Suzanne Haik Vantoura
昨日あのような書き方で終えましたが(ラマンディエ自身は「ダヴィデの竪琴」を意識していたのかどうか云々)、後でラマンディエ自身が「ダヴィデの詩篇(Psaumes de David)」というアルバムをAlienorから1992年に出していたことを思い出しました。ここ数年アリエノールの入荷が途絶えているのもありますが、17年も経つと記憶が危うくなるものです(^^;
このアルバムの解釈は、有名なフランスの女流音楽学者Suzanne Haik Vantour(スュザンヌ・アイク・ヴァントゥーラ)のもので、仏Harmonia Mundiから1976年に出たLa Musique de la Bible Revelee(解明された聖書の音楽)以来の一貫したスタイルに従ってエステル・ラマンディエが弾き語っていました。そこで弾いていたのが、おそらくキノール系の竪琴だったと思われます。(他のヴァントゥーラ関係はこちら)ヴァントゥーラで検索したら、かなりyoutubeも見つかりましたので、幾つかアップしておきます。楽譜も出ていて、コピーが手元にあります。おそらくメロディの感じから言って、東欧系の色々なニグン(HMF盤が日本盤で出た時の解説ではニギノトと複数形で書かれていましたが、これはニグンのことだろうと思います)の古いタイプから組み立てられたのではという節です。見事な解釈ではありますが、聖書の生まれた中東のユダヤ・コミュニティーの節がどれくらい考慮されているかどうかは疑問な所がありました。
The Music of the Bible Revealed - NPR Morning Edition
The Music of the Bible Revealed - Numbers 6:22-27
トーラー(ユダヤ教の根本聖典である旧約聖書の最初の5書。モーセ5書とも)から民数記の一節の朗唱。ヘブライ語テキストとその音写、英訳が添えられています。
THE LYRE OF THE ANCIENT HEBREWS...
復元されたリラ(キノール)の試奏? ユダヤ的な旋法を感じさせる調弦になっているようです。
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