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2010年1月

2010年1月31日 (日)

コル・ニドレイ

クリスマス以来、果てしなくユダヤ・シリーズが続いていて、まだまだ幾らでも伸ばせますが、どこまでやろうかと考え中です(笑) リヴァイヴァル・クレズマー界隈を取り上げ始めるときりがないので、クレズマティクスとブレイヴ・オールド・ワールドくらいにしておいて、今回はよりルーツのジューイッシュに絞りたいと思っています。
一昨日出てきたコル・ニドレイについて見てみた所、非常に興味深い何本かがありました。この曲は、一般にはマックス・ブルッフ作曲のチェロと管弦楽のための作品「コル・ニドライ」として最も広く知られていると思います。前にも書きましたが、ヘブライ語のコル・ニドレイをドイツ語風に読むとコル・ニドライになりますので、そちらの方が通りが良さそうです。特に有名な演奏は、パブロ・カザルスやジャクリーヌ・デュプレの演奏でしょうか。ブルッフ自身はユダヤ系ではなかったようですが、大贖罪日に歌われる特別なユダヤ聖歌「コル・ニドレイ」を題材に作品を書いたのは、何とも不思議としか言いようがありません。しかし、考えてみれば19世紀のクラシック音楽界には沢山のユダヤ人音楽家が活躍していましたので、非ユダヤ人でも聞く機会があったということなのでしょう。

Carlebach Kol Nidrei

ハシディック・ソングと言えば、この人を忘れてはいけません。何とラビ・シュロモ・カルリバッハ版のコル・ニドレイ!

Kol Nidre sung by Perry Como

ポピュラー歌手ペリー・コモが歌ったコル・ニドレイ。この旋律が一般に知られている有名なコル・ニドレイの節。初めて知りましたが彼もユダヤ系なのでしょう。

Pablo Casals - Kol Nidrei (1923)

カザルスの弾いたコル・ニドライのSP録音。彼の人柄がよく現れた大らかでヒューマンな演奏です。しかしヘブライ語の意味を知っていると、「ニドライ」という響きには違和感が拭えず、何となく「ニコライ」を連想してしまうのは私だけでしょうか(笑)

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2010年1月29日 (金)

名曲Szol a kakas mar (Rooster is Crowing)

一昨日予告したハンガリアン・ジューの名曲Szol a kakas marにいってみます。この曲は、まず何よりMuzsikasの名盤「Maramaros - Lost Jewish Music of Transylvania」(Hannibalから初出 後にハンガリーのMuzsikasからもリリース)の2曲目の、マルタ・セバスチャンの歌唱で有名になったと思います。その悲愴美は筆舌に尽くせないほど印象的で、きーんと冷えたトランシルヴァニアの空気感も運んでくるかのような、更には匂いも感じさせるような曲でした。これぞハンガリー系ユダヤの秘曲と唸らせるものがありました。90年頃来日を果たしたムジカーシュの演奏も非常に素晴らしいものでしたが、この盤の出る前だったようで、このアルバムからは聞いた記憶がありません。ハンニバル盤が出たのは93年と、もう大分経ってしまいましたので、そちらでは最近入り難くなっているのが残念です。ハンガリー現地盤(ムジカーシュ自身のレーベル)は生きていたと思います。
この曲名、和訳すれば「雄鶏が鳴いている」となりますが、そのメロディ・ラインで思い出すのは、ユダヤ宗教歌で最も名高いKol Nidreでしょうか。コル・ニドレ(ドイツ語風に読むとコル・ニドライ)は、典型的なユダヤ旋法の一つ、Ahavo Rabo(「大いなる愛」の意味)旋法の歌。エキゾチックな増二度音程が悲しみを最大限に醸し出しています。いずれもユダヤ民族の運命を歌ったような悲劇的な調子ですが、そんなSzol a kakas marがハンガリーのユダヤ人の間では最も人気があったようです。この透徹した悲しみの歌については、まだ分らないことが多いです。また何か分ったら書いてみたいと思います。そう言えば、往年のシャンソン歌手ダミアが歌った「暗い日曜日」の原曲は、ハンガリーの歌でした。この歌のムードに似たものがあるようにも思います。
ムジカーシュ&シェベスチェーン・マールタの映像は見つかりませんので、今日は他のトラッド・グループやカントールたちの演奏でどうぞ。

szól a kakas már

SOL O KOKOSH -מקהלת החזנים הירושלמית - בודפשט 2004

Nikolsburg Rebbe singing Sol-A-Kokosh

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2010年1月28日 (木)

Ale BriderとShnirele Perele

今日はクレズマティクスの名曲アレ・ブリデルとシュニーレレ・ペーレレ。おそらくクレズマーの全楽曲の中でも屈指の有名曲でしょう。
アレ・ブリデルはクレズマティクスの1stアルバムShvaygn=Toyt収録。95年頃には梅津和時さん率いる日本初のクレズマー・バンド、ベツニ・ナンモ・クレズマーの演奏で日本でもかなり人気があったと思います。英訳すればWe`re all brothers.となり、ユダヤ版We are the Worldと言えるのでは、なんてコメントをつけたことも昔々ありました(笑) ライナーノーツによると、Winchevskyによる1890年のイディッシュ語の詩が民謡化し、特にJewish Socialist Celebrationで人気があったとのこと。
シュニーレレ・ペーレレは、クレズマティクスの2ndアルバムrhythm+jews収録。和訳すれば「真珠の弦」です。ペーレレというのがパールに似てることは、綴りからすぐ分かるかと思います。ダヴィデ王の竪琴をイメージした曲でしょうか、伝統的なハシディック・メロディをクレズマティクスがアレンジしたようです。雨後の虹を想起させるような、カタルシスを感じさせる感動的な一曲です。
95年頃から東京辺りではクレズマー・ブームがにわかに沸き起こりましたが、その後9.11など色々な出来事を経て、いつの間にかブームもかなり沈静化したように(東京では?)見受けられました。個人的にも少し距離が出来てしまっていましたが、この2曲を聴くとその頃を懐かしく思い出すと同時に、クレズマー楽曲の価値は何ら変ってないことに気付かされます。

クレズマーの音源情報はこちら

The Klezmatics - Ale brider

The Klezmatics with Joshua Nelson "Shnirele, Perele"

Ale brider (trad. Yiddish)

アレ・ブリデルの異演を一つ。Klein Judit sings traditional Yiddish songs accompanied by Neumark Z. at Spinoza bar in Budapest, on 18th September 2008

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2010年1月27日 (水)

Geven Amol Iz A Shtetl

次はハンガリアン・ジューの有名な歌に行こうかと思っていましたが、今日は何やら疲れて時間も押しているので、スクラムバーグの歌った有名なイディッシュ・ソングを上げておきます。最近アップしている彼の歌唱はヘブライ語がらみの歌が多く、こういう往年の物悲しいタイプはかえって珍しく思います。ホロコースト前夜のシュテトル(ユダヤ人集落)での悲哀がひしひしと感じられる曲です。どれか忘れましたが、クレズマティクスかソロ・アルバムの冒頭を飾っていた歌だったようにも思います。(長い解説文もそのまま転載しておきます)

Yiddish Song "Geven Amol Iz A Shtetl"

MyZeidi Yiddish Song "Geven Amol is a Stetl" by Beyle Schaechter-Gottesman.
http://www.Myzeidi.com
She was born in Vienna into an Eastern-European, Yiddish-speaking family; her family left for Czernowitz, Ukraine (then Romania) and settled there when Schaechter-Gottesman was a young child. She was brought up in a multi-lingual environment that included Yiddish, German, Romanian, and Ukrainian; she also studied French and Latin at school. They were a singing family and her mother, Lifshe Schaechter, was known for her wide folk repertoire. Schaechter-Gottesman was sent to Vienna for art lessons, but was forced to return to Czernowitz when the Germans invaded Austria in 1938. In 1941 she married a medical doctor, Jonas (Yoyne) Gottesman, and together they lived out the war in the Czernowitz ghetto, along with her mother and several other family members.
After the war, Schaechter-Gottesman lived several years in Vienna, where her husband had a chief position ("Chefarzt") in the DP camps in the area. Their daughter Taube was born there in 1950; the family moved to New York in 1951, where the Gottesmans had two other children, Hyam and Itzik. In New York the Gottesmans took part in an experimental Yiddish community in the Bronx, centered around Bainbridge Avenue. There a half-dozen Yiddish-speaking families bought adjacent houses and reinvigorated the existing Sholem Aleichem Yiddish School. Schaechter-Gottesman became an important member of this community, writing classroom materials, plays and songs for the school as well as editing a magazine for children ("Kinderzhurnal") and a magazine of children's writings ("Enge-benge").
Schaechter-Gottesman's first book of poetry, "Mir Forn" (We're Travelling) appeared in 1963. Her books, eight in total, have appeared regularly since then. They include poetry for adults, children's books and song books. She has recorded three CDs of her songs and one recording of folk songs. Her work does not revolve around a single theme but ranges widely from Eastern European subjects to contemporary New York, and from lighthearted children's fare to such sombre reflections as "Di Balade Funem Elftn September" (The Ballad of September 11th). Her best-known single work is "Harbstlid" (Autumn Song). Schaechter-Gottesman's songs have been performed by Theodore Bikel, Adrienne Cooper, Theresa Tova, Lucette van den Berg, Michael Alpert, Lorin Sklamberg, Sharon Jan Bernstein, Fabian Schnedler, Massel-Tov and others. A song written for her nephew, "Binyumele's Bar Mitsve", was adapted by Adrienne Cooper for her daughter as "Sorele's Bas Mitsve" and was recorded on the CD Mikveh.
Schaechter-Gottesman continues to serve as a resource for researchers of both Yiddish folk and art music. She has been recorded and interviewed numerous times and participated in such cultural events as KlezKamp, KlezKanada, Buffalo on the Roof, Ashkenaz, and Weimar KlezmerWochen. "
In 1998 Schaechter-Gottesman was inducted into the People's Hall of Fame at City Lore in New York; and in 2005 she received a National Endowment for the Arts Heritage Fellowship, one of the highest cultural honors given by a United States government agency. She was the first Yiddish poet or musical figure to receive this honor.

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2010年1月26日 (火)

スクラムバーグのハシディック・ソング

昨日の一本、不思議な映像から思わずカバラーを連想してしまいましたが、彼らとしてはハシディック・ソングとして演奏しているようです。まぁハシディックの根っこはカバラーですから、当たらずとも遠からずでしょう。ジョン・ゾーンのレーベル、ツァディク(Tzadik)から出たTsuker-Zis ("sugarsweet"の意味)の09年のアルバムからの一曲でした。クレズマティクスの二人によるこのデュオは、ニグニーム・プロジェクトの3つ目のユニット。ニグン(母音唱法で歌われるハシッド派の賛歌の一種)の複数形ニグニームを冠しているように、クレズマーのルーツにある「歌」の部分を重点的に掘り下げる試みと考えていいのでしょう。ヘブライ的かつ神秘主義的な部分を深く覗き込んだような興味深い一曲でした。
そこでもう少し同じくフランク・ロンドンとロリン・スクラムバーグのハシディックで探したところ、ライヴ映像がありました。今日のは典型的なハシディック・ソングのイメージです。こちらはタイトルも歌詞もイディッシュ語だと思います。

Tzuker-zis featuring Lorin Sklamberg and Frank London

Tzuker-zis featuring Lorin Sklamberg and Frank London part 2

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2010年1月25日 (月)

スクラムバーグのカバラー・ソング?

スクラムバーグ~クレズマティクスの演奏に戻ります。先日興味深く見た一本で、タイトルにはGlorious are our G-dとあります。スクラムバーグの歌唱なのでクレズマー枠に入れましたが、歌詞は明らかにヘブライ語で、映像がユダヤ神秘主義のカバラーを連想させる摩訶不思議なものです。カバラーの思想は、同じくユダヤ神秘主義の一つである近世のハシディズムにも流れ込んでいますが、AD1世紀頃にまで遡りうるカバラーの生まれたのは東欧ではなく、古代の中東。13世紀のイスラム王朝下のスペインで完成された「ゾハル(光輝の書)」の原著者とされるAD2世紀のラビ・シメオン・ベン・ヨハイなどが重要人物です。クレズマーにおいてハシディズムの影響は絶対的なものがありますから、その淵源であるカバラー(「カバラ」と書かれることが多いですがヘブライ語的に正確に綴れば「カバラー」になると思います)との関係も当然の流れとして出てくるだろうと思っていました。伴奏にイスラーム世界の代表的な楽器ウードが用いられているのも、13世紀スペインに遡ることから、誠に似つかわしいイメージだろうと思われます。

Frank London/Lorin Sklamberg : Glorious are our G-d.

以上のような意味で、狭義のクレズマーからは逸脱した曲だと思います。Frank London/Lorin Sklamberg : Mighty, Blessed, Great, Prominent, Glorious, Ancient, Meritorious, Righteous, Pure, Unique, Powerful, Learned, King, Enlightened, Exalted, Brave, Redeemer, Just, Holy, Merciful, Almighty, Omnipotent is Our God. Album is Tsuker-zis.

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2010年1月24日 (日)

アラン・ベルンのアコーディオン

この人の名前は「アラン・バーン」と英語読みされることが多いと思いますが、クレズマーですから、どうしても「ベルン」とイディッシュ語読みしたくなります(笑)  クレズマーにおいてはクラリネットやヴァイオリンが花形楽器で、とかくアコーディオンは日陰の存在のような印象を持ってしまい勝ちのように思いますが、ブレイヴ・オールド・ワールド(BOW)においては、マイケル・アルパートと共に、このアラン・ベルンのアコーディオンが彼らの音楽の中核になっていたと思います。現代クレズマーのアコーディオン奏者ですと、クレズマー・コンサーヴァトリー・バンドのハンクス・ネツキーと並ぶ個性的な名手ではないかと思います。幸い彼のソロのyoutubeが色々ありましたので、今日は少しまとめてアップしておきます。マイケル・アルパートの一昨日見たのが彼の新しい方向性なのだとすれば、ベルンの今日のソロなどは、過去を懐かしんでいるようにも感じます。BOWの昔のアルバムからメドレーで弾いているところもありますが、走馬灯が回るように聞こえました。

Brave old world

Alan Bern: Accordion solo

Dr. Alan Bern plays a klezmer solo on accordion during Weimar Yiddish Winter. February 3, 2008

Guy Klucevsek & Alan Bern

スロヴァキア系アメリカ人のアヴァンギャルド音楽やポルカのアコーディオン奏者、ガイ・クルセヴェクとの共演。Guy Klucevsek & Alan Bern-Philadelphia, PA-Feb 22, 2008  a quick clip including parts of Psichotria Nervosa and The Girl With The Rose Hips

Sasha Danilov and Alan Bern

モスクワのクレズマー・バンドでしょうか? ヴェテランのベルンがキーボードで参加。

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2010年1月22日 (金)

ドニエプロペトロフスクのシナゴーグでのコンサート

マイケル・アルパートで更に見ていて、ウクライナのドニエプロペトロフスクのシナゴーグでのコンサート映像を幾つか見つけました。彼の歌だけでなく、フィドル・テクニックをたっぷり楽しませてくれます。伴奏モードに入ると、ヴァイオリンを縦に構え、脇に抱えるような格好で、ガッガッと弾いていますが、これはハンガリー農村ジプシーの弾き方そのもの。ブラームスのハンガリー舞曲を演奏する楽団員(農村ジプシー)がこの弾き方をしていて、80年頃TVで見た時たいそう驚いたものです。パールマンとの共演でブレイヴ・オールド・ワールドが弾いていた曲は「バサラビエ(ベッサラビア)」と言う曲(2ndアルバムのBeyond the Pale収録曲)でしたが、あれはルーマニアン・ジューイッシュ・スタイルのドイナ演奏の典型のようです。あの中でも立てて弾いていました。同じルーマニアでもハンガリー系が多いトランシルヴァニアのみで、南のワラキアや、東のモルドヴァでは、この弾き方はほとんど見かけないように思います。
彼らリヴァイヴァル・クレズマーの面々の近年の活動を見ていると、結構ロシアやウクライナなどでの公演が目立つのが興味深いところです。何かカラクリがありそうな気がします。映像から芸風の変化も色々見えてきますが、総じて言えるのはスクラムバーグのように、伝統(宗教性)への回帰では。あるいは、単に彼らも大分年を取った、ということでしょうか(笑)
さて数日前の宿題?で、SvetlanaのJe Vais Seul Sur La Route(路上に一人)や、Lu Hayiti Tzipor Kanafについての謎の究明がありますが、一部見えてきてはいますが、余りに次々面白い映像が見つかるもので、もう少し下調べしてからにしたいと思います。

Bob Cohen and Michael Alpert in Dneipropetrovsk

Bob Cohen(右)とMichael Alpert(左)のフィドル・デュオ。いやぁ、見事です。シナゴーグですから二人ともキパ(祈祷帽)を被っています。From a concert in the synagogue of Dneipropetrovsk, Ukraine - part of The Klezmer Cruise (see klezmercruise on Flickr). With Eric Stein on mandolin.

Limonchiki - Vanya Zhuk with Michael Alpert

イディッシュ語の部分は少しで、歌詞の大半はロシア語かウクライナ語のようです。ハシディックな雰囲気を強く感じる歌唱です。From a concert in the synagogue of Dneipropetrovsk, Ukraine - part of The Klezmer Cruise (see klezmercruise on Flickr). (Also seen: Guy Shalom on drums; Josh (SoCalled) Dolgin on accordion)

David Krakauer in Dneipropetrovsk

クレズマティクスのクラリネット奏者、デヴィッド・クラカウアーが登場。From a concert in the synagogue of Dneipropetrovsk, Ukraine - part of The Klezmer Cruise (see klezmercruise on Flickr). On his left are Michael Alpert and Bob Cohen. On his right are Alex Kanterovitch and Josh (SoCalled) Dolgin

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2010年1月21日 (木)

マイケル・アルパートのイディッシュ・シンギング

先日パールマンの時に95年頃のマイケル・アルパートの歌が出てきました。あの頃はブレイヴ・オールド・ワールドの中心人物でしたが、その前はカペリエにいた人です。ここまで見事なイディッシュ語歌唱が出来るのは、確か家族にイディッシュ語で話す人がいたから、ということだったように記憶しています。(どこに書いていたのかすぐに引っ張り出せませんでしたが・・) ブレイヴ・オールド・ワールドは3枚目のBlood Orangesまでは知っていましたが、Bless the Fireという4枚目のアルバムが出ていたようです。何とか入れたいものです。youtubeには新旧の映像が色々あって、驚きました。少し芸風の変遷を追ってみたいと思います。

M_Alpert, Yiddish Song

リヴァイヴァル・クレズマーの中心的グループの一つだったKapelyeでのマイケル・アルパート。

kapelye II

Itzhak Perlman plays Klezmer

先日のパールマンの映像を再度アップ。95年頃の映像で、冒頭に出てくるのがブレイヴ・オールド・ワールド。マイケル・アルパートは鶴田浩二のように耳に手を当てて歌っています(笑) この頃のアルパートのノリ、大好きなもので(^-^)

Michael Alpert performed at KlezFest Petersburg (2004)

先日アップしたスクラムバーグの映像の続編のようです。2004年サンクトペテルブルクでのクレズフェストでの演奏。若い頃より枯れた味わいが増したようで・・・・、良いですね。

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2010年1月20日 (水)

スクラムバーグの幅広い活動

スクラムバーグのクレズマティクスでの歌唱はまた後日にして、幾つか面白い映像を探してみました。
1本目はチェロを伴奏に迎えた歌唱で、歌詞はヘブライ語。旧約聖書の詩篇辺りでしょうか。一部詩篇第121編に似た文句(「全ての災いから守る」の意味のショメール・エット・ミコール・ラーという辺り)が出てきます。しかし、美しい旋律です。もし出典が分ったらまた後日アップします。
2本目では何とスクラムバーグが合唱の指揮をしています。歌詞はイディッシュ語のようですが、この美しいメロディはどこかで聞いたことがあるな、と思って調べてみました。オコラからCDも出ていたロシアの女性歌手SvetlanaのJe Vais Seul Sur La Route(フランス盤なので仏訳になっています)という曲では、と思います。お持ちの方は是非参照してみてください。このCDはソ連時代からの大衆歌曲(いわゆる「ロシア民謡」ではなく、俗っぽくもない歌が集められています)が中心のハイセンスな内容でした。
その中の一曲がイディッシュ語で歌われていて、しかもロリン・スクラムバーグが指揮しているということに、非常に驚きました。ソ連に住んでいたユダヤ系住民が亡命先(おそらくアメリカ)にもたらしたのでしょうか。

Lorin Sklamberg & Jessie Reagen Lu Hayiti Tzipor Kanaf

Pioneers for A Cure Concert Winter 2008
Lorin Sklamberg & Jessie Reagen Lu Hayiti Tzipor Kanaf / Sh'chav B'ni
PioneersforaCure.org

Aleyn in Veg - Lorin Sklamberg

The KlezFest Choir led by Lorin Sklamberg perform Aleyn in Veg at KlezFest 2007

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2010年1月19日 (火)

ロリン・スクラムバーグのシャローム・アレイヘムとニグン

昨日見たビデオの中に出てきたクレズマティクスですが、リヴァイヴァル・クレズマーの雄と言われて久しい存在。器楽の方でも注目のミュージシャンがいますが、やはり特に素晴らしいのはヴォーカルのロリン・スクラムバーグでしょう。クレズマティクス以外のセッションにも面白い作品が多く、最近のスーザン・マッコーエンとの一枚も良かったのですが、02年のTraditional CrossroadsからのアルバムZmiros Project(ズミロスとは、「賛歌」のような意味のヘブライ語「ズミロット」のイディッシュ訛り)辺りからでしょうか、ヘブライ語の宗教的な歌がよく出てくるようになりました。狭義のクレズマーから離れるような方向に向かうきっかけに何があったのか、気になります。
ユダヤ教宗教歌を取り入れたアルバムと言えば、クラリネット奏者のAndy StatmanとDavid GrismanによるSongs of Our Fathers(Acoustic Disc 1995)がありましたが、このエポック・メイキングな名作の影響があったのかも知れません。何故かと言いますと、両作品ともShalom Aleichemで始まっていますから、そんな推測をしてしまったのでした。この歌はユダヤ教の安息日(シャバト)に必ず歌われる歌で、アシュケナジームの代表的な旋律(幾つかヴァリエーションがあるようです)を両方で聞くことができます。スクラムバーグの歌唱は、歌詞はヘブライ語ですが、イディッシュ訛りの強い発音になっていて、その意味でも大変に興味深いものでした。Songs of Our Fathersではやはりシャバトの代表的な歌Adon Olamも聞くことが出来ます。アンディ・スタットマンは後日見ることにして、今日はスクラムバーグで、何本か宗教的な演奏を取り上げてみました。
クレズマー関係の音源はこちら

SHULOYM ALAYKHEM (KLEZFEST ST. PETERSBURG 2004)

04年サンクトペテルブルクでのライヴから、シャローム・アレイヘム(イディッシュ語の発音ではシュロイム・アライヘム)。直訳の意味は「あなたの上に平安を」となりますが、日常的には「こんにちわ」の意味で使われます。アラビア語のサラーム・アレイクムと文字を入れ替えただけというのが、よく分かるかと思います。スクラムバーグの右にはブレイヴ・オールド・ワールドのマイケル・アルパートがいますが、この両氏はリヴァイヴァル・クレズマー中で最高のイディッシュ語歌唱を聞かせる二人だと思います。

NIGN-by Lorin Sklamberg-

これも興味深い映像。コントラバスでハシディック・ニグンを演奏しています。バス歌手が歌っているかのようなエモーショナルな演奏です。ピアノはクレズマティクスのデヴィッド・クラカウアーのようにも見えます。スクラムバーグは編曲のみでしょうか?

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2010年1月18日 (月)

イツァーク・パールマンのクレズマー

今日は初めてクレズマーというカテゴリーでのアップです。844もアップしていてクレズマー枠が初めてなんて、自分でも信じられませんが(笑) 昨日はアミ・フラメールというクラシックのヴァイオリニストの演奏を見ましたので、今日もクラシックの演奏家、しかも大御所中の大御所イツァーク・パールマンです。この人のジューイッシュ・メロディ集など、昔々よく聞いたものですが、95年頃に彼とリヴァイヴァル・クレズマーの面々をフィーチャーしたIn the Fiddler`s Houseというシリーズがかなり話題になりました。CDでスタジオ録音とライヴ、それからビデオもありました。今日の一本目はその映像の中からのピックアップです。順に、ブレイヴ・オールド・ワールド~クレズマー・コンサーヴァトリー・バンド~クレズマティクスと、リヴァイヴァル・クレズマーの中心的グループと共演しているシーンが出てきます。久々に見ていると、二重三重に懐かしさを覚えます。現在はDVDでも出ているようで、久々に入れてみましょうか。

Itzhak Perlman plays Klezmer

KLEZMER PERLMAN\ ISRAEL ZOHAR\ ISRAEL PHILHARMONIC ORCHESTRA

音が大きいのでご注意下さい! こちらはイスラエル・フィルとの共演。イスラエル・フィルの首席クラリネット奏者だったイスラエル・ゾハルとのデュオ。ヴァイオリン、クラ共に、テクニック的にこれ以上のクレズマー演奏はないのでは。

1994 | Itzhak Perlman | John Williams : Theme to Schindler's List | Film Score

94年のスピルバーグの映画「シンドラーのリスト」のテーマ曲。これも懐かしい・・

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2010年1月17日 (日)

名盤Tendresses et Rage

先週から土日どちらかと書きましたが、土曜がブログお休みデーのようになっています。
今日もイディッシュ関係です。フランスの民族音楽レーベルの名門Ocoraから1985年に出たイディッシュ・ソングの名作Chansons Yiddish - Tendresses et Rage(優しさと狂奔、でしょうか?)で探してみました。クラクフ・ゲットーの有名な写真が非常に印象的なこのアルバムは、2年ほど前に再発されました。こちら 演奏はMoshe Leiser(歌とギター)、Ami Flammer(ヴァイオリン)、Gerard Barreaux(アコーディオン)の三人。モシェ・ライサーの切々とした弾き語りが良いのですが、アミ・フラメールのヴァイオリンも強く印象に残っています。この人、ウェーベルンやエネスコ、ヤナーチェクなどのヴァイオリン・ソナタを収録した盤も見かけましたが、特に有名なのはルイ・マル監督の映画「さよなら子供たち」への出演でしょうか。おどけた様子でサン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」を弾いていたのを覚えています。このイディッシュ・アルバムでの演奏は、数あるジューイッシュ・フィドラーの中でも出色のものの一つだと思います。彼らの録音の第2弾YankeleがフランスのOpus111から出てましたが、確か現在は入手不可になっていたようです。

Avreml

上記アルバムの一曲目。一昨日も登場したモルデハイ・ゲビルティヒの作曲です。

Drey Tekhterl (Drie Tachterlech)

同アルバム10曲目。これもゲビルティヒ作品でした。

Oyfn veg - chanson yiddish

こちらは3曲目。これもイディッシュ・ソングらしい哀感に溢れる曲。

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2010年1月15日 (金)

Zupfgeigenhansel

ツプフガイゲンハンゼル自体の演奏をまだアップしてませんでしたので、今日は彼らの演奏するイディッシュ関係のみいくつか見てみます。このグループはドイツや西欧のトラッドが専門のようですので、youtubeもそちらが多い訳ですが、ちらほらイディッシュ関係もみつかります。グループ名のガイゲは「ヴァイオリン」で、これは間違いないでしょうが、ツプフは「ひっぱる」でしょうか。その後のハンゼルというのが今ひとつ分りません。モジラの翻訳ソフトでは「頭金」と出てきましたが(笑)。「辻楽士」のような意味かと思っていましたが、どうでしょうか。
メンバーは一見ドイツ人のようですが、よく見るとユダヤ人らしき名前が散見できます。でないと、こんな見事なイディッシュの演奏はありえないように思います。
今日の2曲は、例のPlane(プレーネ)からのイディッシュ民謡集に入っていました。昨日の2曲ほどは重苦しくないですが、それでも十分に戦時中のイディッシュ・ソングの憂愁を味わえる歌です。プレーネ盤は古いので現在入手難になっているように思います。

Oj, Dort'n

Arbetlose Marsch

有名なイディッシュ詩人、モルデカイ・ゲビルティヒの詩と曲。Texte et musique: Mordechaj Gebirtig

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2010年1月14日 (木)

イディッシュ・パルティザン・リーダー

今日は例のドイツのクレズマー・グループ、ツプフガイゲンハンゼルのJiddische Liederから、対独パルティザンの歌として大戦中に歌われたイディッシュ・ソング2曲とハシディックな1曲目。このグループは今もやっているのかどうか調べていませんが、20年ほど前に初めて聞いたイディッシュ・アルバムですので、非常に強いインパクトを受けました。今日の3曲の内、しっとりした3曲目以外は他のグループの演奏でもよく聞きます。特にロミール・ズィヒ・イーベルベトゥンはハシディック的なノリの曲で、クレズマー曲としても知られているかも。他の2曲は戦火の中で歌われたことがひしひしと伝わってくる悲しい歌です。悲しみと涙をたっぷり含んだ旋律に胸を打たれます。最近のクレズマーのレパートリーには、こういう戦時歌謡的な歌を聞くことは減っているように思います。

Lomir sijch iberbetn - Friedenslied

典型的なホラのリズムのハシディックなナンバーです。「屋根の上のヴァイオリン弾き」(ハイアム・トポルがテヴィエ役の映画版)にも似た印象の曲が出てきました。

Warsaw Ghetto Uprising 1943 sung by Paul Robeson

ここで歌われているのは、ユダヤ・パルティザンの聖歌と言われたゾーク・ニシュト・ケインモル。Zog nit keynmolと書かれることが多いようですが、Sog nischt kejnmolとも綴られます。確か「決して諦めない」というような意味だったように記憶しています。
The Warsaw Ghetto Rebellion - April 19 - May 16, 1943
Sung by Paul Robeson at the 1949 Moscow Concert (live)
in Yiddish and historical pictures of the burning of the Ghetto by the Germans.

Schtil di Nacht is ojsgeschternt

カタカナにするならシュティル・ディ・ナハト・イス・オイスゲシュテルントでしょうか。独訳はStill, die Nacht ist voller Sterneとなります。画面に流れているのは独訳でしょう。女性の歌唱版もなかなか良いものです。メットヒェンがモイトとなるようですが、これはスラヴ系語彙では?

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2010年1月13日 (水)

トゥンバラライカ

ここ数日登場しているエステル・オファリームの歌唱は、見れば見るほど素晴らしく、どこか懐かしい感じも覚えます。60~70年代風というのは世界共通の雰囲気もあるように思います。彼女の歌はちゃんと取り上げてみようと思いますが、レパートリーの大半はヘブライ語の歌ですので、また後日にして、今日はトゥンバラライカというイディッシュ・ナンバーに行ってみます。この曲も色々なアルバムに収録されていて、イディッシュ・ソングをよく聞かれる方は、よくご存知だと思います。(イディッシュ・ソングの音源はこちら
以下に訳詩(水野信男著「ユダヤ音楽の歴史と現代」アカデミア・ミュージックより)を上げておきますが、この哀愁のメロディだけでなく、しみじみとした箴言風な歌詞もヘブライの智慧を感じさせる内容で素晴らしいです。バラライカが出てくるから、ロシア系のユダヤ民謡でしょうか。

彼;雨が降らなくても育つものは何?
  いつまで経っても燃え尽きないものは何?
  涙を流さずに泣けるものは何?

彼女:雨が降らなくても育つもの、それは石。
   いつまでも燃え尽きないもの、それは愛。
   涙を流さずに泣けるもの、それは心です。

   トゥンバラ、トゥンバラ、トゥンバラライカ

tumbalalaika spezzone prendimi l'anima roberto faenza

Pete Seeger & Ruth Rubin - Tumbalalaika (Dumbala Laika)

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2010年1月12日 (火)

Oyfn Pripetchik

昨日は急に腹の調子がおかしくなって、アップできませんでした(^^; ドナ・ドナに続いて、しばらく東欧系ユダヤ人(アシュケナジーム)の言葉、イディッシュ語の歌を巡ってみたいと思います。今日のオイフン・プリペチクも非常に有名な民謡で、確か映画「シンドラーのリスト」に出てきたように記憶しています。この映画には名曲「黄金のエルサレム」(こちらはヘブライ語の現代イスラエル歌謡)も使われていました。
オイフは英語のOn、ちょっと可愛らしい響きのプリペチクは「暖炉」の意味です。どこかペチカを思い出させますが、関係ありでしょうか? 以下の解説がFrancois Lilienfeld und Galizianer / Dayne Oygnのライナーノーツにありました。

「暖炉の前でラビが子供たちにアレフ・ベイス(ヘブライ語のアルファベット)を教えている。ヘブライ文字はただ単に意味のないシンボルであるだけでなく、それは涙と力と慰めをもたらすものだとラビは強調する」

 こういう一見淡々とした内容ですが、その旋律と歌の背景は何と哀切なことでしょうか。
イディッシュ語は元々ヘブライ文字で綴られますが、言語の骨格や響きとしては明らかにドイツ語で、語彙としてヘブライ語やスラヴ系言語(ポーランド語等)起源の単語が入っています。綴りにヘブライ文字のアレフが「ア」と「オ」、アインが「エ」、ユドが「イ」、ヴァヴが「ウ」の母音に当てられているのが特徴的です。セム系言語のヘブライ語には母音という考え方は元々明確にはありませんが、イディッシュ語のように母音を当てる所からして印欧語的と言えると思います。

Oyfn Pripetchik- yiddish song- Esther Ofarim

ドナ・ドナに続いてイスラエルの歌姫エステル・オファリームの歌唱。ここではイディッシュ語で歌っています。この人特有のリリカルで儚げな歌声は実にぴったりで、素晴らしいです。

All time favorite yiddish song. Music
and Lyrics by Mark Warshawsky.

イディッシュ語歌詞
Oyfn Pripetchik
(written by Mark Warshavsky)

Oyfn pripetchik brent a fayerl,
un in shtub is heys.
Un der rebe lernt kleyne kinderlakh
dem alef-beyz.

Zet zhe kinderlakh,
gedenkt zhe, tayere, vos ir lernt do.
Zogt zhe nokh a mol un take nokh a mol:
"Komets-alef: o!"

Lernt kinderlakh, lernt mit freyd,
lernt dem alef-beyz.
Gliklekh is der Yid, wos kent die toyre
un dos alef-beyz.

英訳
At the fireplace
(Yiddish Translation)

At the fireplace a little fire burns
And in the room it's warm.
And the Rabbi teaches little children
the aleph-bet

See you children-dear,
remember dear, what you're learning here.
Say once again, and then once again,
"Komets-alef: o!"

Children, learn with happiness,
learn the aleph-bet.
Lucky is the jew who knows the Torah.
and the aleph-bet.

Oyfn pripetshik

こういう子供の歌唱も、聞いているとウルウル来てしまいます。
Concert de musique Yiddish
Jeudi 12 février 2009
Lycée La Fontaine Paris

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2010年1月10日 (日)

ドナ・ドナ

クムラン関係の予定でしたが、イディッシュ関係でもう少し見ておきたいと思います。イディッシュ・ソングとして最も有名なのは「ドナ・ドナ」でしょう。余りイディッシュの歌とは知られてないかも知れませんが。この歌を世界的に有名にしたのは、アメリカのフォーク歌手ジョーン・バエズで、おそらく多くの方が中学頃に音楽の時間で歌われたと思います。一般には、子牛が市場に連れて行かれる情景を描いた哀れな歌とのイメージが強いと思いますが、実は深い意味が隠されていているのではという推測が既に有名になっているように思います。それは小岸昭氏の説ですが、氏の「マラーノの系譜」(みすず書房)によると、ドナ(donaj)は、ヘブライ語の「主」の意味のアドナイの頭のアが取れた形と考えられるようです。この詩の作者と言われるイディッシュ語作家のカッツネルソンは(ウィキペディアでは他の作詞者になっていますが)、第二次大戦中に彼の妻と二人の息子が捕えらる悲劇に見舞われています。息子たちが縛られ、荷車に乗せて強制収容所に送られていくさまを、彼は必死に耐えて見送ったのではないか、この詩はその場面を歌ったものではと。「アドナイ・アドナイ」(主よ、主よ)と口に出して言えないような限界状況下で、「ドナ・ドナ」と辛うじて心の中で叫んだ、彼の慟哭を刻んだ歌であることは間違いないようです。

Joan Baez - Donna Donna

Donovan - Dona, dona

フォーク歌手ドノヴァンによるドナ・ドナ。

Esther & Abi Ofarim - Dona Dona (audio only)

イスラエルの往年の女性歌手エステル・オファリームの歌唱。歌声は素晴らしいですが、残念ながらこれも英語です。

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2010年1月 8日 (金)

Dire Gelt (Yiddish)

昨日出てきたイディッシュ・ソング、Dire Geltを調べてみたらyoutubeが結構ありました。CDで思い出すのは、Ben ZimetやZupfgeigenhanselなどでしょうか。ベン・ズィメ(ズィメット?)は、仏Buda盤(Musique du mondeシリーズのかなり初期のリリース)を始め、女性歌手タリラとの秀逸な2枚組などもありました。この男性歌手はイディッシュ演劇の雰囲気を色濃く感じさせる歌手です。テヴィエ役などかなり似合いそうな雰囲気。ツプフガイゲンハンゼルは、ぐぐってみると1974年結成とのこと、なるほどリヴァイヴァル・クレズマーとちょっとカラーが違っていたように思います。この両者については、もし見つかったら、また後日アップしてみます。
今日の一本目のDOREL LIVIANUという歌手はルーマニアのユダヤ系のようです。ブカレストはイディッシュ演劇の一大中心地でしたから、その流れを濃厚に感じさせる歌手です。二本目の歌手についてはよく分かりませんが、前奏部分で弾いているフィドルの弱音部分の奏法には、はっとさせられます。なるほど、こういう弾き方もありだな、と。ルーマニアのドイナ風だけど過度に装飾的ではないゆったりしたラメントが美しいです。これはやはり歌の模倣なんだろうと思います。一本目と二本目は音量が全く違いますので、ご注意下さい。
さて、ジョン・ゾーン・マサダをよく聞いていた方、いかがでしょうか。そっくりな曲が思い浮かびませんか?(笑)
なお、今後は土日のどちらか一日、ブログは休む方向で行こうかと思います。週に一日程度は充電したく思いましてm(_ _)m

DOREL LIVIANU sings Dire Gelt - studio demo 7 of 34, recorded in Bucharest, Romania, May 1979 for Electrecord, Romania's official Record Label company - piano David Bogdan Livianu - A Jewish Song

DireGelt

Le Trio Perdu
Kevin Van Staeyen Violin
Jokke Schreurs Guitar
Pieter Vandeveire Double bass

This song is about a very common problem, all over the world there are bad landlords, high prices and much to complain about when you rent a house!

I got this song a long time ago from jan Robberecht. But it really is an old traditional song.

Dire Gelt is a song about bad landlords and paying rent.

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2010年1月 7日 (木)

再びバル・コフバ

正月特番を終えて、今日は年末の「マサダで年越し」で見たバル・コフバの他の映像です。マーク・フェルドマン(Vn)、エリック・フリードランダー(Vc)、ジョーイ・バロン(B)の弦楽トリオがとにかく素晴らしいです。マーク・リボーのギターもさすが。デレク・ベイリー張りと言えば近いでしょうか。
彼らの演奏は、ジューイッシュ・モードを中心に据えながら、ラテンなどの要素が風穴を開けているような印象。ユダヤ音楽独特の息苦しさのようなものを軽減しているように思います。彼らの演奏を聴いていて、イディッシュなどの元歌が想像付く場合もありますが、なかなかyoutubeでそれを探し出すのは困難です。14年ほど前、Store Daysに来店したJZに、「あの曲イディッシュ民謡のDire Geltに似てるよね」、と言っても本人はよく分からなかった様子でした。色々自身のルーツのユダヤものを聞いている内、いつの間にか即興素材として身に付けたのでしょうか。彼の中で元歌がどのくらい明確なのか、結局謎のままでした。

John Zorn - Khebar

この曲はハシディック・ニグン的な感じ?

John Zorn - Karet

John Zorn / Electric Masada - Karaim (part 2)

先日アップしたカライームの第2部。中間のマーク・リボーのソロが聞きもの。これはカントールの祈祷歌のような厳粛な印象。

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2010年1月 6日 (水)

「春の海」と鞆の浦

まだ辛うじて松の内ですので、お正月の定番中の定番の曲を上げておきます。宮城道雄の「春の海」は、広島県福山市の鞆の浦(とものうら)の風景に着想を得て書かれた曲。尺八と琴による演奏が有名ですが、尺八ではなくヴァイオリンが旋律を担当したこともあって、ルネ・シュメーと宮城道雄の演奏は世界的に人気を博したようです。この曲、お正月の間はどこに行ってもかかっていて、もう耳タコなんて思う方も多いかも知れませんが、洋楽の影響と民謡音階(昨日のヨナ抜き短音階とは対照的)の融合した類稀な名曲だと思います。彼の六段などの演奏も非常に素晴らしく、大お薦めです。地歌・筝曲コーナー
100102_17080001実は、その鞆の浦に2,3日に行ってきました。今治と尾道~福山は、しまなみ街道を挟んで向かい合っていて、2時間ほどで行けます。今度のNHK連ドラの龍馬の影響でしょうか、若い観光客をたくさん見かけました。古い町並みもとても良い感じで、高台にある沼名前神社に初詣に行きましたが、境内には秀吉も舞ったという能舞台がありました。階段にあった提灯が菊の御紋だったのには驚きました。鞆の町(地元の人は「鞆」と、一文字で呼んでいました)では動物たちものんびりと暮らしていて、「春の海」を聞いていると、そんな光景も思い出します。(写真は町中の神社の賽銭箱で日向ぼっこする猫)

日本の名曲 - 春の海 (宮城道雄)

[HD] 春の海 Haru no Umi / The Sea in Spring - 宮城道雄 Miyagi Michio / お正月

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2010年1月 5日 (火)

嘆きの夜曲

松の内は和もので行こうと思いますが、今日も奈良さんの歌で「嘆きの夜曲」。昨日の「悲しき~」とか今日の「嘆きの~」というイメージは、正月的ではないかも知れませんが(笑)
個人的には「悲しき竹笛」と並んで彼女のベスト3に入るかなと常々思っていた歌です。この曲も古賀メロで、最初は関種子吹き込みで昭和7年にリリースされ大ヒット。奈良光枝さんが昭和30年にリヴァイヴァル・ヒットさせました。オリジナルではヴァイオリンとチェロのカノン形式の伴奏が独唱を追っていきますが、奈良ヴァージョンは同じカノン形式でも、管楽器やマンドリン?を含めた編成になっています。関種子の歌が佐藤千夜子にも似た感じのモボ・モガの雰囲気を残したような割とあっさりした歌唱なのに対し、奈良さんの歌唱は陰翳に溢れる憂いの絶唱と言っていいのでは。特にyoutubeの昭和40年代録音と思われる歌唱は、円熟の味わいを聞かせます。今日は奈良、関、両ヴァージョンをアップしておきます。
この歌を聴きながら東北の若い女性が服毒自殺した事件があったそうで、作曲者はそれを知って大変にショックを受けたと語っています。さもありなんと思えるような悲痛な絶唱だと思いますが、何とこの歌の原曲は沖縄にあるとの説があるようです。メロディはヨナ抜き短音階ですから、本土のメロディと見るのが自然ですが、確かに最近出た宮古島の4枚の南嶋シリーズにも、沖縄には意外とも思えるヨナ抜き短音階が聞き取れたように思いますから、沖縄本島ではなく宮古の民謡なのかも。更に考えてみれば、遠くジャワ島のスンダ地方にもヨナ抜き短音階そっくり(そのもの?)の音階がありますから、宮古の場合は南方から来たのかも知れません。(参考資料:コロムビア「SP盤復刻による懐かしのメロディ 奈良光枝」の森一也氏の解説)

嘆きの夜曲 唄ー奈良光枝

嘆きの夜曲 関種子

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2010年1月 4日 (月)

「悲しき竹笛」再び

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。元旦にアップできなかったので、大晦日以来になります。ようやくカタログ発行を済ませ今はすっきりした気分ですが、逆にブログやmixiは年明けしてからほとんど全くノータッチ状態でした。ここ2年ほど正月にはナツメロを取り上げていましたので、ユダヤ・シリーズ(今回は長期化する予感)を少しお休みして今年もナツメロに行ってみます。元々一部のナツメロは大好きで、よくカラオケでも高田浩吉や東海林太郎(名月赤木山や旅笠道中)、市丸さんの歌などを歌ったりしますが(あんた一体何歳?とよく言われてまして(笑))、今年も奈良光枝さんの映像で。実は当ブログのアクセス・ランキングのかなり上位に奈良さんの記事が上がってきていて、私自身非常に驚いていました。前にアップしていて削除されてしまった1971年の近江俊郎(74年頃の欽ちゃん司会のオールスター家族対抗歌合戦の審査員の一人でした)とのジュエット(コロムビア・トップさんの発音w)が再度上がってきていましたので、今日は迷わずこれに決めました。コピーでしょうか、ちょっと映像が悪いですが、この上ない美しさは十分に堪能できると思います。立ち姿の美しさと日本的な風情、哀切かつ甘美な節回しとメロデー(古賀政男作曲)、どれをとっても最高だと思います。昔日の、かくも美しい風情はどこにいってしまったのでせうか。

近江俊郎、奈良光枝 悲しき竹笛 1971

昭和21年のヒット曲。
一説では闇市でもっともよく流れていた楽曲とも言われています。
ここでは貴重な、近江・奈良の創唱者コンビの歌声で。
それにしても奈良さん美人薄命という言葉がしっくりきます。(ビデオの解説文)

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