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2009年7月

2009年7月31日 (金)

ソンガイの踊り

昨日はうっかり日付をまたいでしまいましたので、31日付けで2本目のブログになります。今日はソンガイの踊りを。縦笛で吹かれるメロディは日本の民謡に余りに似ていてびっくりです。侘び寂び感が堪りません。衣裳も何か独特なものに見えます。サハラ~エチオピアにかけては、日本の民謡に似た5音音階が多い訳ですが、どこかより古風で懐かしいような感じがします。周辺のハウサやフルベとの類似点、異なる点が少しでも見えてくればと思いますが。いずれも画質が悪いのが残念です。

Old Songhai dance (Zarma/Djerma)

Songhai (Djerma) Dance

Djermaという名はダンス・カンパニーとして聞いたような気がします。そうかソンガイだったか、と思い出した次第(笑) This is an old clip of a Songhai dance from Tillaberi, Niger, West Africa. Was taped off Nigerien TV.

History Songhai Empire Medium

ソンガイの歴史についての、昨日のより詳しくて画質の良いビデオ。

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ソンガイの音楽

マリ帝国の後に西アフリカに登場したソンガイ帝国の末裔はソンガイ人ということになるのでしょう。ソンガイ人は、昨日のマリの人口構成ではわずか6%でした。マリ帝国の叙事詩はマンデ(マンディング)のグリオが語り継いでいますが、ソンガイの叙事詩に当たる録音は仏Ocora盤(Niger - Epopees zarma et songhay  by Jibo Baje)位でしょうか。ソンガイ帝国の歴史を語り伝える現在では数少ないグリオの演奏でした。しかもマリではなくニジェール側のソンガイでした。
グリオの中心的な存在はマンデ族(細かく分けるとマレンケ、バンバラ、ジュラなど)が多い訳ですが、マンデは先日の地図の区分ではニジェール・コンゴ系に入るのでしょう。一方ソンガイは一般にナイル・サハラ語族と言われています。サハラの先住民に当たる民族が所属しているグループです。
という訳で、明日からもう少しソンガイを追ってみます。

Ketama/SongHai with Toumani Diabate on kora

ソンガイのグリオでしょうか? ソンガイでも映像のようなマンデを強く連想させるコラを手にするのかどうか未確認。上記の仏Ocora盤では3弦のモーロという弦楽器でした。

African Empires: Songhai

ソンガイの歴史について。音楽はロックですが。

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2009年7月29日 (水)

トンブクツーのマンデ系?

マリと言えば、80年代ワールド・ミュージック・ブームの中心的存在だったサリフ・ケイタやアリ・ファルカ・トゥーレもマリ出身ですし、ここ数年大人気の北東部のティナリウェンはトゥアレグですし、かなり異質な音楽が共存している国という印象が強いかと思います。トンブクツーはちょうど中央部辺りでしょうか。南北のサハラの道だけでなく、東西に流れる唯一の大河ニジェール川の水運でも色々な文化が混交してきたようです。そこで、今日はトゥアレグやフラニ以外ではないかと思われるトンブクツーのビデオを見てみます。

Danses folkloriques de Tombouctou

大分前に一度アップした映像ですが再度アップ。インパクトの強い踊りと衣裳です。マリの民族構成ですが、こちらを見ますと、マンデ(マンディング)族が一番多いようです。この映像も、いかにも黒人系のイメージですから、マンデでしょうか?  ユーユーが聞こえますが、この辺が南限でしょうか。

Sekouba Bambino, Desert Festival, Essakane, Tombouctou 2006

これは明らかにグリオ系の音楽でしょう。ということは歌手(セクバ・バムビーノと読むのでしょうか)もマンデ系?  涼しげで雅びなメロディライン、コラを模したようなギター演奏などがいかにもグリオ音楽的です。

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2009年7月28日 (火)

トンブクツーのディーヴァ

マリの古都トンブクツーの4日目、今日はこの地のディーヴァの映像を。ハイラ・アービー、あるいはアルビーと読むのでしょう。タグはSonghay, Fulani, Tuaregとなっていますが、まずトゥアレグではないように思いますので、ソンガイかフラニどちらかの出身でしょう。フラニ(フルベ、またはプールとも)はサハラ~サバンナの雑多な遊牧民族を指しているようですが、ソンガイは「アフリカの言語地図」で先述しましたナイル・サハラ諸語の一つとされる民族。マリ帝国の後に興ったソンガイ帝国の住民の末裔と思われます。ハイラ・アービーさんがソンガイ、フラニのどちらか分らないのは残念ですが、一まず彼女のホットな歌声をお楽しみ下さい。

Khaira Arby-Tombouctou

the Timbuktu diva Khaira Arby : desert blues

Mali - Khaira Arby - Tombouctou.flv

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2009年7月27日 (月)

トンブクツー 面白映像

サハラの印象的な町、マリのトンブクツーの3日目。今日はハードスケジュールで頭が海胆になりそうで・・・(笑)  かなりへろへろ状態ですが、それでも二本アップしておきます。

Tuaregs & camels, Desert Festival, Essakane, Tombouctou 2006

例によって青い頭巾を被ったトゥアレグが駱駝に乗っていますが、トンブクツー近郊の駱駝のコンテストでしょうか? しかし何と走るのが速いことでしょう! 驚きました。しかも可愛いですね(^-^) 動物好きの私は思わず和んでしまいました。

gnawa diffusion Timimoun Tombouctou

現代的なモロッコのグナワ音楽の雄、グナワ・ディフュージョンの演奏。ティミムーン(アルジェリアのググララ地方)と共にトンブクツーも歌詞に歌っているようです。黒人系のグナワの先祖は、正にトンブクツーやティミムーン辺りを通ってモロッコに移住させられたのでしょうから、思い入れの強い町なのかも。しかし音楽はグナワと言うよりもレゲエ的ですね。

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2009年7月26日 (日)

トンブクツー

ここ数日、北アフリカの遊牧民族の足跡を追っています。ブラック・アフリカの音楽も公平にとも思いますが、なかなか下調べ等大変にもなってきますので、ナイル・サハラ語族以外はまた後日ということにしたいと思います。
トンブクトゥのビデオ、世界遺産の町だからでしょう、色々ありましたので、数日かけてみようかと思います。実はこの町はサマルカンドなどと並んで個人的に憧れの場所の一つでした。ウィキペディアに「ティンブクトゥという言葉は、「異国」や「遠い土地」の比喩として使われるようにもなった」とありましたが、正にそんなイメージで見ていました。表記ですが、ティンバクトゥよりも、トンブクツーと書いた方が日本では通りが良いかも知れません。その方が「異国」のイメージが増すかも。とにかく、「トンブクツー」という音を聴くと何故か心躍ります(笑) どこかで読んだものの影響だと思いますが、失念してしまいました。過疎化、砂漠化の進む現在も、トゥアレグを始め色々な民族が行き来する魅力的な町であり続けているようです。

Tombouctou

7 NOUVELLES MERVEILLES DU MONDE : TOMBOUCTOU

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2009年7月25日 (土)

サハラの古都 トンブクトゥ

マリにある砂漠の中のオアシス都市、トンブクトゥはトゥアレグが興した町のようですが、その後ソンガイ帝国やマリ帝国などがこの地を中心に興亡。アラブ世界と黒人世界の境目にあり、交易都市として発展した町でした。世界遺産の遺跡も有名ですが、現在は貧困の中どんどん人口も減少しているようです。温暖化の影響で、気候もより砂漠化が進んでいるのかも知れません。しかし、この地には今でもトゥアレグが往来し、youtubeではサハラの風がごうごううなる中での踊りと歌声を披露してくれています。英語ではティムブクトゥと綴るようです。

Tuareg Dance - Timbuktu Mali

This is a video of a Tuareg music presentation in January 2007. Filmed in Mali, north of Timbuktu

Tuareg women musicians with strange dancers, Timbuktu, Mali

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2009年7月24日 (金)

ニジェールのハウサ族

今日はニジェール南部のハウサ音楽に行ってみます。同じハウサなのに、マッチョな印象の(思い違いかも知れませんが)フジとは全く趣きの異なる音曲があって、興味尽きないものがあります。特にゴゲの音楽は、西アフリカのグリオ音楽に似た感じですが、パトロンへの称賛よりも、精霊との交信に重きを置いているようです。
今後は民族別に辿って少しずつ北上する予定です。ハウサ~ソンガイ~もう一度フラニ~チャドに入ってナイル・サハラの民族、その後トゥアレグ~ベルベルと戻ろうかと考えております。謎めいたナイル・サハラについても、少しずつ見えてくると良いなと思っています。

Harouna Goge - Hausa Harakoy Dikko

仏Ocoraから出ている「ハルナ・ゴゲのデンディの吟遊詩人の音楽」から。ニジェールに住むハウサ族の一弦の擦弦楽器ゴゲ中心の弾き語りで、楽器の名を名前に入れたハルナ・ゴゲは、弾き語りを聞かせる名人です。デンディとはニジェール南西部からベナン北部にかけての地方名。今まで聞いたニジェール音楽で、一番のお気に入り。地味で淡々としていますが、味わい深い演奏です。

Traditional Hausa Street Music

こちらはNonesuchの「サバンナの響き」から。ハウサとソンガイの音源が入っていました。

The Hausa

各国のハウサ族についての優れたビデオ。とてもよくまとまっています。
This is a very quick intro on the Hausa people and Hausa speakers. There's a few interesting bits of information about the history and stats of the Hausa and Hausa speakers across Africa. Hausa is one of the most important Lingua Francas in West Africa.
The soundtrack is made up of a few excerpts of various traditional Hausa music, as well as a track I composed on FLStudio.. I call it "Bori beat 08" lol

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2009年7月23日 (木)

ナイジェリアのフジとジュジュ

ナイジェリアの音楽には疎いので、少し調べてみました。ある本にはフジは北部のハウサ族の音楽、ジュジュは南部のヨルバ族の音楽とありましたが、フジもヨルバ起源だとする説の方が多いようです。どちらが正しいのでしょうか? 今日は比較のために、フジ・ミュージックの帝王と言われたシキル・アインデ・バリスターと、JUJUの創始者と呼ばれるトゥンデ・ナイティンゲールの映像を上げておきます。

Dr Sikiru Ayinde barrister - Aiye 1

Dr Sikiru Ayinde Barrister (Mr Fuji)

Tunde Nightingale ~ "The Original 'Owe Nbe' Sound" (Vol.1 Side 1)

Tunde Nightingale was perhaps the first musician to become a hit performer playing juju in the post World War II period. His particular spin on juju was known as "s'o wa mbe" (is it there?), a slightly risque reference to the beads worn by women under their clothes to make their dancing more sensuous. ~ Leon Jackson, All Music Guide

Born in Ibadan in the 1920s, his contemporaries included Ayinde Bakare, I. K. Dairo and Dele Ojo. Nightingale was credited with the Owambe system, which was popular among Lagos socialites, who eagerly sponsored him on a tour abroad. When he returned, he signed with the TYC label and recorded over 40 albums in his career. Modern stars like King Sunny Ade and Queen Ayo Balogun continue to be influenced by his style. Apart from the fact that he "sounded," literally, like the proverbial singing bird, "Nightingale," he also kept a live Nightingale bird in his home. ~ Wikipedia

Kyawawa

おまけで、ハウサのフィルム・ソングを昨日に続いてもう一本。フジやこの歌など、ハチロク(8分の6拍子)と取るのでしょうか。しかし彼女らの顔立ちを見ると、この辺がサハラのハム系とブラック・アフリカの境目だなと強く感じます。どこかインドの映画音楽に似ているのも不思議。

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2009年7月22日 (水)

ハウサの映画音楽+ダイヤモンドリング?

090722_11440001

サハラ音楽の調査にしては、ナイジェリア北部のハウサまで来ると南下しすぎですが、ものは序ですから少し見ておきます。ハウサの音楽と言えば、何といってもフジが有名。伴奏はトーキング・ドラムのような可変性の音程の打楽器が中心で、キー(調性)を表す楽器がほとんど何も入らないのが大きな特徴でしょうか。強いて言えば、コーラスだけかも。そして3拍子系(あるいは3連譜)のリズムが多いように思います。ハウサでは映画が盛んなのでしょうか、主題歌のようなビデオがかなり見つかります。ということで、1本目に映画の歌、2本目はフジを上げておきます。

今日は日食一色の日でもありました。伊予では87%くらいかけていたようです。雲間から覗く太陽を撮ったら、少しダイヤモンドリングのようにも見えました(笑) 併せて載せておきます。次の皆既日食は26年後だそうですが、それまでこのブログが続いていたら、どうなっているでしょうか(笑) 記事数は単純計算で一万超。次ぎは本物のダイヤモンドリングを見てみたいものですが、もう古希過ぎですからね(^^;

 

PASUMA ALABI-FUJI GYRATION

hausa movie song (Ranan mourna)

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2009年7月21日 (火)

アフリカの言語地図

リビアのトゥアレグから、トゥアレグ繋がりで西に戻るつもりが、何かに引っ張られたかのようにニジェールからどんどん南下しています(笑) 
Nilosaharan 昨日ニジェール・コルドファンなどという専門用語を出しましたので、今後の参考のために、この辺でアフリカの言語地図(下記のナイル・サハラ諸語のWikipediaより)を見ておきたいと思います。これまで北アフリカのセム・ハム語族(現在はアフロ・アジア語族の方が通用しているようです)の世界を4月以降巡ってきた訳ですが、セム・ハムの焦茶の南にはニジェール・コンゴ語族(ニジェール・コルドファン語族というのは旧称か?)の世界が広がっています。特に南部アフリカのコイサン語族(ブッシュマン等)を除く薄茶の所は、バントゥー語族の世界。何といってもバントゥーが黒人のイメージの中心的存在だと思います。そして、以上のどれにも入らないナイル・サハラ諸語というグループ(地図の黄色)が内陸にいます。アラブが入ってくる前の北アフリカの先住民としては、ハム系のベルベルやナイル・サハラ語族のチャドのテダ族などがいます。リビアの時に出てきた黒人は、ナイル・サハラの人々だったようです。
またいずれ個別に廻る予定ですが、今日はフラニの南にいるハウサ族の歌を上げておきます。ナイジェリア北部からニジェール南部にいる民族ですが、ハム系(アフロ・アジア諸語)のチャド諸語に属するようです。バックで踊っているのは黒人のようですが、女性歌手を見る限り確かに黒人とは言えないように思います。

Hausa-Fulani music from Nigeria

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2009年7月20日 (月)

フラニの歌

遊牧の民、フラニ(フルベまたはプールとも)族は、サハラ中西部だけかと思ったら、モーリタニアからスーダン~エリトリアまで、つまり大西洋から紅海まで移動しているようです。色々見れば見るほど掴み難く思えてきますが、トゥアレグの音楽と共に所謂「砂漠のブルース」のイメージど真ん中で、彼らの歌はペンタトニック(5音音階)がほとんどのようですから、どこか懐かしげな日本民謡に似た感じに聞こえる歌が多いようです。更に南のニジェール・コルドファン語族(バントゥー・ニグロなどの黒人の中心地)が住む地域の歌もペンタトニックが多いように思いますが、サハラの場合はもっとストレートに日本人の心にも飛び込んでくる節だと思います。

Fulani Girls Singing - 1

ニジェールのフラニ族の少女による合唱。

Gaynaako (The Herdsman)

例のワダベ族の若者たちの歌のようです。This song is in Fulfulde Bororo (Bororo Fulani) or Wodaabe. Woda in Fulfulde means Taboo. This song is known as Gaynaako or the Herdsman in Fulfude (spelled as Ngaynaako in French speaking Africa if you're from Mali, Senegal, Niger, Guinea, Benin, Togo, etc.)

Segalare

こちらはマリのフラニ族の吟遊詩人の演奏。仏Ocoraの「マリの吟遊詩人 フラニ族のホッドゥ」より
サハラ砂漠南部のサヘルを放浪してきた遊牧民のフラニ族(フランス語でプール族)のグリオの弾き語り。手にしているのはギンブリにも形が似ている4弦ギターのホッドゥ(低音ではないが)。こもった音色のサワリのある弦の音が独特で、ヨナ抜き短音階(三味線音楽や演歌に多い)に似た冒頭の曲などは何処か懐かしげ。4人のサッレ姓を名乗るグリオの演奏。昨今人気の「砂漠のブルース」近辺のファンの方は要チェック! 2002~4年マリ中部での現地録音。I'm sure some of you are familiar with this song. It's the same Fulani song you see on Ali Farka Toure's Radio Mali CD, although it's spelled differently as Seygalare. This song was composed with Hoddu player Nassouru Hamidou Sarré. He was the same Hoddu player on several songs on the Radio Mali CD.

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2009年7月19日 (日)

ニジェールのフルベ音楽

昨日はワダベ(またはウォダーベ)族の若い男性による有名な「求愛ダンス」をアップしましたが、彼らの他の音楽状況も少し追ってみようかと思います。まず民族名のワダベは自称で、他称はボロロと言うようです。ワダベは、国境に関係なくサハラ西部の南縁辺りをさすらう遊牧民フルベ(フラニ、またはプールとも)の一支族。フルベは人口600万(90年代の統計ですが)を越える大きな遊牧集団で民族的には単一ではないようですから、ワダベのルーツは昨日のyoutubeにあったように、ベルベルにあるのかも知れません。ワダベの音源ですが、仏PLAYA SOUNDの「砂漠のノマド」だけでなく、仏Ineditからは上記のダンスが披露される7月の大祭ウォルソを収録したCD(97年パリでのライヴ)が出ていました。

Fulbe Nige

例の化粧をした若者もバンドに参加。やはりインパクト特大かも(笑) 昨日のヘテロフォニックな合唱と音階的には同じだと思いますが、こちらは随分と大衆的な印象。顔立ちが様々ですが、フルベの色々な支族が混合しているのでしょうか。

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2009年7月18日 (土)

サハラのイケメン・コンテスト

リビアのトゥアレグを、と思っていましたが、音楽や踊りのビデオはさほど見つからないので、後日にしようと思っていたニジェールのワダベ族(cf.こちら)の映像に行ってみます。彼らの映像は非常にインパクト大で、かなり有名だと思いますから、TVなどでご覧になられた方も多いことでしょう。ワダベ族はベルベル~トゥアレグの一派のようですが、顔立ちは黒人的な要素からはかけ離れていて、色が黒いのを除けば西洋的と言えるほどだと思います。実は、美しく着飾ったコンテストの主役は長らく女性だと思っていまして、美男コンテストだったと知ったのは、大分経ってからでした(笑) 彼らの音源はというと、20年ほど前に仏PLAYA SOUNDからプール(フラニ)族のCDが出ていて、それはワダベ(Wadabe)だったように記憶しています。現在は廃盤だったと思いますが、仏Air Mail Musicシリーズで復活しているかも。今日のビデオのような合唱?が収録されていました。

Saharan Black Man of North Africa. Yes - they are Black too! 3 of 3.

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2009年7月17日 (金)

シェリファに似たアマジグ女性歌手たち

昨日シェリファの名が出たからでしょうか、お薦めにかなり似た感じの女性歌手が入ってきました。こういう発声と声色は、モロッコのアマジグ(ベルベル)の伝統的な歌に特徴的なもののようです。円筒形のフレットが目を引く弦楽器ウェッタール?の間を生かした演奏も素晴らしいです。モロッコはベルベル人口の比率がマグレブで一番高いそうですが、確かに今日のような歌唱を聞くとアラブの音楽といかに異質かが分ります。モロッコの場合、狭義のアラブ的な音楽はあるんだろうかと思ってしまいます。その位、ナウバとグナワ、今日のような山岳地帯のアマジグ音楽のインパクトが余りに強い国です。
リビアの場合は、アラブ音楽の中にアマジグの要素が見え隠れしているのでしょうか・・。
明日からはまたしばらくリビアに戻ります。

Amazigh music from morocco 5

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2009年7月16日 (木)

هاله محمود ..كامل الاوصاف ... رفاقة عمر 2007

ここ数日はリビア関係をチェックしていますので、色々とお薦めビデオが上がってきますが、今日の最初の2本は特に良かったので、それを中心にアップしておきます。リビアのトゥアレグは明日以降もう少し探索してみたいと思います。
一本目のお囃子?の男性陣は、一昨日の男性の踊りを思わせる微笑ましい感じですが、それとは対照的な、キリリと勇壮な女性の歌声に何とも抗い難い魅力があります。東のエジプトやレバノン、西のアルジェリアやモロッコの歌謡とも一味も二味も違う歌唱です。そのハイテンションさと独特な声色からは、フリーリズムのアラブのマウワルとか、モロッコ・ベルベルのシェリファの歌声などを思い出します。畳み掛けるような強靭なリズムに乗って歌われるパワフルな歌。これはリビアの遊牧騎馬民族的なリズムでしょうか? 特にベース音の入り方が、月並みな表現ですがカッコイイです。キーワードはリビアの他に西部の首都トリポリと東部のベンガジ。チャンネル登録者はベンガジの人のようです。歌自体がどちらになるのか、もっと背景を知りたくなるような、驚きの歌唱です。

هاله محمود ..كامل الاوصاف ... رفاقة عمر 2007

هاله محمود .. يشيب هذبها... رفاقة عمر 2007

ذكري : وصلني جواب

こちらはもっとポップな歌唱。しかしポップスでもリビア独自の魅力がありますね。こうして色々視聴できるのはyoutubeのお陰ですが、CDがトゥアレグ以外見当たらないのは残念。

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2009年7月15日 (水)

リビアのトゥアレグ

なかなか見つからないと思っていましたが、キーワードを変えたらリビアのトゥアレグ関係もかなり出てきました。トゥアレグは、ベルベル系の遊牧民。居住地域は左記のウィキペディアをご覧下さい。トゥアレグの音楽と言えば、昨今大人気のマリのティナリウェンが有名ですが、地図の通りアルジェリアやニジェールの方が居住面積が広いんですね。ブラック・アフリカに入るブルキナ・ファソ(旧オートヴォルタ)にまで住んでいる点は要注目かも知れません。ニジェールのグループは一昨日アップしましたが、それぞれ音楽的にも少なからず違いが見えます。

Tuareg Dancing near Ghadames, Libya

トゥアレグのシンボルとも言える頭巾(青かどうかは不明)を被った、トゥアレグらしい勇壮な踊り。毎年10月に開かれるというガダメス文化祭の一こま。正にサハラ上の芸能祭のようです。The Ghadames Cultural Festival is held in Libya in October each year. On the last afternoon everyone went to the dunes to watch the sunset. The Tuareg put on a dancing display. (Sorry it finishes abruptly - my camera is limited to 3 minutes.)

Libya Gat Festival Tuareg
Traiano Camper Club 2007 と解説にあります。こちらは夜の祭典のようです。

Tuareg dances, imzad and bendir

やはりこういう風景の中での野外演奏が本来の姿。素晴らしいです。

tuareg tribe

トゥアレグも他のベルベル人と同じで、アラブが入ってくる前の北アフリカの先住民ということになるのでしょうが、アラブ的な顔の人、黒人的な顔の人等、実に様々。

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2009年7月14日 (火)

巴里祭+ファニー・リビアン・ダンス

関東は梅雨も明けたそうですが、もう少しの伊予でも前倒しの夏の到来で猛暑の毎日です。4日後には宮古の民謡(神歌と古謡)を聞く機会があって、ちょっと聞いてみたかったのですが、今回も上京は果たせず。先日偶然に知りましたが、何と最後の<東京の夏>になってしまったようで、残念至極です。今後は更に上京の足が遠くなってしまいそうです。

ところで今日は7月14日、巴里祭です。去年に続いて今年もパリ祭関係を見て、その後リビアを一本。パリ祭については去年の同日の記事をご覧下さい。やはりPhewさんの歌唱のものが見つからず、残念でした。代わりに日本のシャンソン歌手のかなり古そうな映像と、東急文化村のカフェ、ドゥ・マゴのCM映像。サルトルなどの文化人も集ったと言うカフェ・ドゥ・マゴの日本版のような店ですね。

Bunkamura ドゥ マゴ パリ祭 2009

「Bunkamura ドゥ マゴ パリ祭 2009」のテーマ曲&告知CMです。制作は「アトリエ・シエスタ」。「アトリエ・シ エスタ」オリジナル・キャラクター「ポンポンズ」と「ポン・マッシロ」がお届けします 。 http://atelier-siesta.cdx.jp/

パリ祭―上月晃(宝塚)//ラ・メールー芦野宏

司会の松坂さんの若さに何よりも驚きました。

funny libyan dance

連日リビア関係を見ていたので、推薦ビデオとして上がってきました(笑) 何とも言えず楽しそうです(^-^)。

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2009年7月13日 (月)

リビアン・ジュー

リビアで探していたら珍しい映像が出てきました。リビア系ユダヤ人のシナゴーグでのユダヤ教典礼の模様で、ユダヤ新年の最後を飾るスィムハット・トーラーの一こまのようです。解説の英文によると(綴りが怪しげですが)、リビアのユダヤ人はセファルディームではなく、どうもミズラヒームに入るようです。

libyan jews from yefren to moshav uza

冒頭はハドガドヤー? hakafot simahat tora with the tradition songs of jews from yefren,when they left there before 60 years , they lived there for 2000 years at list

libyan jews yefren making slihot

冒頭のように、誰からともなくヘテロフォニックに読み上げられるピユートの歌声が、典型的ユダヤ教宗教歌のイメージ。yoval tayeb at moshv uza making slihot before yum kipor,the piyut is libyan yefren jews

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2009年7月12日 (日)

リビアのイマジゲンとニジェールのトゥアレグ

リビア・シリーズ、次はベルベルとトゥアレグに行ってみたいと思いましたが、演奏のあるビデオがなかなか見つからず。トゥアレグはアルジェリアとマリ、ベルベルはモロッコやモーリタニアのグループのものは相当数ありますが。今日は比較的近いニジェールのトゥアレグ・グループKoudedeを一本アップしておきます。

Koudede - Souvenirnam

トゥアレグの言語はベルベル系のタマジット語とも近いタマシェク語のようです。文字は同じに見えますが。音楽は、マリのティナリウェンをもっとアフロ的にした感じ。ニジェールのトゥアレグは、いずれちゃんと調べてみたいものです。

Amazigh PEOPLE LIBYA

リビアのアマジグの女性が次々登場しているようです。マグレブに入った頃に少し触れたように、アマジグとはベルベル人の自称で、複数形のイマジゲンの方が広く知られていると思います。ベルベル諸語は、アラビア語を中心に、イスラーム化以前のローマ帝国のラテン語、ヴァンダル王国のゲルマン語などの影響も受けているようです。当然複雑に混血もしたのでしょう、人々の顔立ちも様々。

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2009年7月11日 (土)

リビアと上エジプトの打楽器と音楽

今日はリビアの打楽器関係を中心に。最初は上エジプト(南エジプト)、ヌビアの所謂「ナイルの音楽家」のノリに近いようにも思いましたが、リビアの場合は明らかにアフロの要素が入っているように思います。この陽気さからは、トゥアレグよりも更に南のアフロを感じます。とても生き生きとして魅力的な音楽です。イラン南部の黒人系音楽や、カッワーリ辺りとの聞き比べも面白そうです。ヌビアのものと思われる映像も最後に2本一緒にアップしておきます。

Libyan drums

短いですが、興味深いリビアのドラム・アンサンブル。

Libyan dance

こちらは踊り映像入り。

Libya wedding dance part two

チュニジアに近い沿岸部の首都トリポリ近郊でも、こんなにアフロ色が強いとは驚きました。while walking around the old city in tripoli, i came accross a wedding dance outside a hammam - bath house - where brides are taken before a wedding.

Libyan wedding dance part three

الفنان الشعبي شوقي القناوي تحياتي لكم صابر كولة

ナイルの音楽家の古い映像のようです。彼らのエキサイティングな演奏は、仏OcoraやRealWorld盤でワールド・ファンにはお馴染みだと思います。ウム・カルスームの曲をやってることもありました。ベリーダンスのルーツの一つ、ガワジー・ダンスの伴奏音楽も担当していたようです。

الفنان الشعبي محمد الشو بكي بيغني لي الرئس حسني مبارك تحياتي صابر كولة

歌がメインですが、これも素晴らしい。棒を使った踊りはベリーダンスに継承されているタイプのルーツでは。

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2009年7月10日 (金)

リビアでの現地録音

更に探していたらリビアの現地録音(録画)ものがみつかりました。こんな生々しい現地の映像が見られるとは、本当に驚きです。情報の少ない国の場合は、特にそう思います。2本目は、より南の方の映像のようにも思いますが、いかがでしょうか。

rujban libya zukra music

ズクラというのは、ジクルのリビア版でしょうか? だとしたら回る所はスーフィー的と言えるのかも。

زكرة الخمس 2

マットブッチのようなバグパイプは同じですが、太鼓はニジェール~ブラック・アフリカ色が出てきているように思います。これもタグはZokraです。

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2009年7月 9日 (木)

リビアの民謡、レゲエ、コメディ

リビア関係、こんなに色々見つかるとは正直思ってなかったです。今日も興味深い何本かをご紹介しておきます。

Traditional Libyan Music

マルーフ系の音楽のようですが、打楽器の深い音と重いリズムにサハラを強く感じます。そこがマグレブ3カ国のアンダルシア音楽との違いでしょうか。

Traditional Libyan music

現代的なアレンジのリビア伝統音楽。new libyan traditional music remixed by Ahmad Benali. Hope you enjoy!

libyan show kawshi ya kosha 4

リビアの吉本?(笑)  言葉は分らなくても、何となくつられて笑いが出ます(笑) リビア大衆の逞しいヴァイタリティを感じます。

elhisnawi Libyan Ragae Music

ストレートにリビアン・レゲエと題されています。映像は韓国ドラマでしょうか? 何か関係があるのでしょうか?(笑)

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2009年7月 8日 (水)

リビア音楽とレゲエ

リビアの音楽を見ていて意外なことに気付きました。ポピュラー音楽~アラブ歌謡の類になるのだろうと思いますが、レゲエやダブのリズムが結構使われている点です。これはちょっと驚きでしたが、もしかしたら既によく知られていることでしょうか? ボブ・マーリーやサード・ワールド位なら80年代前半に聞きましたが、それ以降のレゲエには全く疎いもので。リビア音楽の跳ねるようなリズムにレゲエをはめてみると、たまたまピッタリだったということでしょうか? また一つ謎が増えました(笑)

سبحان لى هنتك و هونتي  - Libyan music

مصطفي البتير : نقول يا من

この国には、ストレートの長い黒髪の女性が多いのでしょうか。

قدورة حبيب (المجروده)

これはルーツの民謡的な音楽でしょう。音頭風の跳ねるようなリズムは、なるほどレゲエによく合いそうです。

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2009年7月 7日 (火)

リビアのマルーフ等

リビアの珍しいビデオ、まだまだありまして、マルーフ以外にも色々あります。昨日書きましたように音源の記憶はトゥアレグもの位しかありませんが、見たことも聞いたこともないようなリビアのアラブ音楽ものがぞろぞろと見つかります。こんな所に改めてyoutubeの凄さを感じます。

Maloof Libya

リビアのマルーフのようです。ユニゾンの合唱で歌われていますが、チュニジアよりも更に微妙にマシュレクに近寄ったような印象を覚えます。乾燥のイメージが強いリビアに、蓮の花が咲くのかという気もしますが(笑)

محمد حسن ... مطلوق سراحك يا طوير

モハンマド・ハッサンという男性歌手の歌唱ですが、これはマルーフなのか、アラブ歌謡なのか不明。おそらく後者でしょう。

Libyan Anthem

何だか飄々としたリビア国歌? でもこれはマルーフの旋律では。こうして聞いてみると、グレゴリオ・パニアグヮのやっていた古代ギリシアの音楽にも似ているかも。リビアには古代ギリシア時代の遺跡もあります。

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2009年7月 6日 (月)

チュニジアからリビアへ

そろそろ東のリビアに移ろうかと思います。その前にチュニジアとリビアのマルーフを比較できそうなサンプルが見つかりましたので、アップしておきます。アンダルシア音楽のマルーフは、リビアでも伝承されているのは聞いたことがありましたが、youtubeで確認するのは今回初めて。一本目にチュニジア、二本目にリビアのサンプルを上げておきます。チュニジア版も、今日の一本などはイレギュラーな編成で楽しませてくれます。
マルーフですが、エジプトにはないようですので、リビア版が東限ということになるようです。しかしなぜエジプトにはないのか、疑問に思ったこともありませんが、シリアのアレッポにアンダルシア音楽の伝統があることを考えれば、不思議と言えば不思議です。

Kantara-Riadh Fehri : Malouf tunisien

ウード、ヴァイオリン、ダラブッカに混じってギターが2本入っているのがユニーク。女性の歌声やメロディ、リズムは典型的アンダルシア・スタイル。カマンのように立ててではなく、西洋式に顎に挟んで演奏されるヴァイオリンも新鮮な印象を与えます。

Libyan Maloof

つい数年前まではほとんど鎖国状態のようだったリビア。ローマ帝国時代の壮麗な遺跡も大分知られるようになってきたようですが、まだまだ神秘の国の印象が強いように思います。しかし、これは本当にマルーフになるのでしょうか。ここまで編成が大きくなると、例えばワルダの歌の伴奏のようにも聞こえます。アルジェリア出身のワルダは、アラブ歌謡のようで、実はアンダルシア・スタイルという歌も歌っているようです。リビアの音源と言えば、南部のトゥアレグ族のCD位しかなかったように思いますので、これは非常に新鮮に聞こえました。

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2009年7月 5日 (日)

マジダ・エル・ルーミーsings in カルタゴ +ビッケ

昨日はヴァンダル族の歴史を描いたビデオをご紹介しましたが、ヴァンダリズムの語源ともなっているように、侵略者のイメージが前面に出ていたと思います。血も涙もない蛮族のように見えましたが、彼らは北方にいた時は、ノルマン人とも近い民族だったはず。ノルマンと言えば、6月27日の当ブログ記事のカイロ・ゲニザの件では、「12世紀にキリスト教からユダヤ教に改宗したオバディヤという名のノルマン人が中東に旅し、イラクのバグダッド辺りでユダヤ教徒の歌う聖歌を、ネウマ譜に書き付けた云々~」と出てきましたが、ヴァンダルから7世紀も下った頃にも、中東にゲルマン系のノルマン人(「小さなバイキング・ビッケ」でお馴染みでしょうか(笑))が来ていて、更にユダヤ教徒になってて等、ゲニザの内容以前に驚きの事実が次々と出てきます。大分前にロシア・マイナーの時に触れたように、ハザールとヴァイキングの関係だけでなく、中東においてもヴァイキング系民族は大きな足跡を残していることを再確認しました。上記のオバディヤというノルマン人についての来歴は見たことがありませんが、ハザールとの接触でユダヤ教徒になったのか、しかしその頃ロシアにネウマ譜があったのかというのが少々疑問ですから、実はヴァンダル人の末裔がマグレブでユダヤ教徒になったのか、どちらかではないかと思ったりもしますが。

Carthage 2001-3ardoni Zoz Sbaya_Majida El Roumi

かなり血生臭くて、込み入った歴史ものの後は、口直しに?、レバノンの女性歌手マジダ・エル・ルーミーが、チュニジア方言で歌っているビデオをどうぞ! 非常に爽やかです(笑) 先日取り上げた往年の女性歌手サリーハのレパートリーのようです。Mme Majida singing a beautiful song in Carthage festival 2001 in Tunisian accent,this song is originally by the great Tunisian singer,the late Saleha & the music band is conducted by Maestro Bassam Saleh

小さなバイキングビッケVicke the Little Viking - original japanese intro

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2009年7月 4日 (土)

ヴァンダル→アンダルシア

3月28日に「アラブ・アンダルス~セファルディーの歌」で書きましたように、ローマ帝国末期にヨーロッパ中央部に侵入し、北アフリカのカルタゴを中心にヴァンダル王国を建国したゲルマン人(あるいはスラヴ系とも)の一派ヴァンダル人(アラビア語ではアル・アンダリーシュ)の名前が訛って「アンダルシア」に変化したものと考えられています。ちょうどチュニジアに回ってきましたので、今日は音楽ではなく歴史ものになりますが、ポルトガルで製作されたドキュメンタリーをアップしておきます。

The Barbarians - Os Vândalos [ Parte 1 / 5 ] Dublado

The Vandals were a Germanic tribe that entered the eastern Roman Empire during the V century and created a state in North Africa, centered in the city of Carthage. The vandals must have given his name to the autonomous region of Andalusia (originally Vandalusia and then Al-Andalus), in modern Spain, where they temporarily settled before emigrating to Africa.

The Barbarians - Os Vândalos [ Parte 2 / 5 ] Dublado

The Barbarians - Os Vândalos [ Parte 3 / 5 ] Dublado

The Barbarians - Os Vândalos [ Parte 4 / 5 ] Dublado

The Barbarians - Os Vândalos [ Parte 5 / 5 ] Dublado

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2009年7月 3日 (金)

カルタゴとSidi Bou Said

さて、チュニジアと言えば、ジェルバ島より何より、まず一番有名なのはカルタゴの遺跡でしょう。紀元前9世紀頃にフェニキア人が立てましたが、その頃は勿論イスラームはまだ存在せず、先輩宗教のキリスト教も生まれる前でした。マグレブの地がイスラーム化して行くのは8世紀以降でしょうか。その前の紀元後の数世紀のマグレブの地では、キリスト教徒やユダヤ教徒が多かった訳ですね。現在のアルジェリア生まれのアウグスティヌスが学んだのもカルタゴでした。当時はキリスト教も、西洋化される前の原始キリスト教と言える段階で、ペルシア生まれのマニ教などのグノーシス思想や、新プラトン主義の思想が、エジプトからマグレブにかけて渦巻いていた時代。それらの古代思想が、キリスト教のみならず、スーフィズムにも影響を与えたり、逆に反発したりを繰り返していたようです。紀元後の数世紀は、スリリングで熱い時代だったと思います。(現在もその頃の名残があるのは、エジプトのコプト教会ということになるでしょうか)
そんな訳で、何かyoutubeはないかと探してみました。

Tunisia - Carthago, Sidi Bou Said

カルタゴとスィディ・ブー・サイード(おそらくこんな表記であっていると思います)の二都市を紹介するビデオ。カルタゴの素晴らしい遺跡群の後、後半のSidi Bou Saidの紹介で出てくる音楽は、昨日少し触れたClub du Disque Arabeのチュニジア・コンピレーションの一曲目です。相当有名な曲のようです。その陽気さからでしょうか、余りスーフィー的なイメージはありませんが。

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2009年7月 2日 (木)

チュニジアの歌(民謡、ポップス)

マルーフ以外のチュニジアの音楽はどんな感じなのか、これまでノータッチでしたので、今日はいくつかアンダルシア系以外を探してみました。チュニジアの音楽と言うのは、Club du Disque Arabeのコンピレーションなどを聞いても、モロッコやアルジェリアほどにはカラーが分りにくいようにも思います。それ程マグレブとマシュレクが入り混じっているとも言えそうです。また、単に民謡のように聞こえる快活な歌でも、スーフィー的な背景がある歌だったりということもありました。(例えば上記コンピレーションVol.1の一曲目ですが、お持ちの方は是非聞きなおしてみてください) 少しでも面白い歌に巡り会えると良いのですが。

Tunisia Music and Images

これは民謡的な一曲だと思います。アンダルシアの要素からは離れているように思いますが。

TUNIS-SONG

やはり民謡系のポップスでしょうか。アルジェリアのライ的な風味も感じます。

Khallouni - Saber El Rebai

チュニジアン・ポップスの男性歌手も一曲。A new romantic song By "Amir el 6arab"  Saber El Rebai's new Tunisian song 'Khallouni' from "El Ghorba" album. The video was shot in Tunisian desert.

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2009年7月 1日 (水)

ジューイッシュのマルーフ歌手

今日もアヘルミズラヒから、マルーフ関連の歌唱で、ユダヤ系歌手によるものと思われる3本を。このサイト関係のビデオは、ことごとく埋め込み禁止ですが。
中世のイベリア半島では、比較的に平和に、3つのセム一神教(古い順にユダヤ教、キリスト教、イスラーム)が共存していて、その時代の文化の精華の一つであるアラブ・アンダルシア音楽の形成自体にユダヤ人音楽家が深く関わってきたようです。離散して何世紀も経った現在でも、アルジェリアやチュニジアに、ユダヤ系歌手が多いのには驚かされます。
一つ訂正です。昨日の2本ですが、両方ともピユートと書きましたが、おそらく1本目だけでは。2本目はどうもヘブライ・ポップスに聞こえます。

Acher Mizrahi par Yehouda Zeïtoun

Acher Mizrahi par Youval Taïeb

Tasfar ou Tetrareb

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女性歌手のピユート+ココログのトラブル

今日は朝からココログのメンテナンスだったのですが、午後になっても管理画面に入れず、そのまま夜に。午後からでしょうか、ブログの閲覧すら出来なくなっていましたが、19時過ぎに復旧、21時過ぎには管理画面にも入れるようになったようです。2年近くブログをやっていますが、ここまで重症のトラブルは初めてです。単にシステムトラブルとなっていますが、何があったのでしょうか。昼間アクセス頂いた方、済みませんでした。そんな訳で見れなかったと思います。この記事を書いている今、ココログのアクセスが殺到してるのでしょうか、動作が重いです。

※30日にアップしようとしても混んでるのか繋がらず、1日になってしまいました(^^;

さて、一昨日の続き的な内容ですが、二本上げておきます。先日のアヘルミズラヒというサイトのビデオのようです。これはチュニジアではないかも知れません。カーヌーンの伴奏などで女性が歌うユダヤ教の宗教詩ピユートの歌唱です。2年余りで190前後しかアクセスのない、レアものですが、アラブ音楽とは一味違うデリケートな叙情性があります。

Azavani Dodi

Ana Beshasdekha
こちらはいかにもユダヤ・メロディという趣き。

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