クッバンチーのイラキ・マカーム
カイロ会議の話題から、少しイラクに飛んでみます。イラクの古典音楽イラキ・マカームというのは、クルド・マカームの場合と同じで、旋法を指すと同時にレパートリー自体をも指しているようです。イラキ・マカームは、アラビアン・ナイトの成立した頃、つまりアッバース朝の時代にも遡る部分も残していると考えられるバグダッドの都市歌謡ですが、ご存知の通り、相次ぐ戦争でその継承者が激減しているのではと危惧されます。
往年のイラキ・マカームの名歌手ムハンマド・エル・クッバンチー(ムハンマド・アル・ガバンジとも 1901-1989)は、例のカイロ会議のイラク代表団の中心人物のようで、ディスクアラブからCDが2枚出ていました(Mohamed Elkabbandji / Le Maqam en Irak Vol.1,2 - Congres du Caire 1932)。絶妙な間を生かした歌(語り?)と弦楽器などの合いの手を聴いていると、日本の義太夫や新内のような浄瑠璃を聞いているような錯覚を覚えます。イラキ・マカームの合奏団には、ペルシアからの影響としか思えないサントゥールが入っていて、浮遊感のある微細な音程と音色は、フリーリズムの歌の幽玄美と共に最も印象に残るものではないかと思います。弓奏のジョザの音色もケマンチェとも一味違った良さがあります。一本目はマイミクのAさん(ご主人がイラクの方で、「クッバンチー」という呼び方はその時Aさんからお聞きしました)から大分前に教えていただいていたyoutube。原語で検索しないと出てこない貴重なビデオで、本日ようやくアップのタイミングと相成りました^^
なおここ数日の参考文献は水野信男氏の「中東・北アフリカの音を聴く」(スタイルノート)です。
m. alqobanchi - iraqi abothia
何と伴奏は、ウードのムニール・バシールとヴァイオリンのジャミル・バシール。これは珠玉の一本です! Violin : Jamil bashir Oud : Monir bashir
mohamed alqobanchi part 1 Iraqi maqam
ここではサントゥールではなくカーヌーン伴奏ですが、これもとても素晴らしい演奏。
mohamed alqobanchi part 2 - iraqi maqam
1 iraqi song
以下2本は1964年の映像のようです。
2 iraqi song
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