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2010年1月 5日 (火)

嘆きの夜曲

松の内は和もので行こうと思いますが、今日も奈良さんの歌で「嘆きの夜曲」。昨日の「悲しき~」とか今日の「嘆きの~」というイメージは、正月的ではないかも知れませんが(笑)
個人的には「悲しき竹笛」と並んで彼女のベスト3に入るかなと常々思っていた歌です。この曲も古賀メロで、最初は関種子吹き込みで昭和7年にリリースされ大ヒット。奈良光枝さんが昭和30年にリヴァイヴァル・ヒットさせました。オリジナルではヴァイオリンとチェロのカノン形式の伴奏が独唱を追っていきますが、奈良ヴァージョンは同じカノン形式でも、管楽器やマンドリン?を含めた編成になっています。関種子の歌が佐藤千夜子にも似た感じのモボ・モガの雰囲気を残したような割とあっさりした歌唱なのに対し、奈良さんの歌唱は陰翳に溢れる憂いの絶唱と言っていいのでは。特にyoutubeの昭和40年代録音と思われる歌唱は、円熟の味わいを聞かせます。今日は奈良、関、両ヴァージョンをアップしておきます。
この歌を聴きながら東北の若い女性が服毒自殺した事件があったそうで、作曲者はそれを知って大変にショックを受けたと語っています。さもありなんと思えるような悲痛な絶唱だと思いますが、何とこの歌の原曲は沖縄にあるとの説があるようです。メロディはヨナ抜き短音階ですから、本土のメロディと見るのが自然ですが、確かに最近出た宮古島の4枚の南嶋シリーズにも、沖縄には意外とも思えるヨナ抜き短音階が聞き取れたように思いますから、沖縄本島ではなく宮古の民謡なのかも。更に考えてみれば、遠くジャワ島のスンダ地方にもヨナ抜き短音階そっくり(そのもの?)の音階がありますから、宮古の場合は南方から来たのかも知れません。(参考資料:コロムビア「SP盤復刻による懐かしのメロディ 奈良光枝」の森一也氏の解説)

嘆きの夜曲 唄ー奈良光枝

嘆きの夜曲 関種子

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