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2010年3月10日 (水)

イエメン系のディワン Tsur Menati

イエメン系ユダヤ人の名歌手ショシャナ・ダマリの映像も素晴らしい内容のものが多く、選択に困るほどです。今日は伝承歌謡ディワンの名曲ツール・メナティと、類似の曲も一つ上げておきます。ツール・メナティは無伴奏のフリーリズムで朗々と歌われる典型的なディワンで、一本目の冒頭に出てくるオフラ・ハザの歌唱はワールド・ファンにはよく知られていたと思います。この映像には、オフラ・ハザ~シュロミート・レヴィ~ショシャナ・ダマリと3人の歌手が順に登場します。やっぱりショシャナ・ダマリの歌唱は、ど迫力! 映像にはオフラ・ハザとショシャナ・ダマリのツーショットも出てきます。この曲はフランスのUnescoから90年にリリースされたJewish-Yemenite Diwan(現在は廃盤)の2曲目にも収録されていました。
伝承詩の「ディワン」とはペルシア語起源で、中世にアラブ人経由でユダヤ人世界に入った用語。ヘブライ語、アラム語、アラビア語の混じった歌詞を持ち、内容的には宗教歌と世俗歌の中間に位置します。ディワンの詩章は書き付けて保存されましたが、付随する旋律や踊りは、代々口承で伝えられました。
イエメン系ユダヤですが、セファルディーの一派と書かれているのをたまに見かけますが、これは間違いで、エルサレム第一神殿崩壊後(BC586年)、オリエントの各地に離散したミズラヒーム(東方系ユダヤ)のコミュニティーの一つ。アシュケナジームやセファルディームとは別の、オリエントのユダヤ・コミュニティーの一つになります。

Yemenite Music



Tsur Menati(神はわが居場所)

シャバジの詩。この詩は28節からなり、初めの23節はアラビア語、終わりの5節はヘブライ語とアラム語で書かれている。(この解説文は、上記ユネスコ盤が国内仕様発売された時の水野信男氏のライナーノーツから)



オフラ・ハザ~シュロミート・レヴィ~ショシャナ・ダマリの順で出てきます。Tzur Mentiと解説にありますが、Tsur Menatiのことです。



コメントにname Khan comes from Cohen=priest.という書き込みがありました。古代ヘブライのコヘン→ハザールのカガン→中央アジアの遊牧社会の君主(ハーン)、ということでしょうか。興味深くはありますが真偽の程は?
脱線ついでに、15年ほど前にカッチーニのアヴェ・マリアなどを歌って一世を風靡したカウンター・テナー歌手スラヴァの本名は、ヴィアチェスラフ・カガン・パレイでした。

Tzur Menti



オフラ・ハザの歌唱でもう一本。Tsur Menatiは、彼女の大ヒットアルバム「イエメン・ソングス」の4曲目に収録されていました。

Shoshana Damari - Im Ninalu שושנה דמארי - אם ננעלו



このIm Ninaluも有名な曲で、オフラ・ハザの「イエメン・ソングス」では一曲目を飾っていました。

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