が強いように思いますが、どうでしょうか。
シャアビは首都アルジェのカスバで誕生した歌謡ジャンルで、創始者はムハメド・エル=アンカ M'hamed El Anka (1907-1978)です。この人の音源も仏Club du Disque Arabeから出ていました。エル=アンカ (エランカとも)のルーツは不明ですが、アンダルス音楽の流れも汲む都市歌謡シャアビに、ベルベルの歌手が目立つのがとても興味深いです。アルジェリアには、他にもアンダルス音楽系の恋愛詩ムワッシャハの流れを汲むHawzi(ハウズィ)や、ユデオ・アラブ(アラブ系ユダヤ)の歌謡など色々なタイプの歌がありますので、また追々見て行きたいと思います。

Cheikh El Hasnaoui - Athihdayine

メロディ・ラインのエキゾチックなハスナウィの一曲。

Dahmane El Harrachi- Ya Errayah
ダフマンの余りに有名な「ヤー・ラーヤハ」。大分前に一度アップしましたが、再度上げておきます

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2009年4月22日 (水)

エル・ハスナウィ

カビールの往年の男性歌手で、スリマヌ・アゼムと並んで復刻がフランスのClub du Disque Arabe(AAA)から何枚も出ていたエル・ハスナウィ。名前の前に尊称シェイフを付けて呼ばれていたようです。アゼムとハスナウィは、カビールの歌手としてリリースされていましたので、二人ともベルベル人のようです。最近の映像の方では、間にダフマン・エル・ハラシやサッカー選手ジダン、マトゥーブ・ルネスが出てきますが、ダフマン(ダフマヌ)だけはベルベルではなかったと思います。マトゥーブとジダンは、カビールのベルベル人。なかなか資料が見つからないのですが、もしかしたらマトゥーブ・ルネスはハスナウィの弟子筋でしょうか(98年に暗殺されてしまったのが非常に惜しまれます)。しかしハスナウィの歌声、良いですね。程よい大衆味と共に陋巷の匂いが感じられます。

el hasnaoui Bnat ssehba

La Maison Blanche --- Cheikh hasnaoui

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2009年4月21日 (火)

カビールの女性の歌

今日はカビールの歌を見てみます。数日オーレスが中心でしたので、見て頂いていた方にははっきり分かると思いますが、カビールの歌の特徴はとてもメロディアスで叙情的ということではないでしょうか。スリマヌ・アゼムの歌とも感じが似ています。オーレスの歌とは、音階も少し違うようですし、まずガスバのミニマルで野性的な音が全く似合わなさそうです。同じアマジグ(イマジゲン)のはずですが、かなり音楽の印象は違いますね。弦楽器が伴奏の中心のようですが、オーレスではガスバと太鼓の後ろに隠れ、目立ちませんでした。日本の本土の民謡でも(全く別種の沖縄、奄美、アイヌを除いても)、実は結構特色が細かく細分化されていて、そんなに均質ではないので、日本より遥かに大きなアルジェリアのこと、当然かも知れません。(人口の多いアトラス山脈周辺がちょうど日本の本州と同じくらいでしょうか。その中にこれまで出てきた土地は全て入っています)
1、2本目のうら若きゾーラの歌は若干大衆的アレンジが施されていて、3本目はプレーンな民謡という印象です。余談ですが、カビールはカビリアとも呼ばれますが、カビリアという名で思い出すのが、フェデリコ・フェリーニの映画「カビリアの夜」。まだ見たことがなかったので、何か関係があるのかと想像していましたが、全く関係ないようです。少し残念な気がしました(笑)

Musique kabyle : Zohra

zohra

Cherifa chant berbère document

Cherifa chante
  le document présente des micro interruptions de sons mais il serait domage de ne pas le présenter

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2009年4月20日 (月)

オーレスとカビール①

オーレスのシャウイとカビールの違いを、少しyoutubeで追ってみたいと思います。まずはオーレスから。シャウイはオーレスに住むベルベル系民族ですが、シャウイ=オーレスではないのでは、と思われます。おそらくアラブ人も住んでいるのでしょう。しかしどの映像でもガスバの呪術的でミニマル的とも言えそうなフレーズと、ユーユーのけたたましい叫び声が聞こえてきます。数日後にはライのガスバ使用例をアップしてみたいと思います。シェイハ・リミティの映像もあるはずですから。

Louress

綴りが少し変ですが、オーレスの民族文化を紹介するビデオのようです。縦笛ガスバが全編で出てきます。この笛の起源は、ベルベルにあるのか、ベドウィンにあるのか、どちらなのでしょうか。どちらかだとは思いますが。

L'Aures au debut de 20me siecle

20世紀初頭のオーレスというタイトルですが、必ずしも古い映像やエッチング?、写真だけではないように思います。シャウイのことをイシャウイエンとも言うようですが、前者はアラビア語、後者はベルベル語では? 服装もアラブ人と微妙に違うように見えます。 Cette vid appartient a Kathleen kwoolr qui l'a incorrectement attribue a Bouira mais en fait c'est une vid des Aures.aures-musique blog:http://www.aures-musique.sk...

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2009年4月19日 (日)

カビールとオーレス ベルベル語の話

数日見てきて思うのが、カビール地方とオーレスのシャウイ人の音楽や民族文化の違いは、どこにあるのかという点です。同じベルベルでも、歌の感じもかなり違うように思います。アルジェと西部のオランとの違いは、東京と京都、奈良の違いに似てるような話を聞いた覚えがありますが(首都と古都というイメージのようです。距離的にも大体その位)、東北部のカビールとオーレスは、もっと近いはずですから、その中でそんなに違いが生まれるのも不思議なように思います。険しい山岳地帯に住み、方言同士では会話も難しくなるようですから、そんな中ではアラビア語が共通語として機能するようです。アラビア語のアルジェリア方言(アルジェリア語)は、先住民のベルベル語の影響を色濃く受けているそうで、これはエジプトの場合の先住民言語コプト語と、アラビア語エジプト方言(エジプト語)の関係と似ています。ベルベル語には先日触れたタマジット(タマズィグト)の他に、タリフィート、タシュリヒートと、大きく分けて3つの方言があるようです。さて、今日はシャウイの民族文化の一端を垣間見れるビデオを上げておきます。昨日も出てきた縦笛ガスバはシェイハ・リミティのライの伴奏にも使われていました。ベドウィン歌謡をルーツにオランで生まれたライが、おそらくベルベル起源と思われるガスバに出会った点も興味深い探り所です。

Chaouia

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2009年4月18日 (土)

フーリア・アイシ

アルジェリアのベルベル女性歌手、3人目はフーリア・アイシ。最近のヒジャズカルとの共演がなかなか話題になっていると思います。彼女はアルジェリア北東部に位置するアトラス山脈の町オーレスの生まれで、この地に住むベルベル系のシャウィ人。ヒジャズカルは、フランス東部ストラスブール出身の5人組。そのアルバムでは伝統とモダンさが共存した出色のアンサンブルを聞かせています。アムルーシュとマルクンダが「静」とすれば、アイシはベルベルの歌の「動」の面と言えるでしょうか。昔も今もそういう印象が強い歌手です。この人の名前「フリア・アイシ」と短く綴られることが多いようですが、حـوريــة عــايـشــيと、2文字目に長母音を表すアラビア文字のワウが入っていますので、フーリアと伸ばす方が近いのでは。余談ですが、例のアルジェリアの知人の姉がフーリアさんと言って、確かにそういう風に発音していました。
この人の音源はオーヴィディスのエスニックなどから90年代に数枚出ていました。残念ながら現在は入手困難だと思いますが。ですから、おお、久々に名前を聞いたなという懐かしい思いでしたが、今度は現代的な装いを上手く取り入れた刺激的なサウンドでの再登場。今日の1本目が90年代のイメージでこれはほぼ伝統音楽のままでしょう。ガスバは循環呼吸(息継ぎなし)で吹いているように見えます。素焼き?のダラブッカのずっしりした古風な音色も素晴らしいです。映像の乱れがあって残念ですが。2,3本目(2本目は埋め込み禁止)は近作のヒジャズカル(もしくはヒジャーズカル)との共演。皆さんはどちらがお好きですか?

HOURIA AICHI (ya salah)

Houria Aichi & L´Hijaz Car à Paris (1) 
Avec : Houria Aïchi (adaptation et chant), Grégory Dargent orchestration, (arrangements, oud, banjo, etc.), Etienne Gruel (percussions), Jean-Louis Marchand (clarinette), Fabien Guyot (percussions), Nicolas Beck (tarhu, hajouj)

Houria Aïchi

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2009年4月17日 (金)

マルクンダ・オーレス

今日は同じベルベルでもオーレス地方の歌を歌う女性歌手、マルクンダ・オーレスを見てみようと思います。何年か前にフランスのARBというレーベルから「オーレスの女性の歌」というタイトルのアルバムが出ていました。アルジェリア東部山岳地帯オーレスに住むベルベル系のシャウイ族に伝わる女性の歌をベンディール、ウード、ギターなどの伴奏で聞かせるという内容で、15年に渡る楽曲収集と採譜の末、復元されたそうです。今日のyoutubeの歌もその中からだったかどうか、音源が手元に残ってないので不明ですが、声が細かく震えるように動くのが特徴的なように思います。コブシと言えば言えるようにも思いますが、もう少し別な表現をしてみたくなるような技法です。アムルーシュもマルクンダも、ベルベルで想像しがちなエネルギッシュさよりも、静謐で繊細な面を感じさせます。
オーレスとカビールの位置関係はどうなのか、こちらで見てみましたが、分からず終いでした。同じアルジェリア東北部のようですが。

MARKUNDA AURES

Let lella Markunda take you to Aures, Algeria.Markunda Aures - Angelic Voice of Aures.

HALI: FORCED INTO EXILE

Markunda Aures, yellis n lures, the angelic voice of Aures.

IZURAN INU-MY ROOTS

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2009年4月16日 (木)

ベルベルの歌姫タオス・アムルーシュは・・

昨日書いたようにタオス・アムルーシュ(1913-76)の歌声は、まるでグレゴリオ聖歌前後の単旋律聖歌を聞くようで、長年何とも言えず不思議な印象を持っていましたが、少し調べて合点しました(笑) cf.Wikipedia  この人はローマ・カトリックに改宗したカビール地方のベルベルの家系に生まれたそうです。もしかしたら旧宗主国フランスのカトリック文化の影響かも知れませんが、イスラームが入る何世紀か前の北アフリカはローマ帝国領で、4世紀以降はキリスト教の世界だった訳ですから(古代の神学者アウグスティヌスもカルタゴ生まれでした)、先住民のベルベルがキリスト教に戻るのは、不思議ではないのかも知れません。この人の歌声には、他のマグレブのムスリムの歌手の歌とは異なるニュアンスが確かに感じられると思いますが、いかがでしょうか。しかし、この才女は歌うだけでなく、アルジェリア初の女性作家だったようです。今日は歌っているところの生映像のあるデイリー・モーション(現代の歌手の彼女へのオマージュ・ソングのようですが)からも引用してみました。

TAOS


TAOS
Uploaded by henridekabylie

TAOS AMROUCHE

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2009年4月15日 (水)

カビールの女性歌手タオス・アムルーシュ

アルジェリア北東部カビール地方の女性歌手にタオス・アムルーシュ(おそらくこの表記が近いように思いますが)がいました。仏Budaから独唱アルバムが出ていましたが、そのプレーンで古風な歌は、何とも言えず不思議。これまで見てきたようなベルベルの歌とかなり雰囲気が違い、ヨーロッパの単旋律聖歌に似ているようにも思います。ベルベル人というのは、中世スペインを征服した頃のムーア人のイメージ(典型はシェークスピアのオテロ)通り、色の黒い人が多いようですが、タオス・アムルーシュのように色白の人も多いようです。アラブが席巻する前のマグレブの地には、アンダルスの語源で触れたように、ゲルマン系のヴァンダル人など、色々な民族が流れ込んでいたようですから、混血などあったのではと思いますが、どうなのでしょうか。いずれにしても、マグレブでプレーン・シャントが聞けるというのが、非常にエキゾチックに思えます。

TAOS AMROUCHE

chant amazigh de kabylie traditionnel repris par la diva et defunte Taos Amrouche

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2009年4月14日 (火)

イマジゲンの弦楽器

ベルベルというのがギリシア語起源の一種の蔑称だということは先日書きました。ベルベル語での自称はイマジゲン=Īmāzīghen(単数形はアマジグ=Amāzīgh)で、その名は「高貴な出自の人」「自由人」を意味することも触れました。マグレブでのベルベル語ではタマジット語が特に有名ですが(方言程度の違いかも知れませんが)、タマジットの綴りはTamazightで、よくよく見てみると、Amāzīghの前後にTが付いた形の単語でした。おそらくTは接頭辞や接尾辞などで、アマジグとタマジットは関係がある語彙なのでしょう。
今日はマグレブのベルベル音楽で演奏される特徴的な弦楽器の演奏を一つアップしておきます。ウェッタールという名が記憶にうっすらありましたが、azulというのが楽器名でしょうか? それとも地方によって呼名が違うのでしょうか。音色は、ウードとグナワに使われるギンブリとの間のように聞こえます。フレットレスのネックが円筒形をしているところは、ギンブリにそっくりです。ラフな作りと音色は何とも言えずサハラ的。2本目にギンブリ入りのグナワ演奏を。ブラック・アフリカの要素が濃厚に入ったモロッコのトランス・ミュージックです。

karim-usa

azul imazighen

Gnawas Home Songs

wwww.tagnawite.c.la abdelkbir merchane gnawa gnaoua tagnawite marrakech tkitkat tkitikat tkitikate merchanr abdelkbire habib jllaba gnawa gnaoua ganga genbri koyo sa7a moka haw haw milalla gnawa Gnawas Home Songs Essaouira Gnawa Festival Ad Commercial 2007 2m 2M essaouira festival france gnaoua gnawa golha guenbri Hamid Jonelière kasri maroc morocco rangarang rocha rochdi sonati tv

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2009年4月13日 (月)

ベルベルの歌 西サハラとリビア

ベルベルの音楽もシリーズ化してきました。今日はモロッコの南西に位置する西サハラと、アルジェリアとエジプトの間にあるリビアの場合。リビアに住むベルベル系のトゥアレグ族の音楽は、このビデオで見る限りは、マリのティナリウェンや、アルジェリア南東部タッシリ・ナジェールの山地に住むトゥアレグと、音楽的には似通って聞こえます。ギターを上手く取り入れた伝統色の濃い歌を歌っていて、「砂漠のブルース」という形容がかなり広まったように思います。西サハラのマリエム・ハッサンについては、国内盤のライナーノーツを担当したことがありますが、トゥアレグよりもっと複雑なコブシを多用していて、砂漠の民の素朴さよりも、その歌声のパワーに圧倒されます。未体験の方は是非2本目のyoutubeをご覧下さい。

Libya Tuaregs

mariem hassan, the voice of the sahara / la voz del sahara

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2009年4月12日 (日)

アマジグ、タマジット、ティナリウェン

しばらくベルベルで見て行こうと思いますが、イマジゲン(imazighen)やアマジグ(amazigh)で検索すると、興味深いクリップが沢山出てきます。今日はそれらの中からいくつか。来日して大きな話題になったマリのトゥアレグ族のグループ、ティナリウェンもベルベル系になりますが、ベルベルと総称される人々はサハラ周辺の広大な領域に散らばっているため、言葉や文化には当然相当な地域差があるようです。モロッコのベルベルとティナリウェンの場合は共通点が見えるようにも思いますが、カビールとの場合はどうでしょう。アルジェリアの場合は、色々な歌や音楽が入り混じっているからでしょうか。我々が一聴して馴染みやすいような、メロディアスな歌が散見できます。余談になりますが、ベルベル族は昔ならセム・ハムのハム系に入っていたと思います。人種的にはコーカソイドということにはなるようです。

Abbassi

このグループはモロッコのベルベルのようです。と言うことは言葉はタマジット語でしょうか。タマジットは、日本で唯一教本が手に入るベルベル語では。

Amazigh music - Ouardia

こちらはカビールのアマジグ(ベルベル)・ポップスでは。女性の甲高い叫び声、ユーユーの声もアルジェリアでは広く行われるようですが、ベルベルから入ったものでしょうか?

ANZAR [KABYLIE MUSIC ♫♫♫]

アルジェリア東北部カビール地方のベルベル宗教儀礼の映像を収録したと思しき興味深い映像。

tinariwen

ティナリウェンの2006年のライヴ映像。マリの場合は、かなりブラック・ミュージックに近寄ってくると思います。

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2009年4月11日 (土)

イマジゲンの地

ベルベルはギリシア語のバルバロイに由来しますが(だからバーバリーも同語源)、彼ら自身の自称はアマジグ(複数形はイマジゲン)と言って、「高貴な出自の人」とか「自由人」の意味とのこと。今日はイマジゲンの地の空気が感じられる3本を。

chaouia tradétion algerie music - massinissa

Hommage à Slimane Azem

スリマヌ・アゼム(1918-83)へのオマージュ・ビデオ。彼の出身地カビールの風景でしょうか。大変に険しい土地でのイマジゲンの人々の暮らしが垣間見えるようです。A linitiative de la CFBBL Coordination des Franco Berbères du Bassin de Longwy, le 20 septembre 2008 à 14 H (les Journées européennes du patrimoine ont lieu, tous les ans, le troisième week-end de septembre depuis 1984), une plaque commémorative dune allée dans le parc des Récollets dédié aux poètes, sera découverte par la municipalité de la ville de Longwy, baptisée au nom de Slimane Azem. Un appel est lancé par la présidente de la CFBBL, madame Harik Dinar, sur BRTV, le 13 09 08 à 17H 30. Pour donner du sens à cet événement exceptionnel et pour rendre un hommage convenable à cet homme hors du commun, venez nombreux. Merci à Monsieur le maire de Longwy, en honorant la mémoire de Slimane Azem vous nous avez tous honoré.

Slimane AZEM: "Algérie mon beau pays"

「アルジェリア、私の美しい国」と題するフランス語の歌。スリマヌのフランス語の歌は余り聞いた覚えがありません。切々と心に迫る素晴らしい歌声です。

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2009年4月10日 (金)

スリマヌ&マトゥーブ・ルネス

昨日は書き忘れてましたが、スリマヌ・アゼムはカビール地方のベルベル人歌手でした。アルジェリア北東部のチュニジアに近い方だったと思います。ベルベルの歌というのは、彼のような大衆的な歌にすら独特な律動が感じられます。メロディだけでなく、ダラブッカの叩くリズムもアラブとは微妙に違っていて独特です。アラブ音楽よりシンプルで素朴な風合いが魅力だと思います。ベドウィン音楽のシンプルさと共通する感じがあるかも知れません。
例の知人からはダラブッカの実演も少し見せてもらいましたが、そのリズムはバダウィ(ベドウィンのアラビア語での呼称)的かも?とか感想を言うと、そうかも知れないとの意見。父方の出身がアトラスを南に下がったビスクラなのと関係あるかどうか分かりませんが。 有名なライやシャアビだけでなく、定住アラブと遊牧民のバダウィの音楽、ベルベルの音楽、アンダルス音楽などが共存するアルジェリアの音楽は、知れば知るほど複雑な万華鏡のように思えてきたものでした。今日はスリマヌのライヴ映像と、スリマヌへのオマージュ曲を歌うマトゥーブ・ルネス(この人はシャアビ歌手だったと思いますが、ベルベルでしょうか?)の歌唱をアップしておきます。

slimane azem netsruhu netsuɣal

Matoub Lounès Tidett yeffren sous-titré partie 1

Chanson de Matoub Lounès "Tidett Yeffren" (La vérité enfouie) en hommage au très regretté Slimane Azem. Vidéo sous-titrée en kabyle avec la traduction française de la chanson. (Transcription en Tamazight et traduction/adaptation en français de Yalla Seddiki - Matoub Lounès, Mon nom est combat).

Matoub Lounès Tidett yeffren sous-titré partie 2

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2009年4月 9日 (木)

ベルベルの歌手スリマヌ・アゼム

今日はアルジェリア往年のベルベル人の歌手スリマヌ・アゼムの歌唱を。数年前に倒産してしまったフランスのアラブ~マグレブ音楽専門のレーベル、Club du Disque Arabe(AAA)から、往年の録音がCDで沢山出ていました。昨今「Yah Rayah」などで大人気のダフマヌ・エル・ハラシなどと並んで、一体何枚出たのか記憶が定かでないままレーベル自体がなくなってしまいました。ダフマヌがあれ程もてはやされるのだから、スリマヌももっと人気が出ても良いのになぁと、常々思っていました。最近でもアルジェリアのネットラジオ等では彼の歌声を頻繁に耳にします。ベルベルの歌らしく素朴な歌唱が多いですが、淡々としながらも曲によっては、じわっと心に沁みいる哀愁味に堪らない魅力があります。(youtubeが見つかったらまたアップします)
DahmaneとかSlimaneのneの発音ですが、アルジェリアはフランス語圏なので、ンよりはヌと発音するのが近いように思います。数年前にアルジェリアの知人からも直接そのように聞きました。明らかにヌと発音していたと思います。歌詞の詳細も聞けて興味深いものがありました。しかし、アラブ人の知人からはベルベル語は全く分からないらしいので、同じくアルジェに住むベルベルの友人に聞いた話を聞かせてくれました。
音楽的には、ダフマヌなどのシャアビはアンダルス音楽の流れを汲んでいるようですが、ベルベルの歌謡にはアンダルス音楽の要素は感じられないように思います。しかし、中世アンダルシア時代は、ムーア人(ベルベル人)がムスリム側の主役のように出てきます。現在のアンダルス音楽の演奏家の中にも、ベルベル人(マグレブの先住民)が多いのでは、と嬉しい想像を逞しくしてしまいます。余談ですが、そのアルジェリアの知人にウードやヴァイオリンで「Yah Rayah」を弾いて聞かせると、非常に喜んでいました。相当に懐かしいらしく、涙ぐんでいたのを思い出します。

slimane azem

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2009年4月 8日 (水)

ラファエル・プヤーナ

4日のブログで名前が出たラファエル・プヤーナの演奏をちょっと見ておきたいと思います。ジブラルタルを行ったり来たり(当然ジャンルも行ったり来たり・・ 笑)で済みません。ジョルディ・サヴァールが古楽界に入るきっかけになったというチェンバロ奏者で、クープランの名演の印象が強い人ですが、先日コロンビア出身だということが判明し、大変に驚いた次第。クープランの「ユリの花開く」などのロココ的な演奏をする人が南米コロンビア出身とは、なかなか想像し難いものがあります。youtubeにはスカルラッティがほとんどなので、そちらをアップしておきます。先日のスカルラッティ・シリーズで取り上げようかとも思っていました。

RAFAEL PUYANA JOUE SCARLATTI

Rafael Puyana plays his Hieronymus Albrecht Hass three keyboard harpsichord (Domenico Scarlatti K119, 1985).

Scarlatti K175

Scarlatti K119

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2009年4月 7日 (火)

ムルタカ・サラームのアラブ・アンダルス音楽

一昨日、昨日とアップしたグループ、ムルタカ・サラームですが、アラブ・アンダルス音楽(ナウバ)をナウバの楽団と演じているビデオも見つかりましたので、序にアップしておきます。ナウバの典雅さと、ムルタカ・サラームのスーフィー音楽傾向が混じり合ったステージのようにも思います。後ろのタール(枠太鼓の方)連が、ナウバの中にあっては異色に見えますが。ナウバのレパートリーの一つ、ヌーバ・アル・マーヤ(仏Ineditから7CD有り)からの抜粋演奏のようですが、この曲は典雅さに加え、エネルギッシュな生気が漲る素晴らしい楽曲です。2本目には、昨日アップしたスーフィー音楽の一本目を上げておきます。後から見つかったもので、順序が逆になりましたが、やはりなかなかに素晴らしいステージです。

Ali Alaoui et Moultaqa Salam : musique arabo andalouse

Ali Alaoui & Moultaqa Salam : soufisme andalou (1st part)

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2009年4月 6日 (月)

アリ・アラウィ&ムルタカ・サラーム

昨日マルフーンの歌唱を取り上げたグループ、アリ・アラウィ&ムルタカ・サラームですが他のビデオを見ると、マルフーンだけでなく色々なことをやっている人たちでした。今日のは、イスラームの宗教歌に始まり、後半は何とゴスペルになってます。イランのトンバクが出てくるのに興味を持ちましたが、余りトンバク本来の奏法(特にリーズは)ではないですね。このフレキシブルな音楽性ですから、弦楽器奏者が西洋的奏法を行っている点も納得が行くようにも思います。2本目はアンダルスのスーフィー音楽というコンセプトのようです。北アフリカ(マグレブ)の様々なメロディとリズムが交差して聞こえます。

Ali Alaoui & Moultaqa Salam : chants sacrées du Maroc/gospel

L'ensemble Moultaqa Salam dirigé par Ali Alaoui, dans l'émission "Mawahib Fi Tajwid Al Qor'an Al Karim" sur 2M, inerprète des chants sacrées du Maroc et du gospel. La chanteuse se nomme Ingrid Panquin.

Ali Alaoui & Moultaqa Salam : soufisme andalou (2nd part)

L'ensemble Moultaqa Salam et sa munchida Ingrid Panquin dirigé par Ali Alaoui interprète Hissa Soufia, morceau traditionnel marocain du répertoire soufi sur des modes andalous et avec des rythmes traditionnels

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2009年4月 5日 (日)

モロッコのマルフーン

マグレブに戻りまして、今日はモロッコのマルフーン。マルフーン(またはメルフーン)とは、「曲が付けられた詩」の意味で、アラブ版の一種のバラードとでも言えそうなジャンル。ナウバと同じくアンダルス系の音楽ですが、古典組曲のナウバとは別種の伝統音楽ということになるようです。カスィーダ(長編詩)やザジャル(相聞歌)などの正則アラビア語(フスハー)の詩に伴奏を付けたものですが、そのルーツはと言えば、中世アンダルシアの吟遊詩人が歌うムワッシャハなどの口語アラビア語の歌に遡るようです。レコンキスタでイベリア半島から追放されマグレブに渡ったムスリムの歌手たちが、12世紀頃からチュニジアからモロッコにかけて歌い継ぐ課程でマルフーンが生まれたとのこと。(以上 参照文献は、私も執筆陣として関わった一冊ですが、音楽之友社刊「世界の民族音楽ディスクガイド」の関根謙司氏の解説)
今日のビデオですが、先日Alaouiで検索していたので、youtubeユーザ登録しているため偶然にお薦めビデオとしてアップされていました。音源は上記の書籍で紹介されている仏Institut du monde arabe(メクネスのマルフーン)や仏Inedit(マルフーンのアンソロジー3CD)盤がありますが、映像で見るのは初めてですから、非常に興味深いものがあります。一本目ではヴァイオリンやチェロの奏法が、ナウバの場合とは対照的に、ほとんど完全に西洋的なのがかなり気になります(笑) 一方2本目はナウバの楽団をバックに歌っているようですので、かなりフレキシブルなスタイルということになるのでしょうか。口語から正則アラビア語になったという点も探ってみたい所ですが、その前にしっかりとアラビア語の勉強が必要ですね(笑)

Ali Alaoui & Moultaqa Salam : chants Malhoun

L'ensemble Moultaqa Salam dirigé par Ali Alaoui, invité de l'émission "Mawahib fi tajwid al qor'an al karim" sur 2M, interprète un morceau du style traditionnel marocain malhoun : Zawgna Fahmak, avec Ingrid Panquin au chant lead.

malhoun

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2009年4月 4日 (土)

ジョルディ・サヴァールのスペイン・ルネサンス音楽

今日はまたまた時間がなくなりました(^^; ジョルディ・サヴァールの演奏、他にもかなりビデオがありますので、セファルディー音楽以外も少しアップしておきます。この人はイスパヴォックスから出ていたスペイン古楽集成に出ていました。また、先日スカルラッティの時にアップしようかなと思っていたチェンバロ奏者ラファエル・プヤーナとの出会いが、彼を古楽に向かわせたそうです。(何という奇遇という気がします) 以下のビデオは、レコンキスタより後の音楽ですが、中世アンダルス音楽の残影が聞こえるようにも思います。アラウホとディエゴ・オルティスの曲をアップしておきます。

Arrauxo: Glosas sobre todo el mundo en general / Jordi Savall

フランシスコ・コレア・デ・アラウホ Francisco Correa de Arrauxo (1576 - 1654).の作品。ヴィオール、リュート、ハープ

Diego Ortiz: Recercadas & Anonymous Tarantela / Arianna Savall

ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器の音を、通奏低音のひとつではなくソロ楽器として聞いたのは、イスパヴォックスから出ていた「スペイン古楽集成」の中の、ジョルディ・サヴァールが弾いたディエゴ・オルティス作曲の『レセルカーダ集』が最初でした。(以上の解説はこちらより)

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2009年4月 3日 (金)

ジョルディ・サヴァールの至芸

古楽の方は余り得意ではないのですが、エスペリオンXXを率いるジョルディ・サヴァールのセファルディー音楽については触れておかなければいけないように思います。ヴィオールを弾く彼のビデオを見つけましたので、アップしておきます。古いデータだと思いますが、90年代の初め頃出たDeutsche Harmonia Mundiからのセファルディー音楽の2枚組には、とりわけ鮮烈な印象を持ちました。今日のyoutube後半の増2度音程が特徴的なメロディは、明らかにユダヤの旋律。すぐに曲名と収録盤を思い出しませんが、確かにセファルディー民謡アルバムで女性歌手が歌っていた曲。もの哀しげな印象は、かなりインパクト大だと思います。タイトルは「ムーア(モーロ)人の踊り&ディアスポラのセファルディー」になります。曲名はI. Alba. II. A la una yo naci.とありました。2曲目は、確かに記憶あり^^ 演奏者は、Jordi Savall. Rolf Lislevand. Arianna Savall. Pedro Estevan. サヴァールは、スペイン音楽のルーツを掘り下げる内に、「セファルディー音楽の宝」を掘り当てた一人と言えると思います。

Danzas Moriscas & La diaspora Sefardi / Jordi Savall

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2009年4月 2日 (木)

アミナ・アラウィ

アミナ・アラウィはモロッコの女性歌手で、2003年に来日しコンサートもかなり話題になりました。アンダルス音楽中心の演目だったようです。(後で来日を知ったため私は残念ながら行けませんでした) その時の録音はワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリーの一枚に収められています。この盤は来日直後から数年は単発盤で出ていたもの。
彼女のビデオは数日前に一本アップしましたが、他のクリップも見てみたいと思います。youtubeに見られるのは、来日後の活動のものが多いように思います。1本目では、アンダルス音楽からの影響を受け継いでいると思われるアンダルシアのフラメンコやポルトガルのファドを歌っているような映像も見えます。しかもスペイン語の何と流暢なことでしょうか。
2本目のHija Miaは、セファルディー(スペイン系ユダヤ人)の民謡。哀愁味溢れるセファルディーの歌は、80年代前半に来日したEsther Lamandier(エステル・ラマンディエ)の頃から、日本でも受けが良かったと思います。最近ではアラブ・ユダヤ共通の遺産としてアラブ人歌手が取り上げるのを時折耳にします。
3曲目のlamma badaは、昨今の日本のベリーダンス~アラブ音楽シーンでも、一番人気ではと思われる美しい歌。これはアラブ・アンダルシアの古いムワッシャハ(恋愛詩)ですが、ユダヤ関連との説もあったと思います。
4本目はAuvidis Ethnicから出ていたyoutube映像のジャケットの音源ではと思われますが、現在は残念ながら廃盤だったと思います。典型的なアンダルス音楽の悠久の調べに乗せて歌われる繊細で優しい節回しが良いですね^^

AMINA ALAOUI

Amina Alaoui - Hija Mia

amina alaoui (lamma bada)

Amina Alaoui, Ahmed Piro et son orchestre- Ra3a Laho

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2009年4月 1日 (水)

アンダルス音楽のTV映像

今日のビデオは、おそらくネットのライヴTVの録画だと思います。一本目はテトゥアンのアンダルス楽団の伴奏で女性歌手達が歌っています。2本目はアルジェリアの女性歌手カリマとアメルのデュオ。大衆歌謡寄りですが、音楽的には明らかにアンダルス音楽系。昨日のサリム・ハラリもそうでした。
こういうアンダルス音楽の映像はアルジェリアのネットTVでもよく見かけます。4、5年前の記憶ですが、日本時間だと日曜の朝辺りに古典的な音楽の番組が多かったように思います。しかし一本目、余りナウバ的でないようにも思います。そこが逆に興味深いところ。(今日はブログを書いている時間がなくなってしまいまして・・・ m(_ _)m)

Andalusi Orquestra! Marruecos !!

Karima & Amel - Riad El Andalous

Karima & Amel - Riad El Andalous

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