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2010年1月22日 (金)

ドニエプロペトロフスクのシナゴーグでのコンサート

マイケル・アルパートで更に見ていて、ウクライナのドニエプロペトロフスクのシナゴーグでのコンサート映像を幾つか見つけました。彼の歌だけでなく、フィドル・テクニックをたっぷり楽しませてくれます。伴奏モードに入ると、ヴァイオリンを縦に構え、脇に抱えるような格好で、ガッガッと弾いていますが、これはハンガリー農村ジプシーの弾き方そのもの。ブラームスのハンガリー舞曲を演奏する楽団員(農村ジプシー)がこの弾き方をしていて、80年頃TVで見た時たいそう驚いたものです。パールマンとの共演でブレイヴ・オールド・ワールドが弾いていた曲は「バサラビエ(ベッサラビア)」と言う曲(2ndアルバムのBeyond the Pale収録曲)でしたが、あれはルーマニアン・ジューイッシュ・スタイルのドイナ演奏の典型のようです。あの中でも立てて弾いていました。同じルーマニアでもハンガリー系が多いトランシルヴァニアのみで、南のワラキアや、東のモルドヴァでは、この弾き方はほとんど見かけないように思います。
彼らリヴァイヴァル・クレズマーの面々の近年の活動を見ていると、結構ロシアやウクライナなどでの公演が目立つのが興味深いところです。何かカラクリがありそうな気がします。映像から芸風の変化も色々見えてきますが、総じて言えるのはスクラムバーグのように、伝統(宗教性)への回帰では。あるいは、単に彼らも大分年を取った、ということでしょうか(笑)
さて数日前の宿題?で、SvetlanaのJe Vais Seul Sur La Route(路上に一人)や、Lu Hayiti Tzipor Kanafについての謎の究明がありますが、一部見えてきてはいますが、余りに次々面白い映像が見つかるもので、もう少し下調べしてからにしたいと思います。

Bob Cohen and Michael Alpert in Dneipropetrovsk



Bob Cohen(右)とMichael Alpert(左)のフィドル・デュオ。いやぁ、見事です。シナゴーグですから二人ともキパ(祈祷帽)を被っています。From a concert in the synagogue of Dneipropetrovsk, Ukraine - part of The Klezmer Cruise (see klezmercruise on Flickr). With Eric Stein on mandolin.

Limonchiki - Vanya Zhuk with Michael Alpert



イディッシュ語の部分は少しで、歌詞の大半はロシア語かウクライナ語のようです。ハシディックな雰囲気を強く感じる歌唱です。From a concert in the synagogue of Dneipropetrovsk, Ukraine - part of The Klezmer Cruise (see klezmercruise on Flickr). (Also seen: Guy Shalom on drums; Josh (SoCalled) Dolgin on accordion)

David Krakauer in Dneipropetrovsk



クレズマティクスのクラリネット奏者、デヴィッド・クラカウアーが登場。From a concert in the synagogue of Dneipropetrovsk, Ukraine - part of The Klezmer Cruise (see klezmercruise on Flickr). On his left are Michael Alpert and Bob Cohen. On his right are Alex Kanterovitch and Josh (SoCalled) Dolgin

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コメント

大変ご無沙汰しております、
以前、コメントをさせていただいた
ブダペスト在住のsunです。

クレズマー・クルーズのビデオが!
うれしくて、しゃしゃり出てきてしまいました。
この旅はウクライナにルーツを持つ
DJ SoCalledの両親が企画した船の旅でした。
ドニエプル川を南下して黒海まで、
途中、寄港した街のシナゴーグや
ユダヤ系の学校を訪問して、コンサートを開いたり
乗船している間は、音楽やダンスの
ワークショップがありました。

ロシア、ウクライナ、モルドヴァなどでの
クレズマーの公演などが増えてきた理由のひとつは、
単純に、今まで行く事が難しかった国に、
比較的簡単にいけるようになった事、
また、そこに住むユダヤ系のミュージシャンとの交流が
増えてきた事などもあると思います。

投稿: sun | 2010年2月22日 (月) 22時50分

>sun様
貴重な現地情報を有難うございました。
日本にいるだけでは入ってこない情報で、嬉しい限りです。
そうですか。クレズマー演奏家の「里帰り」のようなものですね。ユダヤ系の人は、結構まだ彼の地にいらっしゃるのですね。それとも、91年以降に移住した人も多いのでしょうか。
DJ SoCalledについては、よく知らないので、調べてみたいと思います。

投稿: Homayun | 2010年2月24日 (水) 01時17分

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