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2010年1月10日 (日)

ドナ・ドナ

クムラン関係の予定でしたが、イディッシュ関係でもう少し見ておきたいと思います。イディッシュ・ソングとして最も有名なのは「ドナ・ドナ」でしょう。余りイディッシュの歌とは知られてないかも知れませんが。この歌を世界的に有名にしたのは、アメリカのフォーク歌手ジョーン・バエズで、おそらく多くの方が中学頃に音楽の時間で歌われたと思います。一般には、子牛が市場に連れて行かれる情景を描いた哀れな歌とのイメージが強いと思いますが、実は深い意味が隠されていているのではという推測が既に有名になっているように思います。それは小岸昭氏の説ですが、氏の「マラーノの系譜」(みすず書房)によると、ドナ(donaj)は、ヘブライ語の「主」の意味のアドナイの頭のアが取れた形と考えられるようです。この詩の作者と言われるイディッシュ語作家のカッツネルソンは(ウィキペディアでは他の作詞者になっていますが)、第二次大戦中に彼の妻と二人の息子が捕えらる悲劇に見舞われています。息子たちが縛られ、荷車に乗せて強制収容所に送られていくさまを、彼は必死に耐えて見送ったのではないか、この詩はその場面を歌ったものではと。「アドナイ・アドナイ」(主よ、主よ)と口に出して言えないような限界状況下で、「ドナ・ドナ」と辛うじて心の中で叫んだ、彼の慟哭を刻んだ歌であることは間違いないようです。

Joan Baez - Donna Donna

Donovan - Dona, dona



フォーク歌手ドノヴァンによるドナ・ドナ。

Esther & Abi Ofarim - Dona Dona (audio only)



イスラエルの往年の女性歌手エステル・オファリームの歌唱。歌声は素晴らしいですが、残念ながらこれも英語です。

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